表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/70

2010年  3月 その1

変更履歴

2010/11/07 誤植修正 スイスクロス → クロノスイス

2011/01/03 誤植修正 以外 → 意外

2011/04/10 記述統一 1年生、(中学)2年、高校3年 → 一年生、二年、高校三年

2011/04/20 記述統一 (期間)一日、二月、三年 → 1日、2月、3年

2011/05/28 記述統一 一つ、二つ、三つ → 1つ、2つ、3つ

2011/07/23 記述統一 一人、二人、三人 → 1人、2人、3人

2011/09/05 誤植修正 位 → くらい

2013/05/02 誤植修正 とうやら → どうやら

2013/05/02 誤植修正 ジョットバスにつけた → ジェットバスにつけた

2013/05/02 句読点調整

2013/05/02 改行調整

2013/05/02 区切り行追加

2013/05/02 記述統一 かなちゃん → かな

2013/05/02 小題変更 榊さんに聞いてみました → わたしの知らないなつめちゃん

2013/05/02 記述修正 一応、見る事は出来るようになった → 見ることは出来るようになった

2013/05/02 記述修正 様子を見に行ってきました → 今日は様子を見に行ってきました

2013/05/02 記述修正 なつめちゃんの様子も → もちろん、なつめちゃんの様子も

2013/05/02 記述修正 今まで通りの態度でした → 今まで通りの無愛想な感じでしたね

2013/05/02 記述修正 ガラス越しには → 器械が邪魔で

2013/05/02 記述修正 やっぱり、ほとんど見えなかったけど → ほとんど見えなかったけど

2013/05/02 記述修正 なつめちゃんの寝ているベッドの脇には → なつめちゃんが寝ているベッドの脇には

2013/05/02 記述修正 掴んでいるのが見えました → 掴んでいるのが見えたんです

2013/05/02 記述修正 ここまで様子を見に来た甲斐がありました → ここまで様子を見に来た甲斐がありました!

2013/05/02 記述修正 なつめちゃんを見ていました。 → なつめちゃんを見ていました……

2013/05/02 記述修正 榊さんに聞きたかったこと → 榊さんに聞いてみたかった

2013/05/02 記述削除 わたしが知らない、

2013/05/02 記述修正 わがままが服を着ているような → 『わがままが服を着ているような

2013/05/02 記述修正 生意気なガキだったのだそうです → 生意気なガキ』だったのだそうです

2013/05/02 記述修正 とにかく言う事をきかず、嫌な治療とかも駄々をこねたり → とにかく言うことをきかず、嫌な治療には駄々をこねて

2013/05/02 記述修正 仁科のお姫様、と陰口を叩かれていたそうです → 嫌味を込めて、『仁科のお姫様』と、陰口を叩かれていたとか

2013/05/02 記述修正 このわがままっぷりが → このワガママっぷりが

2013/05/02 記述修正 警護がつけられて → 警護がつけられることになったのですが

2013/05/02 記述削除 この時になつめちゃんについたのが、

2013/05/02 記述削除 榊さんだったそうです。

2013/05/02 記述修正 でも、すっかりひねくれていた → すっかりひねくれていた

2013/05/02 記述修正 めちゃくちゃ嫌がって → めちゃくちゃ嫌がってしまい

2013/05/02 記述修正 言う気がなかったようで → 言う気がなかったらしく

2013/05/02 記述修正 やってきたのだそうです → やってきたのだとか

2013/05/02 記述修正 苦手だったようです → 苦手だったようですね

2013/05/02 記述修正 で → で、採用を決める面接の時

2013/05/02 記述修正 いつも通り駄々をこねて、嫌だ嫌だと → いつも通り駄々をこねて

2013/05/02 記述修正 叫び始めたんだそうです → 叫び始めました

2013/05/02 記述修正 ひっぱたいたんだそうです → ひっぱたいてしまいました

2013/05/02 記述修正 もちろん、榊さんは減俸か、下手すれば訴えられるかとも → もちろんその時榊さんは、下手をすれば訴えられるかとも

2013/05/02 記述修正 言ったのだそうです → 言ったのが採用理由だったらしいです

2013/05/02 記述修正 大したことないわがままには → 大したことないワガママには

2013/05/02 記述修正 度を過ぎたわがままや、言う事をきかない時は → 度を過ぎたワガママや、言うことをきかない時は

2013/05/02 記述修正 榊さんに言われると → 榊さんから言われると

2013/05/02 記述修正 大人しくなって、言う事をきいたそうです → 最終的には、大人しく指示に従ったんだとか

2013/05/02 記述修正 前に叩かれた仕返しのつもりなのか → 最初に叩かれた仕返しのつもりなのか

2013/05/02 記述修正 ただその時に思ったのは → ただその時に

2013/05/02 記述修正 かなりの負けず嫌いだったのかと → かなりの負けず嫌いなのかと

2013/05/02 記述修正 榊さんは、自分がやったのは → そして、最後に榊さんは、「……俺がやったのは

2013/05/02 記述修正 教えてやっただけだと → 教えてやっただけだ」と

2013/05/02 記述追加 なつめちゃんはきっと、自分に対してちゃんと相手してくれた、

2013/05/02 記述追加 榊さんのことを気に入っていたんだなぁ……

2013/05/02 記述修正 それを聞いたわたしは → わたしは

2013/05/02 記述修正 なつめちゃんに、なつかれてたんですね、と言うと → それを伝えると

2013/05/02 記述修正 なつめちゃんのご両親について尋ねると → なつめちゃんの両親について尋ねると

2013/05/02 記述修正 母親は評論家をしていて → 母親は評論家をしていると聞いて

2013/05/02 記述修正 会いには来ていないのかなと思ったら → 会いに来れないのかと思ったら

2013/05/02 記述修正 そうではなくて → 実はそうではなく

2013/05/02 記述修正 親馬鹿な2人とも、その言葉を聞いて → 2人ともその言葉を鵜呑みにしてしまい

2013/05/02 記述修正 ここに、来れなくなってしまったのだそうです → それ以来、ここには来ないのだそうです

2013/05/02 記述修正 榊さんは、なつめちゃんが反抗期なんだろう → これに関して榊さんは、なつめちゃんが反抗期だからだ

2013/05/02 記述修正 なつめちゃんは → なつめちゃんとしては

2013/05/02 記述修正 両親を遠ざけているのかも知れないと、思いました → 両親を遠ざけているのかも知れません

2013/05/02 記述修正 棗 → 『棗』

2013/05/02 記述修正 それ以上は追及しなかったそうです → それ以上は追及しなかったのだとか

2013/05/02 記述修正 お嬢様とか → 『お嬢様』なんて

2013/05/02 記述修正 もう帰る時間となっていて → もう帰る時間となってしまったので

2013/05/02 記述修正 帰ろうとした時に → 急いで帰ろうとした時、榊さんは別れ際に

2013/05/02 記述修正 榊さんは、わたしを呼び止めて → わたしを呼び止めて

2013/05/02 記述修正 なつめちゃんから、伝言を受けていたのを思い出した、 → なつめちゃんから預かっていたメモをくれました。

2013/05/02 記述削除 と言いました。

2013/05/02 記述修正 その内容は、3月9日に会いたいから → そのメモの内容は、『3月9日に会いたいから

2013/05/02 記述修正 お見舞いに来て欲しい、とのことで → お見舞いに来て』と書かれていたので、わたしは

2013/05/02 記述修正 わたしは分かりました、と返事して → 必ず来ると伝えてくれるように頼んで

2013/05/02 記述修正 考えたいと思います。 → 考えたいと思います……

2013/05/02 記述修正 わたしなりの答えが出ました → わたしなりの答えを出したつもりです

2013/05/02 記述結合 ためらってしまう方法でした。 → ためらってしまう方法で、

2013/05/02 記述修正 やっぱり、わたしの考えでは → やっぱり

2013/05/02 記述修正 これ以外思いつきませんでした → 思いつきませんでした

2013/05/02 記述修正 汐月さんに連絡をとりました → 汐月さんに連絡をとったんです

2013/05/02 記述修正 わたしは → そこでわたしは

2013/05/02 記述結合 対処方法を説明しました。 → 対処方法を説明すると、

2013/05/02 記述修正 汐月さんは、わたしの話を聞いて → 汐月さんは

2013/05/02 記述修正 今日の夜には折り返すからと、告げて電話は切れました → 今日の夜に折り返して電話してもらうことになりました

2013/05/02 記述修正 夕方になってしまいました。 → 夕方になってしまいました……

2013/05/02 記述結合 汐月さんから携帯に連絡が来ました。 → 汐月さんから携帯に連絡が来て、

2013/05/02 記述削除 わたしが携帯に出ると、

2013/05/02 記述修正 汐月さんは → まず最初に

2013/05/02 記述結合 わたしの提案に対して、返答しました。 → わたしの提案を、

2013/05/02 記述削除 その答えは、条件付きながら、

2013/05/02 記述修正 許可をもらうことが出来ました → 許可してもらえました

2013/05/02 記述修正 色々と指定がありました → 色々と指定がありましたね

2013/05/02 記述修正 自分が言い出したことなんだけど → 自分が言い出したくせに

2013/05/02 記述修正 とても大変なことになってしまったような気がして → とても大変なことをしてしまったような気がして

2013/05/02 記述結合 怖くなってきました。 → とても怖くなったけど、

2013/05/02 記述修正 だけど、全てはなつめちゃんの為だと → 全てはなつめちゃんの為だと

2013/05/02 記述修正 言われました → 言っていました

2013/05/02 記述修正 これを許可して実行させた汐月さんが → 許可を出した汐月さんが

2013/05/02 記述修正 気にかけなくてもいいと告げられた後に → 気にかけなくてもいいと言われた後に

2013/05/02 記述分割 わたしのことも心配だと、 → わたしのことも心配していました。

2013/05/02 記述削除 言っていました。

2013/05/02 記述修正 わたしは汐月さんに、わたしは大丈夫です → わたしは汐月さんに

2013/05/02 記述修正 と伝えてから、許可してもらったお礼を伝えて → 許可してもらったお礼を伝えて

2013/05/02 記述修正 実行するだけの → 実行する

2013/05/02 記述修正 もう他に思いつかないし → もう後には引けないし

2013/05/02 記述修正 判断されたからなんだ → 判断されたからのはず

2013/05/02 記述修正 実行しようと思います。 → 実行します……!

2013/05/02 記述修正 誕生日プレゼント、贈っといたよ → 「誕生日プレゼント贈っといたよ」

2013/05/02 記述修正 と書いてあって、それで思い出しました → と書いてあったので、それで思い出したんです

2013/05/02 記述修正 こっちに手を振ってました → 手を振ってましたね

2013/05/02 記述修正 まだあの小部屋から出れなくて → まだあの小部屋から出られず

2013/05/02 記述修正 また、あの小部屋にいて → あの小部屋にいて

2013/05/02 記述修正 良く見えない状態で → 器械が邪魔でよく判らないけど

2013/05/02 記述移動 それは、ベージュに緑のリボンがかかったような、

2013/05/02 記述修正 それは → そう言われて差し出されたのは

2013/05/02 記述移動 掌くらいの楕円形の箱と、一通の手紙でした。

2013/05/02 記述結合 一通の手紙でした → 1通の手紙で、

2013/05/02 記述結合 中身を見ました。 → 中身を見ると、

2013/05/02 記述修正 直接会えない状態だと思います → 会えない状態だと思います

2013/05/02 記述修正 残念だけどそれは出来ないから → 残念ながらそれは出来ないから

2013/05/02 記述修正 私が選びました → 私が選んだものです

2013/05/02 記述修正 プレゼントの箱を開けてみると → プレゼントの箱を受け取って開けてみると

2013/05/02 記述修正 その中には、腕時計が入っていました → その中身は、化粧箱に入った腕時計でした

2013/05/02 記述修正 時計はシルバーで → 時計部分はシルバーで

2013/05/02 記述修正 わたしは、早速もらった腕時計をしてみました。 → で、早速もらった腕時計をしてみたんですが、

2013/05/02 記述修正 この腕時計 → これって

2013/05/02 記述修正 わたしが地味すぎるような → わたしが地味すぎるって言うか

2013/05/02 記述修正 なんか変じゃないですか? → なんか変じゃないかって

2013/05/02 記述修正 と聞いてみたけど、意識し過ぎだ → 聞いてみたら、「……意識し過ぎだ」

2013/05/02 記述修正 気になる年代なんです! → 気になる年頃なんです!

2013/05/02 記述修正 と言い返そうと思ったけど → って言い返そうと思ったけど

2013/05/02 記述修正 わたしの方が間違ってたんだと、諦めました → わたしの方が間違ってたんだと気づいて、やめておきました

2013/05/02 記述結合 ガラス越しに伝えました。 → ガラス越しに伝えてから、

2013/05/02 記述修正 その後、わたしもメッセージを返そうと思いついて → わたしもメッセージを返そうと思いつき

2013/05/02 記述削除 これをなつめちゃんに渡して欲しいと、

2013/05/02 記述修正 榊さんへ伝えて、その手紙を渡しました → 榊さんに預けて帰ってきました

2013/05/02 記述修正 母がケーキを買って来ていて → 母がケーキを買って来てくれていて

2013/05/02 記述修正 母に → その時母に

2013/05/02 記述修正 時計に持ち主が負けてるよ → 「時計に持ち主が負けてるよ」

2013/05/02 記述修正 一番気にしていたことを言われて → 一番気にしていたことを言われてしまい

2013/05/02 記述追加 見に行くと意外と大きなダンボール箱で、

2013/05/02 記述修正 むっとしました → ムッとしましたね

2013/05/02 記述結合 開けてみました。 → 開けてみたら、

2013/05/02 記述修正 かなから届いていた荷物は、お風呂で使う機械と → お風呂で使う機械と

2013/05/02 記述修正 箱の中には、メッセージカードが入っていて → 箱の下には、メッセージカードも入っていて

2013/05/02 記述修正 これで → これ使って

2013/05/02 記述修正 あれを出すシャワーみたいです → あれを出すシャワーのヘッドみたいです

2013/05/02 記述修正 取り付けないと分からないから → 取り付ないと使えないから

2013/05/02 記述修正 今ついているシャワーが外れなくて → 今ついているシャワーヘッドが外れなくて

2013/05/02 記述修正 緩んでしまえば後は簡単でした → 緩んでしまえば後は簡単でしたね

2013/05/02 記述分割 白く水が濁ったので、 → ちゃんと白く水が濁ります!

2013/05/02 記述削除 ちょっと感動しました。

2013/05/02 記述結合 壁際の角にくっつけました。 → 壁際の角にくっつけてから、

2013/05/02 記述修正 後は、コンセントに繋いで → コンセントに繋いで

2013/05/02 記述追加 すごい、うちのお風呂が、ジェットバスになってる……

2013/05/02 記述修正 良い物をくれたなぁ。 → 良い物をくれたなぁ……

2013/05/02 記述追加 こうしてすっかり生まれ変わった我が家のお風呂に、

2013/05/02 記述修正 1時間ほど入っていたら、母に早く出なさい → 1時間ほど入っていると、母に早く出るように

2013/05/02 記述修正 と叱られましたが → 叱られましたが

2013/05/02 記述削除 母が、早く出なさい!

2013/05/02 記述修正 と、本気で怒っていたので → 本気で怒り出したので

2013/05/02 記述修正 試験勉強のコツみたいなのが分かったので → 試験勉強のコツみたいなのが分かったから

2013/05/02 記述修正 お返しを渡しました → お返しを渡したんです

2013/05/02 記述結合 愛の言葉はありません。 → 愛の言葉はなくて、

2013/05/02 記述修正 お礼として渡しました → お礼として渡しましたよ

2013/05/02 記述追加 ただ、かなは相変わらず忙しそうだったから、

2013/05/02 記述追加 ろくに話も出来なかったのは、残念でしたが、

2013/05/02 記述追加 あとでメールすると言っていたので、

2013/05/02 記述追加 その時に感想が聞けるといいんですけどね……

2013/05/02 記述修正 航海堂に、バイトへ行きました → 航海堂でバイトです

2013/05/02 記述修正 家庭的な感じがなかったから → 家庭的な感じがしてなかったから

2013/05/02 記述結合 かなり驚いてしまいました。 → かなり驚いてしまい、

2013/05/02 記述修正 わたしの顔を見た → そんなわたしの顔を見た

2013/05/02 記述修正 陰険そうに目を細めて → 陰険そうに目を細めると

2013/05/02 記述修正 どうせ、私が料理とか出来るなんて思わなかった → 「どうせ、私が料理出来るなんて思わなかった

2013/05/02 記述修正 とか、思ったんでしょ! → なんて思ったんでしょ!」

2013/05/02 記述修正 と、怒られて、頭を小突かれました。 → と本心を見抜かれてしまい、頭を小突かれました……

2013/05/02 記述修正 いちいちリアクションしなくていい! → 「いちいちリアクションしなくていいから!」

2013/05/02 記述修正 ちょっと照れているような感じだったから → ちょっと照れているような感じだったので

2013/05/02 記述修正 忍さんはすぐに、誕生日のプレゼント? → 忍さんからすぐに、誕生日のプレゼントか

2013/05/02 記述修正 と聞かれて → と尋ねられて

2013/05/02 記述修正 とても驚いていました → とても驚いていましたね

2013/05/02 記述結合 集めたりとかもしているのだそうです。 → 集めたりしているのだそうで、

2013/05/02 記述修正 忍さんは、わたしのもらった時計が → わたしのもらった時計が

2013/05/02 記述修正 レディースダブルハートビートって言う時計だよ → レディースダブルハートビートって言う時計だと

2013/05/02 記述修正 と教えてくれました → 教えてくれました

2013/05/02 記述修正 サークルの先輩が、色違いの → なんでもサークルの先輩が、これと色違いの

2013/05/02 記述追加 その後に値段の話になったんですけど、

2013/05/02 記述修正 30万以上するよって聞いて → 30万以上するって言われて

2013/05/02 記述修正 気軽につけられないなあと → 気軽につけられないなぁと

2013/05/02 記述修正 わたしがそう思うと思って → わたしがそう思うだろうから

2013/05/02 記述修正 使って下さいって、書いてあったのかも → ああ書いてあったのかも

2013/05/02 記述修正 と気づいて、思い直して → と気づいて

2013/05/02 記述修正 と思いました → とすぐに考えを改めました

2013/05/02 記述修正 その時計似合ってるよと → その時計似合ってるって

2013/05/02 記述修正 って言ってもらえたのが → 言ってもらえたのが

2013/05/02 記述修正 嬉しかったってのもあります → 嬉しかったってのもありますけどね

2013/05/02 記述修正 今してるのは、ほとんど一目惚れだったんだ、と言って → 「今してるのは、ほとんど一目惚れだったんだ」と言いながら

2013/05/02 記述修正 忍さんは、自分の腕時計を外して見せてくれました → 自分の腕時計を外して見せてくれました

2013/05/02 記述修正 ドイツの → それは、ドイツの

2013/05/02 記述修正 バンドは黒で、とても落ち着いた感じの時計で → 黒いバンドの、とても落ち着いた感じの時計で

2013/05/02 記述修正 忍さんに似合ってるなあと思いました → 忍さんに似合ってると思いました

2013/05/02 記述修正 わたしは、この時計の値段を教えてもらったから → もらった時計の値段を教えてもらったから

2013/05/02 記述修正 驚いてしまいました → 驚いてしまいましたね

2013/05/02 記述修正 自腹ではとても買えないなぁと → 自腹ではとても買えないって

2013/05/02 記述修正 しみじみ思いました。 → しみじみ思いました……

2013/05/02 記述修正 検討したいからさ、 → 検討したいからさ、そうだなぁ……」

2013/05/02 記述追加 と言った後に、

2013/05/02 記述修正 みなもちゃんの描いた絵を → 「そうだ、みなもちゃんの描いた絵

2013/05/02 記述分割 と、忍さんが言ってくれたので → と言われたんです。

2013/05/02 記述追加 私の絵を見て、誕生日プレゼントを決めるの?

2013/05/02 記述追加 それって、どういう意味……?

2013/05/02 記述修正 わたしは、いつになるか分からないけど → いまいちよく判らなかったけど、とりあえず

2013/05/02 記述修正 その時は、お願いします、と伝えました → 見せられるようになったら、見せると答えておきました

2013/05/02 記述修正 バイトが終わって家に帰ると → バイトが終わり家に帰って、夕飯の後くらいに

2013/05/02 記述修正 かなから、夜に食べた感想がメールで来て → かなから感想がメールで来て

2013/05/02 記述修正 それなりに好評のようでした → と、それなりに好評のようで、よかったです

2013/05/02 記述移動 ここのところ、なつめちゃんのことで、

2013/05/02 記述移動 色々と、悩んでばかりだったので、

2013/05/02 記述修正 テストをやっつけて → テストを片付けてしまい

2013/05/02 記述修正 だんだん、時間が経つにつれて → 時間が経つにつれて

2013/05/02 記述修正 自信がなくなってきました。 → 自信がなくなってきました……

2013/05/02 記述修正 やっぱり、神社にお参りしとこうかなぁ。 → 念の為、神社にお参りしとこうかなぁ……

2013/05/02 記述結合 最終確認で、聞かれました。 → 最終確認として質問されたので、

2013/05/02 記述修正 はい、お願いします、と返事して → 準備を進めてくれるように

2013/05/02 記述修正 準備を、お願いしました → お願いしておきました

2013/05/02 記述修正 これで、本当に後には引けません。 → これでもう、本当に後には引けません……

2013/05/02 記述修正 なつめちゃんに会ってしまうと → それでも、なつめちゃんに会ってしまうと

2013/05/02 記述修正 なつめちゃんには → なつめちゃんからすればこれは

2013/05/02 記述修正 どんなに → どれだけ

2013/05/02 記述移動 どんなに、なつめちゃんが傷ついたとしても、

2013/05/02 記述修正 どんなに → どれほど

2013/05/02 記述修正 なつめちゃんの為だと思うから。 → なつめちゃんの為だと思うから……


3月2日 わたしの知らないなつめちゃん


なつめちゃんと、話はまだ出来ないけど、

あのガラスの小部屋にいる、なつめちゃんを、

見ることは出来るようになったと聞いて、

今日は様子を見に行ってきました。


もちろん、なつめちゃんの様子も見たかったけど、

榊さんと話がしたかったのもあります。


   ・   ・   ・   


学校が終わってから、いつも通り車で送ってもらい、

直通エレベーターの前で、榊さんと合流して、

病室へと向かいました。


榊さんは、あのお誕生会の時のことを、

まだ、根に持ってたりしないかなぁと、

ちょっとだけ心配だったけど、もうすっかり忘れたみたいに、

今まで通りの無愛想な感じでしたね。


   ・   ・   ・   


病室へ入ると、部屋のベッドは空で、

ガラス張りの小部屋の中に、前に来た時よりも、

もっと大掛かりな器械が入っていました。


なつめちゃんの姿は、器械が邪魔でほとんど見えなかったけど、

なつめちゃんが寝ているベッドの脇には、

わたしのあげたあのクマっぽい塊が、椅子に座っていて、

そのクマの手を、なつめちゃんの右手が、

掴んでいるのが見えたんです。


なつめちゃんがあのクマを、

気に入ってくれてるのが分かっただけでも、

ここまで様子を見に来た甲斐がありました!


わたしは、面会時間が終わるまで、

なつめちゃんを見ていました……


   ・   ・   ・   


面会時間が終わって、榊さんと一緒に談話室へ行ってから、

わたしは、榊さんに聞いてみたかった、

なつめちゃんの小さい頃のことを、尋ねました。


榊さんに言わせると、小さい頃のなつめちゃんは、

親馬鹿な両親に、甘やかされて育った、

『わがままが服を着ているような生意気なガキ』

だったのだそうです。


病院内では、父親が院長であることで、

看護師や医者よりも、自分は偉いと勘違いしていて、

とにかく言うことをきかず、嫌な治療には駄々をこねて暴れたり、

逃げ出したりしていたそうで、

担当医や看護婦たちの間では、嫌味を込めて、

『仁科のお姫様』と、陰口を叩かれていたとか。


このワガママっぷりが、急にひどくなったのが、

どうも、わたしの父が退院して、

自宅療養に切り替えた頃からみたいで、

わたしが、遊びに来なくなったせいで、

なつめちゃんは寂しくて、その不満を、

大人に当り散らしていたみたいです。


この頃、なつめちゃんのお父さん宛に、

脅迫状が送りつけられる事件があって、

警護がつけられることになったのですが、

すっかりひねくれていた、なつめちゃんは、

警護の人がつくたびに、めちゃくちゃ嫌がってしまい、

そのたびに、別の警護の人を用意させて、

なつめちゃんが気に入る相手を、探させたんだそうです。


でもなつめちゃんは、どんな人が来ても、

嫌だとしか、言う気がなかったらしく、

榊さんのところに話が来た時も、行くだけでも、

その分の報酬を払うという好条件だったから、

嫌々ながら、やってきたのだとか。


榊さんは、この頃から子供が嫌いと言うか、

苦手だったようですね。


で、採用を決める面接の時、なつめちゃんの前に来ると、

なつめちゃんはいつも通り駄々をこねて、叫び始めました。


周りの看護師や医者達が、なつめちゃんを叱りもせずに、

ひたすらご機嫌を伺うように、

あやしてなだめようとしていたのが、気に食わなくて、

榊さんは、なつめちゃんに怒鳴って、

なんと、ひっぱたいてしまいました。


そしたらなつめちゃんは、呆然として、

すっかり、大人しくなったんだそうです。


もちろんその時榊さんは、下手をすれば訴えられるかとも、

覚悟していたそうですが、意外にも連絡が来た内容は、

警護役の正式採用でした。


なつめちゃんが、榊さん以外は嫌だと言ったのが、

採用理由だったらしいです。


それからは、榊さんがそばで見ていて、

大したことないワガママには、何も言わないけど、

度を過ぎたワガママや、言うことをきかない時は、

さすがにもう手は出さないで、口で注意していたそうです。


榊さんから言われると、なつめちゃんは、

不満げであったり、むくれていたりしたけど、

最終的には、大人しく指示に従ったんだとか。


ただ、最初に叩かれた仕返しのつもりなのか、

やたらと榊さんを叩いたり、蹴ったりしていたそうで、

鍛えている榊さんからすれば、小さい子供の攻撃なんて、

何とも思わないけど、ただその時に、

見かけによらず、かなりの負けず嫌いなのかと、

思ったんだそうです。


そして、最後に榊さんは、

「……俺がやったのは、叱られたことのないガキに、

 やったら駄目なことをすると、怒られるってことを、

親の替わりに、教えてやっただけだ」

と、そっぽを向きながら、言っていました。


なつめちゃんはきっと、自分に対してちゃんと相手してくれた、

榊さんのことを気に入っていたんだなぁ……


わたしは榊さんに、それを伝えると、

「……さあ、どうだかな」

と、相変わらずこちらを見ないで、答えていました。


きっと、照れくさくって、わたしの方を、

見れなかったに、違いありません。


次に、なつめちゃんの両親について尋ねると、

父親は院長先生で、母親は評論家をしていると聞いて、

2人とも多忙で、なつめちゃんには、

会いに来れないのかと思ったら、実はそうではなく、

なつめちゃんから、面会には来て欲しくないと伝えてあって、

2人ともその言葉を鵜呑みにしてしまい、

それ以来、ここには来ないのだそうです。


これに関して榊さんは、なつめちゃんが反抗期だからだと、

言っていましたけど、

なつめちゃんとしては、自分が親に生かされていると、

思い込んでいたから、それが元で、

両親を遠ざけているのかも知れません。


最後に、わたしが見ているかぎりですけど、

榊さんが、なつめちゃんのことを、

呼んでいるのを、聞いたことがなくて、

ずっと不自然だなと、思っていたことを尋ねました。


すると、海外に治療に行く前までは、

本人の希望もあって、『棗』と呼び捨てで、

呼んでいたそうです。


でも海外から戻ってきた時に、再会すると、

名前では呼ぶなと、強く拒絶されたんだそうで、

この時のなつめちゃんは、今まで見たことないほど、

強い気迫を感じたのと、もう小さい子供ではなくなった、

クライアントの希望でもあるから、榊さんも、

それ以上は追及しなかったのだとか。


それ以降は、別の呼び名でと思ったそうですが、

『お嬢様』なんて、とても呼ぶ気にならず、

呼び方がなくなってしまったんだそうで、

今でも、なつめちゃんは榊さんが近づくと、

自分から榊さんに、声をかけるようになったんだそうです。


   ・   ・   ・   


この日は、ここまで話を聞くと、

もう帰る時間となってしまったので、急いで帰ろうとした時、

榊さんは別れ際に、わたしを呼び止めて、

なつめちゃんから預かっていたメモをくれました。


そのメモの内容は、

『3月9日に会いたいから、お見舞いに来て』

書かれていたので、わたしは、

必ず来ると伝えてくれるように頼んで、帰って来ました。


   ・   ・   ・   


なつめちゃん、来週には、

あの小部屋から、出られるのかなぁ。


今日はなつめちゃんの、小さい頃の話を聞いて、

何となく、なつめちゃんの本来の性格が、

分かった気がしました。


次は、それを元にして、

なつめちゃんの、心を変えさせる手段を、

考えたいと思います……




3月7日 汐月さんに相談しました


面会の日から昨日までずっと、

暇さえあれば、なつめちゃんのことを考えていました。


そして、どうすればなつめちゃんの考え方を変えられるか、

わたしなりの答えを出したつもりです。


でもそれは、それしかないと思うわたし自身でも、

実行するのに、ためらってしまう方法で、

他の方法がないかと、何度も考えてみたけど、

やっぱり、思いつきませんでした。


今日は、それを実行する許可をもらう為に、

午後になってから、汐月さんに連絡をとったんです。


汐月さんは、すぐに電話に出て、

わたしの話を聞いてくれました。


そこでわたしは、今までのなつめちゃんを見て思ったことや、

汐月さんから言われた、言葉の意味のこと、

榊さんから聞いた、小さい時のことを説明して、

わたしなりの推測と、対処方法を説明すると、

汐月さんは、かなり悩んでいるようで、

一旦考えさせて欲しいと言われて、

今日の夜に折り返して電話してもらうことになりました。


正直言って、汐月さんが認めるとは思えない方法だったから、

言った途端に、ダメと言われなかっただけでも、

すごいと思うくらいです。


この日は、電話の返事が気になってしまって、

学年末試験の勉強でもしようかと思っていたのに、

何もする気になれず、窓から空を眺めているうちに、

夕方になってしまいました……


   ・   ・   ・   


夕飯を食べ終えた頃に、汐月さんから携帯に連絡が来て、

まず最初に、回答を待たせたことを謝ってから、

わたしの提案を、許可してもらえました。


ただし、条件があって、

実行する場所は、なつめちゃんのマンションで、

実行時期は、なつめちゃんを、

一時退院させられた時になるとか、

実行方法も、色々と指定がありましたね。


さらに、予期せぬ事態に備えての、準備の為の手配が、

完了してからの実行となるので、いつ実行出来るかは、

汐月さんから連絡するとのことでした。


自分が言い出したくせに、

とても大変なことをしてしまったような気がして、

何だか、とても怖くなったけど、

全てはなつめちゃんの為だと、気合を入れて、

汐月さんの話を聞いていました。


最後に汐月さんは、わたしが実行した結果で、

なつめちゃんに、もし何かあったとしても、

それは、許可を出した汐月さんが全ての責任を取るから、

その点に関しては、気にかけなくてもいいと言われた後に、

それをやろうと考えている、わたしのことも心配していました。


わたしは汐月さんに、許可してもらったお礼を伝えて、

電話を切りました。


   ・   ・   ・   


これで後は、汐月さんから連絡が来た時に、

実行する覚悟を決めておくだけになりました。


と言っても、これが一番大変で、

今からもう、不安だし、怖いし、心配でいっぱいです。


でも、もう後には引けないし、

汐月さんが許可してくれたと言うことは、

お医者さんの立場から見ても、

これが有効だと、判断されたからのはず。


だから、わたしは決心して、実行します……!




3月9日 わたしの誕生日


実は、忘れてたんですが、

今日はわたしの16歳の誕生日でした。


学校で授業中に、かなからメールが来て、

「誕生日プレゼント贈っといたよ」

と書いてあったので、それで思い出したんです。


かなの方を見ると、ちょうどかなもこっちを見ていて、

手を振ってましたね。


母も今日は、夕方には帰ってくるので、

荷物が来ることを、伝えておきました。


   ・   ・   ・   


学校が終わった後は、先週の約束通りに、

なつめちゃんの面会に行ってきました。


ただ、前日に汐月さんから連絡があって、

なつめちゃんは、まだあの小部屋から出られず、

直接話は出来ないと、聞いたけど、

でも、なつめちゃんの希望でもあるので、

予定通りに、病院に行くことにしたんです。


病室に入ると、やっぱりなつめちゃんはあの小部屋にいて、

前に来た時と変わらず、器械が邪魔でよく判らないけど、

眠っているように見えました。


わたしが、なつめちゃんの様子を見ていると、

榊さんが、外のベッドの脇にある、

チェストの引き出しから、何かを出して、

わたしの前に持ってきました。


「……本当は、自分で渡したかったようだが、

 この通り、治療が終わらなくてな。

 自分で渡せない場合は、

 これを代わりに渡すようにと、言われている。

 受け取れ」


そう言われて差し出されたのは、

ベージュに緑のリボンがかかったような、

掌くらいの楕円形の箱と1通の手紙で、

わたしはまず、手紙を受け取って中身を見ると、

そこにはなつめちゃんの字で、こう書かれていました。


「誕生日おめでとう、みな。

 今日は、みなの誕生日ですね。

 この手紙を読んでいる時は、

 私は今、会えない状態だと思います。

 本当は、直接渡したかったけど、

 残念ながらそれは出来ないから、

 代わりに、榊にお願いしておきました。

 このプレゼントは、私が選んだものです。

 たとえ私がいなくなっても、

 これが、みなと一緒にあって、

 時を刻み続けてくれれば、

 私も一緒に、居れるような気がするから。

 気に入ってもらえると、嬉しいです。

 是非、使って下さいね。

             仁科 棗より 」


手紙を見た後に、プレゼントの箱を受け取って開けてみると、

箱と同じ色をした、巾着袋が入っていて、

その中身は、化粧箱に入った腕時計でした。


腕時計とかは、わたしは全然詳しくなくて、

今持っているのも、千円くらいで買った安物です。


それも、携帯を持ってからしなくなっていて、

今はもう、家のどこにあるのかも分かりません。


それと比べると、この腕時計は、

文字盤の周りや、文字盤の文字のところに、

ダイヤっぽいのがついていて、すごく高級な感じです。


それに、シルバーの文字盤には、

2つのハートが重なった形をした穴が開いていて、

時計の中が、見えるようになってたり、

12時のところには、ハートの穴の中に、

赤い宝石っぽいのがついていて、

色も、時計部分はシルバーで、バンドが白くて、

すごくかわいいです!


きっとブランド品なんだろうけど、

わたしは知らないメーカーでした。


で、早速もらった腕時計をしてみたんですが、

これって、すごくかわいいんだけど、

わたしがしてて、変じゃないかなあ。


時計に比べて、わたしが地味すぎるって言うか、

時計に負けているような、そんな気が……


それが気になって榊さんに、わたしがこれしてて、

なんか変じゃないかって聞いてみたら、

「……意識し過ぎだ」

と、一言で片付けられてしまいました。


そういうのが、気になる年頃なんです!

って言い返そうと思ったけど、

こういうことを榊さんに聞いた、

わたしの方が間違ってたんだと気づいて、

やめておきました。


わたしは、眠っているなつめちゃんに、

聞こえないとは、分かっていたけど、

プレゼントのお礼を、ガラス越しに伝えてから、

わたしもメッセージを返そうと思いつき、

お礼の言葉を紙に書いて、榊さんに預けて帰ってきました。


   ・   ・   ・   


家に帰ると、母がケーキを買って来てくれていて、

2人でケーキを食べました。


その時母に、なつめちゃんから時計をもらったことを伝えて、

もらった腕時計を見せると、腕時計を見た母はかなり驚いて、

まじまじと時計を見た後に、

「時計に持ち主が負けてるよ」

と、一番気にしていたことを言われてしまい、

かなり、ムッとしましたね。


この後母から、届いた荷物のことを言われて、

見に行くと意外と大きなダンボール箱で、

中身は何だろうと思いつつ、開けてみたら、

お風呂で使う機械と、シャワーのノズルが入っていました。


箱の下には、メッセージカードも入っていて、

そのメッセージカードには、

「Happy Birthday Minamo!!!

 お風呂大好きな、みなもへ、

 快適お風呂セットを送ります。

 うちのと同様にってまではいかないけど、

 これで、マイクロバブル&ジェットバスになるはず!

 最近、お疲れっぽいから、

 これ使って、日頃の疲れを癒してね!

                  かなより  」

と、書いてありました。


かなが送ってきたのは、

どうやら、家庭用のジェットバスの機械と、

かなの家の、お風呂の白く濁る水、

あれを出すシャワーのヘッドみたいです。


とりあえず、取り付ないと使えないから、

母と一緒に説明書を見ながら、つけてみました。


シャワーの方は、今ついているシャワーヘッドが外れなくて、

苦労しましたが、緩んでしまえば後は簡単でしたね。


試しに、洗面器に水を入れてみると、

あの時見たのと同じように、ちゃんと白く水が濁ります!


たしか、あの装置は何十万もするみたいなことを、

かなは言っていたから、あれと同じとは行かなくても、

まさか自分の家で体験出来るとは、

思っていなかったので、ちょっと感激しました。


次に、ジェットバスの方は、そんなに広くない湯船なので、

取り付ける場所に色々と困りましたが、壁際の角にくっつけて、

コンセントに繋いでスイッチを入れると、

勢い良く水流が出ました!


すごい、うちのお風呂が、ジェットバスになってる……


わたしが、かなり感動していたら、

母が箱の中から、もう1つ何かを見つけてきて、

それは、ジェットバスにつけるホースに取り付ける、

マイクロバブルのパイプでした。


これを、ジェットバスにつけた、

ホースの先を交換して取り付けると、

ジェットバスから出てくるのが、

なんと、マイクロバブルになりました!


この後、お風呂に入ってみると、

かなの家のお風呂には、及ばないけど、

これはこれで、とっても快適です。


かな、良い物をくれたなぁ……


   ・   ・   ・   


こうしてすっかり生まれ変わった我が家のお風呂に、

1時間ほど入っていると、母に早く出るように叱られましたが、

聞こえない振りして、もうしばらく入っていたら、

本気で怒り出したので、慌てて出ました。


これはまた、お風呂の時間が長くなりそうです。


   ・   ・   ・   


今日は、なつめちゃんやかなから、

誕生日のプレゼントをもらえて、

とても、幸せな1日でした。


今晩は、色々と余計なことは考えずに、

このまま、幸せな気分で寝ようと思います。


明日からしばらくは、来週から始まる、

学年末試験の試験勉強に、集中してがんばります!




3月15日 ホワイトデーのお返し


本日、学年末試験の1日目です。


でもテスト自体は、なつめちゃんとの勉強会で、

試験勉強のコツみたいなのが分かったから、

今までみたいに、神頼みとかしなくても、

それなりの点が取れそうな気がしています。


それよりも、大事なイベントがありました。


昨日が、ホワイトデーでしたが、

チョコをくれたかなに、

1日遅れで、お返しを渡したんです。


かなにあげたのは、めちゃめちゃ甘いホワイトチョコと、

すごく苦いビターチョコを、

一口で食べられる大きさの、小さなキューブの形にして、

市松模様に組み合わせた、手作りのチョコレートです。


もちろん、愛の言葉はなくて、

普通に、お礼として渡しましたよ。


ただ、かなは相変わらず忙しそうだったから、

ろくに話も出来なかったのは、残念でしたが、

あとでメールすると言っていたので、

その時に感想が聞けるといいんですけどね……


   ・   ・   ・   


テストが終わって午後からは、航海堂でバイトです。


航海堂では、忍さんからチョコのお返しで、

手作りの紅茶のクッキーをもらいました。


忍さんが言うには、わたしのあげたチョコが手作りだったから、

こっちも手作りのクッキーにしたのだそうです。


わたしのイメージでは、忍さんって、

あんまり、家庭的な感じがしてなかったから、

手作りと聞いて、かなり驚いてしまい、

そんなわたしの顔を見た忍さんは、陰険そうに目を細めると、

「どうせ、私が料理出来るなんて思わなかった、

 なんて思ったんでしょ!」

と本心を見抜かれてしまい、頭を小突かれました……


忍さんがくれた、手作りクッキーは、

種類の違う、紅茶の葉が入っているもので、

それぞれの紅茶の香りが、とても良く出ていて、

とてもあっさりした味で、美味しかったです。


わたしが1枚食べるたびに驚くから、忍さんは、

「いちいちリアクションしなくていいから!」

とまた怒られたけど、でもそれは、

ちょっと照れているような感じだったので、

わたしはあえて、驚いてみせて、

ちょっと、忍さんをからかっていました。


年上の人で、こんなに親しかった人って今までにいなかったので、

こういう風に、親しく話をした経験はわたしにはありません。


だからなのかも知れないけど、とっても楽しかったです。


この後、忍さんが腕時計に気づいて、

わたしは、なつめちゃんにもらったことを伝えると、

忍さんからすぐに、誕生日のプレゼントかと尋ねられて、

頷きました。


忍さんも母と同じく、この時計を見てとても驚いていましたね。


実は忍さん、腕時計が結構好きで、

集めたりしているのだそうで、わたしのもらった時計が、

何ていうのかを知っていて、これは、

スイスのフレデリック・コンスタントって言うメーカーの、

レディースダブルハートビートって言う時計だと、

教えてくれました。


なんでもサークルの先輩が、これと色違いの、

チョコレート色のをしていたのだそうで、

いいなと思ったけど、自分のキャラと合わないから、

手に入れようとは、思わなかったんだそうです。


その後に値段の話になったんですけど、

この時計、30万以上するって言われて、

めちゃめちゃびっくりしました!


これ、高そうだとは思ったけど、そんなにする物とは……


貧乏性のわたしは、勿体無くて、

気軽につけられないなぁと、一瞬思ったけど、

なつめちゃんのメッセージは、わたしがそう思うだろうから、

ああ書いてあったのかもと気づいて、

出来るだけしていこうと、すぐに考えを改めました。


それに忍さんから、その時計似合ってるって、

言ってもらえたのが、嬉しかったってのもありますけどね。


わたしは、忍さんのしてる時計のことを聞いてみると、

「今してるのは、ほとんど一目惚れだったんだ」

と言いながら、自分の腕時計を外して見せてくれました。


それは、ドイツのクロノスイスって言うメーカーの、

カイロス・レディと言う時計だそうで、

凝った加工がしてある、銀色の時計で、

文字盤には、小さめの数字と細い針に、

6時のところに、日付表示があって、

黒いバンドの、とても落ち着いた感じの時計で、

忍さんに似合ってると思いました。


もらった時計の値段を教えてもらったから、

ちょっと気になって、忍さんの時計は、

いくらくらいなのかを尋ねると、

安いところを探して買ったから、

定価は40万近いけど、25万くらいで買えた、

とのことで、やっぱりすごい高い物なんだなぁと、

驚いてしまいましたね。


わたしには、自腹ではとても買えないって、

しみじみ思いました……


最後に忍さんは、ちょっと考えてから、

「私も何か、誕生日のプレゼントするよ。

 何をあげるか、検討したいからさ、そうだなぁ……」

と言った後に、

「そうだ、みなもちゃんの描いた絵を、見せてくれない?

 別に、今すぐじゃなくてもいいよ。

 みなもちゃんが見せられると思った時で」

と言われたんです。


私の絵を見て、誕生日プレゼントを決めるの?


それって、どういう意味……?


いまいちよく判らなかったけど、とりあえず、

見せられるようになったら、見せると答えておきました。


   ・   ・   ・   


バイトが終わり家に帰って、夕飯の後くらいに、

かなから感想がメールで来て、

「白いのすごく甘いよぉ!

 黒いのすごく苦いよぉ!

 すごく両極端だよぉ!

 でも美味しかったよ、

 みなも、ありがとね!」

と、それなりに好評のようで、よかったです。


   ・   ・   ・   


ここのところ、なつめちゃんのことで、

色々と、悩んでばかりだったので、

今日は、かなや忍さんと話す機会が出来て、

久しぶりに、リラックス出来た気がしました。


多分、大丈夫だとは思うけど、

補習にならないように、テストを片付けてしまい、

春休みは、なつめちゃんの件に備えて、

考える時間を作りたいと思います。




3月19日 学年末試験終了


1年最後のテストが終わりました。


試験の出来は、ちょっと危なかった教科もあったけど、

まずまず、出来たんじゃないかと思います。


後は、終業式の時に補習宣告されなければOKです。


多分、大丈夫だと思うんだけどなぁ。


時間が経つにつれて、自信がなくなってきました……


念の為、神社にお参りしとこうかなぁ……


   ・   ・   ・   


昨日、汐月さんから連絡があって、

もうそろそろ、なつめちゃんが一時退院出来そうとのことで、

その時に向けて手配しても良いかを、

最終確認として質問されたので、

わたしは、準備を進めてくれるように、

お願いしておきました。


これでもう、本当に後には引けません……


それでも、なつめちゃんに会ってしまうと、

決心がゆらぎそうだから、これが終わるまでは、

なつめちゃんのところには、行かないと決めました。


   ・   ・   ・   


なつめちゃんからすればこれは、とても辛いかも知れない。


でも、わたしとしては、なつめちゃんとは対等の関係で、

親友として、付き合って行きたいし、

それが正しい姿だと思うから、わたしは実行します。


どれだけ、なつめちゃんが嫌がったとしても、

どんなに、なつめちゃんが悲しんだとしても、

どれほど、なつめちゃんが傷ついたとしても、

それが、なつめちゃんの為だと思うから……





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ