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黄昏のための道標  作者: 実包ライター
第1章 ヴィレリア攻防戦
1/1

プロローグ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 連邦暦0120年、ヴァレリア学園のカルベトは進級を前に長期休みに入っていた。来年は3年生。いわゆる「花の高校生」とやらの青春ができるのは今年が最後だろう。もっとも、恋愛といった理想とは無縁な、なんてことはない模範的なさえない高校生なのだが。

 せめてこの休暇で思い出を作ろうにも、いかんせん課題が邪魔をする。レポートを書かなければならない。題は、「この国 ヴィルター共和国について」。つまる所適当な愛国教育だ。とりあえずレポートのためにも、この連邦国家をいったん整理しなければならない。

 このメルテリア連邦共和国は、12の構成国から成る共和国で、このヴィルター共和国はその西側最北端にあたる。地元でもある首都ヴィレリアはそのさらに最北に位置していて、港湾都市として栄えたらしい。中世から続く街な分史跡も多く、街の端の巨大な防壁は幾多の戦争を乗り越え、今は博物館となっている。そうだ。あの防壁について僕は何も知らない。ただそこにある事しか知らない。強いて言うのであれば、あの中世の防壁は60年前の内戦でも役に立ったといった事くらいだ。

 せっかくならその内戦の事でも書いてみようか。その内戦ではこの国は勝った側だったはずだ。いい感じにほめたたえておけば教師もそれ相応の評価をするだろう。内容は決まったので、せっかくなら近所のアルノ爺さんに聞いてみる事にしようか。御年75歳、おそらくこの戦争も経験しているだろう。アルノ爺さんとは近所付き合いで仲良しだし、実際の人物から聞いたとなればレポートもなかなか良いものができるだろう。そんな気持ちでアルノ爺さんにアポを取り、翌日、近くのアルノ爺さんの家へと向かうことにした。

 カルベトはチャイムを鳴らすと、アルノ爺さんは笑顔ですぐに迎えてくれた。この世代の人は何となく寡黙な人も多いが、アルノ爺さんは明るくて気軽に話しかけられて好きだ。

アルノ爺さんは僕を椅子に案内すると、さっそく口を開いた。「それで、今日はどうしたんだい?またお小遣いがたりなくなったか?」。「そんな事聞いたことないでしょ」。初手から繰り出される誰得なジョークを受け流した所でさっそく本題に入る。「アルノ爺さん、南北内戦の事を知ってる?」。アルノ爺さんの顔が一瞬曇るが、すぐにいつもの顔に戻り言葉を返す。「もちろん知ってるとも。しかしなぜだい?」。「春休みのレポートで、それを取り上げようと思うんだ。聞いたところによると、あの防壁も戦地になったらしいでしょ? それの話とかをレポートにまとめてみようかなと思ってね」。アルノ爺さんは難しい顔をしながら、言葉を返す。「あれなぁ、、、、そんな楽しい話ではないぞ?むしろ地獄かもしれんし、レポートにまとめられるのほど簡単な話ではないかも知れん」。「別に大丈夫だよ。むしろ当事者世代の話を聞くなら覚悟の上だよ」。アルノ爺さんは何かを決心したように口をひらいた。「わかった。じゃあ話してやろう。あの時の話を、、、、」。僕はパソコンを構え、メモの準備を整えた。

閲覧ありがとうございます。

趣味でゆるゆるとやっていきますので、次回は気長に待っていただけると幸いです。

初投稿ですので、そこまで長引かせずに終わらせることを目指しています。

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