表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/116

関係のない話

 家に帰った後は、適当に次の日の準備をして寝るだけだ。


 起きれば次の日がやってくる。


 そして、いつものように学校に向かう。


 無論、その間も誰かと学校に行くとかそういうことはない。


 一人だ。クラスの中に入っても誰も話しかけてくることはない。

 

 そして、俺は自分の席に腰を下ろす。


 まるでそれこそ、自分のあるべき場所に戻ってきたような感覚だ。


 俺はまた昨日と同じように窓の外を眺める。


 きっと……こんな感じが永遠に続いていくのだろう。


 成長して会社に入っても、俺はきっと孤独なのだから。


 そのことにはちっとも絶望してはいない。


 無論、世間体は悪いだろうが、俺はそこまでそんなことを気にするタイプではない。


 だから、このままでいい……俺はそう思いながら満足気に窓の外を見ていた。


 隣からは、相変わらずチャラいグループの会話が聞こえてくる。


 ふと、見ると、その中に一人、なんだか冴えない眼鏡の男がいた。


 いや、彼も俺に冴えないとか言われたくないだろうけど……とにかく冴えない感じだったのだ。


 眼鏡の彼はクラスメイトだが……名前がわからない。そもそも、チャラいグループの奴らの名前も、俺は覚えていないのだが。


「ちょ、ちょっとやめてくれよな~」


 彼は……チャラいグループの一人にヘッドロックを受けていた。


 結構辛い感じで決まっていたのだが、彼はヘラヘラと笑っていた。


 ああ……これが、彼の立場か、と俺は思う。


 無論、俺にそんな偉そうなことが言えた立場ではない。


 だけど、彼はあんな立場でも選んだのだ。俺は瞬間的にそう思ってしまった。


 俺はすぐに目を逸した。そもそも、俺には関係ないことなのだ。


 あの眼鏡の彼とも話したこともないし、チャラいグループとも関わり合いだってもちたくない。


 そう思って再び窓の外に目を向けたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ