伊豆は、いつでも懐かしい。
誕生日の祝い旅行ということで2泊3日の伊豆旅行へと行ってきた。
これまでに熱海周辺へは何度か訪れたことがあった。
ぼくはあの地帯のバブル時代の雰囲気を残した感じがとても気に入った。
今では絶対に建てないであろう、とんでもないコンセプトを掲げた観光施設やら景観が多数点在することに心を惹かれた。
熱海の海岸線沿いのリゾートマンション郡や、南国のリゾート地ぽい感じが出ているヤシの木たち。
その非日常的な空間がなんとも言えない。
人通りは薄く、全体的に灰色掛かった街並みがとても美しい。
そのなんだか取り残されたような、いつまでも昭和がそこに横たわっているような、そんな感じがある。
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今回は、熱海市よりも更に南下して、伊豆市・伊東市を訪れることにした。
宿は伊豆市にあるホテルを取った。
大型連休を外しての宿泊としたので、随分とリーズナブルに泊まること出来た。
この宿がまた、懐かしい感じが出ていてワクワクさせられた。
2人で泊まったのだが、部屋がとにかく広い。畳部屋が3部屋もある。
10畳・6畳・5畳という感じだろうか。
5畳の部屋は、カラオケルームとなっていた。
古いブラウン管テレビが置いてあり、カラオケの機器が横にあった。
部屋の防音対策をかなりしっかりしているようで、隣の部屋の音など一切聞こえなかった。
せっかくなのでカラオケでも歌おうかなと思っていたのだが、結局利用することなく終わってしまった。
また、この建物の二階部に大きなカラオケルームがあった。
どんな感じになっているのだろうかと覗いてみたのだが、スナックみたいな雰囲気だった。
塾年夫婦たちが、何組か集まり楽しそうにしていた。
さすがにこの空間で、何かを歌う勇気もなかったので遠慮しておくことにした。
食事は、夕食と朝食付きだったのだが、その両方共がバイキングだった。
ぼくはバイキングには目が無いのでとても楽しみにしていた。
決して量を多く食べられるわけではないのだが、様々な種類の料理が並んでいるのを見るのがとにかく楽しいのだ。
このいい感じに廃れてきているホテル(失礼な言い方だが)でどんな物が出てくるかがとても気になる。
立派なホテルでは、お洒落を決め込んだ名前の難しいオカズがあったりするのであまり馴染めない。
作家の椎名誠さんは、日本の旅館の朝食などがとにかく不味すぎるといつも憤慨されているが、自分としてはその味こそに魅力を感じている。
一切気取っていないその味に親しみを覚えたり、懐かしくなったりするのだ。
かくして、バイキングに挑んだのだが予想通りの品々がそこには陳列してあり、気分は最高潮に達した。
求めていたのはこういうものだ!と思わず、手を打ちたくなったほどだ。