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たらい回しの果てに

プロローグ


「お願いします!!」


「あー、うちそういうのやってないんだよねぇ……」


 失敗。次だ。


「お願いします!!!!」


「暇じゃない」


 失敗。……次だ次!


「お願いします!!!!!!!」


「おおすまない、麗しの乙女。僕は平等に女性を愛すのがポリシーなんだ! 特別扱いは、できないね!!」


 失敗。………次!


 「………ありがとうございました……お手を煩わせて、申し訳ありま」


 「ん、ちょっーと待って!」


 「…………はい?」


 「乙女よ、貴女は幸い力がある。なんせ我々を捕まえられるのだから。だから、一人だけ、いい人を紹介してあげよう。麗しの乙女が全員に断られる未来は、想像に容易いのでね!」


 男はフッと微笑むと、気障ったらしい様子で一枚、少女に紙を手渡す。

 その宛名には、『恒常の君へ』と記されていた。

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