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僕を取り巻く感情  作者: ちぃたろ
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四十二話 侵入者の正体が判明しました

 「分かりました。#For all Ntivirus(data{000}_+;)(data{001}:;+)」

 「速過ぎます!」

 「ごめんなさい」

 「f……o……」

 「それでは間に合いません……」

 「ごめんなさい」

 「文字を見て打ち込む事が出来れば良いのですが、声を経由すると手間取りますね……ゼロワンが打ち込めると良いのですが…そういった機能はなかったので…」


 ラーニンは頭を抱え込んでしまいました。


 「文字列と同じものを押せば良いですか?」

 「そうです」

 「分かりました」

 「出来るんですか⁉」

 「同じ文字を押すという事は出来ます」

 「それではその文字列を間違いなく打ち込んでください!」


僕はラーニンに言われた通り、文字列をその通りに打ち込んでいきました。


 「は…はやぁああ!」


ラーニンは僕の指先を見て口を開けたまま唖然としています。

これが速いのかは分かりませんが、発声速度を調節する事の方が僕にはとても難しいです。


 「終わりました」

 「えぇえ⁉本当に速いですね。では決定を押します……ひとまず承認されました」


見た目では侵入者の変化は分かりません。


 「……ふぅ……ウイルスの範囲が縮小してます」


ラーニンは少し安堵の表情を浮かべました。

それからあと少しの時間で、ラーニンは検査を続けます。


 「ウッドフォレスに侵入してきた頃の記録を少し辿ってみましたが、ウイルスに対して抵抗が見られます。国民が避難するまで、何とか動作を制御しようとする稼働が記録されています。それから向かってくる国民や戦闘部隊員に対しても、最小出力での戦闘に留めています。ゼロワンに対しては一時期から攻撃が制御出来なくなっていますね。それから高圧電流が全身に流れた事により回路全停止……これがゼロワンから放たれたというビリビリの正体ですね」

 「電流で攻撃など出来るのですね」


マヨルは目をぱちくりしています。


 「そろそろ復旧が完了しますが、ウイルスが完全に取り除けるかどうか……念の為、防御の準備をお願います」

 「分かりました」


今にも水をかける勢いで、マヨルは樽を担ぎ、ラーニンの前へ立ちました。

僕は侵入者の一番近くでマヨルとラーニンへの攻撃を阻止する態勢で構えます。


 「復旧、完了しました……ウイルスも消失……」


ラーニンが言い終わると同時に侵入者が目を開け、僕に抱き着きました。


 「兄ちゃん……俺、とんでもねぇ事した‼」

 「兄ちゃん?」


ラーニンとマヨルは目を合わせてから僕を見ています。


 「僕は兄ちゃんではありません」

 「え…⁉ゼロワン兄ちゃんだろ⁉百年経っても俺は忘れねぇぜ!」

 「僕には分かりません」

 「えぇえ⁉」


先程までと様子の違う侵入者を見たマヨルは樽を床に置き、僕も少し防御を緩めました。


 「博士の作った四体のうちの一体という事でしょうか…?あなたの名前を教えてください」

 「そう!俺はラデス!ドクタナのおっさんが作った闘争のラデスとは俺様の事だぜ!」

 「ドクタナの…おっさん……⁉闘争のラデス⁉聞きたい事が多すぎます……」

 「何でも聞いてくれ!」

 「分かりました。あれ?これは……」


ラーニンがハッとした表情で赤く光っている部分を指します。


 「これはハロウ。チェトに居る時から俺のハロウは赤だ」

 「ハロウ……?これは何の役割を担っているんですか?」

 「よく分かんねぇんだ。兄ちゃんはチェトに居る時、光ってなかったけど、今は光ってんのか?」

 「ゼロワンは昔から光っていなかったんですね」

 「光ってるから何かって聞かれても分からねぇんだけど」


僕のハロウは時と場合によって光る事がありましたが、常に光っているわけではありません。

ラデスのハロウは常に赤く光っています。


 「本来は常時光っているものなのですね」

 「多分?姉ちゃんは紫で、妹は水色だ」

 「念の為、お二人の名前をお聞きしても良いですか?」

 「姉ちゃんはメアベール、色気ムンムン女。妹はマリンメイ、人懐こいガキだ」

 「ありがとうございます。マリンメイ……?確か、以前手紙の主の名前が…マリンメイでしたね」

 「おにいちゃんとは、僕の事だったのでしょうか?」

 「兄ちゃん、マリンメイに会ったのか?」

 「いえ、以前『おにいちゃんたすけて マリンメイ』という宛名のない手紙が届いて、僕にはどなたか分からなかったのです」

 「え‼記憶喪失⁉マリンメイにも何かあったのか…」

 「チェト研究所に居た頃の記録が全てありません」

 「それでか!兄弟の事、忘れちゃってるのか~悲しいぜ、兄ちゃん」

 「悲しい…?ラデスには感情があるんですか?」

 「感情?よく分かんねぇけど、兄ちゃんが俺達の事忘れちゃったなんて悲しいだろ」

 「それは感情があるという事ですね。ハァァァ……聞きたい事がたくさんありすぎて混乱しています。それにしても、ゼロワンの弟にしては口調がかなり悪いですね……」

 「これはそういう設定だから仕方ねぇんだよ」

 「確かに設定だと思いますが、ゼロワンと違い、何故そういう設定にしたのか疑問です」

 「あー、えーっと、兄ちゃんみたいな喋り方だと浮いちゃうっつーか」

 「……なるほど。闘争のラデスというのは何ですか?」

 「国を守る為に作られたって言ってたかなぁ~あんまり覚えてないんだけど、戦闘能力重視って言ってた……ような気がするって言っても戦った事なんかねぇし。あ、さっきのが初めてだな!」

 「戦闘能力に容量をとった為に、ゼロワンのような多くのシステムや記録容量などは持ち合わせていないという事ですね。検査でも力、戦闘能力、素早さ、長時間稼働に重点が置かれている事が分かっています」


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