表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕を取り巻く感情  作者: ちぃたろ
39/56

三十九話 侵入者の脈を測りました

アイヴァンは大きな擦り傷が出来ているので、メノルに抱かれたまま、僕とメノルはマヨルの判断を待ちます。


 「兄さん、これからどうしますか?」

 「ひとまず、遠隔通信機で宮殿へ連絡を入れ、指示を仰ぎましょう」


マヨルが宮殿に連絡すると、なかなか繋がらず、宮殿もパニックになっているようです。


 「こ、国王様⁉国王様直々に出られるとは…………そうなのですか…………皆、出払っているのですね…………そうですか。……こちらはゼロワンによって侵入者を捕獲する事が出来ました。しかし、いつまた動き出すか不明です。…………はい、承知致しました」


マヨルが遠隔通信機を切ると、会話の内容を説明してくれました。


 「現在、フォラムス広場にもクリエア地区からの避難者や負傷者が押し寄せていて、宮殿従者も駆り出されているそうです。家を失った国民や負傷者への食事の提供に調理員達も炊き出しに、メイドも手伝いに出ているようです。救急隊や看護員が派遣され、マジョルドも他の連絡対応中との事で、国王様がお出になられました。また、クリエア広場にも森の奥地を回り込んで、すでに救急隊と看護員が到着しているとの事ですので、アイヴァンはそちらへ運びましょう。クリエア広場へは出来た料理や必要な物資を運んでいる最中とおっしゃっていました。それと、侵入者も生死の確認の為、脈を測るよう言われましたが……」


マヨルは侵入者の首筋に手を当てたまま固まっています。


 「どうしたんですか?兄さん」

 「……い……息絶えているようです」


侵入者は先程の僕の攻撃によって、亡くなってしまったようです。


 「僕は人を殺めてしまいました」

 「今回は致し方ありません」

 「侵入者を殺めなければ私達が、国民が殺められていたでしょう」

 「そうだよ…そもそも、ウッドフォレスで暴れたこの人が悪いんだ…」

 「このような事態は今まで無かったので、侵入者が暴れたり、街を破壊されたり、負傷者や侵入者の死亡という事を国民がどのように受け止めるかは分かりませんが…国民のケアも宮殿従事者の役目です」


マヨルは一呼吸おいて、僕達へ指示を出しました。


 「脈が触れる事はありませんでしたが、念の為、測定器で計測するよう言われています。馬車にまだあると思うので、一時戻りましょう」

 「分かりました」


その後、マヨルを先頭にアイヴァンを抱きかかえたメノル、そして侵入者を担いだ僕は馬車へと向かい到着すると、そこにラーニンの姿はなく、ジュディも居ません。


 「この辺りに停車したと思うのですが…」

 「どうしたんでしょうか」


辺りの負傷者も誰一人居ません。


 「皆さん、クリエア広場に運ばれたのかもしれませんね」

 「私はアイヴァンを連れて先に向かいます」


 そんなやりとりをしているとジュディに跨ったラーニンが現れました。

 

 「み…皆さん、ご…ご無事…でしたか」

 「侵入者の脈を手で測りましたが死亡しているようです。念の為、馬車にある測定器で計測しようと戻ってきたところです」

 「そうでしたか」

 「ラーニンもジュディに乗れたのですね」

 「は、はい…きゅ…宮殿で…う…生まれ…育って…いますから…あ…ある程度の…事は…出来ます…」

 「そうでしたか」

 「先程までこの辺りに居た負傷者の皆はクリエア広場へ向かいましたか?」

 「は、はい…。か…看護員…の皆が…と…到着して…。そ…その為、ジュ…ジュディと…荷台を…お…お借り…しました」

 「そうでしたか。お疲れ様でした」

 「い、いえ………ア…アイヴァン⁉けけけ…怪我を…し…してるじゃないですか⁉」

 「今からクリエア広場に連れて行こうと思っていました」

 「ひ…広場で…レ…レミーナが…血相を…変えて…さ…探して…いました…」

 「それは大変だ…私はアイヴァンを連れて向かいます」

 「ママ、心配してるかな…?」

 「そうですね。なので先を急ぎましょう」


メノルはアイヴァンを抱えなおし、足早にクリエア広場へと向かいました。


 「ぼ…僕も…見かけていないと…答えたので…ク…クリエア広場…以外の…場所へ…探しに行ってしまう…かも…しれません…」

 「ゼロワン、レミーナ専用の遠隔通信機はありますか?」


ズボンのポケットだと、手を入れても感覚が伝わらないので、視覚で感知出来るように僕はいつも胸ポケットへ入れています。

しかし、胸ポケットを覗くと遠隔通信機は粉々に砕けていました。


 「ごめんなさい。壊れてしまいました」

 「そ…そうでしたか…。あっ‼…先程、か…看護員…達との…れ…連絡用に…ひ…一つ…置いてきて…いました。こ…これを…使って…ください」


マヨルはラーニンから受け取ると、すぐに掛けました。


 「宮殿従者のマヨルです。……そちらにクリエア動物病院の院長を務めているレミーナという女性は居ますか?年齢は三十歳くらいでしょうか。アイヴァンという子供を探しているはずです。……はい、見つかり次第、通信機を渡してください」

 「ひ…広場を…は…離れて…いないと…良いですが…」

 「今、探してくれています。その間に計測器で侵入者の脈を測りましょう」


ラーニンは馬車から計測器を持ってくると、僕は侵入者を地面へ下ろしました。

ラーニンが侵入者へ計測器をセットしますが、何の反応もありません。


 「や…やはり…し…死亡…している…ようです」

 「分かりました。レミーナへの報告が終わったら宮殿へ連絡します」

 「そ…そう…ですね」

 「……はい。レミーナですか?……はい、マヨルです。」


マヨルの口ぶりからレミーナが見つかったようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ