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リクソール侯爵夫妻は、アーデン侯爵家に訪れた翌日に、早速約束を取り付けたモーヴァン侯爵家に赴き、アーデン家との縁組の話を取り纏めた。


モーヴァン侯爵家も不安定な状況の為、アーデン侯爵家との縁談をリクソール家から持ち込まれたという事はとても有り難いと、侯爵であるブライアンは、リクソール夫妻にお礼を言って来た。


「では、セレーネ嬢とエミール殿の縁組は決定事項としてよろしいですね?」


セフィールが最後の念を押すと、ブライアンは頷いて「有難くお受けいたします」と丁寧に答えた。


「おめでとうございます!ブライアン様」


リリアナが朗らかに言うと、ブライアンも「リリアナ様のお陰です」と畏まった。


「いいえ。実はレティシアがセレーネ様が良いと言うので、ローゼ家に嫁ぐレティシアと力を合わせて頂ける方が良いと思ってしまって…私共も親馬鹿ですわね」


「その様な事はありません。今はモーヴァン侯爵家とアーデン侯爵家も力を合わせる時と、ローゼ公爵家門下家の事をお考えとは、レティシア嬢は噂に違わない聡明なご令嬢なのですね」


「いいえ。セレーネ様こそ音に聞こえた才女と誉れ高き方ですし、エミールも年齢の割にはしっかりとした子ですので、相性も合うとレティシアも私達も思ったのですわ。それにレティシアは、やはりブライアン様の見た目にも分かる血縁に、親しみを覚える様ですわ。きっとエミールも同じように感じると考えているのでしょう」


「うちなど!祖母がローゼ公爵家出身なだけで、レティシア嬢に親族などと思って頂けるとは光栄な事です。まして私は嫡流ではない所を、無理に侯爵と押し上げられ、ローゼ公爵家の助けを得ながら何とか務めを果たしている有様です」


リリアナは、モーヴァン侯爵家内も、セレーネの結婚でブライアンの立場が落ち着くだろうと見ていた。勿論、リクソール家も力を貸すつもりでいた。それにブライアンは謙遜しているが、モーヴァン家内を上手く纏めているし、ルドゥーテ侯爵家の上の立場も維持しているのだから、立場が正当ならば、かなり良い当主といえただろう。


問題は他家から、後継がころころと変わってしまう家と認識されてしまっている点と、正当な後継ぎでないブライアンを認めない家が存在する事だった。


その筆頭はルドゥーテ侯爵家だが、ローゼ公爵家も後継はブライアンの兄にする様に言っていた手前、表立ってブライアンを庇えないという事情もあった。後は、ローゼ派の有力伯爵家などが、自分達よりも格上の侯爵家の暴挙に対して、秩序の維持を求める声が派閥内にある事だった。


「ローゼ家は、門下家のどこかを贔屓する様な事は出来ませんが、リクソール家は名ばかりとも言われようとも中立派の家です。縁談をお世話させて頂いた家の両方の後見に立たせて頂くつもりでいます。ブライアン様も侯爵と成られたからには、もうブライアン様が正当だとモーヴァン家内では思われておいででしょう。ですが、他家からの目を考えて、嫡子様に兄上様のお嬢様との婚約をお考え頂く事は出来ませんか?」


「それは私も頼んでいるのですが、兄の上の娘は十八で下の娘が十五ですが、うちは息子が十三と歳回りが合わないのです。それに兄の娘達は侯爵家の令嬢として他家に嫁げる所だったと理解しているので、兄は兎も角、姪たちにはすっかり嫌われてしまっているのです」


ブライアンもリリアナと同じ事は考えたが、年齢と姪たちの悪感情の問題があるらしい。気持ちは分からなくもないが、今はブライアンが当主な以上は、ブライアンに従わせるべきところではあるが、自ら一族の為に身を引いた形を取った兄君の手前、年下の自分の息子との結婚の強要は気持ち的に難しいのだろう。


今迄リリアナに話の舵を任せていたセフィールが、ブライアンに「モーヴァン侯爵」と呼びかけた。


リリアナと共にブライアンはセフィールを見て、少しの間を置いてから「何でしょう。リクソール候」と答えた。


今迄黙って居たセフィールが、話し始めようとしている事自体、多少の苦言を呈される可能性は非常に高い。それをブライアンも分かっているので多少身構えてしまった。


「モーヴァン家の当主は、今は貴方なのですから、姪御殿には、その事を兄君から良く言い聞かせて頂いた方が良いと思います。下のご令嬢が二つ違いでしたら、如何にか成るでしょう。上のご令嬢はブライアン殿の養女として早々に適当な家に嫁がせてしまえば良い。妹君は次期モーヴァン侯爵夫人となるのですから、夫が多少年下であったにしても、これ以上無い良縁です。婚約期間を長く取って二十歳と十八歳位ならば、体裁もそう悪くはないでしょう」


リリアナもセフィールの言葉に加勢した。


「兄君様が侯爵位の座を引かなければ、ブライアン様がご苦労される事はなかったのですよ。譲って頂いたという認識でいらっしゃるのでしょうが、責任も一緒にお譲りに成られたのですから、お気を遣い過ぎもあまり良い事ではありませんわ」


ブライアンにとって、主家であるローゼ家の唯一の子であったリリアナの言葉はとても重い。今はアーデン家の子息であったリュークがローゼ公爵家を継いでいるが、リュークの事は実力から仕えるべき主家と認めているが、リリアナの事は、ブライアン自身も幼い時から主家の姫として見て来た為、リクソール侯爵夫人となってからも、主家の姫という意識が抜けないでいた。しかもレティシアがローゼ家に嫁ぐとあっては、尚更にリリアナはローゼ家の姫君に変わりなかった。


「はい。私が遠慮ばかりしていては、家の為に成らないと本当は分かってはいたのです。セレーネとアーデン侯爵家との婚約が調えば、兄や親族達も私の子を後継と見る様になると思います。兄の上の娘は懇意にしている伯爵家か子爵家に早々に嫁がせ、息子と下の姪との婚約をセレーネの婚約と共に発表出来る様に致します」


「そうですわね。ご結婚は先に成るとは言え、ご婚約が大々的に伝われば、他家からも傍流の血筋の誹りは免れる事に成るでしょうね。ローゼ公爵家も同じ事をして居りますから、ローゼ派閥内では、文句を言う様な家は確実になくなります」


「リューク殿は、現宰相位に在らせられ、誰も傍流等と言う者はおりません」


「リューク兄様が傍流だと言われないのは、ご本人のお力も勿論大きいですが、やはりアンディとレティシアの婚約が効いているのですわ。先々で嫡流の血が入ると確定してこそ何も言われないのです。アンディとレティシアも最近になってようやく物が分かる年齢になりましたが、生まれる前からの婚約は反発もしておりました。ですが、貴族の子に生まれれば宿命と思って諦めて貰う他ありません。ブライアン様のお子様や姪御様にも家や領の為と、ご納得頂くしかないと思います」


「確かにそうあるべきだと存じます。ですが、我が娘のセレーネは運が良い。セレーネはエミール殿を慕っております。エミール殿を慕っておられるご令嬢は多いので、恨まれないかが心配ではありますがね」


ブライアンは、そう言って今迄の固い表情を崩して微笑んだ。


「そうですわね。ルドゥーテ侯爵家のご令嬢方は特にがっかりなさるかも知れませんね。昔、リューク兄様とローレンシア義姉様がご結婚された時も大変でしたわ。またあのような騒ぎに成らないと良いですわね」


「リューク殿の人気は凄まじいものがありました。あの騒ぎも懐かしく思えて来ますが、我が娘に矛先が向くかと思うと恐ろしくはありますね…」


セフィールが「幸いセレーネ嬢もエミール殿も社交界にデビューされていない内のご婚約ですから、それ程の実害はないでしょう。うちが仲人役ですから、是非とも最初の夜会はリクソール家のものに出て下されば、うるさい蠅は叩いて差し上げますよ?」と青い瞳を光らせて、それは美しい笑みを浮かべた。


「い、いえ。折角のお気持ちを申し訳ないが、夜会は、やはりローゼ公爵家に出ねば失礼に成るでしょう。うちとアーデン家の主筋となりますので」


「そうですね。リューク殿の時は、そう言えばリリアナがまだローゼ家の令嬢でしたし、オルグレン伯爵家は中立派だった。確かにブライアン殿の仰る通りですね」


セフィールは、少々残念そうにしながらもブライアンの意見に賛同の意を示した。


♢♦♢



エミールはモーヴァン侯爵家のセレーネとの婚約が調ったとレイモンドから伝えられた。


「モーヴァンとですか。…リリアナ様からのお話ですか?」


「リクソール侯爵夫妻からだが、レティシアがリリーに強力に推して来たらしいぞ」


「しかし、あのリクソール侯爵夫妻が、いくらレティシアに甘いといっても、娘が言ったからという単純な理由とは思えません」


そう言ってエミールは首を傾げた。


「今更遅いが、他の令嬢が良かったとか、予想と違っていたりしたのか?」


レイモンドが少し息子に意地の悪い質問をした。元々、誰でも良い等と言う息子にしつこく聞いても何も口を割らなかった所為なのだが、決まった後ならば、少しは本音を漏らすかとレイモンドは思った。


「そうではありません。特に想う方が居た訳ではないのです。条件が無条件ならば、レティシアが一番でしょうし、正直に言えばリクソール候のお血筋のエインズワース伯爵家の姫も良いとは思いました。ですが、アーデン侯爵家はローゼ派の他の侯爵家と手を結ばねば、ランドールの血筋の私の子の未来は、かなり険しいものになってしまいます。ですので、モーヴァンかルドゥーテの二択だとは思っていました。ただルドゥーテ侯爵家の方が有力かと思いました」


「そうだな。あちらは確実に次期侯爵の実の姉妹に成るからな」


「ルドゥーテ侯爵家も、アンディにレティシアがいる以上、アーデン侯爵家を継ぐ事が決まっている私よりも良いと思う縁はそうは無いでしょう。例え私が気に入らなくとも長女をアーデン家に嫁がす心積もりだった筈です。だからこそ、未来の舅かぜを吹かせて捻じ伏せる様な事を、幼い頃から植え付けに来ていたのでしょう」


「そうだな。あちらもうちがローゼ派の中で立場を保つのにルドゥーテ侯爵家の力を借りないと成らないだろうと高を括っていたのだろうな」


そう言ってからレイモンドは目を閉じた。そして目元を押さえながら「本当に済まない事をした」とエミールに謝る声はとても(かす)かだったが、エミールには、はっきりと聞き取れた。


「私の考えが足りなかったのだ。……私の父はローゼ家の次男だったが、祖父が政略結婚で自身が辛い思いをした為に、息子達には好きな娘と結婚させた。そしてローゼ家の分家となってアーデン侯爵と成ったが、私達にも好いた伴侶と共に過ごす素晴らしさを語った。祖父と祖母を見て来て辛かったという事情もあった。祖母はローゼ家よりも地元では力がある旧ローゼンタール辺境伯家の人間だった。その家は力を使って税収を中抜きしたり、ローゼ家に物申したりとかなり酷い状態で、祖父が屈辱に耐えるのを見て育って来た父は、やはり政略結婚は上手く行かないと思ったらしい」


「その事は、ローゼの大伯父様から少しだけ聞いています。でも自分の所為でリリアナ様に犠牲を払わせる事になったと話されていました。今現在見る限り、リクソール候夫妻はとてもお似合いですが、結婚当初は違ったのでしょうか」


「あの家は少し事情が特殊だ。リリーは今と同じだが監査室に勤める官吏で、セフィール殿は一年上の同僚だった。だが噂に成る位仲が悪かった。しかし王からの求婚話の所為で、リリーは同僚と恋仲だと言って、あっという間にリクソール候と結婚してしまった」


「それは、少し無理があったのでは?」


エミールが聞くと、レイモンドも「そうだな。みんなが嘘だと分かった」と笑った。


「だが、リクソール候がリリーとの結婚を強く望まれた」


「それは、ローゼ公爵家と誼を持つ意味が大きかったからですか?」


「いや、リクソール侯爵家は破竹の勢いの家で、公爵家を頼りにする必要はあまりなかった。どちらかと言えばローゼ家がランドール家に攻め込まれる寸前だったのを、リリーがリクソール侯爵と結婚する事でランドール家を思い留まらせた」


エミールはびっくりして返す言葉に詰まった。自分の大伯父と祖父が戦争状態に本当になるという実感は、一触即発だったと聞いた事はあっても、そこまで深刻な状態にまで行っていたとは思いも寄らなかった。


「……ランドール家も、リクソール侯爵家の軍備に恐れをなしたわけですか…」


「ああ。そうだ。伯父上や父上が自由な結婚をしたツケをリリーが払う事に成った。今のエミールと同じだ。私も親から許可が有ったからと言っても、ランドール公爵の娘と結婚する事で起こる事を予想した事もなかった。アーデン家はリューク兄上がローゼ家に養子に入った事で、とても優遇された為に、私にも政略結婚をさせる必要もなく、両親も私が良いと思う相手で良いと言ってくれたので、幼馴染でずっと昔から知っていたマリアンヌとの婚姻を望んだ。私はその時は、まだお前よりも歳が幼く、ランドール家との婚約が絶対に無理だと思わなかった。何も分からなかった訳ではなかったが、正妻の娘ではないし、マリアンヌも私と結婚しなければ、ランドールの家臣の褒美に成るところだったから、多少強引に話を進めた」


エミールも美しい母が、物の様に扱われそうに成っていたのだと思うと、胸が痛んだ。


「私は母上がその様な目に遭わずに済んだ事にホッとしています。私自身の結婚はリリアナ様の様なツケを払うという様な物ではありませんし、エインズワース伯爵家のクレア嬢が気に入っているという訳ではなく、リクソール候の血筋が魅力的に映るだけの話です。それよりもリリアナ様はどの様にして、犬猿の仲であった侯爵と、今の様な関係に成られたのでしょう?」


「それは、元々リクソール候はリリーが好きだったのだろうと皆が思っている。だが、リリーはローゼ家の一人娘だったから、リューク兄上とご結婚されるとほぼ決まっていた。リクソール候は賢い方だから、それを分かってらした。それで手に入らぬリリーに八つ当たりしたのだろうな。それに監査室は実力主義で蹴落とし合いは日常茶飯事だったらしく、リリーも今でこそ侯爵夫人然としているが、罪人を殴る蹴るで自白させたりと、若い頃は王都の街では『鬼姫』という通り名まであって、大悪党が震え上がる程の跳ね返り振りだった」


「……レティシアはリリアナ様に似ているのですか?」


「そうだな。しかしセフィール殿も『銀の悪魔』と言われているから、両方とも良い勝負だな」


「…………………………」


噂よりも上を行く、凄まじい真実に流石のエミールも心の中で呻った。只者では無い雰囲気の夫婦ではあったが、色々なエピソードが予想を遥かに超えていた。


「父上は、母上とのご結婚を後悔なさっておいでではないのですよね?」


「ああ。エミールには申し訳ないと思うが、勝手だと思うが、マリアンヌと結婚した事に後悔はしていない。ただ考え無しだった分、どうしたらエミールの力に成れるかを考えている」


父は、やはりエミールの事をよく想ってくれていた。


「有難うございます。セレーネ嬢との婚約は、父上のお力添え有っての事です。リクソール夫妻がこれ程親身に成って下さるのも、私が父上の子だからなのだと有難く思っております。きっとルドゥーテ侯爵の振る舞いを見て、私の為にモーヴァンの方に肩入れなさる様な事に成ったのでしょう」


「お前の事は、私達だけではなく、アンディやミゲルやレティシアも心配している。エミールは自分だけで片を付けるきらいがある。今迄はお前は兄上に似て出来が良いのだと思って来たが、これからは私や、周りの者に少し相談する様にした方が良い。これでエインズワース伯爵家のクレア嬢が好きだった等と言われたら、私は大泣きするところだっだのだぞ!」


「すみませんでした。実はあまり女性に夢を持てないと言うのが本音なのです」


「それは、リリーやレティシアを見て来たからか!?」


レイモンドの失礼な言葉にエミールは噴き出してしまう。


「いえ。リリアナ様とレティシアは、父上はどうお考えなのかは分かりませんが、お二方とも女性としては見た事は御座いません」


「では、その年で夢を持てなくされる事があったのか?」


「ええ。有難くもこの女性受けする見た目のせいで、子供の集まりの時に両手を思い切り引っ張られるわ、抱き着かれるわで、いくら子供のする事と言えども、私も子供でしたので、争う姿に幻滅してしまいました」


「そうか…。助けを求めてくれれば、如何にかしたのだが…」


「それはレティシアが毎回蹴散らして助けてくれていました。年下の女の子に毎回助けられるのも当時は情けなく感じました。アンディには皆その様な事はしないから、威厳というかオーラが違うのだと落ち込んでしまいました。今にしてみればレティシアがいるから、アンディはその様な目に遭わなかったのだと分かるのですけど。…ですが苦手意識だけが残ってしまったので、この婚約が決まるまでは、もういっその事、宮廷遊戯の中に身を置いてみて考えようかと思ってしまいました」


「ははっ。お前は極端な性格だな。確かにショック療法もアリといえばアリだな。だが、アンディは誘うなよ!リクソール候は、元々ハチャメチャな方なのに、レティシアの事と成ると道理も何も飛んで行ってしまうからな!」


「私はアンディにレティシアに手を出すなと注意はしました。最近は関係も改善されて来ましたし、婚約しているのですから、普通でしたら咎められるいわれもないでしょうから…」


「流石にレティシアはまだ早いだろうが!アンディはともかく!」


エミールは呆れた声で「父上」と呼ぶと般若の様な顔で振り返った。


「レティシアはもう立派な淑女ですよ。二年後には正式に結婚する予定ですが、二年後までアンディが耐えられるのか不安になってしまいます」


「セフィール殿は、レティシアに影でも着けていそうだな。最悪当て身でも食らって気絶させられるだけだろう」


ローゼ家の跡継ぎの部屋が、暗部の者が入り込める警備体制で良いのか!?とエミールはレイモンドの言葉に心の中でツッコミを入れるが、レイモンドは「お前もセレーネ嬢に話が行くほど遊ぶなよ」と朗らかに言い、更に「アンディの心配ばかりしていないで自分の事を考えなさい」と軽い注意まで受けてしまった。


レティシアの事には父親でもいないのに、般若の様な顔になるのに、息子には緩すぎるのではないかとレイモンドに対して思うが、アーデン家には娘がいない為、レティシアの事をきっと本当の娘の様に思っているのだろう。


おそらくは、舅になる予定のリュークや祖父のサイラスもレティシアを大事に想っているので、レティシアには父親もどきが沢山いて、アンディも大変だなと、アンディの心配はエミールの中で尽きる事がいなかった。レイモンドの注意は暫くは聞けそうにないなと、エミールは、レティシアの父もどきの一人でもある実父に対して「すみません。でも、父上もどき達とリクソール候を相手取った従兄を心配するなというのは、とても無理な話です」と、去って行った方向に向かってそっと呟いた。


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