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「ナン、美味しいよねえ」
とサツキがカレーをもぐもぐしながら言う。
「ねー、バターナンも捨てがたいのよ」
「確かにインドカレーは旨い、ロマンがあるよな」
と啓介が言った。
「あたしは、豚骨ラーメン。背脂が旨いんだよね、これがまた。もう毎日食べてもいいよ」
「僕は、カレーの好みを聞いてるんだ。相変わらず自分の興味ある話しかしないな鈴は」
鈴は啓介の言葉を無視して、ラーメンをずるずるとすすっている。
「啓ちゃんは?」
「よくぞ聞いてくれた龍!」
皆が啓介に注目した。
「お母さんのカレー」
ずこおおおおおおおおお
「啓にいもド正論じゃん!」
「いやあ、母の味最高だよなあ、わっはっは」
「ジャンケンポン! あいこでショ! あいこでショ! ショっショでショ、あいこでショ! あいこでショ! あいこでショ! あいこでショ! あいこでショ! あいこでショ! あいこでショ! あいこでショ! あいこでショ! あいこでショ!」
「ねえ、全然決まんないよお」
とサツキが不満を口にした。
「そのうち決まるだろ」
と啓介が言った。
杏奈「他ので決める?」
五人はジャンケンで皆が飲みたい物を買ってくる人間を決めるということをしていた。あいこばかりでさっぱり決まらないのである。
龍太郎「例えば?」
鈴「砂を一番食べられる人間は免除」
啓介「お前以外誰も食えねえよ!」
と言いながら啓介は鈴の頭にチョップした。
杏奈「じゃあ、あみだくじは?」
サツキ「阿弥陀様かあ」
龍太郎「あみだくじな」
サツキ「私、作るね」
サツキは鞄からノートとペンを取りだして、グネグネと線を引いていった。
「でーきた。私一番最後でいいよ」
鈴「これを選ぶ順番をジャンケンで決めるか」
啓介「同じこと繰り返す気かよ」
龍太郎「じゃあ、早い者勝ちな、俺ここ」