関係のない話
家に帰った後は、適当に次の日の準備をして寝るだけだ。
起きれば次の日がやってくる。
そして、いつものように学校に向かう。
無論、その間も誰かと学校に行くとかそういうことはない。
一人だ。クラスの中に入っても誰も話しかけてくることはない。
そして、俺は自分の席に腰を下ろす。
まるでそれこそ、自分のあるべき場所に戻ってきたような感覚だ。
俺はまた昨日と同じように窓の外を眺める。
きっと……こんな感じが永遠に続いていくのだろう。
成長して会社に入っても、俺はきっと孤独なのだから。
そのことにはちっとも絶望してはいない。
無論、世間体は悪いだろうが、俺はそこまでそんなことを気にするタイプではない。
だから、このままでいい……俺はそう思いながら満足気に窓の外を見ていた。
隣からは、相変わらずチャラいグループの会話が聞こえてくる。
ふと、見ると、その中に一人、なんだか冴えない眼鏡の男がいた。
いや、彼も俺に冴えないとか言われたくないだろうけど……とにかく冴えない感じだったのだ。
眼鏡の彼はクラスメイトだが……名前がわからない。そもそも、チャラいグループの奴らの名前も、俺は覚えていないのだが。
「ちょ、ちょっとやめてくれよな~」
彼は……チャラいグループの一人にヘッドロックを受けていた。
結構辛い感じで決まっていたのだが、彼はヘラヘラと笑っていた。
ああ……これが、彼の立場か、と俺は思う。
無論、俺にそんな偉そうなことが言えた立場ではない。
だけど、彼はあんな立場でも選んだのだ。俺は瞬間的にそう思ってしまった。
俺はすぐに目を逸した。そもそも、俺には関係ないことなのだ。
あの眼鏡の彼とも話したこともないし、チャラいグループとも関わり合いだってもちたくない。
そう思って再び窓の外に目を向けたのだった。