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二十七回目
「できたぞ!」
「あら、ルー無しでつくったの?」
「っふ。スパイスがあったから使わせてもらった」
「意外ね。料理できるのね、あなた」
「おまえが寝込んだら看病が必要だろ?」
「寝込んでいたら、スパイシーなものは食べないけどね」
「まぁ、一通り何でもできるぜ!」
「一家によって一台ほしいわね」
「お前のところだったらいつでも来るぜ!」
「それは遠慮しておくわ」
「さぁ、食べてみてくれ」
「ん、んんっ! あ、熱いわ」
「さっきまで鍋で煮込んでいたからな」
「はぁはぁ……。もぅだめ」
「そんなこと言うな! もう少しがんばるんだ」
「お願い、ちょうだい」
「全部飲み込んだらいいぞ!」
「飲んだわ。早く、我慢できないのよ。水を……」
「しょうがないな。そんなに辛かったのか?」
「辛過ぎよ。私はいつも甘口なのよ」





