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「明日、学校楽しみだなあ」

 などと言いながらサツキはクルクル回っていた。

「サツキ、学校くんの?」

「あったり前じゃん、行くに決まってる」

「来ても、授業の内容わかんねえだろ、小学生が高校生の習ってるとこ、理解できるとは思わないが」

「へん! わっかるもーん」

「泣いても知らねえぞ」 

「泣くもんですか、それより明日皆に会えるの楽しみだなあ」  

サツキは本当に幸せそうな顔を見せていた。

「なあ、なんで皆お前が行方不明になっていたことを忘れてるんだ」

「知らない」

歩いている内に、サツキの家の前についた。

「またね、龍ちゃん」

「ああ、またな」

 サツキは笑顔で手を振ってから、玄関の戸を開けた。ただいまーと言って戸を閉めた。

俺も家に帰ろう。

 夢を見ていた。

かーくれんぼするものこーの指とーまれ

逃げろー

俺と、啓ちゃんと杏奈と鈴ちゃんとサツキ。

あの日はサツキが鬼だった。

児童館からはじめて、近くの山の方にまで隠れにいったっけ。

どこーだー

サツキは大きな声で呼ばわっていた。キョロキョロと辺りを見回して、物陰を探している。

それを物陰から見て面白がっている俺。

他のみんなは何処に隠れたのだろうか。

栗の木の上? 橋の下? ススキの中? ボロボロな小屋の中?

もっと向こう?

幾ら待っても鬼は見つけにこなかった。



 

チュンチュンチュン

窓から差す朝日をまぶたの裏で感じていた。布団の中はぬくぬくであたたかかった。やけにあったかい気がする。気のせいだろう。なんというか人が一緒に布団の中にいる気がしたのは気のせいだろう。

薄目を開けた。目の前に見知った顔がいる。こちらをじっと見ている。

「サツキなにやってんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

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