プロローグ
例えば僕が最強の力を持っていたとして、自惚れずにその力を世のため人のために使う事が出来るだろうか?
例えば僕が最弱の力しか持っていなかったとして、どんな状況にもめげず、格上の相手にも立ち向かえる勇気があるのだろうか?
何かを選択する時は迷うときもあるし、最初の考えと実際にすることは違う時もあるだろう。
友人や尊敬する人を意見を聞いて、それを参考にするのも良い手だ。
迅速に重大な『選択』を迫られる時は殆ど無いと言って良いだろう。大抵の『選択』には避難路や逃げ道があると僕は思う。
どんなに考えても、どんなに自分以外の意見を参考にしても、最終的に『それ』を決めるのは僕自身だ。それは揺るがない事実のはず。
でも本当にそうだと言えるのだろうか?
他人の意見に耳を傾けるフリをして。
一時の魔が差したと言い訳をして。
僕はリスクを避けているだけではないのだろうか?
僕には果たしたい誅がある。守りたいものだってある。
もしもその両方を『選択』の餌食にされたとしたら。あるいは人生の岐路だと言われ、第3の道を示されたら。
それには逃げ道などない。誰かの意見も聞くことはできない。
本当の本当に自分で決める時。
僕は僕でいられるのだろうか?