2010年 3月 その1
変更履歴
2010/11/07 誤植修正 スイスクロス → クロノスイス
2011/01/03 誤植修正 以外 → 意外
2011/04/10 記述統一 1年生、(中学)2年、高校3年 → 一年生、二年、高校三年
2011/04/20 記述統一 (期間)一日、二月、三年 → 1日、2月、3年
2011/05/28 記述統一 一つ、二つ、三つ → 1つ、2つ、3つ
2011/07/23 記述統一 一人、二人、三人 → 1人、2人、3人
2011/09/05 誤植修正 位 → くらい
2013/05/02 誤植修正 とうやら → どうやら
2013/05/02 誤植修正 ジョットバスにつけた → ジェットバスにつけた
2013/05/02 句読点調整
2013/05/02 改行調整
2013/05/02 区切り行追加
2013/05/02 記述統一 かなちゃん → かな
2013/05/02 小題変更 榊さんに聞いてみました → わたしの知らないなつめちゃん
2013/05/02 記述修正 一応、見る事は出来るようになった → 見ることは出来るようになった
2013/05/02 記述修正 様子を見に行ってきました → 今日は様子を見に行ってきました
2013/05/02 記述修正 なつめちゃんの様子も → もちろん、なつめちゃんの様子も
2013/05/02 記述修正 今まで通りの態度でした → 今まで通りの無愛想な感じでしたね
2013/05/02 記述修正 ガラス越しには → 器械が邪魔で
2013/05/02 記述修正 やっぱり、ほとんど見えなかったけど → ほとんど見えなかったけど
2013/05/02 記述修正 なつめちゃんの寝ているベッドの脇には → なつめちゃんが寝ているベッドの脇には
2013/05/02 記述修正 掴んでいるのが見えました → 掴んでいるのが見えたんです
2013/05/02 記述修正 ここまで様子を見に来た甲斐がありました → ここまで様子を見に来た甲斐がありました!
2013/05/02 記述修正 なつめちゃんを見ていました。 → なつめちゃんを見ていました……
2013/05/02 記述修正 榊さんに聞きたかったこと → 榊さんに聞いてみたかった
2013/05/02 記述削除 わたしが知らない、
2013/05/02 記述修正 わがままが服を着ているような → 『わがままが服を着ているような
2013/05/02 記述修正 生意気なガキだったのだそうです → 生意気なガキ』だったのだそうです
2013/05/02 記述修正 とにかく言う事をきかず、嫌な治療とかも駄々をこねたり → とにかく言うことをきかず、嫌な治療には駄々をこねて
2013/05/02 記述修正 仁科のお姫様、と陰口を叩かれていたそうです → 嫌味を込めて、『仁科のお姫様』と、陰口を叩かれていたとか
2013/05/02 記述修正 このわがままっぷりが → このワガママっぷりが
2013/05/02 記述修正 警護がつけられて → 警護がつけられることになったのですが
2013/05/02 記述削除 この時になつめちゃんについたのが、
2013/05/02 記述削除 榊さんだったそうです。
2013/05/02 記述修正 でも、すっかりひねくれていた → すっかりひねくれていた
2013/05/02 記述修正 めちゃくちゃ嫌がって → めちゃくちゃ嫌がってしまい
2013/05/02 記述修正 言う気がなかったようで → 言う気がなかったらしく
2013/05/02 記述修正 やってきたのだそうです → やってきたのだとか
2013/05/02 記述修正 苦手だったようです → 苦手だったようですね
2013/05/02 記述修正 で → で、採用を決める面接の時
2013/05/02 記述修正 いつも通り駄々をこねて、嫌だ嫌だと → いつも通り駄々をこねて
2013/05/02 記述修正 叫び始めたんだそうです → 叫び始めました
2013/05/02 記述修正 ひっぱたいたんだそうです → ひっぱたいてしまいました
2013/05/02 記述修正 もちろん、榊さんは減俸か、下手すれば訴えられるかとも → もちろんその時榊さんは、下手をすれば訴えられるかとも
2013/05/02 記述修正 言ったのだそうです → 言ったのが採用理由だったらしいです
2013/05/02 記述修正 大したことないわがままには → 大したことないワガママには
2013/05/02 記述修正 度を過ぎたわがままや、言う事をきかない時は → 度を過ぎたワガママや、言うことをきかない時は
2013/05/02 記述修正 榊さんに言われると → 榊さんから言われると
2013/05/02 記述修正 大人しくなって、言う事をきいたそうです → 最終的には、大人しく指示に従ったんだとか
2013/05/02 記述修正 前に叩かれた仕返しのつもりなのか → 最初に叩かれた仕返しのつもりなのか
2013/05/02 記述修正 ただその時に思ったのは → ただその時に
2013/05/02 記述修正 かなりの負けず嫌いだったのかと → かなりの負けず嫌いなのかと
2013/05/02 記述修正 榊さんは、自分がやったのは → そして、最後に榊さんは、「……俺がやったのは
2013/05/02 記述修正 教えてやっただけだと → 教えてやっただけだ」と
2013/05/02 記述追加 なつめちゃんはきっと、自分に対してちゃんと相手してくれた、
2013/05/02 記述追加 榊さんのことを気に入っていたんだなぁ……
2013/05/02 記述修正 それを聞いたわたしは → わたしは
2013/05/02 記述修正 なつめちゃんに、なつかれてたんですね、と言うと → それを伝えると
2013/05/02 記述修正 なつめちゃんのご両親について尋ねると → なつめちゃんの両親について尋ねると
2013/05/02 記述修正 母親は評論家をしていて → 母親は評論家をしていると聞いて
2013/05/02 記述修正 会いには来ていないのかなと思ったら → 会いに来れないのかと思ったら
2013/05/02 記述修正 そうではなくて → 実はそうではなく
2013/05/02 記述修正 親馬鹿な2人とも、その言葉を聞いて → 2人ともその言葉を鵜呑みにしてしまい
2013/05/02 記述修正 ここに、来れなくなってしまったのだそうです → それ以来、ここには来ないのだそうです
2013/05/02 記述修正 榊さんは、なつめちゃんが反抗期なんだろう → これに関して榊さんは、なつめちゃんが反抗期だからだ
2013/05/02 記述修正 なつめちゃんは → なつめちゃんとしては
2013/05/02 記述修正 両親を遠ざけているのかも知れないと、思いました → 両親を遠ざけているのかも知れません
2013/05/02 記述修正 棗 → 『棗』
2013/05/02 記述修正 それ以上は追及しなかったそうです → それ以上は追及しなかったのだとか
2013/05/02 記述修正 お嬢様とか → 『お嬢様』なんて
2013/05/02 記述修正 もう帰る時間となっていて → もう帰る時間となってしまったので
2013/05/02 記述修正 帰ろうとした時に → 急いで帰ろうとした時、榊さんは別れ際に
2013/05/02 記述修正 榊さんは、わたしを呼び止めて → わたしを呼び止めて
2013/05/02 記述修正 なつめちゃんから、伝言を受けていたのを思い出した、 → なつめちゃんから預かっていたメモをくれました。
2013/05/02 記述削除 と言いました。
2013/05/02 記述修正 その内容は、3月9日に会いたいから → そのメモの内容は、『3月9日に会いたいから
2013/05/02 記述修正 お見舞いに来て欲しい、とのことで → お見舞いに来て』と書かれていたので、わたしは
2013/05/02 記述修正 わたしは分かりました、と返事して → 必ず来ると伝えてくれるように頼んで
2013/05/02 記述修正 考えたいと思います。 → 考えたいと思います……
2013/05/02 記述修正 わたしなりの答えが出ました → わたしなりの答えを出したつもりです
2013/05/02 記述結合 ためらってしまう方法でした。 → ためらってしまう方法で、
2013/05/02 記述修正 やっぱり、わたしの考えでは → やっぱり
2013/05/02 記述修正 これ以外思いつきませんでした → 思いつきませんでした
2013/05/02 記述修正 汐月さんに連絡をとりました → 汐月さんに連絡をとったんです
2013/05/02 記述修正 わたしは → そこでわたしは
2013/05/02 記述結合 対処方法を説明しました。 → 対処方法を説明すると、
2013/05/02 記述修正 汐月さんは、わたしの話を聞いて → 汐月さんは
2013/05/02 記述修正 今日の夜には折り返すからと、告げて電話は切れました → 今日の夜に折り返して電話してもらうことになりました
2013/05/02 記述修正 夕方になってしまいました。 → 夕方になってしまいました……
2013/05/02 記述結合 汐月さんから携帯に連絡が来ました。 → 汐月さんから携帯に連絡が来て、
2013/05/02 記述削除 わたしが携帯に出ると、
2013/05/02 記述修正 汐月さんは → まず最初に
2013/05/02 記述結合 わたしの提案に対して、返答しました。 → わたしの提案を、
2013/05/02 記述削除 その答えは、条件付きながら、
2013/05/02 記述修正 許可をもらうことが出来ました → 許可してもらえました
2013/05/02 記述修正 色々と指定がありました → 色々と指定がありましたね
2013/05/02 記述修正 自分が言い出したことなんだけど → 自分が言い出したくせに
2013/05/02 記述修正 とても大変なことになってしまったような気がして → とても大変なことをしてしまったような気がして
2013/05/02 記述結合 怖くなってきました。 → とても怖くなったけど、
2013/05/02 記述修正 だけど、全てはなつめちゃんの為だと → 全てはなつめちゃんの為だと
2013/05/02 記述修正 言われました → 言っていました
2013/05/02 記述修正 これを許可して実行させた汐月さんが → 許可を出した汐月さんが
2013/05/02 記述修正 気にかけなくてもいいと告げられた後に → 気にかけなくてもいいと言われた後に
2013/05/02 記述分割 わたしのことも心配だと、 → わたしのことも心配していました。
2013/05/02 記述削除 言っていました。
2013/05/02 記述修正 わたしは汐月さんに、わたしは大丈夫です → わたしは汐月さんに
2013/05/02 記述修正 と伝えてから、許可してもらったお礼を伝えて → 許可してもらったお礼を伝えて
2013/05/02 記述修正 実行するだけの → 実行する
2013/05/02 記述修正 もう他に思いつかないし → もう後には引けないし
2013/05/02 記述修正 判断されたからなんだ → 判断されたからのはず
2013/05/02 記述修正 実行しようと思います。 → 実行します……!
2013/05/02 記述修正 誕生日プレゼント、贈っといたよ → 「誕生日プレゼント贈っといたよ」
2013/05/02 記述修正 と書いてあって、それで思い出しました → と書いてあったので、それで思い出したんです
2013/05/02 記述修正 こっちに手を振ってました → 手を振ってましたね
2013/05/02 記述修正 まだあの小部屋から出れなくて → まだあの小部屋から出られず
2013/05/02 記述修正 また、あの小部屋にいて → あの小部屋にいて
2013/05/02 記述修正 良く見えない状態で → 器械が邪魔でよく判らないけど
2013/05/02 記述移動 それは、ベージュに緑のリボンがかかったような、
2013/05/02 記述修正 それは → そう言われて差し出されたのは
2013/05/02 記述移動 掌くらいの楕円形の箱と、一通の手紙でした。
2013/05/02 記述結合 一通の手紙でした → 1通の手紙で、
2013/05/02 記述結合 中身を見ました。 → 中身を見ると、
2013/05/02 記述修正 直接会えない状態だと思います → 会えない状態だと思います
2013/05/02 記述修正 残念だけどそれは出来ないから → 残念ながらそれは出来ないから
2013/05/02 記述修正 私が選びました → 私が選んだものです
2013/05/02 記述修正 プレゼントの箱を開けてみると → プレゼントの箱を受け取って開けてみると
2013/05/02 記述修正 その中には、腕時計が入っていました → その中身は、化粧箱に入った腕時計でした
2013/05/02 記述修正 時計はシルバーで → 時計部分はシルバーで
2013/05/02 記述修正 わたしは、早速もらった腕時計をしてみました。 → で、早速もらった腕時計をしてみたんですが、
2013/05/02 記述修正 この腕時計 → これって
2013/05/02 記述修正 わたしが地味すぎるような → わたしが地味すぎるって言うか
2013/05/02 記述修正 なんか変じゃないですか? → なんか変じゃないかって
2013/05/02 記述修正 と聞いてみたけど、意識し過ぎだ → 聞いてみたら、「……意識し過ぎだ」
2013/05/02 記述修正 気になる年代なんです! → 気になる年頃なんです!
2013/05/02 記述修正 と言い返そうと思ったけど → って言い返そうと思ったけど
2013/05/02 記述修正 わたしの方が間違ってたんだと、諦めました → わたしの方が間違ってたんだと気づいて、やめておきました
2013/05/02 記述結合 ガラス越しに伝えました。 → ガラス越しに伝えてから、
2013/05/02 記述修正 その後、わたしもメッセージを返そうと思いついて → わたしもメッセージを返そうと思いつき
2013/05/02 記述削除 これをなつめちゃんに渡して欲しいと、
2013/05/02 記述修正 榊さんへ伝えて、その手紙を渡しました → 榊さんに預けて帰ってきました
2013/05/02 記述修正 母がケーキを買って来ていて → 母がケーキを買って来てくれていて
2013/05/02 記述修正 母に → その時母に
2013/05/02 記述修正 時計に持ち主が負けてるよ → 「時計に持ち主が負けてるよ」
2013/05/02 記述修正 一番気にしていたことを言われて → 一番気にしていたことを言われてしまい
2013/05/02 記述追加 見に行くと意外と大きなダンボール箱で、
2013/05/02 記述修正 むっとしました → ムッとしましたね
2013/05/02 記述結合 開けてみました。 → 開けてみたら、
2013/05/02 記述修正 かなから届いていた荷物は、お風呂で使う機械と → お風呂で使う機械と
2013/05/02 記述修正 箱の中には、メッセージカードが入っていて → 箱の下には、メッセージカードも入っていて
2013/05/02 記述修正 これで → これ使って
2013/05/02 記述修正 あれを出すシャワーみたいです → あれを出すシャワーのヘッドみたいです
2013/05/02 記述修正 取り付けないと分からないから → 取り付ないと使えないから
2013/05/02 記述修正 今ついているシャワーが外れなくて → 今ついているシャワーヘッドが外れなくて
2013/05/02 記述修正 緩んでしまえば後は簡単でした → 緩んでしまえば後は簡単でしたね
2013/05/02 記述分割 白く水が濁ったので、 → ちゃんと白く水が濁ります!
2013/05/02 記述削除 ちょっと感動しました。
2013/05/02 記述結合 壁際の角にくっつけました。 → 壁際の角にくっつけてから、
2013/05/02 記述修正 後は、コンセントに繋いで → コンセントに繋いで
2013/05/02 記述追加 すごい、うちのお風呂が、ジェットバスになってる……
2013/05/02 記述修正 良い物をくれたなぁ。 → 良い物をくれたなぁ……
2013/05/02 記述追加 こうしてすっかり生まれ変わった我が家のお風呂に、
2013/05/02 記述修正 1時間ほど入っていたら、母に早く出なさい → 1時間ほど入っていると、母に早く出るように
2013/05/02 記述修正 と叱られましたが → 叱られましたが
2013/05/02 記述削除 母が、早く出なさい!
2013/05/02 記述修正 と、本気で怒っていたので → 本気で怒り出したので
2013/05/02 記述修正 試験勉強のコツみたいなのが分かったので → 試験勉強のコツみたいなのが分かったから
2013/05/02 記述修正 お返しを渡しました → お返しを渡したんです
2013/05/02 記述結合 愛の言葉はありません。 → 愛の言葉はなくて、
2013/05/02 記述修正 お礼として渡しました → お礼として渡しましたよ
2013/05/02 記述追加 ただ、かなは相変わらず忙しそうだったから、
2013/05/02 記述追加 ろくに話も出来なかったのは、残念でしたが、
2013/05/02 記述追加 あとでメールすると言っていたので、
2013/05/02 記述追加 その時に感想が聞けるといいんですけどね……
2013/05/02 記述修正 航海堂に、バイトへ行きました → 航海堂でバイトです
2013/05/02 記述修正 家庭的な感じがなかったから → 家庭的な感じがしてなかったから
2013/05/02 記述結合 かなり驚いてしまいました。 → かなり驚いてしまい、
2013/05/02 記述修正 わたしの顔を見た → そんなわたしの顔を見た
2013/05/02 記述修正 陰険そうに目を細めて → 陰険そうに目を細めると
2013/05/02 記述修正 どうせ、私が料理とか出来るなんて思わなかった → 「どうせ、私が料理出来るなんて思わなかった
2013/05/02 記述修正 とか、思ったんでしょ! → なんて思ったんでしょ!」
2013/05/02 記述修正 と、怒られて、頭を小突かれました。 → と本心を見抜かれてしまい、頭を小突かれました……
2013/05/02 記述修正 いちいちリアクションしなくていい! → 「いちいちリアクションしなくていいから!」
2013/05/02 記述修正 ちょっと照れているような感じだったから → ちょっと照れているような感じだったので
2013/05/02 記述修正 忍さんはすぐに、誕生日のプレゼント? → 忍さんからすぐに、誕生日のプレゼントか
2013/05/02 記述修正 と聞かれて → と尋ねられて
2013/05/02 記述修正 とても驚いていました → とても驚いていましたね
2013/05/02 記述結合 集めたりとかもしているのだそうです。 → 集めたりしているのだそうで、
2013/05/02 記述修正 忍さんは、わたしのもらった時計が → わたしのもらった時計が
2013/05/02 記述修正 レディースダブルハートビートって言う時計だよ → レディースダブルハートビートって言う時計だと
2013/05/02 記述修正 と教えてくれました → 教えてくれました
2013/05/02 記述修正 サークルの先輩が、色違いの → なんでもサークルの先輩が、これと色違いの
2013/05/02 記述追加 その後に値段の話になったんですけど、
2013/05/02 記述修正 30万以上するよって聞いて → 30万以上するって言われて
2013/05/02 記述修正 気軽につけられないなあと → 気軽につけられないなぁと
2013/05/02 記述修正 わたしがそう思うと思って → わたしがそう思うだろうから
2013/05/02 記述修正 使って下さいって、書いてあったのかも → ああ書いてあったのかも
2013/05/02 記述修正 と気づいて、思い直して → と気づいて
2013/05/02 記述修正 と思いました → とすぐに考えを改めました
2013/05/02 記述修正 その時計似合ってるよと → その時計似合ってるって
2013/05/02 記述修正 って言ってもらえたのが → 言ってもらえたのが
2013/05/02 記述修正 嬉しかったってのもあります → 嬉しかったってのもありますけどね
2013/05/02 記述修正 今してるのは、ほとんど一目惚れだったんだ、と言って → 「今してるのは、ほとんど一目惚れだったんだ」と言いながら
2013/05/02 記述修正 忍さんは、自分の腕時計を外して見せてくれました → 自分の腕時計を外して見せてくれました
2013/05/02 記述修正 ドイツの → それは、ドイツの
2013/05/02 記述修正 バンドは黒で、とても落ち着いた感じの時計で → 黒いバンドの、とても落ち着いた感じの時計で
2013/05/02 記述修正 忍さんに似合ってるなあと思いました → 忍さんに似合ってると思いました
2013/05/02 記述修正 わたしは、この時計の値段を教えてもらったから → もらった時計の値段を教えてもらったから
2013/05/02 記述修正 驚いてしまいました → 驚いてしまいましたね
2013/05/02 記述修正 自腹ではとても買えないなぁと → 自腹ではとても買えないって
2013/05/02 記述修正 しみじみ思いました。 → しみじみ思いました……
2013/05/02 記述修正 検討したいからさ、 → 検討したいからさ、そうだなぁ……」
2013/05/02 記述追加 と言った後に、
2013/05/02 記述修正 みなもちゃんの描いた絵を → 「そうだ、みなもちゃんの描いた絵
2013/05/02 記述分割 と、忍さんが言ってくれたので → と言われたんです。
2013/05/02 記述追加 私の絵を見て、誕生日プレゼントを決めるの?
2013/05/02 記述追加 それって、どういう意味……?
2013/05/02 記述修正 わたしは、いつになるか分からないけど → いまいちよく判らなかったけど、とりあえず
2013/05/02 記述修正 その時は、お願いします、と伝えました → 見せられるようになったら、見せると答えておきました
2013/05/02 記述修正 バイトが終わって家に帰ると → バイトが終わり家に帰って、夕飯の後くらいに
2013/05/02 記述修正 かなから、夜に食べた感想がメールで来て → かなから感想がメールで来て
2013/05/02 記述修正 それなりに好評のようでした → と、それなりに好評のようで、よかったです
2013/05/02 記述移動 ここのところ、なつめちゃんのことで、
2013/05/02 記述移動 色々と、悩んでばかりだったので、
2013/05/02 記述修正 テストをやっつけて → テストを片付けてしまい
2013/05/02 記述修正 だんだん、時間が経つにつれて → 時間が経つにつれて
2013/05/02 記述修正 自信がなくなってきました。 → 自信がなくなってきました……
2013/05/02 記述修正 やっぱり、神社にお参りしとこうかなぁ。 → 念の為、神社にお参りしとこうかなぁ……
2013/05/02 記述結合 最終確認で、聞かれました。 → 最終確認として質問されたので、
2013/05/02 記述修正 はい、お願いします、と返事して → 準備を進めてくれるように
2013/05/02 記述修正 準備を、お願いしました → お願いしておきました
2013/05/02 記述修正 これで、本当に後には引けません。 → これでもう、本当に後には引けません……
2013/05/02 記述修正 なつめちゃんに会ってしまうと → それでも、なつめちゃんに会ってしまうと
2013/05/02 記述修正 なつめちゃんには → なつめちゃんからすればこれは
2013/05/02 記述修正 どんなに → どれだけ
2013/05/02 記述移動 どんなに、なつめちゃんが傷ついたとしても、
2013/05/02 記述修正 どんなに → どれほど
2013/05/02 記述修正 なつめちゃんの為だと思うから。 → なつめちゃんの為だと思うから……
3月2日 わたしの知らないなつめちゃん
なつめちゃんと、話はまだ出来ないけど、
あのガラスの小部屋にいる、なつめちゃんを、
見ることは出来るようになったと聞いて、
今日は様子を見に行ってきました。
もちろん、なつめちゃんの様子も見たかったけど、
榊さんと話がしたかったのもあります。
・ ・ ・
学校が終わってから、いつも通り車で送ってもらい、
直通エレベーターの前で、榊さんと合流して、
病室へと向かいました。
榊さんは、あのお誕生会の時のことを、
まだ、根に持ってたりしないかなぁと、
ちょっとだけ心配だったけど、もうすっかり忘れたみたいに、
今まで通りの無愛想な感じでしたね。
・ ・ ・
病室へ入ると、部屋のベッドは空で、
ガラス張りの小部屋の中に、前に来た時よりも、
もっと大掛かりな器械が入っていました。
なつめちゃんの姿は、器械が邪魔でほとんど見えなかったけど、
なつめちゃんが寝ているベッドの脇には、
わたしのあげたあのクマっぽい塊が、椅子に座っていて、
そのクマの手を、なつめちゃんの右手が、
掴んでいるのが見えたんです。
なつめちゃんがあのクマを、
気に入ってくれてるのが分かっただけでも、
ここまで様子を見に来た甲斐がありました!
わたしは、面会時間が終わるまで、
なつめちゃんを見ていました……
・ ・ ・
面会時間が終わって、榊さんと一緒に談話室へ行ってから、
わたしは、榊さんに聞いてみたかった、
なつめちゃんの小さい頃のことを、尋ねました。
榊さんに言わせると、小さい頃のなつめちゃんは、
親馬鹿な両親に、甘やかされて育った、
『わがままが服を着ているような生意気なガキ』
だったのだそうです。
病院内では、父親が院長であることで、
看護師や医者よりも、自分は偉いと勘違いしていて、
とにかく言うことをきかず、嫌な治療には駄々をこねて暴れたり、
逃げ出したりしていたそうで、
担当医や看護婦たちの間では、嫌味を込めて、
『仁科のお姫様』と、陰口を叩かれていたとか。
このワガママっぷりが、急にひどくなったのが、
どうも、わたしの父が退院して、
自宅療養に切り替えた頃からみたいで、
わたしが、遊びに来なくなったせいで、
なつめちゃんは寂しくて、その不満を、
大人に当り散らしていたみたいです。
この頃、なつめちゃんのお父さん宛に、
脅迫状が送りつけられる事件があって、
警護がつけられることになったのですが、
すっかりひねくれていた、なつめちゃんは、
警護の人がつくたびに、めちゃくちゃ嫌がってしまい、
そのたびに、別の警護の人を用意させて、
なつめちゃんが気に入る相手を、探させたんだそうです。
でもなつめちゃんは、どんな人が来ても、
嫌だとしか、言う気がなかったらしく、
榊さんのところに話が来た時も、行くだけでも、
その分の報酬を払うという好条件だったから、
嫌々ながら、やってきたのだとか。
榊さんは、この頃から子供が嫌いと言うか、
苦手だったようですね。
で、採用を決める面接の時、なつめちゃんの前に来ると、
なつめちゃんはいつも通り駄々をこねて、叫び始めました。
周りの看護師や医者達が、なつめちゃんを叱りもせずに、
ひたすらご機嫌を伺うように、
あやしてなだめようとしていたのが、気に食わなくて、
榊さんは、なつめちゃんに怒鳴って、
なんと、ひっぱたいてしまいました。
そしたらなつめちゃんは、呆然として、
すっかり、大人しくなったんだそうです。
もちろんその時榊さんは、下手をすれば訴えられるかとも、
覚悟していたそうですが、意外にも連絡が来た内容は、
警護役の正式採用でした。
なつめちゃんが、榊さん以外は嫌だと言ったのが、
採用理由だったらしいです。
それからは、榊さんがそばで見ていて、
大したことないワガママには、何も言わないけど、
度を過ぎたワガママや、言うことをきかない時は、
さすがにもう手は出さないで、口で注意していたそうです。
榊さんから言われると、なつめちゃんは、
不満げであったり、むくれていたりしたけど、
最終的には、大人しく指示に従ったんだとか。
ただ、最初に叩かれた仕返しのつもりなのか、
やたらと榊さんを叩いたり、蹴ったりしていたそうで、
鍛えている榊さんからすれば、小さい子供の攻撃なんて、
何とも思わないけど、ただその時に、
見かけによらず、かなりの負けず嫌いなのかと、
思ったんだそうです。
そして、最後に榊さんは、
「……俺がやったのは、叱られたことのないガキに、
やったら駄目なことをすると、怒られるってことを、
親の替わりに、教えてやっただけだ」
と、そっぽを向きながら、言っていました。
なつめちゃんはきっと、自分に対してちゃんと相手してくれた、
榊さんのことを気に入っていたんだなぁ……
わたしは榊さんに、それを伝えると、
「……さあ、どうだかな」
と、相変わらずこちらを見ないで、答えていました。
きっと、照れくさくって、わたしの方を、
見れなかったに、違いありません。
次に、なつめちゃんの両親について尋ねると、
父親は院長先生で、母親は評論家をしていると聞いて、
2人とも多忙で、なつめちゃんには、
会いに来れないのかと思ったら、実はそうではなく、
なつめちゃんから、面会には来て欲しくないと伝えてあって、
2人ともその言葉を鵜呑みにしてしまい、
それ以来、ここには来ないのだそうです。
これに関して榊さんは、なつめちゃんが反抗期だからだと、
言っていましたけど、
なつめちゃんとしては、自分が親に生かされていると、
思い込んでいたから、それが元で、
両親を遠ざけているのかも知れません。
最後に、わたしが見ているかぎりですけど、
榊さんが、なつめちゃんのことを、
呼んでいるのを、聞いたことがなくて、
ずっと不自然だなと、思っていたことを尋ねました。
すると、海外に治療に行く前までは、
本人の希望もあって、『棗』と呼び捨てで、
呼んでいたそうです。
でも海外から戻ってきた時に、再会すると、
名前では呼ぶなと、強く拒絶されたんだそうで、
この時のなつめちゃんは、今まで見たことないほど、
強い気迫を感じたのと、もう小さい子供ではなくなった、
クライアントの希望でもあるから、榊さんも、
それ以上は追及しなかったのだとか。
それ以降は、別の呼び名でと思ったそうですが、
『お嬢様』なんて、とても呼ぶ気にならず、
呼び方がなくなってしまったんだそうで、
今でも、なつめちゃんは榊さんが近づくと、
自分から榊さんに、声をかけるようになったんだそうです。
・ ・ ・
この日は、ここまで話を聞くと、
もう帰る時間となってしまったので、急いで帰ろうとした時、
榊さんは別れ際に、わたしを呼び止めて、
なつめちゃんから預かっていたメモをくれました。
そのメモの内容は、
『3月9日に会いたいから、お見舞いに来て』
書かれていたので、わたしは、
必ず来ると伝えてくれるように頼んで、帰って来ました。
・ ・ ・
なつめちゃん、来週には、
あの小部屋から、出られるのかなぁ。
今日はなつめちゃんの、小さい頃の話を聞いて、
何となく、なつめちゃんの本来の性格が、
分かった気がしました。
次は、それを元にして、
なつめちゃんの、心を変えさせる手段を、
考えたいと思います……
3月7日 汐月さんに相談しました
面会の日から昨日までずっと、
暇さえあれば、なつめちゃんのことを考えていました。
そして、どうすればなつめちゃんの考え方を変えられるか、
わたしなりの答えを出したつもりです。
でもそれは、それしかないと思うわたし自身でも、
実行するのに、ためらってしまう方法で、
他の方法がないかと、何度も考えてみたけど、
やっぱり、思いつきませんでした。
今日は、それを実行する許可をもらう為に、
午後になってから、汐月さんに連絡をとったんです。
汐月さんは、すぐに電話に出て、
わたしの話を聞いてくれました。
そこでわたしは、今までのなつめちゃんを見て思ったことや、
汐月さんから言われた、言葉の意味のこと、
榊さんから聞いた、小さい時のことを説明して、
わたしなりの推測と、対処方法を説明すると、
汐月さんは、かなり悩んでいるようで、
一旦考えさせて欲しいと言われて、
今日の夜に折り返して電話してもらうことになりました。
正直言って、汐月さんが認めるとは思えない方法だったから、
言った途端に、ダメと言われなかっただけでも、
すごいと思うくらいです。
この日は、電話の返事が気になってしまって、
学年末試験の勉強でもしようかと思っていたのに、
何もする気になれず、窓から空を眺めているうちに、
夕方になってしまいました……
・ ・ ・
夕飯を食べ終えた頃に、汐月さんから携帯に連絡が来て、
まず最初に、回答を待たせたことを謝ってから、
わたしの提案を、許可してもらえました。
ただし、条件があって、
実行する場所は、なつめちゃんのマンションで、
実行時期は、なつめちゃんを、
一時退院させられた時になるとか、
実行方法も、色々と指定がありましたね。
さらに、予期せぬ事態に備えての、準備の為の手配が、
完了してからの実行となるので、いつ実行出来るかは、
汐月さんから連絡するとのことでした。
自分が言い出したくせに、
とても大変なことをしてしまったような気がして、
何だか、とても怖くなったけど、
全てはなつめちゃんの為だと、気合を入れて、
汐月さんの話を聞いていました。
最後に汐月さんは、わたしが実行した結果で、
なつめちゃんに、もし何かあったとしても、
それは、許可を出した汐月さんが全ての責任を取るから、
その点に関しては、気にかけなくてもいいと言われた後に、
それをやろうと考えている、わたしのことも心配していました。
わたしは汐月さんに、許可してもらったお礼を伝えて、
電話を切りました。
・ ・ ・
これで後は、汐月さんから連絡が来た時に、
実行する覚悟を決めておくだけになりました。
と言っても、これが一番大変で、
今からもう、不安だし、怖いし、心配でいっぱいです。
でも、もう後には引けないし、
汐月さんが許可してくれたと言うことは、
お医者さんの立場から見ても、
これが有効だと、判断されたからのはず。
だから、わたしは決心して、実行します……!
3月9日 わたしの誕生日
実は、忘れてたんですが、
今日はわたしの16歳の誕生日でした。
学校で授業中に、かなからメールが来て、
「誕生日プレゼント贈っといたよ」
と書いてあったので、それで思い出したんです。
かなの方を見ると、ちょうどかなもこっちを見ていて、
手を振ってましたね。
母も今日は、夕方には帰ってくるので、
荷物が来ることを、伝えておきました。
・ ・ ・
学校が終わった後は、先週の約束通りに、
なつめちゃんの面会に行ってきました。
ただ、前日に汐月さんから連絡があって、
なつめちゃんは、まだあの小部屋から出られず、
直接話は出来ないと、聞いたけど、
でも、なつめちゃんの希望でもあるので、
予定通りに、病院に行くことにしたんです。
病室に入ると、やっぱりなつめちゃんはあの小部屋にいて、
前に来た時と変わらず、器械が邪魔でよく判らないけど、
眠っているように見えました。
わたしが、なつめちゃんの様子を見ていると、
榊さんが、外のベッドの脇にある、
チェストの引き出しから、何かを出して、
わたしの前に持ってきました。
「……本当は、自分で渡したかったようだが、
この通り、治療が終わらなくてな。
自分で渡せない場合は、
これを代わりに渡すようにと、言われている。
受け取れ」
そう言われて差し出されたのは、
ベージュに緑のリボンがかかったような、
掌くらいの楕円形の箱と1通の手紙で、
わたしはまず、手紙を受け取って中身を見ると、
そこにはなつめちゃんの字で、こう書かれていました。
「誕生日おめでとう、みな。
今日は、みなの誕生日ですね。
この手紙を読んでいる時は、
私は今、会えない状態だと思います。
本当は、直接渡したかったけど、
残念ながらそれは出来ないから、
代わりに、榊にお願いしておきました。
このプレゼントは、私が選んだものです。
たとえ私がいなくなっても、
これが、みなと一緒にあって、
時を刻み続けてくれれば、
私も一緒に、居れるような気がするから。
気に入ってもらえると、嬉しいです。
是非、使って下さいね。
仁科 棗より 」
手紙を見た後に、プレゼントの箱を受け取って開けてみると、
箱と同じ色をした、巾着袋が入っていて、
その中身は、化粧箱に入った腕時計でした。
腕時計とかは、わたしは全然詳しくなくて、
今持っているのも、千円くらいで買った安物です。
それも、携帯を持ってからしなくなっていて、
今はもう、家のどこにあるのかも分かりません。
それと比べると、この腕時計は、
文字盤の周りや、文字盤の文字のところに、
ダイヤっぽいのがついていて、すごく高級な感じです。
それに、シルバーの文字盤には、
2つのハートが重なった形をした穴が開いていて、
時計の中が、見えるようになってたり、
12時のところには、ハートの穴の中に、
赤い宝石っぽいのがついていて、
色も、時計部分はシルバーで、バンドが白くて、
すごくかわいいです!
きっとブランド品なんだろうけど、
わたしは知らないメーカーでした。
で、早速もらった腕時計をしてみたんですが、
これって、すごくかわいいんだけど、
わたしがしてて、変じゃないかなあ。
時計に比べて、わたしが地味すぎるって言うか、
時計に負けているような、そんな気が……
それが気になって榊さんに、わたしがこれしてて、
なんか変じゃないかって聞いてみたら、
「……意識し過ぎだ」
と、一言で片付けられてしまいました。
そういうのが、気になる年頃なんです!
って言い返そうと思ったけど、
こういうことを榊さんに聞いた、
わたしの方が間違ってたんだと気づいて、
やめておきました。
わたしは、眠っているなつめちゃんに、
聞こえないとは、分かっていたけど、
プレゼントのお礼を、ガラス越しに伝えてから、
わたしもメッセージを返そうと思いつき、
お礼の言葉を紙に書いて、榊さんに預けて帰ってきました。
・ ・ ・
家に帰ると、母がケーキを買って来てくれていて、
2人でケーキを食べました。
その時母に、なつめちゃんから時計をもらったことを伝えて、
もらった腕時計を見せると、腕時計を見た母はかなり驚いて、
まじまじと時計を見た後に、
「時計に持ち主が負けてるよ」
と、一番気にしていたことを言われてしまい、
かなり、ムッとしましたね。
この後母から、届いた荷物のことを言われて、
見に行くと意外と大きなダンボール箱で、
中身は何だろうと思いつつ、開けてみたら、
お風呂で使う機械と、シャワーのノズルが入っていました。
箱の下には、メッセージカードも入っていて、
そのメッセージカードには、
「Happy Birthday Minamo!!!
お風呂大好きな、みなもへ、
快適お風呂セットを送ります。
うちのと同様にってまではいかないけど、
これで、マイクロバブル&ジェットバスになるはず!
最近、お疲れっぽいから、
これ使って、日頃の疲れを癒してね!
かなより 」
と、書いてありました。
かなが送ってきたのは、
どうやら、家庭用のジェットバスの機械と、
かなの家の、お風呂の白く濁る水、
あれを出すシャワーのヘッドみたいです。
とりあえず、取り付ないと使えないから、
母と一緒に説明書を見ながら、つけてみました。
シャワーの方は、今ついているシャワーヘッドが外れなくて、
苦労しましたが、緩んでしまえば後は簡単でしたね。
試しに、洗面器に水を入れてみると、
あの時見たのと同じように、ちゃんと白く水が濁ります!
たしか、あの装置は何十万もするみたいなことを、
かなは言っていたから、あれと同じとは行かなくても、
まさか自分の家で体験出来るとは、
思っていなかったので、ちょっと感激しました。
次に、ジェットバスの方は、そんなに広くない湯船なので、
取り付ける場所に色々と困りましたが、壁際の角にくっつけて、
コンセントに繋いでスイッチを入れると、
勢い良く水流が出ました!
すごい、うちのお風呂が、ジェットバスになってる……
わたしが、かなり感動していたら、
母が箱の中から、もう1つ何かを見つけてきて、
それは、ジェットバスにつけるホースに取り付ける、
マイクロバブルのパイプでした。
これを、ジェットバスにつけた、
ホースの先を交換して取り付けると、
ジェットバスから出てくるのが、
なんと、マイクロバブルになりました!
この後、お風呂に入ってみると、
かなの家のお風呂には、及ばないけど、
これはこれで、とっても快適です。
かな、良い物をくれたなぁ……
・ ・ ・
こうしてすっかり生まれ変わった我が家のお風呂に、
1時間ほど入っていると、母に早く出るように叱られましたが、
聞こえない振りして、もうしばらく入っていたら、
本気で怒り出したので、慌てて出ました。
これはまた、お風呂の時間が長くなりそうです。
・ ・ ・
今日は、なつめちゃんやかなから、
誕生日のプレゼントをもらえて、
とても、幸せな1日でした。
今晩は、色々と余計なことは考えずに、
このまま、幸せな気分で寝ようと思います。
明日からしばらくは、来週から始まる、
学年末試験の試験勉強に、集中してがんばります!
3月15日 ホワイトデーのお返し
本日、学年末試験の1日目です。
でもテスト自体は、なつめちゃんとの勉強会で、
試験勉強のコツみたいなのが分かったから、
今までみたいに、神頼みとかしなくても、
それなりの点が取れそうな気がしています。
それよりも、大事なイベントがありました。
昨日が、ホワイトデーでしたが、
チョコをくれたかなに、
1日遅れで、お返しを渡したんです。
かなにあげたのは、めちゃめちゃ甘いホワイトチョコと、
すごく苦いビターチョコを、
一口で食べられる大きさの、小さなキューブの形にして、
市松模様に組み合わせた、手作りのチョコレートです。
もちろん、愛の言葉はなくて、
普通に、お礼として渡しましたよ。
ただ、かなは相変わらず忙しそうだったから、
ろくに話も出来なかったのは、残念でしたが、
あとでメールすると言っていたので、
その時に感想が聞けるといいんですけどね……
・ ・ ・
テストが終わって午後からは、航海堂でバイトです。
航海堂では、忍さんからチョコのお返しで、
手作りの紅茶のクッキーをもらいました。
忍さんが言うには、わたしのあげたチョコが手作りだったから、
こっちも手作りのクッキーにしたのだそうです。
わたしのイメージでは、忍さんって、
あんまり、家庭的な感じがしてなかったから、
手作りと聞いて、かなり驚いてしまい、
そんなわたしの顔を見た忍さんは、陰険そうに目を細めると、
「どうせ、私が料理出来るなんて思わなかった、
なんて思ったんでしょ!」
と本心を見抜かれてしまい、頭を小突かれました……
忍さんがくれた、手作りクッキーは、
種類の違う、紅茶の葉が入っているもので、
それぞれの紅茶の香りが、とても良く出ていて、
とてもあっさりした味で、美味しかったです。
わたしが1枚食べるたびに驚くから、忍さんは、
「いちいちリアクションしなくていいから!」
とまた怒られたけど、でもそれは、
ちょっと照れているような感じだったので、
わたしはあえて、驚いてみせて、
ちょっと、忍さんをからかっていました。
年上の人で、こんなに親しかった人って今までにいなかったので、
こういう風に、親しく話をした経験はわたしにはありません。
だからなのかも知れないけど、とっても楽しかったです。
この後、忍さんが腕時計に気づいて、
わたしは、なつめちゃんにもらったことを伝えると、
忍さんからすぐに、誕生日のプレゼントかと尋ねられて、
頷きました。
忍さんも母と同じく、この時計を見てとても驚いていましたね。
実は忍さん、腕時計が結構好きで、
集めたりしているのだそうで、わたしのもらった時計が、
何ていうのかを知っていて、これは、
スイスのフレデリック・コンスタントって言うメーカーの、
レディースダブルハートビートって言う時計だと、
教えてくれました。
なんでもサークルの先輩が、これと色違いの、
チョコレート色のをしていたのだそうで、
いいなと思ったけど、自分のキャラと合わないから、
手に入れようとは、思わなかったんだそうです。
その後に値段の話になったんですけど、
この時計、30万以上するって言われて、
めちゃめちゃびっくりしました!
これ、高そうだとは思ったけど、そんなにする物とは……
貧乏性のわたしは、勿体無くて、
気軽につけられないなぁと、一瞬思ったけど、
なつめちゃんのメッセージは、わたしがそう思うだろうから、
ああ書いてあったのかもと気づいて、
出来るだけしていこうと、すぐに考えを改めました。
それに忍さんから、その時計似合ってるって、
言ってもらえたのが、嬉しかったってのもありますけどね。
わたしは、忍さんのしてる時計のことを聞いてみると、
「今してるのは、ほとんど一目惚れだったんだ」
と言いながら、自分の腕時計を外して見せてくれました。
それは、ドイツのクロノスイスって言うメーカーの、
カイロス・レディと言う時計だそうで、
凝った加工がしてある、銀色の時計で、
文字盤には、小さめの数字と細い針に、
6時のところに、日付表示があって、
黒いバンドの、とても落ち着いた感じの時計で、
忍さんに似合ってると思いました。
もらった時計の値段を教えてもらったから、
ちょっと気になって、忍さんの時計は、
いくらくらいなのかを尋ねると、
安いところを探して買ったから、
定価は40万近いけど、25万くらいで買えた、
とのことで、やっぱりすごい高い物なんだなぁと、
驚いてしまいましたね。
わたしには、自腹ではとても買えないって、
しみじみ思いました……
最後に忍さんは、ちょっと考えてから、
「私も何か、誕生日のプレゼントするよ。
何をあげるか、検討したいからさ、そうだなぁ……」
と言った後に、
「そうだ、みなもちゃんの描いた絵を、見せてくれない?
別に、今すぐじゃなくてもいいよ。
みなもちゃんが見せられると思った時で」
と言われたんです。
私の絵を見て、誕生日プレゼントを決めるの?
それって、どういう意味……?
いまいちよく判らなかったけど、とりあえず、
見せられるようになったら、見せると答えておきました。
・ ・ ・
バイトが終わり家に帰って、夕飯の後くらいに、
かなから感想がメールで来て、
「白いのすごく甘いよぉ!
黒いのすごく苦いよぉ!
すごく両極端だよぉ!
でも美味しかったよ、
みなも、ありがとね!」
と、それなりに好評のようで、よかったです。
・ ・ ・
ここのところ、なつめちゃんのことで、
色々と、悩んでばかりだったので、
今日は、かなや忍さんと話す機会が出来て、
久しぶりに、リラックス出来た気がしました。
多分、大丈夫だとは思うけど、
補習にならないように、テストを片付けてしまい、
春休みは、なつめちゃんの件に備えて、
考える時間を作りたいと思います。
3月19日 学年末試験終了
1年最後のテストが終わりました。
試験の出来は、ちょっと危なかった教科もあったけど、
まずまず、出来たんじゃないかと思います。
後は、終業式の時に補習宣告されなければOKです。
多分、大丈夫だと思うんだけどなぁ。
時間が経つにつれて、自信がなくなってきました……
念の為、神社にお参りしとこうかなぁ……
・ ・ ・
昨日、汐月さんから連絡があって、
もうそろそろ、なつめちゃんが一時退院出来そうとのことで、
その時に向けて手配しても良いかを、
最終確認として質問されたので、
わたしは、準備を進めてくれるように、
お願いしておきました。
これでもう、本当に後には引けません……
それでも、なつめちゃんに会ってしまうと、
決心がゆらぎそうだから、これが終わるまでは、
なつめちゃんのところには、行かないと決めました。
・ ・ ・
なつめちゃんからすればこれは、とても辛いかも知れない。
でも、わたしとしては、なつめちゃんとは対等の関係で、
親友として、付き合って行きたいし、
それが正しい姿だと思うから、わたしは実行します。
どれだけ、なつめちゃんが嫌がったとしても、
どんなに、なつめちゃんが悲しんだとしても、
どれほど、なつめちゃんが傷ついたとしても、
それが、なつめちゃんの為だと思うから……




