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ムーン様完結の「王様に求婚されていますがどんな事をしても逃げ切ります!」のリリアナとセフィールの娘のレティシアが主人公の物語です。それ程長くは成らないと思うのですが、レティシアと公爵子息アンディの親世代から続く因縁に巻き込まれるドタバタ政略結婚劇です。


レティシア・リクソールは、リクソール侯爵家の長女である。


我が国レンビィア国には、王家の下に二大公爵家があり、その下の侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家とあるが、侯爵家の中でも暗黙の序列があり、それからするとリクソール侯爵家は、断トツで侯爵家の中で独走状態のトップの家柄だった。


まずは、二大公爵家よりも歴史的に長い建国当時から在る家柄に、王都から近い領地はとても広く、王都と同じくらい栄えている。

 

それに財力、軍事力が公爵家と変わらない位有って、爵位だけが低い状態だった。


そんな侯爵家に生まれたレティシアは、蝶よ花よと甘やかされて育ったが、それは両親を除く親族達や家人達からだった為、我儘な令嬢に成らなかったと本人は思っているが、そこそこには気位が高い姫に育っていた。


そんなレティシアは只今十四歳で、三つ下の弟が居るので侯爵家を継ぐ必要は無い。


しかし、レティシアは、生まれる前から二大公爵家のひとつであるローゼ公爵家に輿入れが決まっていた。


貴族家は大体が政略結婚だったが、歳回りとか家柄や利害関係とかが合ってするものなので、レティシアの様に、この世に生まれて来るかも分からない内から嫁ぎ先が決まっているというのは流石に珍しい。


その理由はレティシアの母であるリリアナにあった。


リリアナは元々ローゼ公爵家の唯一の子であったが、家は従兄で義兄のリュークが継いでいる。


そのリュークの長男のアンディがレティシアの生まれる前からの婚約者だった。

銀髪に紫の瞳をしているアンディは十五歳でレティシアの一つ上である。形式上は従兄で血筋的には、はとこに当たる。


この国の社交界のデビューは十六歳からなので、アンディもレティシアもまだ子供に分類される。


しかし、アンディとレティシアは、レティシアが社交界デビューと同時に結婚する事が決まっていた。


正式な婚約はレティシアが七歳の時に発表された事だったが、実際は母のリリアナが婚約時から娘を嫁がすと、若き侯爵であった父が既に約束を交わすという、レティシアからすれば信じられない先走った話の末の婚約だった。


これが他人(ひと)の話でも驚く処だが、自分の話となると当人からすると、とんでもない無茶振りに思えた。


周りの令嬢達が、王子様が素敵!だとかと騒ぐ噂にも混じれない。一度だけ家でそれらしき事を口にしただけで、あの冷静沈着な父侯爵と何でも割合大らかな母が、顔を真っ青にしてレティシアに王子は諦める様に言って来たのだ。


王子殿下は、現王の唯一のお子である為、王太子宣下はされて居なくとも、実質王太子殿下だった。そして、公爵家の正室に娘が居ない以上、レティシアが令嬢達の中でも頭一つ抜けた王太子妃候補と見られていた。実際に王家から何度も打診があったが、ローゼ家のアンディとの婚約を盾にその都度丁重にお断りして居る事実は、社交界において余りにも有名な話だった。



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