2009年 9月 その2
変更履歴
2011/01/03 誤植修正 以外 → 意外
2011/04/19 記述統一 (期間)一日、二月、三年 → 1日、2月、3年
2011/05/03 記述統一 一回、二回、三回 → 1回、2回、3回
2011/05/16 記述統一 一つ、二つ、三つ → 1つ、2つ、3つ
2011/06/27 誤植修正 今だ → 未だ
2011/07/11 記述統一 一人、二人、三人 → 1人、2人、3人
2011/08/09 記述統一 一人ぼっち → 独りぼっち
2011/08/29 誤植修正 位 → くらい
2013/01/12 誤植修正 かなり強く振っていました → かなり強く降っていました
2013/01/12 誤植修正 この川原の上流か側から流れに乗って → この川原の上流から流れに乗って
2013/01/12 誤植修正 かなちゃんはお風呂入っていて → かなちゃんはもうお風呂に入っていて
2013/01/12 誤植修正 わたしの気を引こうとして → わたしの気を惹こうとして
2013/01/12 誤植修正 頭と背中をを撫でているうちに → 頭と背中を撫でているうちに
2013/01/12 句読点調整
2013/01/12 改行調整
2013/01/12 区切り行追加
2013/01/12 記述統一 友だち → 友達
2013/01/12 記述統一 居る・居ない → いる・いない
2013/01/12 記述統一 ひと通り・一通り → ひととおり
2013/01/12 記述統一 一人っ子 → ひとりっ子
2013/01/12 記述修正 こんな旅行とか遠出をするのは → こういう遠出をするのは
2013/01/12 記述修正 朝とお昼のお弁当を私が用意して → 朝とお昼のお弁当をわたしが用意している間に
2013/01/12 記述修正 借りた車は、小さなワンボックスカーだったんですが → 借りた車はいつもと同じ、小さな軽のワンボックスカーで
2013/01/12 記述修正 ナビが付いていたけど → 今日の車にはナビが付いていたけど
2013/01/12 記述修正 道は毎年行っているから → と言うのも、道は
2013/01/12 記述修正 別に必要にはなりませんでした → 別になくても分かるので
2013/01/12 記述修正 車の中で食べながら → 食べながら
2013/01/12 記述移動 いつも、お墓参りに行く時は早朝から出発しています。
2013/01/12 記述移動 道路が込む前に、向こうに着いてしまいたいのと、
2013/01/12 記述移動 お墓参りの後、親戚の家に寄ってから帰るので、
2013/01/12 記述移動 1日がかりの、ちょっとした里帰りになるんです。
2013/01/12 記述修正 私は車に乗る機会はあまり無いから → 私は車に乗る機会はあまりないから
2013/01/12 記述修正 この町に父の実家があって、そこで父は療養していました → この町に父の実家もあって、その近所の家に住んでいました
2013/01/12 記述修正 空き家となっています → どちらの家も空き家となっています
2013/01/12 記述修正 その家から → そこから
2013/01/12 記述修正 裏山の上にあるお墓までの道は → 裏山の上にあるお墓までは
2013/01/12 記述修正 実家の場所に車を止めて → 少し近い実家に車を止めて
2013/01/12 記述修正 この辺りには、山以外に何も無く → この辺りには山以外に何もなくって
2013/01/12 記述修正 ただ歩いているだけでも気分が良いです → ただ歩いているだけでも気持ちがいいです
2013/01/12 記述修正 いつも、かなり大変な事になっています → いつも、かなり大変な状態になっています
2013/01/12 記述修正 特に時期が秋のせいか、いつも雑草が大変な事になっていて → 周りが藪のせいか、雑草が蔓延ってしまい
2013/01/12 記述修正 かなちゃんの事について → かなちゃんのことについて
2013/01/12 記述修正 良い解決方法を授けて下さいと → 良い解決方法が思いつきますようにと
2013/01/12 記述結合 空き家の家まで、戻って来ました。 → 家まで戻って来た後は
2013/01/12 記述修正 この後は、昔いつも遊んだ乍川の河原へと向かいました → 昔いつも遊んだ乍川の河原へと向かいます
2013/01/12 記述修正 川の幅が広く浅くなっていて → 川の幅が広く浅くなっているからか
2013/01/12 記述修正 水はとてもきれいで、川底まではっきり見える程で → 水は川底まではっきり見える程、とても澄んでいて
2013/01/12 記述修正 流されていました → プカプカと浮かんで流されていました
2013/01/12 記述修正 覚えていないのだけど → 覚えていないけど
2013/01/12 記述修正 理由とか無くて → 理由とかはなくて
2013/01/12 記述修正 下流側で拾い上げてもらったんですけど → 下流で拾い上げてもらったんですけど
2013/01/12 記述修正 母にこの事が知られた時は → 母にこのことが知られた時は
2013/01/12 記述修正 父はこれを何度やっても → 父と一緒の時にこれを何度やっても
2013/01/12 記述修正 一度も叱られた事はありません → 一度も叱られませんでした
2013/01/12 記述修正 一度も溺れた事はないし → 一度も溺れたことはないし
2013/01/12 記述修正 溺れると思った事も、この乍川においては、無いんです → 溺れそうになったことも、ここではありません
2013/01/12 記述追加 やっぱり理由は判りませんが、幼いわたしには、
2013/01/12 記述追加 絶対に溺れないって言う自信があって、
2013/01/12 記述修正 父にはわたしの心が通じていたんだと → 父にはそんなわたしの心が通じていたんだと
2013/01/12 記述修正 父以外に下流で拾われる事も → 父以外に下流で拾われたことも
2013/01/12 記述修正 おじさんに魚をすくう網で救われていました → おじさんに魚を取る網で救われていました
2013/01/12 記述修正 父の弟に当たる人です → 父の弟に当たる人なんです
2013/01/12 記述修正 もうしばらくここにいるからと母に伝えて → もうしばらくここにいると母に伝えて
2013/01/12 記述修正 かなちゃんの事を、決断したかったんです。 → かなちゃんのことを、決断したかったから……
2013/01/12 記述移動 わたし以外には誰もいない、この川原で、
2013/01/12 記述修正 水面を眺めて、かなちゃんの事を考えていました → 水面を眺めつつ、考えていました
2013/01/12 記述修正 かなちゃんにぶつけるしか無いのでは → かなちゃんにぶつけるしかないのでは
2013/01/12 記述修正 思っている事をすべて話せば → 思っていることをすべて話せば
2013/01/12 記述修正 少なくともわたしの伝えたい事を → 少なくともわたしの伝えたいことを
2013/01/12 記述修正 期限は、わたしの中では → 時期としては
2013/01/12 記述修正 かなちゃんの家に行く事にします → かなちゃんの家に行くことにします
2013/01/12 記述修正 そう、決めました → ……そう、決めました
2013/01/12 記述修正 心の整理がついたので → 心の整理も出来たので
2013/01/12 記述修正 気持ちの整理が出来たおかげか → 悩みが晴れたおかげか
2013/01/12 記述追加 小さい頃は、返事する時や何かする時も、
2013/01/12 記述追加 まるで鏡に映っているみたいに、
2013/01/12 記述追加 全く同時に動いたり喋ったりする仕草が、
2013/01/12 記述追加 すっごく可愛かったんですけどね……
2013/01/12 記述修正 2人は今中学一年なんですが → そんな2人は中学一年なんですが
2013/01/12 記述修正 まるで男の子みたいな感じで → ボーイッシュって言うより、もっと男の子っぽい感じ
2013/01/12 記述修正 それ以外は全然似てない2人です → それ以外は全然似てません
2013/01/12 記述追加 今では2人とも、そっくりだと言われるのも嫌っぽくて、
2013/01/12 記述追加 あえてお互いに違うタイプになろうとしているみたいです。
2013/01/12 記述削除 2人とも、だんだん大きくなっているけど、
2013/01/12 記述削除 やっぱり双子のせいなのか、
2013/01/12 記述削除 身長はほとんど同じで、やっぱり顔つきも同じでした。
2013/01/12 記述移動 母がおじさん、おばさんと話をしている間、
2013/01/12 記述移動 わたしは、2人の部屋で話をしていました。
2013/01/12 記述修正 わたしは → わたしはいつものように
2013/01/12 記述修正 繰り返してばかりでした → 繰り返すばかりでした
2013/01/12 記述修正 割り込む隙が全く無いんです → 割り込む隙が全くありません
2013/01/12 記述修正 ずっと朗読しているかのようです → ずっと台本を朗読しているかのようです
2013/01/12 記述修正 ちょっと羨ましいなと思って黙って見ていたら → ちょっと羨ましいなと思いつつ黙って見ていたら
2013/01/12 記述修正 2人のケンカが止んで → ケンカは唐突に止んで
2013/01/12 記述修正 と聞かれました → と2人同時に聞かれました
2013/01/12 記述修正 2人に、何でもないよ、と伝えて → 2人に何でもないと伝えて
2013/01/12 記述修正 しばらく3人で話をしていたら → そしてまた、しばらく3人で話をしていたら
2013/01/12 記述追加 やっぱり、こういうのは、
2013/01/12 記述追加 双子じゃないと出来ないよなぁ……
2013/01/12 記述修正 わたしは、どうやら自分でも気づかないうちに → どうやらわたしは、自分でも気づかないうちに
2013/01/12 記述修正 笑っていたようで → 顔がにやけていたようで
2013/01/12 記述修正 野菜とか、釣った魚などのお土産を貰って → 野菜や釣った魚などのお土産を貰って
2013/01/12 記述修正 おじさんの所を後にしました → おじさんの家を後にしました
2013/01/12 記述結合 家に着く事が出来ました。 → 家に着いたので、
2013/01/12 記述修正 惠ちゃんとも話せたのもあるけど → 惠ちゃんとも話せたし
2013/01/12 記述修正 決心がつけられたのが、良かったです → 決心することが出来てよかったです
2013/01/12 記述修正 全てが決まります! → 全てが決まります。
2013/01/12 記述修正 すっかり書店の仕事を覚えたところだったのに → やっと書店の仕事を覚えたところだったのに
2013/01/12 記述修正 画材屋さんの方に戻る事になりました → 画材屋さんの方に戻ることになりました
2013/01/12 記述修正 今日は、夜に雨が降ると天気予報で言っていて → 今夜は雨が降ると天気予報で言っていて
2013/01/12 記述修正 かなり強く降っていました → もう降り始めていました
2013/01/12 記述移動 わたし、かなり長風呂なんです。
2013/01/12 記述結合 わたし、かなり長風呂なんです。 → わたしはかなり長風呂なので、
2013/01/12 記述修正 携帯が鳴りました → 携帯が鳴ったんです
2013/01/12 記述結合 相手は、かなちゃんでした。 → かけて来た相手は、かなちゃんだったので、
2013/01/12 記述修正 あ、みなもちゃん? → あー、みなもちゃん?
2013/01/12 記述修正 夜遅くにごめんね → 夜遅くにごめーん
2013/01/12 記述修正 あの → あのさー
2013/01/12 記述修正 でもそれは、いつもの明るさとは違うような → それはいつもの明るさとは違うような気もしますが
2013/01/12 記述修正 でもいまいち → いまいち
2013/01/12 記述修正 かなり驚いて → かなり驚いたわたしは
2013/01/12 記述修正 タバコ屋さんの小さな軒の下にいました。 → タバコ屋さんの小さな軒の下でしゃがんでいて、
2013/01/12 記述修正 雨で全身濡れてしまっていて → 雨で全身ずぶ濡れの
2013/01/12 記述修正 わたしの姿を見つけると → わたしの姿を見つけると立ち上がって
2013/01/12 記述追加 やっぱりなんか変だなぁ、かなちゃん、
2013/01/12 記述追加 どうしたんだろう……
2013/01/12 記述修正 とりあえずかなちゃんを、急いで家へと連れて行きました → ここでいくら考えても判らないし、このままだと風邪を引いちゃうから、とりあえず家へと連れて行くことにしました
2013/01/12 記述修正 今日花火大会があって → 「今日花火大会があって
2013/01/12 記述修正 それに行って来た帰りなんだよ → それに行って来た帰りなんだよぉ」
2013/01/12 記述修正 でもこの辺で → でも
2013/01/12 記述修正 かなちゃんは → そしてその本人は
2013/01/12 記述結合 お茶を入れながら、待っていました。 → お茶を淹れながら、待っていると、
2013/01/12 記述修正 かなちゃんは、わたしに謝っているけど → かなちゃんはわたしに
2013/01/12 記述分割 やっぱり、お酒臭いです、 → やっぱり、お酒臭い!
2013/01/12 記述修正 わたしはコップに水をいれて → わたしはコップに水を酌んで
2013/01/12 記述結合 かなちゃんの様子は変わりません。 → かなちゃんの様子は変わず、
2013/01/12 記述移動 お風呂や借りた服のお礼とか、迷惑かけた事を謝ったりしながら、
2013/01/12 記述修正 迷惑かけた事を謝ったりしながら → 迷惑かけたことを謝ったりしてましたけど
2013/01/12 記述追加 かなちゃん、お酒臭いから酔っ払っているのは、
2013/01/12 記述追加 多分間違いないと思うんだけど、
2013/01/12 記述追加 でも、なぁんか、ひっかかるんだよなぁ……
2013/01/12 記述修正 普段のかなちゃんからは考えられない行動は → 普段のかなちゃんから考えられない行動は
2013/01/12 記述修正 母がかなり酔っ払って帰って来る事は → どうしてかと言うと、母が酔っ払って帰って来るのは
2013/01/12 記述修正 かなちゃんの飲んでいる量は → それと比べると、かなちゃんの飲んでいる量は
2013/01/12 記述追加 個人差はあるかも知れないけど、
2013/01/12 記述修正 あんなになる程の、量ではないと思うんです → あんなになる程はないと思うんです
2013/01/12 記述修正 もうわたしは昨日 → もうわたしは
2013/01/12 記述修正 どういう意図でこんな事をしたのかも → どういうつもりでこんなことをしたのかも
2013/01/12 記述修正 へらへらしているかなちゃんの隣へ座って → ヘラヘラし続けているかなちゃんの隣へ座ると
2013/01/12 記述結合 両肩を掴んで正面を向かせました。 → 両肩を掴んで正面を向かせてから、
2013/01/12 記述修正 わたしは、まず酔っ払っているのは演技で → 酔っ払っているのは演技で
2013/01/12 記述修正 大して飲んで無いのは判っている → そんなに飲んでないのは判っている
2013/01/12 記述削除 わたしのこの行動は、かなちゃんには予想外だったらしく、
2013/01/12 記述削除 一瞬ですけど、素で驚く顔をしたのが分かりました。
2013/01/12 記述修正 演技を続けるかなちゃんに → 酔っ払った演技を続けるかなちゃんに
2013/01/12 記述修正 この質問にも → この、いきなり核心をついた質問にも
2013/01/12 記述修正 わたしから視線を外す回数と、時間は増えたと感じて → 動揺している証拠だと思える、視線を外す回数と、その時間は増えたと感じて
2013/01/12 記述修正 立ち上がった、かなちゃんの表情は → 立ち上がったかなちゃんは
2013/01/12 記述結合 今まで一度も見たことない顔、無表情でした。 → 今まで一度も見たことのない無表情のまま、
2013/01/12 記述削除 かなちゃんは、わたしを無表情で見下ろして
2013/01/12 記述修正 判らない → ……わからない
2013/01/12 記述修正 かなちゃんは一言つぶやいて → かなちゃんは一言つぶやいたと思ったら
2013/01/12 記述修正 どうしてみなもちゃんはあたしの事を好きにならないの? → どうしてみなもちゃんはあたしを好きにならないの?
2013/01/12 記述修正 わたしがかなちゃんの事を好きでないと思って → わたしがかなちゃんを好きでないと思って
2013/01/12 記述修正 『好きではない』と感じたのでしょうか → だから『好きではない』と感じたのでしょうか
2013/01/12 記述修正 と言いました → と言い返しました
2013/01/12 記述修正 人より上位にいようとするんだろう? → 人より上位にいようとするんだろう……
2013/01/12 記述修正 下位になるのを恐れているのか? → 下位になるのを恐れている?
2013/01/12 記述追加 なんか違うなぁ、そうじゃなくって、
2013/01/12 記述追加 上にいようとする方が、本心じゃなくって、
2013/01/12 記述追加 本当の気持ちを隠しているのかな……?
2013/01/12 記述修正 自分が甘える事は出来なくて → 自分が甘えることは出来なくて
2013/01/12 記述修正 多くの人から頼られる事自体が → 『多くの人から頼られること』自体が
2013/01/12 記述修正 本当の本心では、望んでいたはずのそれを → 本心では望んでいたはずなのに
2013/01/12 記述修正 何もかもぶつけた → 何もかもぶつけました
2013/01/12 記述修正 確信がある事も、推測でしかない事も、希望でしか無い事も → 確信があることも、推測したことも、希望でしかないことも
2013/01/12 記述修正 思っていた事を全部 → 思っていたことを全部
2013/01/12 記述修正 良く判らないけど → よく判らないけど
2013/01/12 記述修正 視線は外さないように頑張って → 視線は外さないように頑張ったし
2013/01/12 記述修正 視線をそのまま逸らさずに涙も拭わず → そのまま視線を逸らさず涙も拭わずに
2013/01/12 記述結合 ずっと黙って話を聞いていました。 → ずっと黙って話を聞いていましたが、
2013/01/12 記述修正 たまに見せていたような → それは普段でもたまに見せていたような
2013/01/12 記述修正 わたしも引く事は出来ません → わたしも引き下がる訳にはいきません
2013/01/12 記述修正 もう完全に → それはもう完全に
2013/01/12 記述修正 さっきから涙は止まらないし → ずっと涙は止まらないし
2013/01/12 記述修正 そういうと、かなちゃんは → そう言うとかなちゃんは
2013/01/12 記述結合 押し倒されました。 → 押し倒されて、
2013/01/12 記述修正 かなちゃんは、わたしに馬乗りになっていて → そのまま圧し掛かられてしまい
2013/01/12 記述修正 かなちゃんに押さえつけられてしまい → かなちゃんに押さえつけられて
2013/01/12 記述修正 わたしを押さえたまま → 馬乗りになってわたしを押さえたまま
2013/01/12 記述修正 と、言いました。 → と言われた時すぐに、
2013/01/12 記述修正 全てっていう言葉の意味は → 『全て』っていう言葉の意味は
2013/01/12 記述修正 文字通りの意味で、心も体も、という事なんだと思って、聞いていました → 文字通り、心も体もと言う意味なんだと気づいたんです
2013/01/12 記述修正 こういう展開は → こんな展開は
2013/01/12 記述修正 予想外の出来事で → 予想外の展開に
2013/01/12 記述修正 この時即答出来ず → 即答出来ず
2013/01/12 記述修正 かなちゃんは → するとかなちゃんは
2013/01/12 記述修正 押さえる手に力を込めて聞いてきました → 押さえる手に力を込めながら聞いてきました
2013/01/12 記述結合 かすかに震えを感じていました。 → かすかに震えを感じてよく見ると、
2013/01/12 記述修正 かなちゃんの表情には、良く見れば → かなちゃんの表情を良く見れば
2013/01/12 記述修正 わたしを睨んでいました → わたしを睨んでいるのも判りました
2013/01/12 記述修正 かなちゃんの覚悟を見たわたしは → かなちゃんの覚悟を理解したわたしは
2013/01/12 記述結合 素直になってくれる。 → 素直になってくれるかも知れないけど、
2013/01/12 記述修正 大した事はないのではないか → 大したことはないんじゃないか
2013/01/12 記述修正 かなちゃんの表情は、驚いてたらしく → この時かなちゃんは、わたしの返事に驚いたらしく
2013/01/12 記述修正 一瞬目を見開いた後すぐに元へと戻り、わたしに対して → 一瞬目を見開いたけど、すぐに元へと戻り
2013/01/12 記述修正 わたしに言いました → わたしに言ったんです
2013/01/12 記述追加 それだけでも、わたしはもう頭が真っ白になって、
2013/01/12 記述追加 心臓が破裂するんじゃないかって言うくらいの鼓動で、
2013/01/12 記述追加 きっとかなちゃんにも伝わっているだろうと思うと、
2013/01/12 記述追加 余計に意識してしまい、どんどん鼓動が速まる気がして、
2013/01/12 記述追加 もうこのまま死んじゃいそうです……
2013/01/12 記述修正 わたしは、いよいよ始まるのか → そんな状態だけど
2013/01/12 記述修正 待っていたのですが → 始まるのをじっと待っていたのですが
2013/01/12 記述修正 先程までの行動は全部 → さっきまでの行動が
2013/01/12 記述修正 最後の反撃だった事がここで判りました → 最後の反撃だったんだと悟りました
2013/01/12 記述修正 わたしがその事を理解して緊張が緩むと → わたしがそれを理解して緊張が緩むと
2013/01/12 記述結合 これじゃ眠れない。 → これじゃ眠れない、
2013/01/12 記述修正 とだけ言って、かなちゃんはわたしの上で眠ってしまいました → とだけ言ってかなちゃんは、そのままわたしの上で眠っていました
2013/01/12 記述修正 わたしは、無防備に眠っている、かなちゃんの顔を見ながら → すっかり無防備に眠っている、そんなかなちゃんの顔を見ながら
2013/01/12 記述修正 頭と背中をを撫でている内に、いつの間にか眠っていました → 頭と背中をを撫でているうちに、いつの間にかわたしも眠ってしまいました……
2013/01/12 記述修正 一件入っていました → 1件入っていました
2013/01/12 記述修正 自分のした事が正しかったんだと → 自分の考えが正しかったんだと
2013/01/12 記述結合 ここで実感する事が出来ました → ここで実感することが出来たと喜んだ途端、
2013/01/12 記述修正 そう思ったら → また涙がボロボロ出て来て
2013/01/12 記述修正 朝から1人でめちゃめちゃ泣いてしまいました → 朝から1人でメチャメチャ泣いてしまいました
2013/01/12 記述修正 本当に本当に良かったです!!!!! → 本当に本当に良かったです!!!
9月21日 お墓参り
いつも、お墓参りに行く時は早朝から出発しています。
道路が込む前に、向こうに着いてしまいたいのと、
お墓参りの後、親戚の家に寄ってから帰るので、
1日がかりの、ちょっとした里帰りになるんです。
今日は朝の6時に起きて、
朝とお昼のお弁当をわたしが用意している間に、
母は、24時間営業のレンタカー屋さんから、
車を借りてきて、7時には出発しました。
このお墓参りだけは、普段は仕事で忙しくて、
あまり家にいない母も、なんとか時間を作って、
毎年行っています。
母と一緒に、こういう遠出をするのは、
今ではこのお墓参りだけです。
借りた車はいつもと同じ、小さな軽のワンボックスカーで、
今日の車にはナビが付いていたけど、
母もわたしも使い方が良く分からなくて、
結局、使わずに出発しました。
と言うのも、道は2人とも覚えているので、
ナビは、別になくても分かるので。
普段、私は車に乗る機会はあまりないから、
年に一度のドライブは、とても楽しいです。
いつも、助手席に乗っている時は、
朝ごはんのおにぎりを食べながら、
ドアの窓を全開にして、空や遠くの景色を眺めています。
18歳になったら、免許を取って自分で運転して、
遠くへ行ってみたいなぁ……
・ ・ ・
前に住んでいた町には、大体3時間くらいで到着しました。
そこは、最近隣の村と合併して町になっていますが、
私が住んでいた頃は村で、まさに田舎の村そのものな所でした。
町になった今も、雰囲気は前と変わっていなくて、
のどかで寂れた感じが、わたしは好きです。
町の周りは山に囲まれていて、その山の中を流れているのが、
わたしが小さい頃によく遊んだ、乍川です。
この町に父の実家もあって、その近所の家に住んでいました。
今はもう、父の両親も亡くなっていて、誰もいなくなり、
どちらの家も空き家となっています。
そこから歩いて5分くらいの所に、
父や、ご先祖様が眠るお墓があります。
裏山の上にあるお墓までは、車は入っていけない山道なので、
少し近い実家に車を止めて、必要な道具やお供え物を持って、
緩やかな上り坂の上にある、お墓まで歩いて向かいます。
この辺りには山以外に何もなくって、空気も美味しいです。
この日は天気も良くて、今住んでいるところよりも、
こっちは涼しくて、ただ歩いているだけでも気持ちがいいです。
年に1回しか来ないお墓は、親戚のおじさん達が、
たまには来てくれているんだろうけど、
いつも、かなり大変な状態になっています。
周りが藪のせいか、雑草が蔓延ってしまい、
わたしは、ひたすら草むしり担当で、
母がお墓の掃除をやっています。
ご先祖様のお墓も合わせて、いくつかあるので、
ひととおりお墓の掃除が終わるのに、
いつも1時間くらいかかります。
きれいになったら、全部のお墓にお供え物を供えて、
お線香を上げて、手を合わせてお祈りします。
最後の父のお墓の前では、
わたしは、かなちゃんのことについて、
良い解決方法が思いつきますようにと、
お願いしました。
お墓参りが終わると、登ってきた山道を戻って、
家まで戻って来た後は、
昔いつも遊んだ乍川の河原へと向かいます。
そこで川を見ながら、持ってきたお昼のお弁当を、
母と一緒に食べました。
ここでの母との会話は、いつも決まって、
わたしが川に流されていた話です。
・ ・ ・
わたしが遊んでいた、乍川の川原は、
渓流にしては、川の幅が広く浅くなっているからか、
流れも非常に緩やかで、
三日月のように大きな弧を描いて、川が曲がっていて、
その内側が、平らな川原になっています。
水は川底まではっきり見える程、とても澄んでいて、
イワナやアユが釣れるので、いつも釣りの人がいる場所でした。
わたしはここにいつも、父と一緒に遊びに来ていたんです。
父は、川の風景を描くのを趣味にしていて、
わたしは、父が描く絵が大好きでした。
でもここに来た時は、父のそばにはいなくて、
いつも川の中でしたけどね。
さすがに、冬は入りませんでしたけど、
春や秋は、足くらいまでの浅瀬に入って遊んで、
夏や暑い日はいつも、川の流れに身を任せて、
プカプカと浮かんで流されていました。
当時幼稚園児だったわたしは、最初は普通に、
浅瀬で水遊びをしているのが好きだったんですが、
ある時、水面をずっと見ていたら、
自分だけが、前に流されていると錯覚して、
どうしてかは、覚えていないけど、
水の流れの中に入っていったんです。
そうすると、水の流れに乗って、
流れと同じ方向に、自分も流されました。
この感覚が幼いわたしにとっては、とても自然な、
あるべき状態だと思ったんです。
これには、理由とかはなくて、
単純にそう思った、としか言えません。
この時は、流されているわたしに気づいた父に、
下流で拾い上げてもらったんですけど、
これ以来、わたしはここに来る度に、
この川原の上流から流れに乗って、
下流へと流される遊びを続けていました。
母にこのことが知られた時は、とても叱られたんだけど、
父と一緒の時にこれを何度やっても、
一度も叱られませんでした。
ちなみにこの川でわたしは、一度も溺れたことはないし、
溺れそうになったことも、ここではありません。
父はそんなわたしを見て、
いつも、わたしのやりたい様にさせてくれました。
やっぱり理由は判りませんが、幼いわたしには、
絶対に溺れないって言う自信があって、
多分、父にはそんなわたしの心が通じていたんだと、
今でも思っています。
だから、この川に来ると、
わたしを理解してくれていた、父を思い出します。
ちなみに、父以外に下流で拾われたことも、
たまにありました。
それがここで良く釣りをしていた、親戚のおじさんで、
わたしはいつも、おじさんに魚を取る網で救われていました。
そのおじさんが、これから向かう、親戚のお家のおじさんで、
父の弟に当たる人なんです。
・ ・ ・
お昼を食べ終えると、ちょうど午後1時くらいになり、
川原から車のところへ戻って、
車で5分くらいのところにある、おじさんの家に行くのですが、
わたしは、もうしばらくここにいると母に伝えて、
先に行って貰いました。
どうしても、今日はここで、
かなちゃんのことを、決断したかったから……
さすがに泳ぐのは出来ないので、
せめて足だけでも、と思って、
水際に座って、足だけ水に浸かりながら、
わたし以外には誰もいない、この川原で、
水面を眺めつつ、考えていました。
他には、何の音もしない中で、
川のせせらぎだけを聞きながら、
水面だけを、ずっと見つめていると、
誰といるよりも、どこにいるよりも心が落ち着いてきて、
とてもすっきりした気持ちになってきます。
そしたら、悩んでいたかなちゃんの件は、
もう答えは出ているんだと、気づきました。
・ ・ ・
未だに、メールの返信も、電話もなく、
かなちゃんは、あのメールを見ているのかさえ、
わたしには分かりません。
どう伝えるかについては、
変に上手く伝える方法を考えるから、
言い出せなくなっているのは、間違いないので、
もう、わたしが思っているままを、
かなちゃんにぶつけるしかないのではと、思っています。
それが、どれほど下手な表現であっても、
思っていることをすべて話せば、
少なくともわたしの伝えたいことを、
かなちゃんなら、理解してくれると信じて、
思い切って、話そうと思います。
時期としては、このシルバーウィーク中のうちに、
何としても話をするつもりです。
連絡が取れないなら、直接かなちゃんの家に行って、
話をしようと、決心しました。
日にちは、明日は1日バイトなので、
あさって、シルバーウィークの最終日の23日は空いてるから、
かなちゃんから、明日まで何の反応もなかったら、
23日に、かなちゃんの家に行くことにします。
……そう、決めました。
わたしは、心の整理がついたので、
歩いておじさんの家へと向かいました。
悩みが晴れたおかげか、
田舎ののどかな風景は、さっきよりも、
もっときれいに見えました。
・ ・ ・
おじさんの家は、川原から歩いて、
20分くらいのところにあって、
おじさんと、おばさんと、
姉妹の巴ちゃんと、
惠ちゃんの4人家族です。
母がおじさん、おばさんと話をしている間、
わたしはいつものように、2人の部屋で話をしていました。
この姉妹、一卵性の双子で、昔はそっくりだったんです。
小さい頃は、返事する時や何かする時も、
まるで鏡に映っているみたいに、
全く同時に動いたり喋ったりする仕草が、
すっごく可愛かったんですけどね……
そんな2人は中学一年なんですが、
巴ちゃんは格闘技に目覚めてしまい、
髪もショートにして、柔道部に入ってて、
ボーイッシュって言うより、もっと男の子っぽい感じ、
一方惠ちゃんは、本とか漫画とかが好きな子で、
わたし程じゃないけど長い髪の、いかにも女の子、
という感じになっていて、
顔立ちや背丈は一緒だけど、それ以外は全然似てません。
今では2人とも、そっくりだと言われるのも嫌っぽくて、
あえてお互いに違うタイプになろうとしているみたいです。
2人の趣味がずれ始めた頃から、良くケンカしてたんだけど、
今はそれが、もっとひどくなっている様で、
3人で話していても、2人はすぐに口喧嘩になってしまい、
わたしがなだめるのを、繰り返すばかりでした。
この2人の口喧嘩は、まるでテニスや卓球のラリーのように、
割り込む隙が全くありません。
普段の口調とかは、語尾とかにちょっと違いがあるけど、
ケンカしている時の2人は、全く同じ口調になって、
2人を目の前で見ていなければ、1人の人が息継ぎもせずに、
ずっと台本を朗読しているかのようです。
でも、ケンカするほど仲がいいって言うし、
兄弟ゲンカが出来る相手がいるのは、
ひとりっ子のわたしとしては、
ちょっと羨ましいなと思いつつ黙って見ていたら、
ケンカは唐突に止んで、不思議そうにわたしを見た後、
「なんで、みなちゃん笑っているの?」
と2人同時に聞かれました。
やっぱり、こういうのは、
双子じゃないと出来ないよなぁ……
どうやらわたしは、自分でも気づかないうちに、
顔がにやけていたようで、2人に何でもないと伝えて、
ここがチャンスだと思い、話題を変えました。
そしてまた、しばらく3人で話をしていたら、
夕方になっていて、帰る時間になりました。
おじさん達から、野菜や釣った魚などのお土産を貰って、
わたしと母はお礼を伝えて、おじさんの家を後にしました。
・ ・ ・
車のナビなんですが、巴ちゃんと惠ちゃんが、
ちょっと触っていたら、なんか設定出来たようで、
帰りは、ナビに従って帰ってきました。
そしたら、道路が込むので行きよりも時間がかかるはずが、
大して変わらない時間で家に着いたので、
母とわたしは、ナビはやっぱりすごいねと、
2人して関心してしまいました。
今日は色々と忙しかったけど、
母とも久しぶりにゆっくり話も出来たし、
父にも挨拶出来たし、おじさん達や巴ちゃん、
惠ちゃんとも話せたし、
何よりも、最大の問題だったかなちゃんの件に、
決心することが出来てよかったです。
後は、メールの返答が明日来るかどうかで、
全てが決まります。
わたしはもう、迷いません!
9月22日 かなちゃんの夜襲!
今日は朝から、航海堂でのバイトで、
やっと書店の仕事を覚えたところだったのに、
また、画材屋さんの方に戻ることになりました。
帰りに夕飯の買い物を済ませて、
家に着いたのは、もう9時過ぎです。
今夜は雨が降ると天気予報で言っていて、
この頃には、もう降り始めていました。
わたしはかなり長風呂なので、
夕飯を食べて、お風呂に入って出てくると、
もう11時でした。
この日も、かなちゃんからの連絡はなく、
いよいよ明日は、乗り込むしかないなと思いながら、
パジャマに着替えて、
居間のちゃぶ台を片付けてから、布団を敷き終えた時、
携帯が鳴ったんです。
最初は、出張中の母かと思いましたが、
かけて来た相手は、かなちゃんだったので、
わたしは、一度深呼吸をしてから、
電話に出ました。
「あー、みなもちゃん?
夜遅くにごめーん。
あのさー、実はお願いがあって電話したんだぁ」
かなちゃんの声の様子は、なんか妙に明るくて、
それはいつもの明るさとは違うような気もしますが、
いまいちよく分かりません。
わたしが、お願いは何かを尋ねると、
「あのねぇ、今、みなもちゃんの家の近く、
だと思うんだけど、来てるんだぁ。
傘持ってなくて、雨降ってきちゃって、
ちょっと困ってるんだよぉ」
と、何だか、ろれつが回ってないような口調でした。
外を確認すると、雨は結構な勢いになっていて、
この天気で、外から電話しているのかと、
かなり驚いたわたしは、すぐに居場所を確認すると、
家から歩いて5分ほどの場所なので、適当な上着を羽織って、
すぐに、かなちゃんを迎えに行きました。
かなちゃんは、わたしの家から駅へむかう道の途中にある、
タバコ屋さんの小さな軒の下でしゃがんでいて、
格好は浴衣姿で、髪もまとめていたみたいだけど、
雨で全身ずぶ濡れの、ひどい状態でした。
でもかなちゃんは何故か、とてもニコニコしていて、
わたしの姿を見つけると立ち上がって、
飛び跳ねて手を振っていました。
やっぱりなんか変だなぁ、かなちゃん、
どうしたんだろう……
ここでいくら考えても判らないし、
このままだと風邪を引いちゃうから、
とりあえず家へと連れて行くことにしました。
その間にかなちゃんは、
「今日花火大会があって、
それに行って来た帰りなんだよぉ」
と説明していました。
でも、この時期に花火大会なんてあったかな、と、
疑問を感じましたが、それを聞くのは後回しにして、
家に着いたらすぐ、かなちゃんにバスタオルを渡して、
お風呂の準備をして、かなちゃんを洗面所に入れた後、
着替えとして私の服を用意して、洗面所に行きました。
一応、一言声をかけてから入ると、
かなちゃんはもうお風呂に入っていて、
脱いだ浴衣や帯が脱ぎっぱなしで、床に散らばっていました。
そしてその本人は、何かの歌を口ずさみながら、
シャワーを浴びているようで、
どう考えても態度がおかしいです。
着替えを置いて、散らかった浴衣をたたんでおいて、
わたしは、かなちゃんがお風呂から出てくるのを、
お茶を淹れながら、待っていると、
10分くらいしたら、わたしの服に着替えた、
すっぴんのかなちゃんが、洗面所から出てきました。
かなちゃんは、わたしにお風呂や借りた服のお礼とか、
迷惑かけたことを謝ったりしてましたけど、
でも、とても楽しそうに笑っています。
もしかして、と思って、
わたしはかなちゃんの顔に近づいて、確認しました。
やっぱり、お酒臭い!
かなちゃんは酔っ払っていました。
わたしはコップに水を酌んで、かなちゃんに渡して飲ませたけど、
そのくらいでは、かなちゃんの様子は変わず、
相変わらず妙に笑顔です。
ここでやっとわたしの方に、心の余裕が出てきました。
かなちゃん、お酒臭いから酔っ払っているのは、
多分間違いないと思うんだけど、
でも、なぁんか、ひっかかるんだよなぁ……
この、普段のかなちゃんから考えられない行動は、
わたしの家に入れてもらう為に、
あえてやっているように思えて、仕方がありません。
どうしてかと言うと、
母が酔っ払って帰って来るのは、結構あるので、
それと比べると、かなちゃんの飲んでいる量は、
個人差はあるかも知れないけど、
あんなになる程はないと思うんです。
これは、かなちゃんがわたしのメールを見た上で、
仕掛けてきた行動なんじゃないか、と思いました。
でも、もうわたしは、どうするかの決心はついています。
かなちゃんが、どういうつもりでこんなことをしたのかも、
全てを明らかに出来れば、一緒に判るはず。
わたしは、ヘラヘラし続けているかなちゃんの隣へ座ると、
まず、両肩を掴んで正面を向かせてから、
酔っ払っているのは演技で、
そんなに飲んでないのは判っていると、伝えました。
でも相変わらず、酔っ払った演技を続けるかなちゃんに、
今度は、何であんなに付き合う人を増やすのかを、尋ねました。
この、いきなり核心をついた質問にも、
まともに答えようとはしませんでしたが、
動揺している証拠だと思える、
視線を外す回数と、その時間は増えたと感じて、
つづけて、前にかなちゃんの家でも聞いた、
家政婦の佐藤さんは、
かなちゃんにとってどういう人だったのかを、
もう一度、ここで聞きました。
すると、かなちゃんは、
わたしから完全に視線を合わせないように、
俯いてしまい、何も言わなくなりました。
その態度に構わず、更にわたしは、
体育祭での保健室でのあの一言、あれは一体、
何をわたしに言おうとしたのかを、問いただすと、
やはり俯いたままで、質問を無視しているように見えました。
わたしが、更にもう一言言おうとした時、
かなちゃんは、わたしが掴んでいた、
両肩の手を強引に払いのけて、不意に立ち上がりました。
立ち上がったかなちゃんは、
今まで一度も見たことのない無表情のまま、
無言でしばらく立ってました。
「……わからない」
無表情のまま、かなちゃんは一言つぶやいたと思ったら、
その後、一気に喋りだしました。
「どうして?
どうしてみなもちゃんはあたしになびかないの?
なんであたしの思ったようにならないの?
もうあたしにはどうしたらいいか判らないよ。
あたしはこんなに努力しているのに。
こんなに色々してあげているのに。
どうしてみなもちゃんはあたしを好きにならないの?」
このかなちゃんの言葉は、わたしには意外に感じました。
わたしがかなちゃんを好きでないと思って、
悩んでいたかのような、その内容に。
でも、わたしの探るような行動が、
かなちゃんとしては、『なびいていない』、
だから『好きではない』と感じたのでしょうか。
わたしは、もう迷わないと決めていたので、
かなちゃんを見上げて、しっかりと目を見ながら、
それは、かなちゃんが本心をわたしに見せてくれないから、
と言い返しました。
本当の気持ちや、感情を見せてくれなければ、
わたしは、かなちゃんにはなびかない、と。
かなちゃんはそれを聞くと、ちょっと可笑しそうにして、
「何を言っているか判らないよ。
これがあたしの本心だよ。
たくさんの子と付き合って、人脈を広げて、
色んな子から、情報を貰うんだよ。
それは多ければ多いほど、
もっと大勢の子達があたしの情報目当てに、
あたしの言う事を聞くようになるんだよ。
これがあたしの本心、目的だよ」
と、自慢げに言いました。
これは嘘だ、これは本心なんかじゃなくて、
かなちゃんの本心を隠す、最後の仮面なんだと、
わたしの直感が、そう告げています。
これを、剥ぎ取らなくちゃいけない!
・ ・ ・
かなちゃんは、今口走ったことが、
理由だと思わせようとしているけど、
本当は何で、人より上位にいようとするんだろう……
それは逆に言えば、かなちゃんは他の人より下にいたくない、
というよりも、下位になるのを恐れている?
なんか違うなぁ、そうじゃなくって、
上にいようとする方が、本心じゃなくって、
本当の気持ちを隠しているのかな……?
家政婦の佐藤さんがいた時までは、
実の親よりも、直接的な愛情をかけてくれた存在で、
言ってみれば、親代わりをしてくれたのに、
佐藤さんはいなくなり、
かなちゃんは、独りぼっちになってしまった。
その心の穴を埋める為に、安心して甘えられる相手を求めて、
かなちゃんは、友達を増やして探し始めたけど、
そうやって増やした友達は、みんな自分を頼るばかりで、
逆に、かなちゃんが甘えられる側になってしまった。
そうしているうちに、
自分が甘えることが出来る、相手を探す為の行動は、
こうした自分を頼ってくる知り合いを、
増やす行動でしかなくなってしまい、
それだと、自分を頼る相手、自分より下位の相手では、
自分が甘えることは出来なくて、
更に、別の甘える相手を探し続けた。
それが続くうちに、だんだんと、
この、『多くの人から頼られること』自体が、
かなちゃんにとっても、心を満たす行為へと変化してしまった。
そして逆に、本来の目的のはずだった、
自分が甘えられる相手の存在は、
それが現われてしまうと、この取って代わった、
間違った充足感を、否定してしまうことになるから、
本心では望んでいたはずなのに、
逆に、受け入れたくないものへと変わってしまった。
だから、かなちゃんの仮面は、その感情を否定したけど、
隠されてしまったかなちゃんの本心は、
やはりその存在を求めていて、そのジレンマが、
わたしに対するかなちゃんの行動として、
現われていたんだ。
つまり、わたしが、
かなちゃんの本心が求めていた存在なんだよ!
だから、かなちゃんは、わたしがかなちゃんを、
良く思わないタイプの人間だと、判っていたのに、
どうしても気になって、わたしの気を惹こうとして、
かまい続けたんでしょ?
でもどうしても、他の人みたいになびかないから、
また別の手段で気を引こうとして、ここへ来た、
わざわざそんな小細工までして。
本心じゃない性格を否定されるから、
今のかなちゃんにとっては、わたしが怖いんでしょ?
でも、本当のかなちゃんは、わたしを呼んでいるんだよ、
わたしは、わたしを呼んでいるかなちゃんに会いたいんだよ!
わたしの言ってること、何か間違ってる?
間違っているなら、なんか言ってみなよ!
どうなの、かなちゃん!
・ ・ ・
わたしはかなちゃんに、思っていた全てを、
何もかもぶつけました。
確信があることも、推測したことも、
希望でしかないことも、
みんなひっくるめて、思っていたことを全部、
かなちゃんに、叩きつけました。
まくし立てているうちに、よく判らないけど涙が出てきて、
泣いてしまったけど、ずっとかなちゃんの目から、
視線は外さないように頑張ったし、言い終わった後も、
そのまま視線を逸らさず涙も拭わずに、
かなちゃんを睨み続けました。
かなちゃんは、わたしがまくしたてている間、
ずっと黙って話を聞いていましたが、
でもその表情は、もう無表情ではなくて、
明らかな敵意を感じるほどの、
怒りの表情に変わっていました。
それは普段でもたまに見せていたような、
冗談で怒って見せていたような顔ではありません。
今のかなちゃんからは、
何をされるか判らない怖さを感じましたが、
でもここまできたら、わたしも引き下がる訳にはいきません。
視線を外さず、その威圧するような鋭い眼差しに対抗して、
必死に、睨み返していました。
「……そこまで言うのなら、
それなりの覚悟は出来てるんだよね、
みなも」
かなちゃんは、押し殺したような声で、
わたしを呼び捨てで呼んで、言いました。
それはもう完全に、私が知る普段のかなちゃんとは別人でした。
とても怖くて怖くて、ずっと涙は止まらないし、
体の震えも止まらないけど、
わたしだって決心したんです、決して引きません!
わたしはかなちゃんに、頷き返しました。
「なら、その証拠を見せてもらうよ」
そう言うとかなちゃんは、わたしに掴みかかってきたんです。
その力が外見とは違って力強くて、
わたしは、後ろに敷いてあった布団の上に押し倒されて、
そのまま圧し掛かられてしまい、
両手も、かなちゃんに押さえつけられて、
身動きが出来なくされてしまいました。
かなちゃんは、馬乗りになってわたしを押さえたまま、
「みなもの望む、本当のあたしを見せてあげるよ、
その代わり、みなもが持っているもの何もかも全部、
あたしが貰うよ、それでもいいね?」
と言われた時すぐに、『全て』っていう言葉の意味は、
文字通り、心も体もと言う意味なんだと気づいたんです。
こんな展開は、全然想像していなくて、
きっと殴られるとか、叩かれるとかだと思っていたから、
予想外の展開に、とても驚いてしまい、
即答出来ず、口ごもってしまいました。
するとかなちゃんは、返事しないわたしを見て、
「どうしたの?
出来ないの?
早く答えなよ」
と、押さえる手に力を込めながら聞いてきました。
この時には、もう涙は止まっていて、
怖さから来ていた震えも収まっていたのに、
何故か、腕やお腹には、かすかに震えを感じてよく見ると、
それは、かなちゃんの体からでした。
かなちゃんに押さえられている腕と、
乗られているお腹から、
かなちゃんの震えが、伝わってきていたんです。
この時、わたしは気づきました。
かなちゃんもまた、わたしと同じ様に、
後には引けない、賭けに出たんじゃないかって。
かなちゃんの表情を良く見れば、不安とや恐れともとれる、
こわばった顔で、わたしを睨んでいるのも判りました。
かなちゃんの覚悟を理解したわたしは、
もう、最後の迷いを完全に捨てました。
わたしがここで、かなちゃんの言う通りになれば、
きっとかなちゃんは、素直になってくれるかも知れないけど、
逆にここで裏切れば、もう二度と誰も信じないかも知れない。
わたしの答え1つで、かなちゃんの人生が、
全く変わってしまうかもと思えば、
かなちゃんに何をされても、
それで、かなちゃんが心を開くのであれば、
大したことはないんじゃないか。
わたしは、逆らう様に力を込めていた両腕から力を抜いて、
かなちゃんに、わかった、いいよ、とだけ、伝えました。
この時かなちゃんは、わたしの返事に驚いたらしく、
一瞬目を見開いたけど、すぐに元へと戻り、
「じゃあ、目を閉じて、何をされてもじっとしていて」
とだけ、わたしに言ったんです。
正直言ってこういう時に、どうしたらいいか判らなかったから、
わたしは頷いて、目を閉じて、全身の力を抜いて、
後は、全てをかなちゃんに委ねました。
かなちゃんは、わたしが目を閉じたのを確認してから、
押さえていた腕を離して、わたしの体の上に乗ったままで、
太ももの上当たりまで下がっていき、
わたしの胸の上に頭を乗せる様に、重なってきました。
それだけでも、わたしはもう頭が真っ白になって、
心臓が破裂するんじゃないかって言うくらいの鼓動で、
きっとかなちゃんにも伝わっているだろうと思うと、
余計に意識してしまい、どんどん鼓動が速まる気がして、
もうこのまま死んじゃいそうです……
そんな状態だけど、出来るだけ体に力を入れないようにして、
始まるのをじっと待っていたのですが、
かなちゃんは、それっきり動かなくなりました。
時間にして10分くらい、黙って待ってみても、
相変わらず、かなちゃんは動く気配がありません。
どういうことかを、かなちゃんに聞こうと思い、
かなちゃんを呼ぶと、
「みなも、鼓動が早いよ。
これじゃ眠れない、もっと遅くして」
と、だるそうな、かなちゃんの声が。
かなちゃんのこの言葉で、さっきまでの行動が、
わたしに対する、最後の反撃だったんだと悟りました。
わたしがそれを理解して緊張が緩むと、
わたしの鼓動も落ち着いてきたようで、
「やっと、ゆっくりになってきた。
これでやっと眠れる。
おやすみ、みなも」
とだけ言ってかなちゃんは、
そのままわたしの上で眠っていました。
すっかり無防備に眠っている、
そんなかなちゃんの顔を見ながら、
頭と背中を撫でているうちに、
いつの間にか、わたしも眠ってしまいました……
・ ・ ・
朝になって目を覚ますと、かなちゃんはいなくなっていて、
わたしには、布団が掛けられてました。
携帯が光っていたので、見てみると、
かなちゃんからのメールが、1件入っていました。
内容は、
「おはよう、みなも!
昨日は、色々ほんとにありがと。
みなものおかげで、ほんとにほしい物が分かったよ。
借りた服を返すから、26日に、
泊まりの仕度して、うちに来てね。
待ってます!」
と、書いてありました。
わたしは、自分の考えが正しかったんだと、
ここで実感することが出来たと喜んだ途端、
また涙がボロボロ出て来て、
朝から1人でメチャメチャ泣いてしまいました。
なんか色々あって、途中どうなるかと思ったけど、
最後は上手くいったと思います!
本当に本当に良かったです!!!