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夢の話

 その日は最悪な夢を見た。


 よりにもよって……小学生の頃の夢だ。


 そこには、小さい頃の宮野も出てきた。


 小さい頃の宮野は俺に対して、俺が覚えている通りの笑顔を向けてきた。


 俺はそれを見て酷く安心した気分になった。


 俺は今一度あの笑顔を見ることができた……まるで達成感に似たような嬉しさが、夢の中だと言うのに沸き起こってきたのである。


 といっても、それだけだ。


 小さい頃の宮野が俺に微笑みかけるだけ……それだけの夢だった。


 俺はそれを夢だと認識していたし、今、俺に会いに来ている宮野がその笑顔をすることはないことをわかっていた。


 その理由は……なぜだろうか。


 俺のせいなんだろうか。俺が宮野を許さないから?


 いやいや。裏切ったのは宮野の方だ。それなのに、なぜ俺が宮野に気を使わないといけないのだろうか。


 そう思っている矢先……俺は目を覚ました。


 既に朝だった。俺はゆっくりと上体を起こす。


「……あれ?」


 そして、ある異変に気付いた。


 ふと、頬を撫でてみると、なぜか濡れているのだ。


「……泣いてる」


 どうやら俺は、なぜか寝ている最中に涙を流していたらしい。


 ……いくらなんでもバカげた話だと思った。


 なぜ、なく必要がある。俺は何を悲しむ必要があるんだ。


 俺は宮野のことを嫌い……それが全てじゃないか。


 それなのに……


「……学校行こう」


 ほとほとくだらないと思いながらも、俺は支度をして学校に行くことにした。

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