表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/70

2009年  7月 その2

変更履歴

2011/01/03 誤植修正 以外 → 意外

2011/04/18 記述統一 (期間)一日、二月、三年 → 1日、2月、3年

2011/04/26 記述統一 一台、二台、三台 → 1台、2台、3台

2011/04/28 記述統一 一枚、二枚、三枚 → 1枚、2枚、3枚

2011/05/03 記述統一 一回、二回、三回 → 1回、2回、3回

2011/05/07 記述統一 一階、二階、三階 → 1階、2階、3階

2011/05/13 記述統一 一つ、二つ、三つ → 1つ、2つ、3つ

2011/05/23 誤植修正 二人で移っている写真が → 二人で映っている写真が

2011/06/10 誤植修正 始め → 初め

2011/07/08 記述統一 一人、二人、三人 → 1人、2人、3人

2011/08/27 誤植修正 位 → くらい

2012/12/03 誤植修正 女としての感情が沸いてきます → 女としての感情が湧いてきます

2012/12/03 誤植修正 それよも気になったのは → それよりも気になったのは

2012/12/03 誤植修正 意外な回答が帰ってきました → 意外な回答が返ってきました

2012/12/03 誤植修正 いうことで → と、言うことで

2012/12/03 誤植修正 挨拶とはしなくていいよ → 挨拶はしなくていいよ

2012/12/03 誤植修正 天井にー付いていたり → 天井に設置されていたり

2012/12/03 誤植修正 安っぽいくて嫌だから → 安っぽくて嫌だから

2012/12/03 誤植修正 人の髪の扱いは、丁寧なので、

2012/12/03 句読点調整

2012/12/03 改行調整

2012/12/03 記述統一 友だち → 友達

2012/12/03 記述統一 居る・居ない → いる・いない

2012/12/03 記述統一 一人っ子 → ひとりっ子

2012/12/03 小題変更 かなちゃんの家に行きました → かなちゃんの家

2012/12/03 記述修正 会った頃なら → 出会ったばかりの頃なら

2012/12/03 記述修正 仕事じゃないけど、こんな機会はもう無いかも知れないから → こんな機会はもうないかも知れないから

2012/12/03 記述修正 降りた事が無い → 降りたことのない

2012/12/03 記述修正 かなちゃんの私服を → ここでわたしは、かなちゃんの私服を

2012/12/03 記述追加 わたしの視線に気づいたらしく、

2012/12/03 記述結合 ラフに普段着です。 → ラフに普段着だよ、

2012/12/03 記述修正 かなり薄くて金髪に近いくらい明るい色でした → かなり薄くて金髪に近いくらいです

2012/12/03 記述修正 普段は → きっと普段は

2012/12/03 記述修正 かなちゃんの髪がセミロングっぽくて長いような…… → かなちゃんの髪、セミロングっぽくて長いような……

2012/12/03 記述修正 でも何もしてないっていったし → でも何もしてないって言ってたし

2012/12/03 記述修正 外巻きだったり、内巻きだったり → 外巻きや内巻きだったり

2012/12/03 記述分割 今日はほとんどストレートで、実際の長さでみれただけのようで、 → 今日はほとんどストレートだから、長さが判りやすかったみたいです。

2012/12/03 記述修正 並んで歩きたくない → 並んで歩いてはいけない

2012/12/03 記述修正 女としての感情が湧いてきます → 女としての警告をひしひしと感じます

2012/12/03 記述修正 やっぱり、早く来たね → やっぱりだったね

2012/12/03 記述移動 「先にお昼食べていこうよ。

2012/12/03 記述修正 「先にお昼食べていこうよ。 → 先にお昼食べていこうよ」

2012/12/03 記述結合 おいしいお店があるから」 → 「おいしいお店があるから、

2012/12/03 記述修正 かなちゃんが向かったお店は → こうして、かなちゃんが向かったお店は

2012/12/03 記述修正 小さいお店で、よくあるチェーン店ではなく → そこは、よくあるチェーン店ではなく

2012/12/03 記述修正 何だか高そうなお店です → 小さいけど、何だか高そうなお店です

2012/12/03 記述修正 さっさと入ってしまい、わたしも後に続きます → さっさと入ってしまったので、慌ててわたしも後に続きます

2012/12/03 記述修正 店員さんや店長さんとかに声をかけていました → 店員さんや店長さんに声をかけていました

2012/12/03 記述修正 店の中の一番奥にある → 軽い挨拶が終わるとすぐに、店の中の一番奥にある

2012/12/03 記述修正 そうしようか? → そうしよっか?

2012/12/03 記述修正 まず値段を確認してしまいます → このような状況では、まず値段を確認してしまいます

2012/12/03 記述修正 2000円? → 2000円!?

2012/12/03 記述修正 一食で4桁の金額の食事をした事、無いです…… → 今までの人生で4桁の金額の食事をしたこと、ないです……

2012/12/03 記述修正 お任せする事にしました → お任せすることにしました

2012/12/03 記述修正 これを食べてもらおうと思って、来たんだよ → これを食べてもらおうと思ってね

2012/12/03 記述修正 わたしは無言で頷きました → もうこれ以上、余計なことは考えずに、わたしは無言で頷きました

2012/12/03 記述修正 注文し終えると → 注文し終えて

2012/12/03 記述修正 かなちゃんがバッグとか、持っていないことに気づいて → かなちゃんがバッグを持っていないことに気づいて

2012/12/03 記述修正 あぁ、お昼食べて、すぐ家だから → ここから家はすぐだから

2012/12/03 記述修正 わたしの携帯には出来ない芸当です → わたしの古い携帯には出来ない芸当です

2012/12/03 記述修正 冷麺は、今まで食べたことが無いほどに → この冷麺、今まで食べたことがないほどに

2012/12/03 記述修正 とてもおいしかったです → スーパーに100円で売っているのとは違って、とてもおいしかった

2012/12/03 記述修正 家で夕食を食べる事は、ほとんど無いのかな → 家で夕食を食べることは、ほとんどないのかな

2012/12/03 記述修正 お店を出ると → 食事を終えてお店を出ると

2012/12/03 記述修正 駐車場は、2台くらいのスペースがあって → 駐車場は、どの家にも2台くらいのスペースがあって

2012/12/03 記述修正 高そうな車ばっかりとまってます → 見慣れない高そうな車ばっかり並んでいます

2012/12/03 記述修正 庭はそれほど広くは無いけど → 庭は他よりはそれほど広くはないけど

2012/12/03 記述修正 5台くらい止められそうです → 4台くらい入りそうです

2012/12/03 記述修正 でも今は1台もとまっていなくて → でも今は1台もなくて

2012/12/03 記述修正 真っ白い箱を → 建物の方は、真っ白い箱を

2012/12/03 記述修正 なので → とのことなので

2012/12/03 記述修正 といって上がりました → と小声で言って上がりました

2012/12/03 記述結合 広いリビングへと案内されました。 → 広いリビングへと案内されてから、

2012/12/03 記述修正 高そうな絵とかが飾ってありました → 高そうな絵が飾ってありました

2012/12/03 記述修正 ちょっと待っててと言われ → ちょっと待っててと言われて

2012/12/03 記述修正 やたら広いリビングで → ここはやたら広いリビングで

2012/12/03 記述修正 それだけではなく → どうもそれだけではなく

2012/12/03 記述修正 人がここを使っている感じがしないんです → この場所が、使われている感じがしないんです

2012/12/03 記述修正 きれいなモデルルームを見ているような → まるで、きれいなモデルルームを見ているような

2012/12/03 記述修正 そんな感じに似ていました → そんな感じに似ています

2012/12/03 記述修正 かなちゃんが → 部屋を眺めていると、かなちゃんが

2012/12/03 記述修正 ちょっと、おいしくて気が遠くなりそうになったけど → あまりにおいしくて、ちょっと気が遠くなりそうになったけど

2012/12/03 記述修正 両親は共働きだから、家にはいないんだ。 → 両親は共働きで2人とも忙しいから、ほとんど家にはいないんだ」

2012/12/03 記述削除 忙しくて帰りも遅いから、夕飯はうちにいても1人なんで、

2012/12/03 記述削除 ここでは食べないんだよ」

2012/12/03 記述追加 と、特に変わらない様子で答えます。

2012/12/03 記述修正 兄弟のことをかなちゃんに尋ねました → 兄弟のことをかなちゃんに尋ねてみました

2012/12/03 記述修正 そんなに兄弟がいて → そんなに兄弟がいるのに

2012/12/03 記述修正 もう1つ別の疑問、これだけ広い家を → もう1つ気になった、これだけ広い家だと

2012/12/03 記述修正 かなちゃんが掃除しているのかを尋ねました → 家事も大変じゃないかを尋ねたんです

2012/12/03 記述修正 かなちゃんは笑って → そしたらかなちゃんは笑いながら、こう言いました

2012/12/03 記述結合 そんなの無理だよ。 → そんなの無理だよ、

2012/12/03 記述修正 炊事と掃除と洗濯をしてくれるから → 朝食の支度と掃除と洗濯をしてくれるから

2012/12/03 記述修正 炊事は朝ごはんの準備だけだけどね → あたしは特に何にもしてないんだ

2012/12/03 記述修正 ほとんど家族どころか → 家族どころか

2012/12/03 記述修正 人に接すること自体がない暮らしなんだ → ほとんど人に接することがない暮らしなのか……

2012/12/03 記述修正 でもそれだけだと、今までの行動の説明はつかないから → でもそれだけじゃあ、あんなことをしている理由としては、まだ納得は出来ないから

2012/12/03 記述修正 まだ別の理由があるのかなぁ → 何か別の理由があるのかなぁ

2012/12/03 記述修正 とか、わたしが考えていたら → こんなことを、わたしが考えていたら

2012/12/03 記述修正 必ず相手を見ているし → 必ず相手の方を見ているし

2012/12/03 記述修正 話すなんて事はしません → 話すなんてことはしません

2012/12/03 記述修正 自分の体や衣服とか髪を触るのは → 自分の体や衣服や髪を触るのは

2012/12/03 記述修正 かなちゃんの部屋について聞き → かなちゃんの部屋について尋ねて

2012/12/03 記述修正 お部屋を見せてもらう事にしました → お部屋を見せてもらうことにしました

2012/12/03 記述修正 押入れは無いけど → 押入れはないけど

2012/12/03 記述修正 学校の制服とか、夏服のシャツとかだけで → 学校の制服や夏服のシャツとかだけで

2012/12/03 記述修正 普通の制服を買い足して、それをお店に出して → 買い足した標準の制服を店に出して

2012/12/03 記述修正 あの仕立て直した制服 → あの仕立て直した制服って

2012/12/03 記述修正 部屋には、大きな三面鏡のドレッサーがあったり → 更に部屋の壁際には、大きな三面鏡のドレッサーや

2012/12/03 記述修正 縦と横の長さが同じ正方形のベッドがあったり → 縦と横の長さが同じ正方形のベッド

2012/12/03 記述修正 やけにかっこいい机があったり → やけにかっこいい机が置かれていて、

2012/12/03 記述修正 なんかすごく薄くて大きいノートパソコンがあったり → テーブルには、すごく薄くて大きいノートパソコンが置いてあったり

2012/12/03 記述移動 ソファーとテーブルのセットがあって、

2012/12/03 記述修正 ソファーとテーブルのセットがあって → 部屋の真ん中には、ソファーとテーブルのセットが並んでいて

2012/12/03 記述移動 客間のよりは小さいけど、十分大きな液晶テレビや、

2012/12/03 記述修正 十分大きな液晶テレビや → 十分に大きな液晶テレビ

2012/12/03 記述修正 十分居心地よく住めそうなお部屋でした → うちよりも遥かに居心地よく住めそうです

2012/12/03 記述追加 あれ、お昼の支払いの時も携帯出してたから、

2012/12/03 記述修正 かなちゃんは、携帯2つじゃなくて → かなちゃん、携帯2つじゃなくて

2012/12/03 記述修正 目の前に顔を寄せて言ってきました → 目の前に顔を寄せて言ってきたんです

2012/12/03 記述修正 顔が、近い! → わわわわ、か、顔が、近い!

2012/12/03 記述修正 ちょっとこれにはびっくりしました → ……ちょっとこれにはびっくりして、とっさに身を引いてしまいました

2012/12/03 記述追加 普段から、友人とスキンシップをとったりはしないので、

2012/12/03 記述追加 これは同性でも、すごくすごく焦ります。

2012/12/03 記述追加 もしかしてわたし、からかわれている?

2012/12/03 記述修正 今までの質問攻めの仕返しなのかも → それとも、今までの質問攻めの仕返しなのかも

2012/12/03 記述修正 わたしの髪を見て → まじまじとわたしの髪を見て

2012/12/03 記述追加 「プールの着替えの時にも、何回か見てるけど、

2012/12/03 記述修正 「うわぁ、すごく長いねぇ! → やっぱりすごく長いね!

2012/12/03 記述修正 だんだん眠くなってしまいます…… → どうしても、だんだん眠くなってしまいます……

2012/12/03 記述修正 アップのまとめ髪にしてしまいました → 手早くアップのまとめ髪にしてしまいました

2012/12/03 記述修正 わたしのセンスでは出来ないまとめ髪になりました → わたしのセンスでは出てこない、豪勢なまとめ髪になりました

2012/12/03 記述修正 参考にさせてもらう事にして → 参考にさせてもらうとして

2012/12/03 記述修正 部屋へと案内されました → さっそく別の部屋へと案内されました

2012/12/03 記述修正 再び、わたしからの質問を再会しました → この辺でわたしからの質問を再会しました

2012/12/03 記述結合 こんなに広いの? と尋ねると → こんなに広いのかを尋ねると

2012/12/03 記述修正 と尋ねると、表情は変わらずに、

2012/12/03 記述修正 子供部屋は → なんでも、子供部屋は

2012/12/03 記述修正 部屋の中は → 室内は

2012/12/03 記述修正 あれは、ほとんどクラシックだから → 「あれは、ほとんどクラシックだから

2012/12/03 記述修正 借りたこと無いんだ、 → 借りたことないんだ」

2012/12/03 記述修正 天井から吊るされていて → 天井から吊してあって

2012/12/03 記述修正 並べられていて → きれいに飾られていて

2012/12/03 記述修正 漫画や雑誌がきれいに並んでました → 漫画や雑誌が整理されて並んでました

2012/12/03 記述修正 何台か並んでいました → 3台並んでいました

2012/12/03 記述追加 ここまで家の中を見せてもらっても、

2012/12/03 記述修正 まだ一度も見ていない物がありました → まだ一度も見ていない物があるのに気づきました

2012/12/03 記述修正 どこにもありませんでした → どこにもなかったんです

2012/12/03 記述修正 写真とか無いのと、尋ねました → 写真を見てみたいと、伝えてみました

2012/12/03 記述修正 すると、無いことも無いけど、昔の写真だよ、と言って → すると、「ないこともないけど、昔の写真だよ」と言って

2012/12/03 記述修正 黄色い帽子を被っている、小学生の低学年のかなちゃんと → まだとても幼いかなちゃんと

2012/12/03 記述修正 兄弟の誰かの、2人で映っている写真がありました → 兄弟の中の誰かが、2人だけで映っている、写真ばかりがありました

2012/12/03 記述修正 家族全員の写真は、1枚も無く → ひととおり眺めても、家族全員の写真はアルバムに1枚もなくて

2012/12/03 記述修正 顔はあまり似ていませんでした → 顔はあまり似ていないような気がします

2012/12/03 記述修正 家の中のものばかりです → 何故かこの家の中のものばかりです

2012/12/03 記述修正 やさしかったと聞くと → やさしかったのかを聞くと

2012/12/03 記述修正 うん → え、うん、そうだね……

2012/12/03 記述修正 あまり関心がなさそうに、一言だけ答えました → あまり関心がなさそうです

2012/12/03 記述修正 思い出がある訳ではなさそうに見えます → 強い思いがあるようには見えません

2012/12/03 記述修正 写っていない両親のどちらかかと思い → 写っていない両親のどちらかだと思い

2012/12/03 記述修正 意外な回答が帰ってきました → 少し意外な回答が帰ってきました

2012/12/03 記述修正 一緒にご飯を食べた事は無いよ → 一緒に過ごした記憶はないよ

2012/12/03 記述追加 でもそれだったら、みんな一緒に撮る気がする。

2012/12/03 記述修正 なぜ、小学校の低学年までしかないんだろう → それになぜ、小さい時までしかないんだろう

2012/12/03 記述修正 わたしの直感が感じています → わたしの直感が訴えている、気がする……

2012/12/03 記述削除 この写真を撮った人って、

2012/12/03 記述削除 かなちゃんにとって、どういう人だったの、と。

2012/12/03 記述修正 かなちゃんは、この質問のされ方が → かなちゃんも、この質問は

2012/12/03 記述修正 いつもならどんなむちゃぶりでも → いつもならどんな無茶振りでも

2012/12/03 記述修正 この時は即答できず、ちょっと黙っていました → この時は即答できずに、何かを言いかけたように口を開いて、ちょっと黙っていました

2012/12/03 記述修正 かなちゃんは → そしてかなちゃんは

2012/12/03 記述修正 佐藤さん → ……佐藤さん

2012/12/03 記述修正 前にいた住込みの家政婦の佐藤さん → 前にいた住込みの家政婦だった佐藤さん

2012/12/03 記述修正 あたしが大きくなったら → あたしが大きくなったから

2012/12/03 記述修正 佐藤さんの存在が → 『佐藤さん』の存在が

2012/12/03 記述修正 普通に話すように、努力してはいましたが → 普通に話してはいましたが

2012/12/03 記述修正 無理して普通を装っている風に見えました → 無理して平静を装っている風に見えました

2012/12/03 記述修正 かなちゃんは → この後かなちゃんは

2012/12/03 記述修正 これ以上は、何も聞けませんでした → これ以上はもう、何も訊けませんでした

2012/12/03 記述修正 いたずらに追い詰めたつもりは無かったけど → いたずらに追い詰めたつもりはなかったけど

2012/12/03 記述修正 忍さんにも → しまいには忍さんにも

2012/12/03 記述修正 全くありません → 今のわたしには全くありません

2012/12/03 記述修正 自分の本心に従って欲しいんです → 自分の本心に従って欲しい

2012/12/03 記述修正 認めただけになってしまうような気がします…… → 認めただけになってしまうような気がする……


7月31日 かなちゃんの家


とうとう約束の日がきました。


かなちゃんの自宅へ遊びに行く日です。


出会ったばかりの頃なら、純粋に楽しみだったろうけど、

今では全く違う気分です。


こんな機会はもうないかも知れないから、

確認できることは、今日しなくちゃいけない。


わたしは意を決して、降りたことのない、

かなちゃんの家の、最寄り駅の改札を出ました。


時間よりも30分早くて、いくらなんでも早すぎたなぁ、

と思っていたら、もうかなちゃんが来てました。


ここでわたしは、かなちゃんの私服を、初めて見ました。


上はキャミソールに、ひらひらな感じの丈の短い、

すかし編みのチュニックで、

下はショートパンツに、素足にサンダルで、

とてもかわいらしい、涼しげな格好でした。


わたしの視線に気づいたらしく、

「今日は、ラフに普段着だよ、

 メイクも髪も、ほとんどすっぴん」

と言って、何気にポーズとっているかなちゃん。


髪の色は、かなり薄くて金髪に近いくらいです。


きっと普段は、暗く染めて調整しているんだなぁ。


なんか、かなちゃんの髪、セミロングっぽくて長いような……


エクステンション?


でも何もしてないって言ってたし、と思ってよく考えると、

髪がいつもより、長く感じるのは、

いつもはゆる巻きだったり、外巻きや内巻きだったり、

ふわふわのエアリーっぽかったり、アップでまとめてたりと、

色々といじっているから、毛先がいつも、

ボブくらいの長さに見えていたけど、

今日はほとんどストレートだから、

長さが判りやすかったみたいです。


結構髪長かったんだなぁ、と、まじまじと見てしまいました。


かなり、すっきりしていて、新鮮な感じを受けます。


やっぱかわいいなぁ、でも……


かなちゃんとは、並んで歩いてはいけない、

と言う、女としての警告をひしひしと感じます。


そんなわたしの気持ちは、きっとお構いなしに、

かなちゃん曰く、

「多分、みなもちゃんは早く来ると思って、更に早く来たよ。

 やっぱりだったね」

だそうで。


こういったところは、すごい人だなぁ、

と関心してしまいます。


早速、かなちゃんに連れられて、お家へ行くかと思ったら、

「おいしいお店があるから、先にお昼食べていこうよ」

と、言うことで、お昼ご飯となりました。


こうして、かなちゃんが向かったお店は、

なんと、焼肉屋さんでした。


そこは、よくあるチェーン店ではなく、

小さいけど、何だか高そうなお店です。


その服、匂いとかいいのかな、とかわたしの心配をよそに、

さっさと入ってしまったので、慌ててわたしも後に続きます。


かなちゃんは、ここのお店の常連さんなのか、顔見知りなのか、

かなり気軽に、店員さんや店長さんに声をかけていました。


軽い挨拶が終わるとすぐに、店の中の一番奥にある、

4人がけの個室へと案内されて、

わたしはただ、後に付いていくだけです。


席に着くと、かなちゃんは笑顔になって、

「まさか焼肉?って顔してたね、みなもちゃん。

 焼肉もおいしいから、

 みなもちゃんがそっちがいいなら、そうしよっか?

 どれでも好きな物選んでくれていいよ、今日はおごるから」

と、メニューを広げてくれました。


貧乏性のわたしは、このような状況では、

まず値段を確認してしまいます。


ランチメニューで一番安いのが、2000円!?


全然自慢にならないけど、今までの人生で、

4桁の金額の食事をしたこと、ないです……


安いの選んでも、高いの選んでも、なんか申し訳ないから、

わたしはかなちゃんに、お任せすることにしました。


すると、かなちゃんは、

「ここに来たのは、これを食べてもらおうと思ってね」

と、冷麺を指差してました。


すかさず値段を見てしまうのが、わたしの悲しさです。


2500円。


2500円あれば、安売りの鶏肉が、豚コマが、もやしが……


やっぱり、かなちゃんはお金持ちなんだと理解しました。


「みなもちゃんも、これでいい?」


もうこれ以上、何も余計なことは考えずに、

わたしは無言で頷きました。


冷麺の他に、デザートに杏仁豆腐をつけて、注文し終えて、

かなちゃんがバッグを持っていないことに気づいて、尋ねると、

「ここから家はすぐだから、これしか持って来てないんだよ」

と言ってショートパンツのポケットから、携帯だけ出しました。


あぁ、お財布ケータイなんですね。


わたしの古い携帯には出来ない芸当です。


しばらくして、注文したものが運ばれてきました。


「どうかな、おいしい?

 最近暑いから、夕食はここで食べてるんだ。

 けっこうはまってて、週に1回は、ここ来てるかなぁ、

 帰り道の途中にあるから、すぐ寄れるしね」


この冷麺、今まで食べたことがないほど、おいしかったです。


杏仁豆腐も、スーパーに100円で売っているのとは違って、

とてもおいしかった。


多分、素材が違うんだなぁ。


わたしは、かなちゃんの言葉に同意しつつ、

その言葉の中に、ひっかかるものを感じていました。


かなちゃんは、自宅でご飯食べないんだ……


多分、ここで食べるのは1人で帰ってきた時で、

他の人たちと、付き合っている時は、

その人たちと一緒に、食べているんだろうから、

家で夕食を食べることは、ほとんどないのかな。


ここではあえて、その点は聞きませんでした。


食事を終えてお店を出ると、歩いて15分くらいで、

かなちゃんの自宅に着きました。


周囲は大きな家が立ち並ぶ、高級住宅街で、

駐車場は、どの家にも2台くらいのスペースがあって、

見慣れない高そうな車ばっかり並んでいます。


それと、みんな大きな庭があって、

その奥に家が建っています。


その中でも、家の大きさでは一番大きかったのが、

かなちゃんの家でした。


多分、3階建てで、庭は他よりはそれほど広くはないけど、

その分駐車場のスペースが広くて、4台くらい入りそうです。


でも今は1台もなくて、空っぽでした。


建物の方は、真っ白い箱をいくつも積み重ねたような外観で、

わたしの住んでいるアパートとは大違いです……


かなちゃんに連れられて、門を通って玄関に入ります。


「誰もいないから、挨拶はしなくていいよ」

とのことなので、かなちゃんに聞こえるように、

お邪魔します、と小声で言って上がりました。


まず、2階までの吹き抜けになっている玄関を通って、

広いリビングへと案内されてから、

そこで、ちょっと待っててと言われて、

大人しく待ってました。


ここはやたら広いリビングで、大きなテレビと、

U字型のソファーと、高そうな絵が飾ってありました。


大きなテレビの反対側には、

プロジェクターらしい機械が、に天井に設置されていたり、

高そうなオーディオの機器が置いてあったりして、

かなちゃんはもしや、ただのお金持ちじゃなくて、

すごいお金持ちだったのかな?

とか思いましたが、それよりも気になったのは、

この部屋には、まるで生活感がありません。


ものすごくきれいに、掃除や整頓されているからだからか、

とも思いましたが、どうもそれだけではなく、

この場所が、使われている感じがしないんです。


まるで、きれいなモデルルームを見ているような、

そんな感じに似ています。


部屋を眺めていると、かなちゃんが紅茶を運んできたので、

わたしはソファーに座って、一口飲みました。


おいしい、なにこれ、今まで飲んだことない味だ……


あまりにおいしくて、ちょっと気が遠くなりそうになったけど、

何とか踏みとどまって、本来の目的にかかりました。


しばらく淹れてもらった紅茶を飲みながら、

まずは、今日はご家族の人は出かけているのと、尋ねました。


すると、かなちゃんは、

「両親は共働きで、2人とも忙しいから、

 ほとんど家にはいないんだ」

と、特に変わらない様子で答えます。


わたしは相槌をうちながら、

かなちゃんって、ひとりっ子だっけと聞きました。


「ううん、兄と姉が3人いるよ。

 だから4人兄弟だね」


かなちゃんに兄弟がいたなんて話、初めて聞きました。


学校では触れられなかったから、話してないだけかなぁ。


そんなに兄弟がいるのに、こんなに人の気配や、

生活感がないのは何故だろう。


わたしは、兄弟のことをかなちゃんに尋ねてみました。


「今はみんな、この家には住んでないんだよ。

 結婚して出て行ったり、留学してたり、

 遠くの学校で、寮に住んでたりするから」


どことなく、兄弟のことを語るかなちゃんは、

浮かない感じを受けます。


かなちゃんには悪いけど、ここは、

突っ込んで確認すべきところだと、

わたしの直感が告げているので、後で確認することにして、

もう1つ気になった、これだけ広い家だと、

家事も大変じゃないかを尋ねたんです。


そしたら、かなちゃんは笑いながら、こう言いました。


「そんなの無理だよ、今はね週に3回、

 家事代行サービスの人が、午後に来るんだ。

 その人が、朝食の支度と掃除と洗濯をしてくれるから、

 あたしは特に何にもしてないんだ」


ということは、かなちゃんはこの家では、

家族どころか、ほとんど人に接することがない暮らしなのか……


だから、友達を増やしたがっているのかな。


でもそれだけじゃあ、あんなことをしている理由として、

まだ納得は出来ないから、何か別の理由があるのかなぁ。


こんなことを、わたしが考えていたら、

「みなもちゃん、変なことばっかり訊くね。

 なんだか、そういう質問は、

 なんていうか、ちょっと答えづらいな」

と、かなちゃんは呟いて、

伏せ目がちに、自分の髪をいじってます。


普段のかなちゃんは、人と話す時は、

必ず相手の方を見ているし、

髪をいじりながら、話すなんてことはしません。


何かの雑誌の特集で、自分の体や衣服や髪を触るのは、

不安の表れだと、書いてあった気がします。


これが演技でないのなら、やはりこの家の人間関係の何かが、

かなちゃんを、人集めに駆り立てている理由に繋がるはず。


ここで畳み掛けるように聞くのは、ちょっと悪いかと思い、

わたしは、話を一旦変えるために、

かなちゃんの部屋について尋ねて、

お部屋を見せてもらうことにしました。


かなちゃんの部屋は2階で、通りに面した角部屋でした。


その広さは、わたしの住むアパートより広いかも知れない……


押入れはないけど、ウォークインクローゼットが部屋にあって、

そこはうちの台所くらいの広さです……


かなちゃんは、これも想像通りですが、

大量の服を持っていて、前に聞いていた、

複数の制服もそこにありました。


聞いていたよりも数が多いような気が、と思って尋ねると、

「あれから、ちょっと買い足したんだ。

 ネクタイも結局買っちゃった。

 二学期は、ネクタイデビューする予定なんだ」

とのことで、学校の制服や夏服のシャツとかだけで、

十数着ありました。


ちなみに、かなちゃんが持っている色んな制服は、

似たような服を買っているのではなく、

買い足した標準の制服を店に出して、

仕立て直してもらっているのだそうです。


かなちゃん曰く、

出来合いの類似品だと、作りが雑だったり、

生地が薄かったりして、安っぽくて嫌だから、

そうしているそうで。


あの仕立て直した制服って、一体いくらなんだろう……


更に部屋の壁際には、大きな三面鏡のドレッサーや、

客間のよりは小さいけど、十分に大きな液晶テレビ、

縦と横の長さが同じ正方形のベッド、

やけにかっこいい机が置かれていて、部屋の真ん中には、

ソファーとテーブルのセットが並んでいて、テーブルには、

すごく薄くて大きいノートパソコンも置いてあって、

この部屋だけで、うちよりも遥かに居心地よく住めそうです。


この大きなベッドなんですが、

まだかなちゃんが小さい時に、大きいベッドがいいとせがんで、

そのお店にあった一番大きい、キングサイズっていうんですね、

これにしてもらったそうです。


これなら、そうとう寝相が悪くても大丈夫そうだなぁ。


机の上には、同じ型で色違いの携帯が、

2つ並んで置いてありました。


あれ、お昼の支払いの時も携帯出してたから、

かなちゃん、携帯2つじゃなくて、3つ持ってたんだ……


ここで元の調子に戻ったかなちゃんは、唐突に、

「あ、そういえば、前に買い物付き合ってもらった時に、

 髪解いて見せてくれるって言ってたよね?」

と、目の前に顔を寄せて言ってきたんです。


わわわわ、か、顔が、近い!


……ちょっとこれにはびっくりして、

とっさに身を引いてしまいました。


普段から、友人とスキンシップをとったりはしないので、

これは同性でも、すごくすごく焦ります。


かなちゃんは、相手が意識する距離、

パーソナルスペースっていいましたっけ、

をわきまえて、それに踏み込まない距離をとって、

人と常に接していたので、この行動は、

通常のかなちゃんの心理からは、出てこないはず。


もしかしてわたし、からかわれている?


それとも、今までの質問攻めの仕返しなのかも、

と思いつつ、わたしは頷いて、

忍さん流まとめ髪を解きます。


かなちゃんは、まじまじとわたしの髪を見て、

「プールの着替えの時にも、何回か見てるけど、

 やっぱりすごく長いね!

 ここまで伸ばしたことないなぁ、

 やっぱ、髪の量が多いんだね。

 長い割に、あんまり痛んでなくてきれいだなぁ、

 大変でしょ、これ維持するの」

と、色々言われながら、髪を梳かしています。


かなちゃんも、忍さんと同じく、

人の髪の扱いは丁寧なので、安心して預けていられます。


ただ、こうやって髪をいじられていると、

どうしても、だんだん眠くなってしまいます……


かなちゃんは楽しそうに、わたしの髪を、

手早くアップのまとめ髪にしてしまいました。


「こういうのは、みなもちゃん好きじゃないんだっけ?

 前は垂らして、ここはまとめて、横は……」


とか何とか言いながら、更にアレンジして、

結局、軽く盛り髪な感じの、

わたしのセンスでは出てこない、

豪勢なまとめ髪になりました。


でもかなちゃんは、まだ納得していない様子で、

「うーん、顔周りだけ、レイヤー入れて、

 もうちょっと前上がりにすると、

 決まりそうなんだけど……」

と呟いていました。


その意見は、次にカットする時に、

参考にさせてもらうとして、

この辺で、わたしからの質問を再会しました。


お兄さんやお姉さんの部屋も、

こんなに広いのかを尋ねると、表情は変わらずに、

「部屋見てみる?」

と返されて、さっそく別の部屋へと案内されました。


どうやら、全ての兄弟の部屋の鍵を預かっているらしく、

中の物も自由に使っていいと、言われているそうです。


なんでも、子供部屋は全て同じ2階にあって、

最初は、二番目のお兄さんの部屋に案内されました。


広さは、かなちゃんの部屋と同様で、

室内は一言で言うと『トレーニングジム』でした。


部屋の至る所に、様々な筋力トレーニングの器具が置かれていて、

後は、主に球技のスポーツの道具が、色々と置いてありました。


バスケの時のボールなどは、ここから借りていくそうです。


次に、お姉さんの部屋へ行くと、

今度は『楽器屋さん』でした。


音楽室にあるような、大きなピアノが真ん中にあって、

その周囲には、ガラス棚に入った、

高そうなヴァイオリンなどの弦楽器や、

別のガラス棚に入った、フルートなんかの管楽器が、

ずらりとしまってあって、

高そうなオーディオと、レコードやCDも、

たくさん置いてありました。


「あれは、ほとんどクラシックだから、

 あんまり、借りたことないんだ」

と、かなちゃんは言いつつ、次の部屋へ。


最後は、上のお兄さんの部屋です。


この部屋は、一言では言い表せませんでした。


あえて言うなら、『おもちゃ屋さん』でしょうか。


飛行機や車やヘリコプターのラジコンが、

天井から吊してあって、棚には、

モデルガンやプラモデルが、きれいに飾られていて、

大きな本棚には、漫画や雑誌が整理されて並んでました。


すごく大きな机には、

3つの大きなディスプレーが、並べて置いてあって、

机の脇には大きなパソコンが、3台並んでいました。


あの本棚の漫画とかは、結構価値がある物らしいそうです。


これで、かなちゃんを含めた、兄弟全員の部屋を見せてもらい、

かなちゃんの部屋へと戻りました。


ここまで家の中を見せてもらっても、

普通の家ならありそうだけど、この家では、

まだ一度も見ていない物があるのに気づきました。


それは、家族の写真です。


今まで見てきた部屋の、どこにもなかったんです。


単に、飾っていないだけかも知れないので、

わたしは、かなちゃんが両親のどっちに似ているのかを尋ねて、

写真を見てみたいと、伝えてみました。


すると、

「ないこともないけど、昔の写真だよ」

と言って、デジカメで撮ったのもあった様な気がするけど、

間違って消しちゃったらしくて、

机のとなりの、本棚の奥から、

かなり古そうなアルバムを持ってきました。


そのアルバムには、まだとても幼いかなちゃんと、

兄弟の中の誰かが、2人だけで映っている、

写真ばかりがありました。


お父さんやお母さんとの写真は、1枚もありません。


かなちゃんと、お兄さんやお姉さんは、

かなり歳が離れているようで、

更に、顔はあまり似ていないような気がします。


ひととおり眺めても、

家族全員の写真はアルバムに1枚もなくて、

どうも撮っている場所が、何故かこの家の中のものばかりです。


かなちゃんは、

「この頃は、まだ兄や姉が家にいたから、

 食事とか、たまに一緒に食べたりしていたなぁ。

 その時に撮ってもらった写真だよ」

と言って、懐かしそうに見ていました。


わたしはかなちゃんに、

お兄さんやお姉さんは、やさしかったのかを聞くと、

「え、うん、そうだね……」

と、あまり関心がなさそうです。


かなちゃんは、この写真に写った兄弟を慕っていて、

いなくなってしまったから、寂しくて、

ああいう行動をとったんだと、わたしは考えていたのですが、

兄弟の部屋を見せてもらった時の態度や、

今の質問に対する答え方をみると、兄弟に対して、

強い思いがあるようには見えません。


あの写真を撮ったのは、写っていない両親のどちらかだと思い、

それを尋ねると、少し意外な回答が返ってきました。


「もうこの時から、両親は忙しかったから、

 一緒に過ごした記憶はないよ」


じゃあ、誰がこの写真を撮ったんだろう。


写っていないお姉さんか、お兄さんが撮ったのかな。


でもそれだったら、みんな一緒に撮る気がする。


それになぜ、小さい時までしかないんだろう。


ここで、さっき客間で聞いた、

かなちゃんの言葉を思い出しました。


家事代行の人が来るって話していた時の、

『今は』ってところが、とても気になっていたんです。


これが核心なんじゃないかと、

わたしの直感が訴えている、気がする……


わたしは意を決して、写真を撮った人について尋ねました。


かなちゃんも、この質問は全く予想していなかったようで、

いつもならどんな無茶振りでも、リアクションを返すのに、

この時は即答できず、何かを言いかけたように口を開いて、

ちょっと黙っていました。


そしてかなちゃんは、

こちらを見ずにアルバムに目を落としたまま、

「……佐藤さん」

と、呟いた後、言い直して、

「写真を撮った人は、

 前にいた住込みの家政婦だった佐藤さん。

 その人は、あたしが大きくなったから、

 うちの仕事はやめたんだ。

 その後から、家事代行のサービスの人が、

 週に3日だけ、来るようになったんだよ」

と、教えてくれました。


でも、この時のかなちゃんは、普通に話してはいましたが、

無理して平静を装っている風に見えました。


この、家政婦の『佐藤さん』の存在が、

何かかなちゃんに、動揺させるものがあるんだと、

わたしは感じました。


わたしが佐藤さんについて、訊こうと思ったその時、

かなちゃんの携帯がなりました。


時計を見ると、もう5時になっていて、

わたしはバイトが、かなちゃんも、

予定があると言っていた時刻です。


この後かなちゃんは、駅までの道を送ってくれました。


でもその道中でも、やはりかなちゃんの態度は、

取り繕っている風に見えて、

わたしは追求するのをためらってしまい、

これ以上はもう、何も訊けませんでした。


改札前で、かなちゃんに見送ってもらい、

わたしは、色々お礼を言ってから別れて、

バイトへと向かいました。


ちょっと悪いことをしてしまったかなぁ……


いたずらに追い詰めたつもりはなかったけど、

結果として、そうなってしまった……


バイト先では、わたしの髪をみた人がみんな、

イメージが違って見えたと、ちょっと驚いていましたが、

でもわたしは、それどころではありませんでした。


この日はバイトも上の空で、

今までで、一番注意された日になってしまい、

しまいには忍さんにも、怒られるのではなく、

心配されてしまいました。


わたしは、やはり間違ったことをしたのでしょうか。


決して興味本位でしたことではないけど、

かなちゃんにとっては、望んでいたことではないのは、

間違いないと思います。


でもわたしは、どうしても今のかなちゃんが

あるべき姿には見えないんです。


きっと今の、装っているかなちゃんからすれば、

嫌がられることだと思うけど、

出来ることなら、装ったかなちゃんではなく、

素のかなちゃんになって、自分の本心に従って欲しい。


でもそれを上手く、かなちゃんに伝える自信は、

今のわたしには全くありません。


とりあえず、謝った方がいいような気もするけど、

でもそれだと、わざとああいう嫌がらせをしたと、

認めただけになってしまうような気がする……


しばらく、どうすればいいか、

ゆっくり考えてみたいと思います……





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ