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非日常が日常に

「…また出たのね。最近やけに多くない?」

「こんなに頻繁に出てこられたら大変よ。今回もさっさと倒してしまいましょ」


 また怪人が出てきて暴れている。近頃は怪人の出現が多く、大体2日に1回のペースで出てきていた。


「いた!あそこ!」


楓が街を破壊してる怪人を見つけ、即座に矢を撃ち込んだ。


「…!ぐあああっ!…ゼェ…ゼェ…何だ貴様らは!邪魔をするな!」

「この街を破壊されるのをみすみす放っておく訳ないでしょ」

「…我を止めたいのならば殺す事でしか止まらぬ!しかし貴様らには我を止めることはできない。貴様らは今から我に殺されるのだ!」


 怪人は一気に話し終えると、突然飛びかかってきた。しかし、ダメージを負っているせいで遅く、隙だらけであった。強い奴が言いそうな台詞を言っている気がするのだが、実際はかなり弱そうな怪人である。闇雲に突撃して来てる風にしか見えない。


「あっそうですか。優花、よろしく〜」

「任された。"炎弾(フレイムバレット)"!」


「………ガハッ…」


 優花の長銃から放たれた弾丸が炎を纏い、怪人を貫いた。敵は傷口から発火、速攻で火だるまと化した。見事に心臓部分を撃ち抜いており、怪人は一瞬にして消滅した。


「お見事!また腕を上げたね」

「そりゃ、2日に1回も来られたら嫌でも精度を上げざるを得ないよ。さ、終わったしもう帰ろっか。()()の家に」


 苦笑しながら、優花は答えた。

 あの日、元の世界に無事帰ってはこれた。だが、楓の家は怪人によって破壊されていたため、楓は優花の家に居候させて貰う事になったのだ。

 …楓が「家が無いし泊めさせろ」と言って無理やり居候してきたのは内緒だ。

 優花の家族は「賑やかになる」と、割と喜んでいた様だが。

 そして、いつも通りの平凡な日常に戻った…訳はなく、時々現れる怪人を楓と共に討伐して街を守っている。もう怪人が襲ってくる事自体が日常と化してしまったかもしれない。最初はてんで足でまといだった優花だが、何回か戦っている内に戦闘のやり方を学んだのか、今では楓に引けを取らない魔法少女になっていた。あの重かった長銃にも慣れ、片手で軽々と扱う事ができるようになった。今は片手ずつ持つ2丁形式で怪人と戦っている。

(魔法少女の武器は各自の魔力によって形成されるため、簡単に増やせるのだ)

 優花に対して楓は、あの日敵に遅れをとった事をまだ不満に感じているようであり、優花に見られなくないのか、何故かこっそりと鍛錬をしていた。そのお陰かどうかは分からないが、この前より明らかに実力がついていると見える。低級怪人なら瞬殺レベルにまで成長していた。


 優花が扱う銃は、優花の魔力で弾丸に様々な炎魔法を付与できる代物だ。弾丸自体にも燃え上がる性質があり、優花と相性が抜群の武器であると言える。あの人(優花と契約した人)、かなり急かした割にはいい武器を選んでるじゃないか。

 楓の弓も優花が炎魔法を付与できるのと同じく、楓は雷魔法を自由に付与可能だ。しかし武器自体は弓だけであり、矢は無い。矢は楓の魔力で作り出す魔力の塊である。そのため怪人相手に絶大な威力を発揮する。


 2人は優花の家に帰ってきた。

 いつも通り「ただいま」と両親にいい、即座に2階の優花の部屋へと転がり込む。そしてベッドにダイブ!

 魔法少女は高い戦闘能力を持つが、魔力をふんだんに消費するため、変身を解除すると疲れが一気に押し寄せるのだ。そのため優花と楓は怪人との戦いが終わると軽く寝る事が多い。


「今日も疲れた〜…とりあえず寝る!おやすみ!」

「私も寝るわよ。体力が持たないもの。」


 楓は速攻で寝てしまった。毎回の事なのだが、楓は寝付くのが異常に早い。目を閉じて布団を被った瞬間、もう寝ているのだ。優花が眠くない時などもお構い無しで、優花は少し寂しいと感じる時が少なくない。


「おやすみ」と呟き、優花も夢の中へと落ちていった。

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