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僕を取り巻く感情  作者: ちぃたろ
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二十五話 買い物に行きました

 僕は書物に書いてあった通りに鍵穴をくり抜き、部屋側から鍵を掛けられるようにしました。

そしてその形に合った鍵を二本作りメノルの元へ向かいます。

メノルは井戸で洗濯をして、外のロープに干している所でした。


 「メノル、鍵が出来ました。一つ、渡します」

 「早いですね。私の洗濯より早いです。あと少し干したら終わりですので、お待ちください」

 「僕も一緒に干します」

 「ありがとうございます」


残りの洗濯物を一緒に干して、メノルに飲み物を淹れます。


 「お疲れ様でした。一息付いたら行きましょう」

 「分かりました。いただきます」


メノルが飲み物を飲み終わると、僕達はアイヴァンのお家へ向かいました。

 

 「ゼロワン、メノル。こんにちは」

 「こんにちは」


 出迎えてくれたのはレミーナです。

アイヴァンは部屋の奥から走って出てきました。


 「こんにちは!見て!荷物まとめたよ!」


アイヴァンは嬉しそうにまとめた荷物を見せてきます。


 「こんにちは。頑張りましたね」

 「うん!」

 「では、街へ買い物に行きましょう」

 「私はマヨルが迷わないように家の近くで待機します」

 「分かりました」

 「いってきまーす」


僕はレミーナとアイヴァンと共に街へ向かいました。


 「必要な物があれば言ってください」

 「家で使っている棚は置いていくので小さな洋服棚を買っていこうと思ってるの。良いかしら?」

 「はい。お店に行きましょう」


洋服棚と聞いて、マヨルとメノルやラーニンは棚を買っていない事に気が付きました。


 「マヨル、メノル、ラーニンにも棚を買います。気が付きませんでした」

 「ラーニンは三セットの洋服を持ってきていて、ゼロワンが洗って干してくれたらバッグに入れるんだって」


アイヴァンがそう言いながら笑っています。


 「そうだったのですか」

 「いつも同じ服なのは研究所の制服だって言ってた」

 「色々知っていますね」

 「マヨルとメノルの洋服も国の制服だって言ってたけど、今日は違ったね」

 「街に出る時は制服だと目立ってしまうので私服があるそうです」

 「そうだったんだ~」


そんな風にいつものように会話をしていると、レミーナはそれを見て微笑みました。


 「最近、あまり話も出来なかったから、アイヴァンの楽しそうな姿が見られて良かったわ」

 「うん、僕楽しい!あ、木製店があったよ!」


アイヴァンは終始はしゃいだ様子で、走ってお店の方に向かいます。


 「こっちこっち!」

 「待って、アイヴァン」


レミーナも小走りでアイヴァンを追いかけます。

お店に着くと、レミーナの選んだ棚を五つ買いました。


 「二つは私が払うわ。自分達が使う物だもの」

 「そうですか。では、そうしましょう」


きっと、『気が済まない』の仲間だと推測し、レミーナが二つ分のお金を払います。

僕は三つ分のお金を払いました。


 「ありがとね~お兄さん、こんなに持てるかい?」

 「分けて家まで運びます」

 「あいよ~」

 「アイヴァンとレミーナは寝具店で選んでいてください。僕は棚を運んできます」


僕は棚を三つ持ち上げました。


 「えぇ⁉三つも一気に…」

 「お兄さん、力あるねぇ」


 レミーナとお店の店主は目を丸くしています。


 「大丈夫?」

 「はい。店主さん、また来ます」

 「あいよ~」


レミーナの心配を余所に、僕は棚を抱えたままアイヴァンの家へ向かいます。

それを二度繰り返し、寝具店へ向かいました。


 「来た来た!こっち!」


アイヴァンが僕を見つけて手を振っています。


 「ゼロワン、力持ちなのねぇ」

 「はい。寝具は買えましたか?」

 「えぇ、二セット」

 「では、持っていきます」


僕がまた二セットを両肩に担ぎ上げると、店主とレミーナが驚きの表情をしました。


 「凄いねぇお兄さん。まいど~気を付けてね~」

 「ママ。ゼロワンって凄いでしょ」

 「本当に凄いわね」


僕は二百㎏持ち上げる事が出来ます。

しかし、以前アイヴァンにそれを言った時、とても驚かれたので、レミーナには言いません。

それから三人で会話をしながら歩いていると、アイヴァンがとても嬉しそうな顔をして言いました。


 「何だか家族みたい」

 「もう…何言ってるの~この子は」


レミーナもそう言いながら微笑んでいます。

僕には家族というものがどういうものか知りません。

博士と長い間一緒に居ましたが、家族ではありません。

僕には家族が居ないので分かりませんが、これが家族のような雰囲気なのでしょうか。

その後も、三人で会話をしながらアイヴァンの家に着きました。


 「ありがとう。助かったわ」

 「いえ」

 「楽しかったね」

 「そうね」


連日のアイヴァンの様子からは見違えたように笑顔で、レミーナからもホッとした様子が推測出来ました。

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