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不毛な話

　結局、宮野が何故来ているのかは聞き出せなかった。

　そもそも、宮野が午後の授業中に既に校門の前に立っている理由……それが未だにわからなかった。

　……聞き出そうと思えば聞き出せる……のだろうか。

　どうも宮野と喋るとどうにも冷静になれない……もっと自制しなければいけない……俺はそんなことを考えながら窓の外を見ていた。

　無論、校門にはまたしても宮野が立っている。

　宮野は何を思って俺を待っているのだろうか。俺を待っていても何も得にはならないではないか。

　授業中でもあるのに、俺は小さくため息を付いてしまった。

　そして、またしても何事もなく授業が終わってしまった。

　俺はまたすぐに立ち上がり、教室を出ようと思っていた。

　……いや。少し待て。ここで教室を出たらまたいつも通りではないか。

　教室で少し考えよう。宮野と会って、何を話すのか。

　俺は思い直して今一度座り直した。

　ふと、教室を見回すと、眼鏡の彼が所属しているチャラいグループが教室を出ていく。

　……まぁ、いつも通りに彼らはまたしても不毛にどこかに出かけるのだろう。

　俺には関係ないことだ……そう思いながら、また窓の外を見る。

　宮野は物憂げな顔で校門の前に立っている。

「不毛なのは……アイツも同じか」

　そう一人呟いて俺は、また宮野のことを眺めていたのだった。