表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とりとめのない日のこと  作者: 真那斗
2/3

二日目




私は、ここ数年でおそらく初めてであろう、一人で移動していた。


普段なら、洋介が居る、のに。


今は居ない。


大事な何かを無くした様な感じがして、とても落ち着けない。


別に、死んでしまってもう会えないと言う訳でも無いのに。


「なんか、つまんない」


独り言が、口をついて出る。


いつもは、ただなんとなく、心が晴れないのだが。


今日は、とても落ち込んでいる。


はっきりと、心が晴れない。


こんなのは、今迄で初めてだ。


洋介の事、見かけたら取っ捕まえてうんざりする位色々と言ってやりたい。


でも、あいつは。


しばらく、一人にしてくれって言った。


しばらくってどれくらいよ。


あんまり勝手過ぎるんじゃないの?


……でも、今すぐに取っ捕まえる、と言う訳にも行かない。


洋介は、断られたと思って、気持ちの整理をつけようとしてるんだと、思う。


なら、私は?


私自身が、気持ちの自覚したりしてなきゃ、洋介に何も言えなくなるんじゃないの?


そう思うと、しなければならない事は、結構色々あった訳で。


いつもなんとなく晴れなかった心が、今完全な曇り空になったことを自覚し始めた。


私自身は、洋介の事、嫌いではないのだ。


かと言って、そう言う対象としてじっくり考えて見た事は今迄無かったのだ。


そう言う気持ちを、知らないだけなのかも知れないし、気づいていないだけで、もう持っているのかもしれないし。


……もう持ってるとしたら、それって洋介になる訳よね?


一緒に居て、楽しいのは楽しいのよね。


気は楽で居られるし。


その洋介に、好かれていると思ったら、少し嬉しくなってきた。


心の空にある雲が薄くなり始めている気がしだした。


はっきりと自分の気持ちを自覚しだす。


途端。


この状況が、とてもまずいんじゃないかと、頭が回り始める。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ