2010年 9月 その2
変更履歴
2010/12/19 記述修正 白のシャツに、黒いベストとネクタイしてて、 → 白のシャツに、黒いベストを着ていて、
2011/04/04 記述統一 一週間、二日間、三時間 → 1週間、2日間、3時間
2011/04/12 記述統一 1年生、(中学)2年、高校3年 → 一年生、二年、高校三年
2011/06/24 記述統一 一つ、二つ、三つ → 1つ、2つ、3つ
2011/08/04 記述統一 一人、二人、三人 → 1人、2人、3人
2011/09/08 誤植修正 位 → くらい
2013/08/12 誤植修正 同姓の後輩とかに → 同性の後輩とかに
2013/08/12 誤植修正 行ってきた → 言ってきた
2013/08/12 誤植修正 出たみたら → 出てみたら
2013/08/12 句読点調整
2013/08/12 改行調整
2013/08/12 区切り行追加
2013/08/12 記述統一 友だち → 友達
2013/08/12 記述統一 ひと通り・一通り → ひととおり
2013/08/12 記述修正 昨日の球技大会のせいでなった、筋肉痛がひどくて → 筋肉痛がひどくて
2013/08/12 記述修正 新人戦を見に行ってきました → 陸上部が出る新人戦を見に行ってきました
2013/08/12 記述移動 葵ちゃんの話によると、
2013/08/12 記述修正 今日と明日のは県内の地区予選で → 今日と明日行なわれているのは県内の地区予選で
2013/08/12 記述移動 午後くらいから、間宮さんの出る短距離が始まって、
2013/08/12 記述移動 その後に、葵ちゃんの出る、
2013/08/12 記述移動 長距離の予定だと聞いていたので、
2013/08/12 記述移動 競技場には、お昼過ぎに着くように来ました。
2013/08/12 記述修正 お昼過ぎに着くように来ました → お昼過ぎに着くように向かいました
2013/08/12 記述移動 今日と明日のは、県内の地区予選らしくって、
2013/08/12 記述修正 県内の地区予選らしくって → 県内の地区予選で
2013/08/12 記述修正 最初に観客席を見た時は、ガラガラで → 最初に観客席を見た時は
2013/08/12 記述修正 見てる人がほとんどいないのを見て → 人がほとんどいなかったから
2013/08/12 記述修正 場所を間違えたかと思いました → 場所を間違えたかと思いましたね
2013/08/12 記述修正 観客席の下の方は、競技の出場待ちの人たちとか → でも観客席の下の方には、競技の出場待ちの人たちや
2013/08/12 記述修正 予選はけっこう接戦だったけど、全て1位でした! → けっこう接戦だったけど、でも予選は全て1位でした!
2013/08/12 記述修正 一番きれいに見えました → 一番きれいに見えましたね
2013/08/12 記述修正 残念ながら県大会出場ならずでした → 残念ながら県大会出場ならずに終わりました
2013/08/12 記述移動 決勝での間宮さんのスピードは、気のせいか準決勝までよりも、
2013/08/12 記述移動 遅かったような気がしました。
2013/08/12 記述修正 遅かったような気がしました。 → 遅かったような気がします……
2013/08/12 記述修正 終盤には1位でゴールしていました → 終盤には1位でゴールしていましたね
2013/08/12 記述修正 葵ちゃんは → 1位だったのもあるんでしょうけど、葵ちゃんは間宮さんと違って
2013/08/12 記述修正 他の部員たちに囲まれていました。 → 他の部員たちに囲まれていました……
2013/08/12 記述移動 おめでとう、葵ちゃん!
2013/08/12 記述修正 2人とは話は出来ないだろうから → 2人と話は出来ないだろうから
2013/08/12 記述修正 昨日までの、球技大会の疲れのせいとかかも → 球技大会の疲れのせいかも
2013/08/12 記述修正 なんて考えてみたけど → って思ったけど
2013/08/12 記述修正 間宮さん、どう思ってるんだろう → 本当のところはどうなんだろう
2013/08/12 記述修正 今年も何とか → 今年も
2013/08/12 記述結合 お参りしてきました。 → お参りしてきたんですが、
2013/08/12 記述修正 絵のことを報告しました → 絵のことを報告しておきました
2013/08/12 記述修正 生意気になってるのかなぁ、とか思っていたら → 普通に話してくれないかもくらいに思っていたんですけど
2013/08/12 記述修正 わたしの想像以上の変わりようでした。 → わたしの想像以上の変わりようでした……
2013/08/12 記述修正 特攻服っぽい感じな → 特攻服っぽい感じの
2013/08/12 記述修正 メイクもしてました! → メイクまでしてました!
2013/08/12 記述結合 引っ張られていきました。 → 連行されたんですけど、
2013/08/12 記述修正 変わっていて → 変わっていたから
2013/08/12 記述修正 巴ちゃんが聞きたかったのは → で、すぐさま巴ちゃんから問い詰められたのは
2013/08/12 記述修正 暴走族とか → 暴走族や
2013/08/12 記述修正 古いその系の雑誌を開いて → その系の古い雑誌を見せながら
2013/08/12 記述修正 このチームとか知らない? → 「ねぇ、このチーム知らない?」
2013/08/12 記述修正 とか → と
2013/08/12 記述修正 そのチームみたいのに → そのチームに
2013/08/12 記述削除 そう言うのは、よく判んない、ごめんね、
2013/08/12 記述結合 と答えました。 → まったく答えられなかったんですけど、
2013/08/12 記述修正 巴ちゃんの解説が続きました → 巴ちゃんの解説が始まりました
2013/08/12 記述修正 多かったのは → 話の割合が一番多かったのは
2013/08/12 記述修正 10倍以上いる、暴走族との大乱闘事件や → 10倍以上の暴走族との大乱闘事件や
2013/08/12 記述修正 大幹部の凶行とかを → 大幹部の凶行なんかを
2013/08/12 記述修正 まあ → まぁ
2013/08/12 記述修正 話を聞いてあげると → 話を聞いてあげている間
2013/08/12 記述修正 ニコニコしてました → ニコニコしてましたね
2013/08/12 記述修正 巴ちゃんは、ひととおり話した後に時計を見て → ひととおり話した巴ちゃんは、時計を見ると
2013/08/12 記述修正 これから集会なんだ → 「これから集会なんだ」
2013/08/12 記述修正 なんか微妙に弄ってあるっぽい自転車に乗って → なんか微妙に弄ってある、乗りにくそうな自転車に乗って
2013/08/12 記述追加 やっぱり友達も、同じような格好しているのかなぁ、
2013/08/12 記述結合 今度は惠ちゃんが帰ってきました。 → 今度は惠ちゃんが帰ってきたんですけど、
2013/08/12 記述修正 スカートの裾の長いフリルのワンピースです → スカートの裾の長いフリルのワンピース姿でした
2013/08/12 記述削除 どうも、口調もそれに似せてるっぽくて、
2013/08/12 記述修正 普通の人たちよりも偉いって言う → 普通の人たちよりも偉いみたいな感じなのは
2013/08/12 記述修正 そう言う設定っぽかったんで → そんな設定なんだろうと思って
2013/08/12 記述結合 あえてそれには突っ込まず、気にしないで話しました。 → あえてそれには触れないで話を聞いていたら、
2013/08/12 記述修正 惠ちゃんも、ちょっと来てって言って → 惠ちゃんも2人で話したいことがあるらしく
2013/08/12 記述修正 わたしを自分の部屋へと、連れて行きました → すぐに自分の部屋へと来るようにとのお言葉が
2013/08/12 記述修正 そう言う系の → それ系の
2013/08/12 記述修正 アニメのポスターとか、漫画とかでいっぱいで → アニメのポスターや漫画がいっぱいで
2013/08/12 記述修正 惠ちゃんからは、東京でやってるコミケとかに → そこで惠ちゃんから訊かれたのは、東京でやってるコミケのことで
2013/08/12 記述修正 どうやったら、参加できるの? → 色々と質問されたけど
2013/08/12 記述修正 とか、ああいうのって、私でも行ける? → わたしは全然判らず、
2013/08/12 記述修正 とか、質問されました。 → 全く答えられませんでした……
2013/08/12 記述修正 さっきの、ツンツンしたキャラは → どうやら、さっきのツンツンしたキャラは
2013/08/12 記述修正 部屋の中での惠ちゃんは → 部屋の中では
2013/08/12 記述修正 前から知ってる、大人しい惠ちゃんのままでした → 前と変わらない大人しい惠ちゃんのままでしたね
2013/08/12 記述修正 わたしは惠ちゃんに、漫画とか描いてるの? → その後色々と聞いてみると、
2013/08/12 記述修正 と尋ねると、小説とかも描いてるんだ → 惠ちゃんは小説やマンガも描いていて
2013/08/12 記述修正 と言った後、内容のことを親には言わないで → 内容については親たちには言わない条件で
2013/08/12 記述削除 と頼まれて、絶対言わないって約束してから、
2013/08/12 記述修正 わたしに見せてくれました → 見せてもらいました
2013/08/12 記述修正 その漫画や小説は → それらは全部
2013/08/12 記述修正 わたしには、何とも言えなかったんだけど → 何とも言えなかったんだけど
2013/08/12 記述削除 BLとかじゃないんだけど、
2013/08/12 記述削除 かなり、キャラの裸のシーンも多くて、
2013/08/12 記述修正 中二っぽい感じの内容でした → 中二っぽい感じの内容でした
2013/08/12 記述修正 かなり → 内容はともかく、かなり
2013/08/12 記述修正 それにはちょっとびっくりしました → それにはちょっとびっくりです
2013/08/12 記述修正 わたしは、素直な感想の → わたしは、素直に感じた感想を
2013/08/12 記述削除 内容は判んないけど、構図とかもおかしくないし、
2013/08/12 記述削除 絵はきれいで、上手いと思うよ、
2013/08/12 記述修正 と伝えると → 伝えると
2013/08/12 記述修正 とても喜んでいました → とても喜んでいましたね
2013/08/12 記述修正 自作小説と、自作漫画の解説を話していて → 自作の小説やマンガの解説を話していて
2013/08/12 記述修正 とても楽しそうに → とても楽しそうで
2013/08/12 記述修正 生き生きしているなって → 本当に好きなんだなって
2013/08/12 記述修正 惠ちゃんとおじさんたちに見送られて → 惠ちゃんやおじさんたちに見送られて
2013/08/12 記述修正 びっくりしました → びっくりしましたね
2013/08/12 記述修正 だからおじさんとおばさんは → おじさんとおばさんは
2013/08/12 記述修正 大変かも知れないけど → 色々大変かも知れないけど
2013/08/12 記述修正 見守ってあげてほしいなぁ → 見守ってあげて欲しいなぁ
2013/08/12 記述修正 て、思います → って思います
2013/08/12 記述修正 『空』をテーマにしたもので → 『空』をテーマにした
2013/08/12 記述削除 絵画展と言っても、油絵や水彩画だけではなくて、
2013/08/12 記述削除 鉛筆画や、水墨画も展示されている、
2013/08/12 記述削除 『空』が題材となっていれば、
2013/08/12 記述結合 どんな手法の絵も展示されている、絵画展でした。 → 様々な手法の絵が展示されているものだったのですが、
2013/08/12 記述修正 このお誘いはすごく急で → このお誘いがすごく急で
2013/08/12 記述修正 と尋ねられて → と唐突に
2013/08/12 記述修正 こんな滅多にない機会を → こんな貴重な機会を
2013/08/12 記述修正 かなりへこみますから。 → かなりへこみますから……
2013/08/12 記述修正 その絵画展へは、車で行くことになっていて → その場所へは、車で行くとのことで
2013/08/12 記述修正 まあ → まぁ
2013/08/12 記述削除 前に家に送ってもらった時にも、乗せてもらった、
2013/08/12 記述削除 店長の車に乗って、行ってきました。
2013/08/12 記述追加 前に送ってもらった時と同じ車で現れた忍さんに、
2013/08/12 記述修正 わたしが、お弁当を作ってきたことを伝えたら → お弁当を作ってきたことを伝えたら
2013/08/12 記述修正 羽織っているだけでしたから → 羽織っているだけだし
2013/08/12 記述修正 Ⅴネックのインナーと → 黒いキャミと
2013/08/12 記述修正 胸元から見えていて、インナーの裾も出していました → 胸元から見えていました
2013/08/12 記述移動 ちゃんとしたOLには、全く見えなくて、
2013/08/12 記述分割 全く見えなくて、 → 全く見えません。
2013/08/12 記述結合 まとめたりしてません。 → まとめたりしておらず、
2013/08/12 記述修正 忍さんの格好はいつもこんな感じで → 忍さんはいつもこんな感じで
2013/08/12 記述修正 公式のイベントとかに → 公式のイベントに
2013/08/12 記述修正 偉い人と会う用があった日くらいしか → 偉い人と会う用事があった日くらいしか
2013/08/12 記述修正 ちゃんと服のボタンを閉めてるのを → ちゃんと服のボタンを留めているのを
2013/08/12 記述修正 見た事がありません → 見たことがありません
2013/08/12 記述修正 古い車らしいんですが → 古い車らしいけど
2013/08/12 記述修正 12時近くになって → 12時近くになったので
2013/08/12 記述修正 今のうちに、近くの空いてるサービスエリアで → 近くの空いてるサービスエリアで
2013/08/12 記述修正 食べ終わったらすぐに出発して、都心へと近づくにつれて → 食べ終わったらすぐに出発したんですが、都心へと近づくと
2013/08/12 記述修正 道はだんだんと混み始めていって → 道はだんだんと混み始めて
2013/08/12 記述修正 そのことに気づきました → そのことに気づきましたね
2013/08/12 記述結合 その人が見終わるのをわざわざ待っていたせいです。 → その人が見終わるまで待っていたからなんですけど、
2013/08/12 記述修正 ぜんぜん、気づいていませんでした → 全く自覚していなかったんです
2013/08/12 記述修正 わたしはかなり夢中になって → わたしはかなり夢中で
2013/08/12 記述修正 小さい子供みたいだと自分で思い → 小さい子供みたいだと思った途端
2013/08/12 記述修正 顔が熱くなって、赤面しているのが判りました → 赤面してしまいました
2013/08/12 記述修正 げらげら笑っていて → 遠慮なくゲラゲラ笑っていて
2013/08/12 記述削除 そんなに笑わなくても、いいじゃないですか!
2013/08/12 記述修正 と、わたしは忍さんに怒って → わたしは忍さんに怒って
2013/08/12 記述結合 しばらくむくれていました。 → しばらくむくれていたら、
2013/08/12 記述修正 今までも無かったし → 今までもなかったし
2013/08/12 記述修正 遠慮しないで素でいることにしたんです → 遠慮しないことにしたんです
2013/08/12 記述修正 忍さんは → 忍さんが
2013/08/12 記述修正 イタリア料理のお店だったなあ → イタリア料理のお店だったなぁ
2013/08/12 記述修正 この店のピザとドリアが、美味しいらしくって → その店のピザとドリアが、かなりの評判らしく
2013/08/12 記述修正 ピザは忍さんがこれしかない → ピザは忍さんが、「これしかない」
2013/08/12 記述修正 それとシーフードドリアも頼んでました → それとシーフードドリアとフォカッチャも頼んでました
2013/08/12 記述修正 その他には、フォカッチャとか → その他には、
2013/08/12 記述修正 スープはミネストローネとか → スープはミネストローネ
2013/08/12 記述修正 サラダはカプレーゼとか → サラダはカプレーゼ
2013/08/12 記述修正 チーズの盛り合わせとか → さらにチーズの盛り合わせ
2013/08/12 記述修正 生ハムメロンとか → 生ハムメロン
2013/08/12 記述修正 かなりの量を、頼んでいたように思えて → これってかなりの量なんじゃないかと心配していたら
2013/08/12 記述修正 実際に料理が来てみたら → 実際に料理が来ると
2013/08/12 記述結合 不安になってきました。 → 不安になったんですが、
2013/08/12 記述修正 結構大食いだから → 結構大食いなんだよ
2013/08/12 記述修正 と言って笑ってました → と言って笑ってましたね
2013/08/12 記述分割 わたしには無理でしたけど、 → わたしには無理でした。
2013/08/12 記述削除 忍さんは、美味しい美味しいって、言って、
2013/08/12 記述削除 普通にどんどん食べてました。
2013/08/12 記述修正 聞きたいことがあると言って、話し始めました。 → 聞きたいことがあるって言って、話し始めたんです……
2013/08/12 記述修正 絶対どこかで見たことあるって → 絶対どこかで見た事あるって
2013/08/12 記述修正 そうです、と答えると忍さんは → 頷くと忍さんは
2013/08/12 記述削除 「やっぱ、そうか。
2013/08/12 記述修正 実はね → 「実はね
2013/08/12 記述修正 わたしの父の描いた空のデッサンが展示されていて → 片隅の方に空のデッサンが展示されていて
2013/08/12 記述修正 父の絵は → その絵は
2013/08/12 記述修正 欠かさずに出席したんだそうです → 欠かさずに出席したんだとか
2013/08/12 記述修正 その名前は、ぜんぜん見つからなかったそうです → ひとつも見つからなかったそうです
2013/08/12 記述修正 わたしはこの話を聞いた後に → この話を聞いた後に
2013/08/12 記述結合 忍さんに話しました。 → 忍さんに話したんですけど、
2013/08/12 記述修正 お父さんは病気で。 → お父さんは病気で……
2013/08/12 記述修正 その病気がなければ → その病気がなければ、もしかしたら
2013/08/12 記述分割 と謝られたけれど、わたしは気にしていなかったので、 → と謝られてしまいました。
2013/08/12 記述削除 すぐに、大丈夫だから、気にしないで下さい、
2013/08/12 記述削除 と返しました。
2013/08/12 記述修正 それにしても、忍さんが父の絵を見ていて → 忍さんが父の絵を見て
2013/08/12 記述修正 縁だったんだ → 縁だったのかも
2013/08/12 記述修正 いくつか気になったところがあって → 気になったところもあったし
2013/08/12 記述修正 忍さんは → すると忍さんは
2013/08/12 記述修正 前に → 前に訊かれた
2013/08/12 記述分割 自分の事は話さないのも不公平だね、 → 自分の事は話さないのも不公平だね。
2013/08/12 記述結合 今日はとことん話そうか。 → 今日はとことん話そうか、
2013/08/12 記述分割 多分結構長くなるよ、下手すると朝帰りとかだけど。 → 多分結構長くなるよ。下手すると朝帰りかもだけど、
2013/08/12 記述修正 みなもちゃんは、時間は大丈夫なの? → みなもちゃんは大丈夫なの?
2013/08/12 記述修正 と、質問されました → って訊かれたんです
2013/08/12 記述修正 わたしの方は、母は出張で帰って来るのは来週だし → 母は出張で帰って来るのは来週だし
2013/08/12 記述分割 予定も特にないから、忍さんさえ良ければ、 → これは、願ってもないチャンスだ!
2013/08/12 記述修正 ぜんぜん大丈夫です! → わたしが即座に頷いたら、予想外の食いつきに驚いたようで
2013/08/12 記述修正 忍さんは一言返してから → 忍さんは軽く苦笑いで一言返してから
2013/08/12 記述削除 どっちかって言うと、
2013/08/12 記述結合 いつも騒動を起こしてるタイプの子だった。 → なにかと騒動を起こしてばっかたから、
2013/08/12 記述修正 大人しくて真面目な妹の → 妹の
2013/08/12 記述修正 しょっちゅう怒られてた → いっつも怒られてた
2013/08/12 記述修正 大人しくて物静かで → 真面目で大人しくて物静かで
2013/08/12 記述修正 趣味も読書とかで、絵には興味はなかったから → 絵には興味はなかったから
2013/08/12 記述分割 趣味は全く合わなかった、 → 趣味は全く合わなかった。
2013/08/12 記述結合 憎まれ口ばっかりだったけど。 → 憎まれ口ばっかりだったけど、
2013/08/12 記述修正 合気道をずっと習っていて → 小さい頃からずっと合気道を習っていたから
2013/08/12 記述修正 よくつるんで遊ぶようになったんだ → よくつるんで遊ぶようになった
2013/08/12 記述修正 たまに、因縁つけられることはあったけど → 結構因縁つけられる事があったけど
2013/08/12 記述修正 相手は謝ってた → 相手は逃げるか土下座してるかのどっちかだったな
2013/08/12 記述修正 有り得ないくらい強かった → 有り得ないくらい強かったし、学校の成績も一番だった
2013/08/12 記述修正 まさか学年でも上位に入る子が → まさか頭のいい明日香が
2013/08/12 記述修正 そんなことを言い出すとは → そんな事を言い出すとは
2013/08/12 記述結合 特攻服を作ろうとか、3人は言ってたんだ。 → 特攻服を作ろうとか3人は言い出していたから、
2013/08/12 記述修正 今にして思うと、これじゃまるで → これじゃまるで
2013/08/12 記述修正 けっこうやんちゃして → 結構ヤンチャして
2013/08/12 記述修正 まあ、親にはばれてたから → ても親にはばれてたから
2013/08/12 記述修正 いっつも止めなさいって、怒られてたよ → 毎日のように止めなさいって怒られてたな
2013/08/12 記述修正 でも親には、手を上げたことはないよ → だけど親には、手を上げた事はない
2013/08/12 記述修正 司にも、なに馬鹿なことしてんの、 → 司からは、いつまでそんな馬鹿な事続けるつもり?
2013/08/12 記述修正 とか言われてたなあ → なんて言われてたっけ
2013/08/12 記述修正 返してたよ → 返してたな
2013/08/12 記述修正 そんな不良なんだけど、みんな頭が良くって → まあ言ってしまえば不良なんだけど、私以外は頭が良くって
2013/08/12 記述修正 私以外は、学年の順位でも1桁台の成績で → 私以外の3人は、学年の順位でも1桁台の成績だったから
2013/08/12 記述修正 私はテスト前とかは → テスト前になる度
2013/08/12 記述修正 3人とも、結構きつくって → 3人とも、教え方が結構きつくって
2013/08/12 記述修正 みんなで同じ高校へ行こうって話になってて → みんなで同じ高校へ行こうって話になってたからなんだけど
2013/08/12 記述修正 公立で偏差値70近い高校なんだよ → その地域では一番頭の良い公立の高校なんだよ
2013/08/12 記述修正 絶対無理だから → 私には絶対無理だから
2013/08/12 記述修正 死ぬ思いで勉強したんだ → 当時は死ぬ思いで勉強してたんだよね
2013/08/12 記述分割 おかげさまで無事に合格して、 → でもこのおかげで無事に合格出来た。
2013/08/12 記述削除 その地域では、一番頭の良い高校に入ったんだ。
2013/08/12 記述修正 夜とか休みとかは → 夜とか休みの日なんかは
2013/08/12 記述修正 20人くらいになってて → 20人くらいになってたけど
2013/08/12 記述修正 入れる子は頭が良くて → 入れるのは
2013/08/12 記述修正 強くなきゃ駄目ってルールだったから → 強くて頭も良くなきゃ駄目ってルールで
2013/08/12 記述修正 なかなか入れる子は少なくて → 入れる子はかなり少なかったから
2013/08/12 記述修正 狼斬凛桜の四天王とか言う → 『狼斬凛桜の四天王』とか言う
2013/08/12 記述修正 私と同じ高校に入った妹の司から → 私と同じ高校に入った司が
2013/08/12 記述修正 珍しく言ってきて → 珍しく言ってきたから
2013/08/12 記述修正 それを聞いてみたら、他の進学校の男子が → 話を聞いてみたら、他の進学校の男子に
2013/08/12 記述修正 付き合ってくれって言って → 付き合えって
2013/08/12 記述修正 しつこく付きまとわれて、脅迫じみた事も言われて → かなりしつこく付きまとわれて
2013/08/12 記述修正 大人しく言うことを聞いて、俺の女になればいいんだ → 大人しく妹を俺に差し出せ
2013/08/12 記述修正 覚えてろとか言って → 捨て台詞を吐いて
2013/08/12 記述結合 出てみたら、男の声で私を呼び出す電話だった。 → 出るとそれは、男の声で私を呼び出す電話だったから、
2013/08/12 記述修正 どうやら、門埜が力ずくで司を拉致して → すぐに、門埜が力ずくで司を拉致して
2013/08/12 記述修正 完全にぶちきれた私は → 完全にブチ切れた私は
2013/08/12 記述分割 司は手足を縛られてて、顔に殴られた跡があって、 → 司は下着姿で手足を縛られてた。
2013/08/12 記述修正 服も破られて下着姿にされていて → 顔に殴られた跡があって
2013/08/12 記述修正 その顔はとても怯えているのが判った → とても怯えているのが判った
2013/08/12 記述修正 この後、こっちの倍くらいいた皇の奴らを → こっちの倍くらいいた皇の奴らを
2013/08/12 記述修正 私を脅そうとしてた目論見が崩れて → 私を脅す目論見が崩れたどころか
2013/08/12 記述修正 それどころか、実は狼斬凛桜の幹部で → 狼斬凛桜の幹部を
2013/08/12 記述修正 それを逆上させたのに → 逆上させたのに
2013/08/12 記述修正 逃げ出そうとしてたのが見えた → 逃げ出そうとした
2013/08/12 記述修正 大乱闘は、門埜が逃げ出した辺りから → 大乱闘の方は、門埜が逃げ出した後に
2013/08/12 記述修正 皇の奴らは、士気が下がって逃げ出したから → 皇の奴らの士気が下がって逃げ出していたから
2013/08/12 記述修正 やめてって司に頼まれて → やめてって司に頼まれたのもあって
2013/08/12 記述削除 私の怒りもとりあえず治まったんで、
2013/08/12 記述修正 薬の横流しもやっていて → 薬の横流しもやっていたから
2013/08/12 記述移動 この乱闘事件で、今まででかい顔をしていた、
2013/08/12 記述修正 この乱闘事件で → でもその噂もあって
2013/08/12 記述移動 皇を潰したせいで、一気に有名になっちゃって、
2013/08/12 記述修正 皇を潰したせいで、一気に有名になっちゃって → 皇はほぼ壊滅状態になって、一気に有名になっちゃって
2013/08/12 記述移動 入りたいって言う子達も、一気に増えたんだ。
2013/08/12 記述修正 この大乱闘の話も、尾ひれがついた噂になってて → この大乱闘の話は、尾ひれがついた噂になって
2013/08/12 記述修正 狼斬凛桜の鬼神って → 『狼斬凛桜の鬼神』って
2013/08/12 記述修正 次のリーダーとか、幹部とかを引継ぎしたんだけど → 次のリーダーや幹部の引継ぎをしたんだけど
2013/08/12 記述修正 やんちゃしてた時代は → 私達がヤンチャしてた時代は
2013/08/12 記述修正 紅 → 『紅 』
2013/08/12 記述修正 既に死んでいたのだと聞いた → 既に死んでいたって聞いた
2013/08/12 記述修正 両親はそんな相手の親族に普通に接していた → 両親はそんな相手の親族に普通に接していたっけ
2013/08/12 記述結合 その親族なのか、ドライバーの会社なのか。 → 謝罪に来たドライバーの親族なのか、長時間労働させていたドライバーの会社なのか、
2013/08/12 記述修正 それとも私なのか → それとも、買物に行かせた私自身なのか
2013/08/12 記述修正 しばらく引きこもってた → 葬儀が終わった後からしばらく引きこもってた
2013/08/12 記述修正 司ちゃんに見せられんのかよって怒鳴って → 司ちゃんに見せられんのかよって怒鳴られたから
2013/08/12 記述削除 思いっきり殴られたんだよ。
2013/08/12 記述修正 それで私も気合入れて → それを聞いた私は逆上して
2013/08/12 記述修正 もう普通に、受験生として勉強して → 立ち直って受験勉強して
2013/08/12 記述修正 私は今の美大に合格して → 今の美大に合格出来たし
2013/08/12 記述修正 やんちゃしてた頃のキャラは → ヤンチャしてた頃のキャラは
2013/08/12 記述修正 この性格だけは変えられないから → 性格だけは変えられないから
2013/08/12 記述修正 自論を絶対に曲げないとか → 自論を絶対に曲げないところとか
2013/08/12 記述修正 ストレートに言っちゃうのとかは → ストレートに言っちゃうところは
2013/08/12 記述修正 もうこれは一生治らないのかも、とか思っていた時に → これはもう一生治らないのかもって思っていた時に
2013/08/12 記述修正 多分だけど、顔とかは全然似てないんだけど → 顔とかは全然似てないんだけど
2013/08/12 記述修正 募集しなかったのもあったんだ → 募集しなかったのも判ってた
2013/08/12 記述移動 ある意味、その子を司の代わりにしている気もする。
2013/08/12 記述結合 ある意味、その子を司の代わりにしている気もする。 → でもそれは、その子を司の代わりにしている気もして、
2013/08/12 記述修正 みなもちゃん → みなもちゃん……
2013/08/12 記述修正 こう言って忍さんは、少し涙ぐんだ瞳で → こう言って忍さんは、
2013/08/12 記述修正 それ以上はもう何も言おうとはせずに → それ以上はもう何も言おうとはせず
2013/08/12 記述修正 まっすぐにわたしを見つめていました → 少し潤んだ瞳でわたしを見つめていました
2013/08/12 記述修正 普通の女の子っぽく見えたことは → 普通の女の人っぽく見えたことは
2013/08/12 記述修正 わたしがそれを聞いた時 → わたしが司さんのことを聞いたら
2013/08/12 記述修正 気にしていたのだと悟りました → 気にしていたんだと悟りました
2013/08/12 記述分割 ずっと恐れていたのが、 → ずっと恐れていたんだ……
2013/08/12 記述削除 今はっきりと判りました。
2013/08/12 記述修正 忍さんは、わたしが黙っているのも → わたしが黙っているのも
2013/08/12 記述修正 とても動揺していたけど → とても動揺していたけど、どんな返事であっても
2013/08/12 記述結合 必死に身構えているのが、感じられました → 必死に身構えているのが、痛いほど伝わってきましたが、
2013/08/12 記述修正 わたしはこの話を聞いて、一応ちょっとだけ → そんな忍さんには悪いけど、もう少し時間をもらって
2013/08/12 記述修正 忍さんが → そして、忍さんが
2013/08/12 記述修正 性別とかは違うけど、父の面影を重ねているんだと → 性別は違うけど、父の面影を重ねているんじゃないかと
2013/08/12 記述修正 言うことにも気づきました → 気づきました
2013/08/12 記述修正 身代わりにしているとかなんて → 身代わりにしているなんて
2013/08/12 記述修正 これからもずっと変りません → これからもずっと変わりません
2013/08/12 記述結合 答えを待っている忍さんへ、このことを伝えました。 → 返事を待っていた忍さんへ、このことを伝えたら、
2013/08/12 記述削除 それを聞いた忍さんは、
2013/08/12 記述修正 そう言ってもらえて → ……そう言ってもらえて
2013/08/12 記述修正 泣きながら微笑んでいました → 泣きながら微笑んでいましたね
2013/08/12 記述修正 お互いにそんな様子をみて → お互いにそんな様子を見て
2013/08/12 記述修正 司の墓参りに付き合ってほしいとお願いされて → 司の墓参りに付き合ってほしいとお願いされたから
2013/08/12 記述結合 一緒に来て下さいって、お願いしました。 → 一緒に来て欲しいってお願いして、
2013/08/12 記述修正 今はちょっと → 今すぐはちょっと
2013/08/12 記述修正 地元へと戻って → 地元へと戻り
2013/08/12 記述結合 アパートまで送ってもらいました。 → アパートまで送ってもらったんですが、
2013/08/12 記述修正 車の中では → 車の中で
2013/08/12 記述修正 わたしは忍さんに起こされて → 忍さんに起こされて
2013/08/12 記述修正 アパートの自分の部屋に入って → アパートの自分の部屋に入ったら
2013/08/12 記述修正 この日はすごく眠くてガマン出来ず → すごく眠くて耐えられず
2013/08/12 記述結合 寝ちゃいました。 → 眠ってしまい、
2013/08/12 記述修正 びっくりはしたけど、前々から → 前々から
2013/08/12 記述修正 驚きませんでした → 驚きませんでしたね
2013/08/12 記述修正 忍さんが司さんの事で → 妹の司さんのことで
2013/08/12 記述修正 意外と世間は狭いんだなあ → 意外と世間は狭いんだなぁ
2013/08/12 記述修正 忍さんに甘えさせてもらいます!!! → 忍さんに甘えさせてもらいます!
9月18日 新人戦の県内地区予選
筋肉痛がひどくて歩くのも大変だったけど、
やっぱり気になっていたから、
葵ちゃんに教えてもらった競技場へと、
陸上部が出る新人戦を見に行ってきました。
葵ちゃんの話によると、
今日と明日行なわれているのは県内の地区予選で、
午後くらいから間宮さんの出る短距離が始まって、
その後に葵ちゃんの出る長距離の予定だと聞いていたので、
競技場にはお昼過ぎに着くように向かいました。
どんな感じなのか全く知らずに行ったから、
最初に観客席を見た時は、人がほとんどいなかったから、
場所を間違えたかと思いましたね。
でも観客席の下の方には、競技の出場待ちの人たちや、
多分、選手の知り合いっぽい集団とかがいたので、
わたしは、上の方の隅っこに座って、
家から持ってきたお茶を飲みながら、眺めていました。
・ ・ ・
まずは間宮さんの出ている、短距離からです。
間宮さんは、100mと200mと400mに出て、
けっこう接戦だったけど、でも予選は全て1位でした!
さすがに一緒に走ってる人たちも相当速いし、
きれいなフォームでしたが、やっぱりわたしには、
間宮さんの走る姿が一番きれいに見えましたね。
準決勝でも間宮さんは1位で、
これなら決勝だっていけるんじゃないのと思っていたら、
決勝では、3つの競技とも僅差で7位に終わってしまい、
上位6位までが県大会出場なので、これで間宮さんは、
残念ながら県大会出場ならずに終わりました。
たしかに、決勝のタイムは準決勝までよりも速かったけど、
それまでの間宮さんのタイムだったら、
上位に入れると思ったので、とても残念です。
決勝での間宮さんのスピードは、気のせいか準決勝までよりも、
遅かったような気がします……
ここからだと遠くてよく判らなかったけど、
間宮さんは、決勝を走り終わった後は誰とも話をしないで、
トラックを離れて、競技場の中に入っていってしまいました。
間宮さんのことが気になったけど、
どこに行ったかも判らないから、それを考えるのはやめて、
次の、葵ちゃんの出る5000mの長距離を見ていました。
葵ちゃんは、序盤は最下位だったけど1人ずつ抜いていって、
終盤には1位でゴールしていましたね。
予選も準決勝も決勝も、葵ちゃんは同じパターンで、
最後には1位になって、県大会進出決定です!
おめでとう、葵ちゃん!
1位だったのもあるんでしょうけど、
葵ちゃんは間宮さんと違って、ゴールしてすぐに、
他の部員たちに囲まれていました……
・ ・ ・
今日は、2人と話は出来ないだろうから、
葵ちゃんの走るのを見終わったところで、帰ってきました。
葵ちゃんの、後半の追い抜いていくところは、
やっぱり間宮さんが目をかけていただけあって、
すごかったです。
でも、それよりも気にかかったのは、
間宮さんの決勝での走り方です。
球技大会の疲れのせいかもって思ったけど、
それだったら予選から遅いだろうし、
あくまで、わたしの直感ですけど、
なんかわざと負けたような気がするんです。
でもそれは、どうしてそんなことしたのかが、
さっぱり判りません。
もしかしたら、夏休みに言っていた、
合宿に参加してなかった理由と、同じなのかも知れない。
公式の場で本来の実力を出さなかったら、
意味がない気がするけど、本当のところはどうなんだろう、
かなり気になります……
9月20日 父のお墓参り
明日は、父の命日です。
この時期はいつも母と、父のお墓参りに行っていて、
今年も母の休みが取れたから、
無事に2人で行くことが出来ました。
昔の方が母が忙しくて、休みの都合がつかなくて行けなかったり、
1ヶ月以上、命日からずれたりしてましたが、
最近は、割と時間も取れるようになって、
命日に近い日に行っています。
お墓参りでやることは、去年と同じで、
お墓の掃除をして、お参りしてきたんですが、
父には、自分の近況と忍さんに言われた、
絵のことを報告しておきました。
・ ・ ・
この後、いつも通りに叔父さんの家に寄ったんだけど、
ここで驚くことかありました。
双子の姉妹の、巴ちゃんと惠ちゃん、
2人の見た目が、ガラッと変わってたんです。
叔父さんとおばさんからは、2人とも反抗期になっちゃって、
苦労してるって聞いていたんで、わたしに対しても、
普通に話してくれないかもくらいに思っていたんですけど、
わたしの想像以上の変わりようでした……
まず最初に、わたしのところに来たのは、
しかめっ面した巴ちゃんでした。
その格好は、ヤンキーのつもりなのか、
特攻服っぽい感じのつなぎを着てて、
髪は金髪で眉も弄ってて、メイクまでしてました!
で、わたしを見つけた途端、
「聞きたいことがあんだよ、ちょっと顔かして!」
と連れ去られて、巴ちゃんの部屋に連行されたんですけど、
部屋の中も、すっかりそれっぽくなってて、
かなり派手派手に変わっていたから、とてもびっくりしました。
で、すぐさま巴ちゃんから問い詰められたのは、
わたしの住んでいる方にいる、暴走族やレディースとかのことで、
巴ちゃんは、その系の古い雑誌を見せながら、
「ねぇ、このチーム知らない?」
と熱心に聞いてきたんです。
それは、紅って言うチームで、どうやら巴ちゃんは、
そのチームにすごく憧れているのが判りましたが、
わたしには全然判らないから、
まったく答えられなかったんですけど、
そしたらしばらく、そのチームがどれだけかっこいいのかの、
巴ちゃんの解説が始まりました。
そのチームの戦いとかもあったけど、
話の割合が一番多かったのは、前身の伝説のチームの話で、
10倍以上の暴走族との大乱闘事件や、
最強幹部の四天王の武勇伝とか、
その中でも最悪最凶の鬼神と云われる、
大幹部の凶行なんかを、興奮気味に語っていました。
まぁ、簡単に言うと、すごいケンカして強かった人たち、
と言うことみたいです。
巴ちゃんは、こういう話を聞いてほしかったみたいで、
話を聞いてあげている間、すっかり素の顔になって、
ニコニコしてましたね。
ひととおり話した巴ちゃんは、時計を見ると、
「これから集会なんだ」
と言い残して、なんか微妙に弄ってある、
乗りにくそうな自転車に乗って、出かけていきました。
集会って、友達と会って遊ぶことかなぁ、
やっぱり友達も、同じような格好しているのかなぁ、
ちょっとだけ、気になりました。
・ ・ ・
玄関で巴ちゃんを見送って、おじさんたちのいる居間へと戻ると、
巴ちゃんと入れ違いに、今度は惠ちゃんが帰ってきたんですけど、
惠ちゃんはと言うと、こっちは巴ちゃんとは真逆で、
ゴスロリっぽい黒いドレスみたいな、
スカートの裾の長いフリルのワンピース姿でした。
その格好のことを尋ねると、
なんとかって言う、アニメのキャラの格好だと、
ちょっと勿体ぶった、ツンツンした感じの口調で、
教えてくれました。
その雰囲気は、普通の人たちよりも偉いみたいな感じなのは、
そんな設定なんだろうと思って、
あえてそれには触れないで話を聞いていたら、
惠ちゃんも2人で話したいことがあるらしく、
すぐに自分の部屋へと来るようにとのお言葉が。
それに従って部屋へ行くと、惠ちゃんの部屋は、
それ系のアニメのポスターや漫画がいっぱいで、
さらにノートパソコンも持ってました。
そこで惠ちゃんから訊かれたのは、
東京でやってるコミケのことで、
色々と質問されたけど、わたしは全然判らず、
全く答えられませんでした……
どうやら、さっきのツンツンしたキャラは、
親の前だからみたいで、部屋の中では、
前と変わらない大人しい惠ちゃんのままでしたね。
その後色々と聞いてみると、
惠ちゃんは小説やマンガも描いていて、
内容については親たちには言わない条件で、
見せてもらいました。
それらは全部、惠ちゃんが好きなアニメの二次作品っぽくて、
元のアニメが判らないから、何とも言えなかったんだけど、
中二っぽい感じの内容でした。
内容はともかく、かなり絵が上手かったので、
それにはちょっとびっくりです。
わたしは、素直に感じた感想を伝えると、
他人に評価してもらえたのが、嬉しかったみたいで、
とても喜んでいましたね。
この後はずっと、そのアニメの話と、
自作の小説やマンガの解説を話していて、
この時の惠ちゃんは、とても楽しそうで、
本当に好きなんだなって、わたしは感じました。
・ ・ ・
惠ちゃんの話を聞いていたら、
いつの間か夕方になって、帰る時間になり、
ちょうどこの時に戻って来た巴ちゃんと、
惠ちゃんやおじさんたちに見送られて、
わたしと母は、うちへと帰ってきました。
それにしても、2人ともずいぶん変わってて、
びっくりしましたね。
あの2人は、今やっていることが、
楽しくて仕方がないみたいです。
おじさんとおばさんは、色々大変かも知れないけど、
無理やりに止めさせたりしないで、
見守ってあげて欲しいなぁって思います。
9月25、26日 忍さんの過去
今日は忍さんに誘われて、都内でやっている、
絵画展へと行って来ました。
その絵画展は、『空』をテーマにした、
様々な手法の絵が展示されているものだったのですが、
このお誘いがすごく急で、昨日のバイトの時に、
忍さんから声をかけられて、
「明日、暇?」
と唐突に誘われたんです。
今日はたまたま暇だったから良かったけど、
できればこんな滅多にないお誘いは、
事前に言っておいて欲しいです。
もし、もっと大した用事でもない予定で、
こんな貴重な機会を、断らなくちゃいけなくなってたら、
かなりへこみますから……
・ ・ ・
その場所へは、車で行くとのことで、
午前中に、うちのアパートまで迎えに来てもらって、
到着するのは、午後になるって話だったから、
わたしはお弁当を作って、持って行きました。
まぁ、お弁当と言っても、おにぎりだけなんですけどね。
前に送ってもらった時と同じ車で現れた忍さんに、
お弁当を作ってきたことを伝えたら、忍さんは一言、
「なんだかそういうのって、デートみたいだ、
よく考えたら、私は一度も作った事ないなあ」
と言っていました。
なんか、忍さんのイメージだと、
作ってもらっていそうですからね、それも同性の後輩とかに。
この日の忍さんの服装は、まあいつもとそれ程変わらないけど、
白のシャツに黒いベストを着ていて、
細身のパンツにパンプスでした。
こう言うと、一見就職活動の人かOL風ですけど、
実際は全然違います。
シャツのボタンは、真ん中辺の3つくらいしか留めてなくって、
裾も出してるし、中に着てる黒いキャミと、
細いシルバーかプラチナのネックレスが、
胸元から見えていました。
ベストのボタンも全開で、ジャケットにいたっては、
肩に羽織っているだけだし、
長い濃いめの茶色いストレートの髪も、
前髪も長めだけど、まとめたりしておらず、
ちゃんとしたOLには全く見えません。
忍さんはどちらかと言うと、スレンダーなので、
これらを総合して見てみると、
バンドでベースでも弾いていそうな、男の人に見えるんです。
今はもう見慣れましたけど、バイトを始めた当時から、
忍さんはいつもこんな感じで、
一度だけ格好について聞いた時には、
「だって、前が開かない服って、着たり脱いだりする時に、
髪が引っかかるから好きじゃないし、
前を閉めて着るのって、なんか息苦しいって感じがして、
あんまり好きじゃないんだよね」
と、完全否定でした。
だから、寒くない時期の忍さんの格好は、
公式のイベントに参加した後とか、
偉い人と会う用事があった日くらいしか、
ちゃんと服のボタンを留めているのを、見たことがありません。
そんな格好した忍さんは、羽織っていたジャケットを、
後部座席に放り投げて車に乗り込むと、早速出発しました。
・ ・ ・
運転している忍さんと、他愛もない話をしていると、
車は一般道から、高速へと入っていました。
この日は見事な秋晴れの空で、助手席の窓だけでなくて、
サンルーフも開けてもらうと、
汐月さんのオープンカーには叶いませんが、
これでもけっこう気分がいいです。
この店長のワゴンは、古い車らしいけど、
ナビが付いているので、道はひたすら、
ナビの言う通りに走っていました。
この時に、忍さんから教えてもらったんですが、
店長は無類のスイス好きで、使うものとかも拘っていて、
そういう理由でこの車も、
スイスの自動車メーカーの車なんだそうです。
若い頃は、ヨーロッパを絵を売りながら放浪していて、
その時に知り合った人脈で、
画廊と航海堂を経営しているのだそうで、
結構アウトローだったとか。
わたしの知る店長は、物静かな老人だから、
そんなのとても想像出来ません。
・ ・ ・
そんな話を聞いていたら、12時近くになったので、
近くの空いてるサービスエリアで、お昼を食べました。
わたしのおにぎりは、忍さんには好評で、
やっぱり褒めてもらえると、
作ってきた甲斐があったなぁと、嬉しく思います。
食べ終わったらすぐに出発したんですが、
都心へと近づくと、道はだんだんと混み始めて、
都心へ入るとすぐに渋滞に巻き込まれましたが、
その分の時間も計算して、早めに出てきていたので、
予定通りの時間で会場に到着しました。
・ ・ ・
その絵画展は、わたしの予想よりも大きなもので、
200点以上の絵が、展示されていました。
色々な絵を見た感想は、言葉ではうまく言い表せないんですが、
どの絵からも、その手法は違うけど、
その絵に描かれた範囲よりも、もっと大きな風景が、
目の前に広がっているように感じられて、
まるで、当時の作者の見ていた空が実際に見えたような、
そんな気がしました。
ひととおり見て回るのに4時間以上かかったけど、
この自覚は全くなくって、全部回り終わってから、
そのことに気づきましたね。
この原因は、わたしが展示されている絵を、
順番に1つずつ見ていったから、他の人が目の前で見ていたら、
その人が見終わるまで待っていたからなんですけど、
でもこのことを、忍さんに言われるまでは、
全く自覚していなかったんです。
忍さんには、
「何回か回ってる途中で、声かけたけど、
耳に入ってなくってシカトされたよ。
ひどいなあ、みなもちゃん。
それとさあ、絵を見てる時だけど、どうして口開けてんの?」
と言われて、わたしはかなり夢中で絵を見ていたのが判って、
なんだか小さい子供みたいだと思った途端、
すごく恥ずかしくなって、赤面してしまいました。
それをを見た忍さんは、遠慮なくゲラゲラ笑っていて、
あまりにも可笑しそうに笑ってるから、
わたしは忍さんに怒って、しばらくむくれていたら、
そしたら忍さんが謝ってきたので、
3回目の謝罪で、許してあげました。
こういうのは、傍から見たらきっと、
鬱陶しく見えるんだろうなぁと、自分でも判っていたけど、
こんなに長い時間を、忍さんと過ごせる機会って、
今までもなかったし、これからもそんなにあるとは思えないから、
今日くらいは思いっきり甘えてしまってもいいかなと思って、
いつもよりも遠慮しないことにしたんです。
・ ・ ・
絵画展を見終わった後は、もう夕方になっていて、
忍さんが、前から行ってみたかったと言う、
イタリア料理のお店に予約してあるとのことで、
そこへ向かいました。
前に航海堂の近くで、おごってもらった時も、
イタリア料理のお店だったなぁと思いだして聞いてみたら、
忍さんは大のイタリアン好きで、
その店のピザとドリアが、かなりの評判らしく、
それは絶対に食べるよと意気込んでいました。
なので、今回はコースではなく単品で食べたいものを、
どんどん頼んでいきました。
ピザは忍さんが、
「これしかない」
と言って、マルゲリータになり、
パスタはミートソースのボロネーゼとイカ墨のネーロを頼んで、
それとシーフードドリアとフォカッチャも頼んでました。
その他には、スープはミネストローネ、サラダはカプレーゼ、
さらにチーズの盛り合わせ、生ハムメロン、
ジェラートも頼んでました。
これってかなりの量なんじゃないかと心配していたら、
実際に料理が来ると、予想通りのすごい量で、
全部食べきれるのかが不安になったんですが、でも忍さんは、
「ゆっくり食べてればいいし、
今日は私がアルコールなしだから、
このくらいなら、余裕余裕。
実は私って、結構大食いなんだよ」
と言って笑ってましたね。
モッツァレラチーズは美味しかったけど、
ゴルゴンゾーラチーズは、匂いがすごくて、
わたしには無理でした。
生ハムメロンなんかは、ほとんど興味本位で食べてみると、
日本のメロンや生ハムとは、両方とも味が違って、
このメロンと生ハムの組み合わせだと、美味しかったです。
さすが、忍さんが来たがっていたお店だけあって、
とても美味しい料理ばかりでした。
これらを食べながら、忍さんはわたしに、
聞きたいことがあるって言って、話し始めたんです……
・ ・ ・
「みなもちゃんの画風が、絶対どこかで見た事あるって、
ずっと気になっていたんだけど、それがやっと判ったんだ。
で、ひとつ聞きたいんだけど、みなもちゃんのお父さんって、
三崎 了って名前じゃない?」
まさか、忍さんから父の名前が出てくるとは、
予想していなかったので、とてもびっくりして、
食べようとして持っていたフォカッチャを、
思わず落としました。
わたしはフォカッチャを拾いながら頷くと、忍さんは、
やっぱりそうだったんだ、と言う表情をしていました。
「実はね、私が今の道に進んだのは、
中学の頃に、三崎 了の絵を見て決めたんだ」
忍さんの話によると、忍さんが中学一年の時、
課外授業で、小さい美術館へ行ったんだそうで、
その時までは、絵になんて全く興味がなかったんだけど、
片隅の方に空のデッサンが展示されていて、
それを見て忍さんは、とても驚いたのだそうです。
その絵は鉛筆で描かれたモノクロの絵だったのに、
その描かれていた空は、はっきりと青空に見えたから。
その絵の作者が、三崎 了、わたしの父でした。
それ以降忍さんは、他の授業は、
そんなに真面目には受けてなかったけど、
美術の授業だけは、欠かさずに出席したんだとか。
絵を見た後も忍さんは、父の他の作品を探したけど、
ひとつも見つからなかったそうです。
この話を聞いた後に、わたしの知っている父の話を、
忍さんに話したんですけど、それを聞くと忍さんは、
手にしていた水の入ったグラスを置いて、ため息をついた後に、
「そうか、お父さんは病気で……
だから世に出ている絵が、ちっとも見つからなかったのか。
その病気がなければ、もしかしたら、
著名な画家になっていたかも知れなかったのに。
ごめんね、みなもちゃん、昔の事を思い出させてしまって」
と謝られてしまいました。
忍さんが父の絵を見て、この道へと進んだのにも驚いたけど、
そのおかげで、わたしは忍さんと出会えたのだから、
これは父が与えてくれた、縁だったのかも。
ここまで話を聞いていて、
忍さんの説明には気になったところもあったし、
これはいい機会だと思い、わたしは忍さんに、
忍さんの昔の頃の話を聞きたいと、頼んでみました。
すると忍さんは、最初、
「うーん……」
って言う顔をして、かなり渋っていましたが、
「前に訊かれたみなもちゃんからの質問も、
保留のままだったし、そっちの事だけ聞いといて、
自分の事は話さないのも不公平だね。
今日はとことん話そうか、多分結構長くなるよ。
下手すると朝帰りかもだけど、みなもちゃんは大丈夫なの?」
って訊かれたんです。
母は出張で帰って来るのは来週だし、
これは、願ってもないチャンスだ!
わたしが即座に頷いたら、予想外の食いつきに驚いたようで、
「そう」
と、忍さんは軽く苦笑いで一言返してから、
昔の話をしてくれました。
・ ・ ・
「じゃあ、さっき中学一年で、
みなもちゃんのお父さんの絵を見たって説明したから、
そこから話そうか。
小学校の時からだけど、私はそんなに真面目な方じゃなくて、
なにかと騒動を起こしてばっかたから、
親には妹の司と比較されて、いっつも怒られてた。
司は私とは違って、真面目で大人しくて物静かで、
絵には興味はなかったから、趣味は全く合わなかった。
いっつも私には、憎まれ口ばっかりだったけど、
普通に仲は良かったよ。
私は、小さい頃からずっと合気道を習っていたから、
ケンカでも負けたことなくて、
どっちかって言うと、いじめっ子だったかも。
この合気道の教室で、私より強い同級生の子が3人いたんだ。
明日香と梨枝と愛理。
この子達は今でも親友で、最近はあんまり会えないけど、
ちょくちょく時間作って、一緒に飲んだりしてる。
・ ・ ・
中学時代に、その子達と同じ学校になって、
よくつるんで遊ぶようになった。
みんな合気道は強くて、負け知らずだったから、
結構因縁つけられる事があったけど、大体10分後には、
相手は逃げるか土下座してるかのどっちかだったな。
私以外は、合気道以外にも色々やってたりして、
特に一番強い明日香は、有り得ないくらい強かったし、
学校の成績も一番だった。
だから、退屈していたのかも知れないんだけど、
その明日香が、中学二年の時に突然、
4人でチーム作ろうって言い出したんだ。
そのチームってのは、俗に言うレディース。
この4人の中で、一番先生に目を付けられていたのは、
私だったんだけど、まさか頭のいい明日香が、
そんな事を言い出すとは思ってなかったから、かなり驚いた。
でも明日香は本気で、梨枝も愛理も何でか判らないけど、
乗る気になってて、私1人が反対したけど、
多数決で押し切られて、結成する事になったんだ。
色々と話し合って、チーム名も決めて、
特攻服を作ろうとか3人は言い出していたから、
さすがにそれは止めとこうって説得して、
だったら、制服だと足がつくから、制服っぽい服を、
特攻服の代わりに着ようって話になったんだよ。
これじゃまるで、コスプレしてるみたいだけどね。
ちなみにチーム名は、狼を斬る凛とした桜って書いて、
『狼斬凛桜』(ロザリオ)。
今にして思うと、かなり恥ずかしいけど、
でも当時はこういうのが、かっこいいって思っていたんだよね。
で、私達4人は、学校が終わると、
帰りにデパートとかのトイレでその制服に着替えて、
繁華街で遊んでたんだ。
オリジナルの制服だから、学校が判らないのと、
私も含めて、みんな背が高かったんで、
高校生だと思われてたから、結構ヤンチャして有名だったけど、
学校にはばれなかったよ。
でも親にはばれてたから、
毎日のように止めなさいって怒られてたな。
だけど親には、手を上げた事はない、
いつも、はいはいって返事して、聞き流しはしてたけどね。
司からは、いつまでそんな馬鹿な事続けるつもり?
なんて言われてたっけ。
それにはいっつも、仲間との付き合いだよ!
って、返してたな。
まあ言ってしまえば不良なんだけど、私以外は頭が良くって、
私以外の3人は、学年の順位でも1桁台の成績だったから、
テスト前になる度、集会に付き合う代わりに、
勉強教えてくれって泣きついてたんだ。
3人とも、教え方が結構きつくって、
どうしてこんな簡単な問題が、判らねぇんだよって、
教師以上に追い込んでくるから、結構辛かった。
まあ、おかげで私も成績が上がったけどね。
何でそこまでして、私が勉強してたかって言うと、
みんなで同じ高校へ行こうって話になってたからなんだけど、
その高校が、その地域では一番頭の良い公立の高校なんだよ。
最初にそれを聞いた時には、
私には絶対無理だから、脱退させてくれって頼んだら、
抜けるんなら、リンチだよって言われてさ。
更に入試に落ちても、リンチだってんだもん。
この3人に袋にされたら、殺されるって本気でビビッて、
当時は死ぬ思いで勉強してたんだよね。
でもこのおかげで無事に合格出来た。
この時ばかりは司もびっくりしてて、皮肉も言わずに、
姉貴すごいねって素で言ってたなあ。
・ ・ ・
高校時代は、私は美術部に入って絵を本格的に始めた。
他の3人も、それぞれやりたい部活に入って、
つるむ時間は減ったけど、夜とか休みの日なんかは、
結構会ってたよ。
みんな、私が美術部ってのは、
相当意外だったらしくて驚いてた。
この辺りになると、舎弟って言って判るかな、
まあ、妹分って言うか、チームに入れて欲しいって言う子が、
来るようになってて、最初は断ってたんだけど、
それももう面倒になって、メンバーを増やし始めたんだ。
高校二年になる頃には、20人くらいになってたけど、
この頃まではまだ、入れるのは、
強くて頭も良くなきゃ駄目ってルールで、
入れる子はかなり少なかったから、
それなりにまだ秩序はあったんだ。
この頃かなあ、『狼斬凛桜の四天王』とか言う、
私たち4人の通り名が広まったのは。
この年に、私と同じ高校に入った司が、
相談したい事があるって、珍しく言ってきたから、
話を聞いてみたら、他の進学校の男子に、
付き合えって、かなりしつこく付きまとわれて、
すごく困ってるって話だった。
その相手が、門埜 翔。
みなもちゃんの知ってる、門埜 怜の兄貴だよ。
それを聞いて、私は1人で門埜に会って、
付きまとうのをやめてくれって、頼んだんだ。
そしたらあいつは、こともあろうに、
私にまで脅迫してきて、自分は金持ちだし、
危ない奴らとも知り合いが多いから、
大人しく妹を俺に差し出せ、なんて抜かしたんで頭にきて、
その場で軽く殴り飛ばしたら、捨て台詞を吐いて逃げてった。
この後数日して、珍しく私の携帯に司から連絡があって、
出るとそれは、男の声で私を呼び出す電話だったから、
すぐに、門埜が力ずくで司を拉致して、
私への報復をしようとしているのが判った。
完全にブチ切れた私は、狼斬凛桜のメンバーを集めて、
指定された場所に向かったんだ。
そこには、前々からしょっちゅう小競り合いをしていた、
暴走族の皇の奴らが揃ってて、
門埜は、こいつらの裏の頭だったのが判った。
司は下着姿で手足を縛られてた。
顔に殴られた跡があって、とても怯えているのが判った。
そんな司の姿を見た後、私は自分では記憶がないんだけど、
こっちの倍くらいいた皇の奴らを、
片っ端から、鉄パイプで殴りまくってたらしい。
その後は、私が囲まれて袋にされそうになったのを、
仲間も加勢して、大乱闘になった。
私が狼斬凛桜の幹部だったのを、知らなかった門埜は、
妹を使って、私を脅す目論見が崩れたどころか、
狼斬凛桜の幹部を逆上させたのに、すっかりビビッたみたいで、
皇の奴らを置いて、自分だけ裏口から逃げ出そうとした。
それを見た私は、3人に司を任せて門埜を追いかけたんだ。
あいつは、裏に止めてあった自分の車で、
こっちに向かって、突っ込んできたから、
私は持ってた鉄パイプを、運転席に向かって投げつけた。
フロントガラスは砕け散って、
車は私の左腕を掠めて、壁に突っ込んでた。
止まった車から、手にナイフを持った門埜が、
降りてきたけど、そんなのは蹴り一発で弾き飛ばして、
この後は、血反吐吐いて息も出来なくなるくらい、
タコ殴りにしてやった。
この時の私は、門埜を殺すつもりだったんだけど、
その前に、梨枝と愛理が止めに入って、取り押さえられた。
まだそれでも、殴ろうとして暴れてたけど、
司の声を聞いて、我に返ったんだ。
大乱闘の方は、門埜が逃げ出した後に、
皇の奴らの士気が下がって逃げ出していたから、
結果はうちのチームが勝ったよ。
司も殴られたり、服を破られたりはしてたけど、
それ以上は何もされてなかったのと、
もうこれ以上はいいからやめてって、司に頼まれたのもあって、
門埜も解放してやったんだ。
これだけの大事件だったけど、
事件にもなってなくて、誰もお咎めなしだった。
多分、門埜が親に言ってもみ消したみたい。
この一件の後で聞いた噂話では、
あいつは、薬の横流しもやっていたから、
それが警察にばれるのを恐れて、
事件を表沙汰にしたくなかったんだと思う。
この大乱闘の話は、尾ひれがついた噂になって、
本当は40人くらいだったのに、
100人以上の皇のメンバーを、全員半殺しにしたとか、
私は1人で20人を再起不能にした、とか言われてて、
いつの間にか『狼斬凛桜の鬼神』って呼ばれてたよ。
でもその噂もあって、今まででかい顔をしていた、
皇はほぼ壊滅状態になって、一気に有名になっちゃって、
入りたいって言う子達も一気に増えたんだ。
この頃になると、四天王なんて呼ばれてた私達は、
自分達がつるんで、楽しく遊んでたものとは、
かなり違って来ているなって感じてて、
高校三年の時に、結成メンバーの4人は引退した。
私達がルールみたいなものだったから、
抜ける時もリンチとかはなくて、
次のリーダーや幹部の引継ぎをしたんだけど、
ただ引き継ぐ際に、条件として、
チーム名は『狼斬凛桜』から改名してくれって、
それだけ二代目のリーダーに約束させた。
それで、私達がヤンチャしてた時代は終わった。
それから半年もしないうちに、チーム名は変わって、
『紅 』とか言う名前になったのかな?
今でもまだ、そのチームは残ってるらしいけど、
もう、普通の不良の集団になってるみたい。
・ ・ ・
そして、高校三年になってすぐに、
司が、私が頼んだ買い物に行く途中で、
交通事故に遭って、死んだ。
これは門埜がらみではなくて、普通の事故だった。
相手のドライバーも亡くなったけど、
その原因は、事故の怪我とかじゃなくて、
長時間労働での過労で、運転中に急性心不全を起こしていて、
司を轢いた時には、既に死んでいたって聞いた。
相手の親族は、土下座して私達に謝ってたけど、
両親はそんな相手の親族に普通に接していたっけ。
何処にこの憤りをぶつければいいのか、
私には正直判らなかった。
轢き殺したドライバーなのか、
謝罪に来たドライバーの親族なのか、
長時間労働させていたドライバーの会社なのか、
それとも、買物に行かせた私自身なのか。
何で司が、死ななきゃいけなかったのか全く判らなくて、
葬儀が終わった後、しばらく引きこもってた。
私は、私が司を殺したんだと判断したから。
この時、あの3人が来てくれなかったら、
私はここにいなかったかも知れないって思う。
3人はね、私をリンチしたんだよ、手加減なしで。
この時、このまま殺されるんじゃないかって、
本気で思った時に明日香が そんな腑抜けた姿を、
司ちゃんに見せられんのかよって怒鳴られたから、
それを聞いた私は逆上して、3人相手に反撃した。
でもやっぱり負けたけど、それでちょっとだけ気が晴れたんだ。
この後、全治2週間の入院の後は、
立ち直って受験勉強して今の美大に合格出来たし、
他のみんなもそれぞれの道を目指して、違う大学に入ったんだ。
・ ・ ・
大学に入ったらもう、ヤンチャしてた頃のキャラは、
完全に封印して、大人しく真面目に通ったよ。
ただ、性格だけは変えられないから、
自論を絶対に曲げないところとか、
納得いかないと、徹底的に相手を問い詰めるとか、
思った事を誰であろうと、ストレートに言っちゃうところは、
全然治ってないけどね。
それと、司の事を考えてしまうのも、完全には治らなかった。
もう自分の責任だとか、思い詰めたりはしないけど、
でも思い出す度に、ずっと後悔し続けてるんだ。
あの時に、買い物を頼まなければとか、
私が自分で行っていればとか。
もちろん、表には出さないようにしてたけどね。
だから、高校生の女の子で、髪が長かったりすると、
無意識に目で追いかけたりするのも、
いつの間にか、癖になってた。
これはもう一生治らないのかもって思っていた時に、
1人の女の子が航海堂に来て、買い物して行った。
何でか判らないけど、すごく気になった。
顔とかは全然似てないんだけど、
その雰囲気が、司に似てたんだと思う。
そして、しばらくしたら今度はその子が、
バイトの面接を受けたいって、言ってきた。
私は店長に頼んで、前例がないけど、
高校生を雇ってくれるように頼んだんだ。
店長は、もちろん司の件を知っていたから、
最初は絶対に駄目だって、言っていたけど、
何とか説得して許可してもらった。
その女の子と、話すようになったら、
私の癖も消えて、その子しか見なくなったし、
司の事は忘れなかったけど、思い悩む事はなくなった。
でもそれは、その子を司の代わりにしている気もして、
これが本当に良い事なのかどうかは、
正直、私自身も良く判らない。
店長は、そうなるのを良い傾向とは思っていないから、
ずっと高校生の女の子を募集しなかったのも判ってた、
でも今では、この状況を認めてくれている。
それは、私にもその子にも、
マイナスではないと判断してくれたからだと思うし、
私も今では、これで良かったって確信してる。
そして今、私はその子と食事をしているんだよ、
みなもちゃん……」
・ ・ ・
こう言って忍さんは、それ以上はもう何も言おうとはせず、
少し潤んだ瞳でわたしを見つめていました。
この時の忍さんは、今までのどの時よりもか弱くも見えて、
とても怯えているのが見ていて判りました。
いつも、強い面ばっかり見てきたからか、
この時ほど、忍さんが普通の女の人っぽく見えたことは、
なかったです。
この話で、忍さんの過去も、今まで謎だったことも、
全てがはっきりと判りました。
前に、わたしが忍さんを問い詰めた時、
このことを話してくれなかったのは、
忍さん自身が、過去の司さんを引きずって、
わたしをその身代わりにしているのに、
わたしに対して、なつめに依存しているのを諭したって、
説得力がなくなると判断したからだったんだ。
そして忍さんは、わたしが司さんのことを聞いたら、
わたしにどう思われるのか、
それをずっと気にしていたんだと悟りました。
わたしが、死んだ司さんの、
身代わりであることを知ってしまったら、
決して良くは思わないだろうと。
その結果、わたしが忍さんから離れるかも知れない、
それを忍さんは、ずっと恐れていたんだ……
・ ・ ・
わたしが黙っているのも、かなり不安に感じているようで、
この時の忍さんは、いつもの余裕も貫禄もなくて、
とても動揺していたけど、どんな返事であっても、
わたしからの答えを受け入れようと、
必死に身構えているのが、痛いほど伝わってきましたが、
そんな忍さんには悪いけど、もう少し時間をもらって、
自分の意思を改めて確認する為に、目を閉じて考えてみました。
今のわたしがあるのは、亡くなった父と司さん、
2人のおかげだと判りました。
そして、忍さんが司さんの面影をわたしに見ているのと同じで、
わたしも多分忍さんに、性別は違うけど、
父の面影を重ねているんじゃないかと気づきました。
でもそれは、わたしは忍さんに対して、
身代わりにしているなんて思いません。
好きだった父と、重なるところを持っている、
忍さんが好きだから、そう見ているんです。
それと一緒で、忍さんがわたしに、
司さんの面影を重ねて見ていても、
それは別に、嫌ではありません。
逆に、好きだった司さんと同じくらい、
わたしのことを気に入ってくれていて、わたしの存在が、
忍さんの心の傷を癒す役に立っているなら、なおさら嬉しいです。
だから今までどおり、わたしにとって忍さんは、
尊敬できる先輩であり、好きな人だし、
それは、これからもずっと変わりません。
いえ、これからは、本心を打ち明けてくれたから、
もっと親しい人になって、これまで以上に大好きになりました。
やっぱり、わたしの気持ちには迷いはないと確信して、
返事を待っていた忍さんへ、このことを伝えたら、
「……そう言ってもらえて、安心したよ、
正直言うと、みなもちゃんに嫌われるのが、
すごく怖くて、不安だった。
こんなに追い詰められたのは、
あの3人に袋にされた時以来かも。
ありがとうね、みなもちゃん。
それと、これからもよろしくね」
と言って、泣きながら微笑んでいましたね。
その時の忍さんは、今まで見た中で一番嬉しそうで、
とても穏やかな、優しい表情をしているように、
わたしには見えました。
忍さんが始めて見せた、泣き顔を見て、
わたしも思わず、もらい泣きしてしまって、
お互いにそんな様子を見て、笑ってしまいました。
忍さんから、今度時間が取れたら、
司の墓参りに付き合ってほしいとお願いされたから、
わたしは頷いた後、
その代わり、忍さんもわたしの父のお墓参りに、
一緒に来て欲しいってお願いして、
今すぐはちょっと時間が取れないけど、
両方とも必ず行こうと2人で約束しました。
・ ・ ・
こうして話が終わる頃には、お店の営業時間も終わりで、
時計を見るともう12時でした。
この後は、結構空いていた高速を飛ばして、
1時間半くらいで地元へと戻り、
アパートまで送ってもらったんですが、
車の中でいつの間にか眠っていたみたいで、
家の前で忍さんに起こされて、それに気づきました。
忍さんの車を見送った後、アパートの自分の部屋に入ったら、
すごく眠くて耐えられず、そのまま布団に入って眠ってしまい、
そして翌日のお昼近くになってから目を覚まして、
朝風呂に入りなから、昨日のことを思い出していました。
・ ・ ・
忍さんが、元レディースって言うのは、前々から、
そうでもおかしくないかもと思っていたので、
そんなには、驚きませんでしたね。
それよりもとても驚いたのは、
父の絵を見て、忍さんは絵の道に進んで、
その結果わたしと出会っていたり、忍さんの過去の出来事が、
巴ちゃんの憧れている、チームのことだったり、
妹の司さんのことで因縁のある相手が、
あの門埜さんのお兄さんだったりしたことです。
意外と世間は狭いんだなぁと、しみじみ思いました。
これで忍さんとの間には、秘密にしているような隠し事は、
もうなくなったと思うし、忍さんの本心もよく判ったから、
これからは、完全に遠慮なく付き合っていける気がします。
もちろん、TPOを踏まえてですけどね。
今までも、とてもお世話になってきたけど、
忍さんは、司さんのお姉さんで、
それはつまり、司さんの代わりである、
わたしにとっても、お姉さんだって言うことだから、
これからは、司さんの分も合わせて、
忍さんに甘えさせてもらいます!