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Dさんと私。  作者: 新堂本舗☆
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ちょっぴり、怖い青春ストーリー

とある私立中学校の強豪部活で汗を流す日々の中で、たまに起きる怪談話を無敵の部長Dさんが解決してしまうお話です。


怖くなーい…。

 中学生時代の話ですけど、同じバスケ部のDさんと本当にたまにですが将棋を指す事が有りました。


Dさんはプロ棋士かと言うくらいに強かったので、お爺さんと将棋を指す事が多かった緑間くんも将棋部の部員達さえ歯が立ちませんでしたから私なんていつも負けていましたが、何故かDさんに誘われて対局しましたね。


私は昔から影が薄くて、他人を観察しながら育ったせいか稀にDさんさえ思いもよらない手を打つらしくて、それがとても興味深いと言われたものです。


その日は夏休みのとても暑い、世間ではお盆休みだったんですが所属していたバスケ部は全国大会に出場する位の強豪校だったので、午前中だけは部活が有りました。


スポーツをしている方なら知っているかも知れませんが、1日休むと取り戻すのに3日かかると言われていますから基本的に各自、休みだろうとテスト期間で部活が休みだろうが自主トレは基本のスパルタでした。


で、午前中の部活途中に私は体力が他の人よりも無くて倒れてしまって保健室に運ばれたんです。


私が意識を取り戻した時に、Dさんが保健の先生の机で独り将棋を指していました。


「Dさん?」


私が呼びかけたら、Dさんは穏やかな笑顔を見せてくれました。


「気が付いた?保健の先生は他に用事があるって困っていたから、私がAの付き添いを申し出たの気分はどう?」


そう言いながら、Dさんは顎に手をやり将棋の盤を眺めています。


「そうでしたか、心配を掛けてすみません。もう大丈夫ですありがとうございます」


私はDさんにお礼を言うとベッドから起き上がり、運んで来てくれた荷物と制服を置いている椅子を見つけました。


「A、丁度良い。久しぶりに対局してくれない?」


Dさんが凛とした声で、私に向かって言うのを断る理由も無くて「わかりました」と答えて将棋を指す事になりました。


先に制服に着替えると、荷物を置いていた椅子に座り将棋の盤を挟む形でDさんと対面します。


すると突然、私の身体が動かなくなったのです。


動かないというよりも、金縛りにあっているのに意識は鮮明で誰かに身体だけ乗っ取られた様な兎に角不思議な感覚でした。


私の身体は私の意識とは関係なく将棋の駒を手に取り、盤の上に指していきます。


Dさんは私に起きた異変をすぐに察したみたいで、心配そうな顔で私の顔を少しの間だけ見つめるとすぐにバスケの試合みたいに真剣な表情になり、将棋を指し出しました。


私、というか私の身体はとても将棋の腕前が強くて、Dさんとかなりの接戦を繰り広げましたが後少しという所で王手をかけられます。


すると、私の口が勝手に開き、普段の私では出さない様な禍々しい呻き声を出しました。


声が出ると何故か知りませんが、私の指がカマイタチって知っていますか?何も無いのにスパッと傷が出来る現象の事を言うらしいんですけど。


そのカマイタチみたいに親指と中指が剃刀で切られたみたいに切れて血が吹き出たんです。


私の身体は自由が無いですし、変な声で呻いて指からは血が沢山でてパニック状態になりました。


しかし、パニックを起こす私の耳に優しいけれど凛としたDさんの声が聞こえて来ました。


「A、大丈夫それは私が祓う。…将棋の相手をしてれば気が済んで出て行くと思った私のミスだな」


Dさんは保健の先生の机にある、文具入れから鋏を取り出すといきなり、私の右肩に向かって切りつけました。


びっくりして私は思わず目を閉じましたが、痛みは有りません。


でも耳元でギィャヤァァァッって凄い悲鳴が聞こえて、嫌な腐った肉の臭いがして身体の力が抜けました。


「A、今日は私が家まで送るから帰ったら浴槽にお湯を溜めて渡す塩を入れて頭まで浸かるんだ」


私の手の傷を手早く処置してDさんは言うと、携帯を取り出して迎えの車を呼んでから私を支えて校門まで連れて行ってくれました。


帰りの車内で、拳より少し小さめの塩の塊を私にくれました。


Dさんが言うには、お盆休みに現世に帰って来た霊が私に取り憑いていたらしいです。


少し遊んで霊が穏便に私の身体から抜け出してくれたらと思ったそうですが、霊も負けず嫌いだったらしくてDさんが将棋で勝って怒って私に危害を加えたらしいです。


え?Dさんが負けてあげていたら、私の指が怪我をする事は無かっただろう?…それは、自他とも認める負けず嫌いのDさんですから仕方がない話ですよ。


家に帰って、Dさんの言う通りに塩風呂に入ったら指の傷口が染みて、ほんの少しだけ私も霊の気の済むように将棋を負けてあげたら良かったのにって思いました。


すると次の日に何故か練習メニューが過酷になったのも、今では良い思い出です。


あれから、Dさんと将棋を指す事はありません。


読んで頂きありがとうございます。


地道にシリーズ化したいと思っておりますので、応援よろしくお願いします。



あ!ブクマとかイイネ下さい( ;∀;)マジお願いします!


頑張りに繋がりますんでよろしくお願いします!

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