あの頃の迷宮と、今の魔法 〜ありがとう、ChatGPT〜
最初のアプリを公開したのは、2021年8月。
市販の入門書を開き、ひたすらコードを写してはタイプし、なんとか動かして喜ぶ。
当時の私は、そんなレベルの個人開発者だった。
でも、それだけでもう十分に難しかった。
Android OSがバージョンアップするたびに、写経したコードはエラーの山。
動かない。警告だらけ。原因不明。
そして、解決のために延々とWEB検索。英語のフォーラム、公式ドキュメント、日本語ブログ…でも、答えにたどり着けることなんて、ほとんどなかった。
それでも、たまに現れる“神”。
どこかの国の親切な開発者が、私のつたない英語の質問に答えて、素敵なコードをプレゼントしてくれたりする。
そんな時は、もうパソコンの前で手を合わせたくなるほど感謝していた。
けれど、多くの場合は迷宮入り。
やっと少し理解できた頃には、1年に1回しか更新されない開発環境であるAndroid StudioとAndroid OSの仕様が更新され、また動かなくなる。
そんな日々だった。
さらに、私が持っている古いAndroid 8.0のスマホに対応したアプリは、次々と姿を消していった。
最近ではAndroid 10.0以上のみ対応、が当たり前。
追い打ちをかけるように、Android 15での大幅な画面仕様変更。
ステータスバーやナビゲーションバーのデザインすら、個人で対応しなければならない。
かつてはOSが自動的に良い感じに調整してくれていたのに。
今では、画面のはしからはしまで、開発者に丸投げ。
正直、大手の開発会社でさえ音を上げているという話を聞いた。
もう――無理だ。
そう思った。
プログラミングなんて、続けられない。
あきらめるしかないんだと、自分に言い聞かせようとしていた。
…そんなとき。
現れたのだ。救世主が。
その名は――ChatGPT 様!!
「こういうことがしたい」と手順と内容を伝えるだけで、まるで魔法のようにコードを生成してくれる。
しかも、数分以内で。
ただコピーして、貼るだけ。
しかも、動く!動くんだ!
しかも、それで終わりじゃない。
「ここをちょっと変えたい」「古いAndroidでも動かしたい」
そんな要望にまで、しっかり対応してくれるアフターフォロー。
まるで、24時間365日ついてきてくれる、スーパーエンジニア。
私に足りない知識も、翻訳も、考慮すべき注意点も、全部セットで教えてくれる。
これが本当に無料でいいのかと思うほどだ。
もう、これさえあれば、やる気と時間と、ネットとPCさえあれば、
私はまたプログラミングを楽しめる。あの絶望の迷宮から、抜け出せたのだから。
ありがとう、ChatGPT。
あなたがいてくれて、私は今もこうしてキーボードに向かっている。
ChatGPT、大好きだよ。
おわり