野次馬したお話。
本当にあった話を少し変えてます。
中学の時の怖い話ですか?
私はそんなに霊感が無いので分かりませんけど…あ、ありました。
私達が中二の時に〇〇町で大きな爆発事故があったんですけど、覚えていませんか?
そうですか…結構、ニュースに大きく取り上げられていましたが。
私の中学の近くだったので、Kさんが見に行きたいと騒いでいました。
その日は部活が早めに終わったので、みんなで部室で着替えていました。
「えー、みんなで一緒に橋まで行きたいっす!朝のTVニュースでも凄かったんですから!」
学校にファンクラブがある位のキラキラしい美少女ががあざとく上目遣いでおねだりして、なんか皆んなイラッとしたのは内緒です。
「Kっ、朝からうぜえ。」
ガングロギャルなAさんが不機嫌な顔をして、Kさんを睨み付けました…気が弱い子なら泣きそうな迫力です。
「Kちゃん諦めなよー。どうせ人が一杯でダルいだけだし。」
Cさんは迷惑そうに言います。
「大体、Kは不謹慎なのだよ!死傷者が出ているのに野次馬根性を出すのははしたない!」
三人に断られたKさんは私にしがみ付いてきました。
「私ちゃーん!」
私が結構、そう言うのは嫌いじゃないのをKさんは知っていたのです。
「…橋なら、現場は見えるけれど邪魔にならないでしょうし良いんじゃないですか?」
そう言って、この場の決定権を握るDさんの方を見て付け加えました。
「それに、あの橋はロードワークの通過場所ですから、確認しておくのも良いかもしれません。」
私の言葉に、Aさん、Cさん、Mさんは苦い顔をします。
Kさんは流石、私ちゃんと尻尾をブンブン振っているような喜び方でした。
Dさんは悠然と着替えを終えると、僕たちに凛とした声で命令します。
「私の言うことも一理あるな、着替えが終わり次第に皆で橋の検分をしに行くぞ。」
「「「「「「はい。」」」」」
皆の心は一つになりました。
学校を出て、途中でコンビニに寄りながらも件の橋に到着しましたが人は一人しかいませんでした。
「あれ…?ちょっとやばくないっすか?」
Kさんがその人を見て、小声で皆に言います。
「K、知らない人に対して失礼な事を言うんじゃない。」
むっつりして、礼儀にうるさいMさんはKさんを注意しましたが、Cさんは食べかけのお菓子を落としそうになりながら橋の上の女性を凝視していました。
「…おい、S…あの女、所々…焼けてないか…?」
Aさんはガングロに青ざめながら私に聞いてきます。
確かに、橋の真ん中に立っている女性は異様でした。
服は所々、焼けていますが身体も指先や足が煤で黒くなっています。
ザワつく私達に気が付いて、女性は振り向きました。
顔がケロイド状に溶けていました…。
ピンク色に変形した顔に私達は金縛りにあったみたいに動けなくなりました、そしてケロイド状に溶けた顔を持つ女性はゆっくりと私達に歩み寄ります。
「熱い…熱い…水…水を頂戴…。」
のろのろ歩きながら、溶けて変形した口で女は呻き声をあげます。
もう恐怖で叫びたくても声が出ないのです。
みんながパニックを起こしている時に凛とした声が橋に響き渡りました。
「そうか、水が欲しいなら飲ませてやろう」
DさんがKさん愛用の高級ミネラルウォーターのペットボトルの蓋を開けて、女性の顔にぶっ掛けたのです。
「ぐうはぁ…ぎぃぃぃやぁぁ!」
凄い叫び声をあげながら女性はその場をのたうち回るとDさんは更にペットボトルの水をぶっ掛けます。
「遠慮することは無い、好きなだけ飲んだら良いさ」
涼し気な顔でDさんは言いますが、女性はおぞましい叫び声を上げて更に苦しみ蹲るとドロドロに溶けてしまいました。
私達に女性の溶けた後を見せない様にDさんは立ちふさがると、優しい笑顔で言います。
「さあ、そろそろ帰ろうか。」
皆はDさんの言葉に無言で頷いて、橋から振り返る事なく帰りました。
その後、何度か雨が降るまでその橋を部活のロードワークで使うことはありませんでした。
初投稿でテンションおかしくてすみません。
明日からまた投稿頻度は減らして…色々と考えたいと思います。
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