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エミールに相談に来た時の詳細の話に成ります。

ある日、先触れが有り、アーデン侯爵家にレティシアがやって来た。


この様に急に来る事は珍しいが、母であるリリアナと一緒にアーデン侯爵家に遊びに来て、マリアンヌや、エミールの祖母であるカトリーヌと共に茶を飲んだり、菓子を食べたりしながらお喋りに興じるのはよくある事だった。


ここ数年は、エミールがその輪に加わらなくなって来たが、レティシアは適当な所で大人達のお茶会を抜けて、エミールのところに遊びに来るのが恒例だった。


しかし、エミールも来年は社交界デビューを控え、レティシアも婚約者のいる妙齢の女性へと成長しつつあるので、エミールも自分の部屋の居間で迎えるのは止めようかと思い始めていた。


今日は応接でレティシアを出迎えると、途端に「誰にも聞かれたく無いから、エミールの部屋が良かったのに!」と文句を言って来られたので、アーデン家の使用人に「悪いが自室に来客用の準備を移してくれ」と指示してエミールの部屋で話を聞く事になった。


♢♦♢


「それで今日は何の用?レティシアがリリアナ様と一緒じゃないなんて珍しいよね」


二人きりで話す事自体はいつもの事だが、邸にレティシアだけで来るというのは、あまりない。


「ねえ、エミールってご令嬢方にもてるわよね?今迄いいなって思った方などいないのかしら?」


「はあ!?藪から棒にどうしたの?」


「あのね、アンディと仲良くする様にお母様に注意されたのよ。それで、男の人が何処を見て沢山のご令嬢の中から、恋人にしたい()を見極めるのか聞きたいの!」


「それは、男の人がじゃなくて、アンディのタイプを調べないとダメなんじゃないの?」


エミールが正論を言うと、レティシアも本当は分かっている様で、頬を膨らませて「エミールの石頭」と悪態を吐いた。


「大体が、僕に聞こうというのが人選ミスだよ。婚約者もいなければ社交界にも出ていないんだよ?少し年の上のご令嬢とか、せめてアンディの弟のミゲルに聞いた方が、アンディの気を惹きたいのなら参考になるんじゃないのかな」


「年上のご令嬢なんて、社交界デビューされてるお姉様達に聞いたら、身体で落とせとか下品な事を言われるのがオチよ。エミールは女ばかりの時のご令嬢の生態を知らなさ過ぎよ。それからミゲルは子供だもの。こんな相談出来ないわ」


ミゲルはレティシアよりも一つ下なだけなのだが、流石に一つだけとはいえ年上なエミールの方が、相談に適任だと思われたのだろうかと、渋々エミールは頷いた。


「アンディって性格が俺様だし、筋肉馬鹿じゃない?だったら多少単純な思考回路をしてればまだましなのに、何て言うか繊細なところがあるでしょう?なんか小さい事でうじうじと悩んで、これだから大家のお坊ちゃまは嫌なのよ…」


随分な言い様だが、実際に結構言い得て妙で有る。レティシアも人の事は言えない大家のお姫様だが、繊細さとは程遠く豪快な性格をしている。


「アンディは武に秀でているけど、伯父上の後を継いで宰相の道を目指せるくらいに文の方も優秀なんだけどね…」


「リューク伯父様は、それは素晴らしく大らかでお優しくて、その上見識も広くて考え方も柔軟な方なのよ!アンディも少しくらい似ていたら、私が今こんなに困っていないわ」


エミールは心の中で溜息を吐いた。リュークは確かに人間的にも優れているが、国の現宰相の器の大きさを十五の少年に求めるのは流石に無理がある。それにレティシアのリューク伯父様像は、母であるリリアナが、かなりのブラコンである為、その影響がかなり大きかった。


アーデン侯爵であるエミールの父のレイモンドも、リリアナと同じくブラコンを超えた『リューク兄上信者』である為、二人が話し出すとリュークの賛辞が留まるところを知らない。なので、その娘であるレティシアが、リュークに強い憧れを抱く様になったのも、当然の成り行きではあった。


エミールは、少し冷めた子供だったので、流石に親とはいえ盲目すぎだろう!?とレイモンドの兄への尊敬の念に対して突っ込むところは多々あった。


「それで、レティシアは、アンディの好みに近づくように頑張る訳?」


話が脱線しまくっているので、エミールが当初の話に戻す。


「ええ。アンディを私を好きにならせて骨抜きにさせてやるわ!」


威勢よく言う内容が、この国で一番高貴な姫だと言われているレテシィアが言うには、余りにも残念過ぎる内容に、エミールも自分の事は棚に上げてレティシアの恋愛偏差値の低さに肩を竦めた。


そしてこの数時間後、レティシアが帰った後に、エミールのところにアンディもやって来て、ほぼレティシアと同じ事を言って来たのだから、ある意味似た者同士の負けず嫌いのお坊ちゃまとお姫様なのではないかとエミールは思った。


ただエミールは、この件に関してはアンディの方の非の方が大きいと考えていた。レティシアが話し辛いと感じる様になったのは、アンディのコンプレックスの所為でレティシアに悪い所があった訳ではなかった。


レティシアも相手が自分よりも年少のものであれば、たとえ相手の態度に問題があっても、レティシアの方が折れて(なだ)める才覚と優しさはある娘なので、やはり多少でも年上であるアンディが、リュークとまで行かなくとも、器の大きさを見せるべきところではないかとアンディを諭した。


「レティシアは、俺の婚約者ではなければ幸せだったのかも知れないな」とアンディが悲壮感たっぷりに言うのに対してエミールは「だから、そういう考えが駄目なんだって!」と普段はある程度気を遣っている主家の子息であるアンディに思いっきり突っ込んでしまった。


話が進まなくてすみません。でも此処は詳しく書きたかったのです。作者はエミールに肩入れし過ぎかもしれません。主役が変わってしまいそうです( ;∀;)結構書きながら悩んでいます。・・・三秒くらい悩んで見たけど様子見に決定!!!いい加減な作者で申し訳ありません。でもあの有名ロボットアニメの運命編も、主役が最後まるっと変わってしまっていたと思い出して、この話もその路線も有りかなと思ってみたり…。

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