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僕を取り巻く感情  作者: ちぃたろ
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十三話 国王様へご報告です

 「ラーニン、そろそろ授与式の準備があるから起きて」

 「は…はい。も…もうそんな…時間…ですか?」

 「授与式は午後からだけど、ここを出るのはお昼、それまでにもう二時間もないわよ。ジャグワス国王様へゼロワンの報告があるでしょ」

 「そ…そうでした…。ぼ…僕…そんなに寝ていたんですね…」

 「僕の為に頑張ってくれましたから」

 「ゼ…ゼロワン…き…来てくれたん…ですね…」

 「ゼロワンはずっとここに居たのよ」

 「え…」

 「マヨルも寝ていると判断しました」

 「マ…マヨルは…な…何時だと…しても…か…駆けつけます…よ…。ゼ…ゼロワンの…従者ですから」

 「僕は客室に戻っても寝るという事はありませんから」

 「そ…そう…ですか。じゅ…充電量を…調べ…ましょう」

 「現在の充電量は九十八%です」

 「す…凄い…ですね。いつも自分で充電してるんですもんね。自己充電管理か…自作のロボットにも是非、搭載したいシステムです」

 「ラーニン、程々にして国王様の元へ行くわよ」

 「そ…そうでした。ゼロワン、い…行きましょう」

 「はい」


 僕はラーニンとソフィアナと共に国王の間へ向かいました。


 「こ…国王様…」


ラーニンは扉の向こうまで聞こえない程の小さな声で呟き、おどおどしています。

見かねたソフィアナがため息をついて、声を張り上げました。


 「もう…。国王様、ソフィアナとラーニンです。ゼロワンについてご報告がございます」

 「入りたまえ」

 「失礼致します」


また長いカーペットの上を歩いて、国王様の方へと向かいます。

ステンドグラスの色とりどりの光が、昨日より鮮明に眩しく感じました。

警告が出ていないからでしょうか。


 「こ…国……あの…」


ラーニンが国王様に聞こえない程、小さな声で話し出すと先程同様、ソフィアナが痺れを切らしたようにラーニンを肘で突き、囁きました。


 「ラーニン、報告」

 

 「さ…昨夜、ゼロワンが動かなくなり、研究所にて検査致しました。聴覚以外のシステム停止を確認、充電不足に陥っている事が分かり、充電し、現在は完全復旧しております。また、その際に起爆装置についても調べましたが、装置及び火薬などの反応は見られず、やはりドクタナ博士によるゼロワンを守る為の策だったと考えられます。そして、ゼロワンは博士との制約により、自身をロボットだと言えない状況にあった事が分かりました。しかし、それに関しましても、制約が成立していない事実が判明し、ゼロワンは自身をロボットだと認める事が出来るようになりました」


 「そうか、そんな制約が…」

 「はい。ですがチェト研究所の記録は全て消去されており、ゼロワンが知らないと言っていた事は事実です」

 「なるほど。では、もう一度聞く。ゼロワン、君はドクタナ博士の作ったロボットで間違いないか?」



 「はい、僕はドクタナ博士の作ったロボットです」



 「うむ。ラーニン今後の予定はどうなってる?」

 「まだ解明されていない事が多くありますので、僕はゼロワンと共にまずドクタナ博士の家を探索したり、チェト研究所へ連れて行ってみたりと試行錯誤してみます。研究所の後任責任者としてソフィアナを推薦します」

 「ちょっと…聞いてないわ…」


僕も今後の事は聞かされていませんでしたが、ソフィアナにとっても急な展開だったようで、また国王様に聞こえない程度の小さな声で、ラーニンへ囁きました。


 「ラーニンの推薦であれば心置きなく任せる事が出来る。しかし、ラーニンには引き続き研究所の代表として舵をとってもらいたい。ラーニンとソフィアナは密に連絡を取るように。ソフィアナは責任者代理とする」

 「かしこまりました」

 「ソ…ソフィアナ…、よ…よろしく…お願い…します」

 

ソフィアナは返事だけは強気だったものの、涙目になって不安そうな顔をしています。


 「マヨルとメノル、マジョルドにもこの話は通しておく。ラーニンと共にマヨルとメノルも引き続き従者として付き添う事とする。チェト研究所でロボット開発について国民には機密であった点を踏まえ、国民には内密にするように。以上だ」

 「失礼致します」


 僕達は国王の間を出て、僕は客室に、ラーニンとソフィアナは研究所へ戻っていき、それからしばらくして、客室の扉がノックされました。


 「マヨルとメノルです」

 「はい」

 「失礼致します。昨夜はとても心配しました。ご無事で何よりです」

 「ごめんなさい」

 「いえ。ゼロワンはドクタナ博士の作ったロボットだと先程、お聞き致しました。まるで人間同様…ラーニンに連絡をとり、食事は不要との事でご用意致しませんでした」

 「はい。僕は食事を食べる事が出来ません。ですが、昨日のパンは小鳥達が美味しそうに食べました。ごちそうさまでした」

 「そうだったのですね。出発まで少々時間がございます。今日もパンをお持ち致しますか?」

 「はい、ありがとうございます」


マヨルとメノルはすぐにパンを持ってきてくれました。

 

 「ありがとうございます」

 「いえ。ロボットというのはラーニンの作った食事カートですとか、自動掃除機ですとか、そういったものと思っていたので、ゼロワンのように優しい心を持ったロボットがいるとは驚きました」

 「優しい心ですか?」

 「はい、私達が寝ていると思って充電完了後に連絡をしなかった事や小鳥達にパンをあげる事など、優しい心がないと出来ない事です」

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