番外編・晴輝と優雨のたいぷらじお!!2ndG
ラジオ第二弾です。「たいぷらじお」は書かれるたびに長くなります。
妹・「シャナのメロンパンみたいにアニメキャラに特定の大好物があるのって、絶対に商品化を狙っているからですよね。こんにちは、パーソナリティの寺井優雨でーす!」
兄・「二回目にしてすでにこなれすぎているし、いきなり何を言い出すんだお前は! と、こんな風に妹にツッコミを入れてばかりで自分の設定がまだ出し切れていない気がします。同じくパーソナリティの寺井晴輝です」
妹・「ちなみにわたしの好物は、メロンソーダです」
兄・「絶対に商品化されないからな」
妹・「でも、コンビニぐらいならいけそうじゃない?」
兄・「そもそも、僕たち自身が商業ベースに乗ってないんだから、無理に決まってるだろう」
妹・「厳しいねえ、この世の中は。……しか~し、そんなムチのような世界でも、わたしたちがアナタたちのアメになりましょう! そんな訳で、晴輝と優雨のたいぷらじお2ndG!! 、前回の倍のグレートなボリュームでお送りします!」
兄・「いや長い! それ長い! なんで、今までの小説本編一話分の量を超えるんだよ⁉」
妹・「意外にも、シリーズとしての市民権を手に入れつつあるから?」
兄・「いやいや、それ理由になってな……」
妹・「兄さん」
兄・「……はい」
妹・「あきらめて」
兄・「…………はい」
妹・「よーし。最初はふつおたのコーナー! このコーナーでは……、あー説明がかったるいから、詳しくは前回放送を参照!」
兄・「説明をサボるな。新規リスナーを気遣え」
妹・「いやいや、第一回を聴き逃した人がこれを聴くわけないって。大丈夫大丈夫。では、最初のメールは、ラジオネーム、カレイの縁側って結局どこ?さんからです。ありがと~。
『晴輝さん、優雨さん、こんにちは。お二人のことは『優しい雨』から拝見させておりますが、一つ質問があります。優雨さんは、よくファッション誌を読んでいらっしゃるようですけれど、オシャレにかなり関心が強いのでしょうか』
とのことで、えーと、これは私が答えるべきだよね」
兄・「ああ、そうだな。それに僕もほんの少しではあるが、気になってたんだ。答えてくれよ」
妹・「うん、まあわたしも年相応の女の子として、それなりにオシャレには興味があります。人間を見た目だけで判断するのは良くないけど、大事なことであるのは確かだから。オシャレしたり着飾ったりすることも、人間の内面の現れであり大事な要素でもあるんだと、わたしは思います。例えばだけど、恋人の前では綺麗で魅力的でありたいと思って目一杯オシャレすることも、恋人への誠意や愛情を示す手段になったりもするでしょう。だから、わたしは過剰にではないにしても、オシャレは大好きです」
兄・「ほう……」
妹・「ま、ファッション誌が好きなのは、モデルたちのドヤ顔が笑えるからなんだけどね」
兄・「台無しだ! 良い雰囲気がパーじゃねーか‼」
妹・「い、良いじゃん、別に。質問にはちゃんと答えたんだから。じゃあ、次のメールを読むよ。
『おにーさん、優雨ちゃん、こんばっぱー! 「うん、コレ絶対あの子だよね、……ま、良いんだけど、えほん、失礼」おにーさんに質問です。おにーさんは読書が趣味のようですけれど、好きな本や作家さんがあれば、ぜひぜひ私めに教えていただけませんか? こうしてラジオでメールが読まれる以上、よもや拒否はされないでしょうけれど。くふふ』
とのことで、これは分かりやすく兄さんが指名されてるね。」
兄・「………………」
妹・「ん、どしたの?」
兄・「あ、ああ。好きな本と作家だな。えーと、好きな本はジャンルごとにまちまちだから一概にコレだとは言い切れないが、強いてあげるなら、夏目漱石の『彼岸過迄』です。内容は、ここで話すのは少し面倒なので、詳しくは皆さんが読んでみてください。ちなみに、ラノベは〈物語〉シリーズと涼宮ハルヒシリーズが好きです」
妹・「はい、十五点」
兄・「何がだ⁉ そして、何故だ⁉」
妹・「兄さん、バラエティ要素が足りないよ、それ。もっと、ボケを挟もう。もっと、笑い入れよう」
兄・「質問に対して真面目に答えて何が悪いんだよ。それにボケの入れようがないし、僕ツッコミだし」
妹・「兄さん、昔はどちらかといえば、ボケの人だったのに」
兄・「……昔のことは言うな。僕は僕だ」
妹・「はん、もう良いや。んじゃ、まだまだ先も長いことだし、ここでゲストを呼んじゃいましょう!」
兄・「ああ、前回も言ってたしな。ということは……」
妹・「今回のゲストは、この方です!」
咲・「こんにちは、葉山咲良です。縁あって、今回呼んでいただけました。初めてですので、いろいろと至らない部分もあるかと思いますが、よろしくお願いします」
妹・「いじらしいなー、咲良ちゃんめ」
兄・「優雨、お前それ同性に向ける目じゃないからな」
妹・「バレないバレない。これ活字だし、ラジオだし」
兄・「そして、地の文も使えない。……くっ!」
咲・「ねえ、晴輝。この雰囲気はなに? 私、初めてだから、よくは分からないんだけれど、ラジオってこういう空気の中で行われるものなの?」
兄・「違うな。全然違う。こら優雨、MCに帰ってこい」
妹・「へいへい。じゃあ、コーナー。『ハガキでメタモレ!』。コーナー説明は、咲良ちゃんが話すスペースを作りたいから、割愛しても構わないでしょうか、お兄様?」
兄・「よし、許す」
咲・「ええっ?」
妹・「ラジオネーム、「舞妓」を伸ばして呼ぶとネイティブな発音の「マイケル」に聞こえるよねさんから頂きました。
『こんにちは、初投稿です。ツンツンした優雨ちゃんはよく見るのですが、ヤンデレ妹な優雨ちゃんも見てみたいです』
とのことで、え、わたしヤンデレになるの? 病んでるとはいえ、兄さんにデレろと?」
咲・「そういうことになるんじゃないかな」
妹・「咲良ちゃん、エチケット袋持ってる?」
兄・「そこまで嫌か⁉ 気持ちは分かるが、吐き気を催すほど嫌か⁉」
咲・「まあ、でも良いんじゃない。あくまでそのキャラになりきるというだけで、本心までなりきらなくてもいいのだから」
妹・「はぁあ、咲良ちゃんが言うなら、やるよ。兄さんも、クオリティは保証できないからね」
兄・「やれる範囲でやってくれ。ムリはするな」
咲・「それでは、優雨ちゃんのヤンデレ妹です。どうぞ!」
妹・「『ねえ、お兄ィ。お兄ィはそんな鉛筆持ってなかったよね。わたしは知ってるよ。えっ、隣の席の女子に借りた? まったく、お兄ィは優しいんだから。あんな女を庇わなくても良いのに。無理やり押し付けられたんでしょ。あのビッチが! 大丈夫だよ、わたしがあの女に突き返してあげるからね。内臓に届くまで、深く、深く、深く、深く、突き返してあげるからね。お兄ィは嫌がってるのに、あのアマ。お兄ィはわたしだけを愛してるもんね。十三年前の七月二十六日の午後四時八分に、わたしと結婚してくれるって約束してくれたもんね。……あれ、どうしたの? 震えてるよ? 寒いんだね。わたしが抱きしめて、強く強く抱きしめて暖めてあげるよ。ねえ、お兄ィ。大好きなお兄ィ。ずっと一緒だよ。邪魔する勘違い女は、みんなわたしが捻り潰してあげるよ。ねえ、お兄ィ。ねえ……』」
兄・「やめろやめろやめろやめろやめろ‼ 怖すぎるわっ‼ お前、なんでそんなにヤンデレが上手いんだよ⁉」
妹・「ヤンデレも、やってできないことはないね。意外と楽しいかも。『ね、お兄ィ?』」
兄・「ひいっ! さ、咲良、お前も何か言ってやれ」
咲・「兄妹愛がすっごく伝わってきたよ」
兄・「受け入れるな! 優しく微笑むな!」
妹・「じゃあ次、ラジオネーム、パジャマを脱いだら服を着てさんからメールを頂きました。
『晴輝さん、優雨ちゃん、咲良ちゃん、こんにちは!可愛い咲良ちゃんの、ツンデレ幼馴染を見てみたいです』
とのことで、咲良ちゃん、アーユーレディー?」
咲・「イエース! 私もこのコーナーをぜひ体験してみたかったんだぁ」
兄・「今回放送のこのコーナーは、僕は聞き役に徹することになりそうだな」
妹・「では、咲良ちゃんのツンデレ幼馴染です! 張り切ってどうぞ~!」
咲・「『べ、別に好きで朝、アンタを起こしに来てる訳じゃないんだからねっ。おばさんに頼まれただけなんだから。勘違いしないでよねっ。さっきまで、緩み切った顔で寝てたくせに。べ、別に寝顔をじっと見てたわけじゃ……、もうっ! 良いから、早く起きなさい! ……ねえ、一緒に朝ごはん、……食べよ?』」
兄・「咲良、左手の薬指のサイズを測らせてくれないか?」
妹・「兄さんがいつになく積極的だ!」
咲・「晴輝、私たちはまだ十七歳なんだから、一年早いでしょう?」
妹・「ツッコミ入れるところ、そこなんだ⁉ ねえ、お二人さん、まずはお付き合いから始めたらどう?」
兄&咲・『え、なんで?』
妹・「みなまで言わなきゃわからない⁉」
兄・「しかし、ようやくこのコーナーを始めた甲斐があったよな。普段とのギャップを楽しむのも良いが、萌え要素が欲しいところだったから」
妹・「ね、ハートが撃ち抜かれちゃったよね。ハートキャッチされちゃったよね。でもさ、兄さん、わたしも前回萌えキャラやったじゃん。メイドさんって、萌えないの」
兄・「お前の場合は、メイドの萌えが燃えて灰と化してたんだよ」
妹・「でも、そういう兄さんは冷たいよねー」
兄&妹・『あはははは』
咲・「なに、この茶番は。あの、さ、まだ先が長いんだよね? 私、小テストの勉強をしたいから、そろそろ帰っても良いかな?」
兄・「ムリだな。お前は完全に包囲されている。大人しく投降しなさい」
妹・「おばさんも言ってたよ、そんな娘に育てた覚えはないって」
咲・「そんなことこそ、言われた覚えがないよ⁉ なんであなたたちって、私が絡むと相性抜群になるの?」
妹・「こう、ワシントン条約的な?」
咲・「わたしは絶滅の恐れがある野生動植物じゃないからね⁉」
兄・「そして、俺と優雨は国家でもねーけどな。まあ、良いだろ? 俺たち兄妹から愛されてるって意味でさ」
妹&咲・『俺?』
兄・「ん? 僕がどうかしたか?」
妹・「や、兄さん、本編でしか回収できない伏線をここで張らないでよ。ま、良いけど。咲良ちゃんが帰る展開は予定通り潰せたから」
咲・「え?」
妹・「じゃあ、ここらで曲を入れましょう!」
兄・「また雨の曲か?」
咲・「何かあったかな?」
妹・「ちっちっち。今回はオンタイム(執筆期間・夏)な曲にするよ」
兄・「それだと、TUBEとかか?」
妹・「山下達郎さんの、『クリスマス・イブ』です!」
兄&咲・『季節感はどうした⁉』
――――――♪『クリスマス・イブ』♪――――――
妹・「いや~、いくら時代が流れても心に響く良い曲だよね」
兄・「うん、まあそうなんだけどな。だがまさか、夏に聴くことになるとは……」
咲・「ねえ、優雨ちゃん。一応聞いておきたいんだけれど、もし季節が冬だったら何の曲を流すつもりだったの?」
妹・「冬なら、……うーん、そうだね、TUBEさんの『夏を抱きしめて』」
兄・「いや、今それを流せよ! 夏を抱きしめろよ!」
咲・「改めて思うけれど、あなたたちって懐メロが好きだよね」
兄・「そんなはずはないさ。それは分かってる」
妹・「そうだよ。ちょっと、世の中への反発心というかロックみたいな感覚なだけだって。盗んだバイクで走り出してるだけだって」
咲・「訂正しようとしなければ、簡単に流せただろうに……」
妹・「変な空気になったらコーナーをぶち込んで、ごまかせごまかせ! ページ数も折り返し地点に来たところで新コーナー!」
兄・「構成作家の存在を感じさせないこの話運び!」
妹・「さ、始めるよ新コーナー。その名も『どっちがたいぷ⁉』。このコーナーでは、どちらかふたつで迷っているリスナーの皆さんの悩みを、わたしたちがスパッと解決しちゃいまーす!」
兄・「コーナーの趣旨は分かったが、そのタイトルはどうなんだ?『どっちがたいぷ⁉』って」
妹・「たいぷらじおだけにねっ!」
兄・「はいっ、では早速メールを読み上げます。「無視はやめて、兄さん!」ラジオネーム、猫踏み躙っちゃったさんからのメールです。
『晴輝兄、優雨姉、オイッス! おれの悩みを聞いてください。夕飯にカツ丼を食べようと思ったんすけど、ヒレにしようかロースにしようか、どうしても迷って決められないっす。助けてほしいっす』
って、おい優雨。こんな低レベルな悩みも解決しなきゃならないのか。正直、どっちでも良いんだけど。好きにしろよ」
妹・「兄さん、リスナーの皆さんに質をとやかく言っちゃダメだよ。少しでも多くの人にこのラジオを聴いてもらいたいじゃん」
兄・「優雨……。その、悪かったな」
妹・「リスナーの皆さんのおかげで、スポンサーからお金を踏んだくれるんじゃない」
兄・「僕の謝罪を返せ」
妹・「えー、お答えします。わたしは女子目線でしか答えられないけれど、夕ご飯に高カロリーのものはあまりよくないと思うので、ヒレがいいと思います」
兄・「お前にしては真面目な回答だな。では、次。ラジオネーム、天下無敵の料理ガールさんから頂きました。ありがとうございます。
『晴輝君、優雨ちゃん、いつも楽しく聞かせてもらってます。私は新宿で洋食店をやっているのですが、新メニューを作ろうと思っているのです! そこでお聞きしたいのですけど! 新メニューのメイン食材を鶏肉か豚肉かどちらにしようか迷ってます! どちらが良いでしょうか?
P.S ぜひとも食べに来てくださいね!』
とのことで、なんかたまたまだろうが、肉の話が続くな。咲良、お前が答えたらどうだ? 家庭科の成績も優秀だし」
咲・「え、でも私、あなたが言うほど料理はできないんだけど」
妹・「咲良ちゃん、わたし達兄妹の料理スキルを考えて」
咲・「…………は、はい、私がお答えします! 洋食店のメインですから、鶏肉も豚肉も両方ありだと思いますけれど、強いて挙げるなら、鶏肉でしょうか。ローストチキンのように皮まで使うとなると話は変わってしまいますが、基本的にはカロリーを抑えることができます。ですから、鶏肉なら女性客やヘルシー志向の方にも食べていただけると思いますよ。チキン南蛮や唐揚げみたいに揚げ物にすれば、ガッツリ食べたい方の需要にも応えられると思いますし」
妹・「……咲良ちゃん、家政大に入れば?」
兄・「なんか、普通のラジオを聴いてるみたいだ。話を聞いてて、すごくためになる」
咲・「そこまで言われるようなことはしてないってば。でも、私の回答が天下無敵の料理ガールさんのためになったのであれば幸いです」
妹・「…………兄さん、わたしたち今まで何やってたんだろうね」
兄・「お前がそこまでしおらしいなんて珍しいな。いや、お前のさっきの回答は割とまともだったぞ」
妹・「兄さんがわたしのフォローをする方が珍しいよ。あーあ、今までふざけまくってラジオ放送をしてた自分が恥ずかしいよ。醜いよ。卑しいよ」
咲・「そんなことないよ、優雨ちゃん。私、優雨ちゃんのようなユーモアのセンスがずっと羨ましかったんだよ。前回の放送もとても楽しく聴いてたんだから。ね、元気出して行こ」
兄・「そうだぞ、優雨。皮肉なことに、このシリーズはお前のボケと僕のツッコミの応酬が売りなんだから。いつもみたいに、元気にボケて来いよ」
妹・「兄さん、咲良ちゃん…………。うん、ありがと。
『ありの~ままの~♪』自分で良いんだね? いやー、さっきまでのわたしは全然わたしらしくなかったよ。いつものテンションに戻ろう! ここでまた、一曲流します!」
咲・「わぁ、何だろう? ……何故か、途中でアナ雪が混ざっていたけれど」
妹・「それではお聴きください! 稲垣潤一さんで、
『クリスマスキャロルの頃には』です」
兄&咲・『だから季節感は⁉』
―――♪『クリスマスキャロルの頃には』♪――――
兄・「優雨、今更な気がするが、活字のラジオなのに、音声である曲を流すのはどうかと思うぞ」
妹・「えー、良いじゃん別によー。山本周五郎も、音楽は人の世で最も美しい芸術だって言ってることだしさ」
兄・「著名人の名言を持ち出して、話を横道に逸らすな」
咲・「まぁまぁ。曲を流すことで、ラジオらしさを出したいってことなんでしょう、優雨ちゃん」
妹・「そうなんだよ! さっすが、咲良ちゃん。分かってるゥ」
兄・「咲良、あんまり優雨を甘やかさないでくれ。こいつはすぐに増長するんだから」
咲・「『優雨を甘やかしていいのは、この僕だけだ!』って♪」
兄・「なんだ、その痛いシスコン兄貴は⁉」
妹・「わたしのことが、だーいすきな兄さん♪ コンビニでハーゲンダッツ買って来てよ」
兄・「行かないからな! シスコンと訊いて、早速兄をパシろうとするな! あと、ハーゲンダッツなんて誕生日以外に買ってもらえると思うなよ」
妹・「お、じゃあ、誕生日になったらハーゲンダッツ買ってくれるんだね。よっしゃあ!」
兄・「しまった! 言質を取られた!」
咲・「私が、最後のメールを読み上げるね。ラジオネーム、滅びろモスキート音さんから頂きました。ありがとうございます。
『晴輝さん、優雨さん、咲良さん、初めまして。
どうしても相談したいことがあるんです。最近、気になる男子がいるんです。その彼とは同じクラスなんですけれど、一緒に話していてとても楽しく、温かい気持ちになれるんです。けれども、最近になって、目を合わせたり、ちょっと触れたりするとドキドキしてしまって悩んでいます。嫌いになった訳では決してないのですが、彼のことがいつも頭から離れなくなってしまいました。思い切って、告白してしまっても良いでしょうか? それとも今まで通りの関係を続けるべきでしょうか?』
とのことで、晴輝、優雨ちゃん。これは……」
妹・「兄さんも。ね?」
兄・「ああ、そうだな」
三人・『さっさと、告白しなさい』
妹・「ふっ、これでこの世にまたリア充が一組増えたという訳か」
兄・「いや、まだ告白が上手くいったかどうかは分からないだろう」
咲・「でも、告白されて嬉しくない人なんていないよ。相手の彼ももしかしたら、滅びろモスキート音さんのことを好きかもしれないし」
兄・「ま、それもそうだな」
咲・「滅びろモスキート音さん、彼への告白がんばってくださいね」
妹・「うん、そのリスナーさん、男性なんだけどね」
兄&咲・『えぇっ⁉』
――――――♪『おかえりなさい』♪―――――――
妹・「はい、そろそろエンディングの時間となってしまいました。今回のエンディングテーマは坂本真綾さんの『おかえりなさい』です」
兄・「これ、放送作家がリアルに大好きな曲だよな」
妹・「そもそも、このラジオ小説自体、坂本真綾さんのラジオを聴いてる時に着想を得たらしいしね」
咲・「メタな事情はともあれ、良い曲ね」
妹・「さて、兄さん、咲良ちゃん、今回のラジオはやってみてどうだった?」
兄・「前回の倍もラジオができる訳がないと思っていたが、喋っていたらいつの間にやら文字数が足りてた。驚いた。けれどまあ、うん。楽しかったよ」
咲・「私も。ゲストだから途中で帰ることになると思ったんだけどね。でも、二人の楽しい会話に混ぜてもらえて嬉しかった。ありがとね」
妹・「二人とも楽しんでやってくれたようで、私も嬉しいよ。本編のシリーズと一緒に、このラジオも続けられそうだね」
兄・「だが、倍は勘弁してくれ。僕たちはともかくとして、放送作家が大変だから」
妹・「まあね。大丈夫。次回があるとしたら、元に戻るから」
咲・「晴輝、優雨ちゃん、もし良かったらだけれど、またゲストに呼んでね」
妹・「もちのろんですよ! むしろ、次回のラジオをわたしと咲良ちゃんと、わたしの友達の一人だけでやろうっていう話が、制作側で出ているくらいなんだから」
兄・「ちょっと待て、そこの妹。僕はどうした?」
妹・「ADとかやれば良くね?」
兄・「良くねえよ! ラジオのタイトルを変えなきゃいけないじゃねーか!」
妹・「『優雨と愉快なガールたち!』、今秋放送予定!」
兄・「タイトルを用意していただと⁉」
咲・「ゆ、優雨ちゃん。ラジオをやるなら、晴輝にもいて欲しいわ」
妹・「咲良ちゃんが言うなら。というか、さすがに冗談だし」
兄・「―――――――――――――――――――優雨」
妹・「わ、兄さん。ごめんなさい! だから、本編では描写できないほどの怖い顔をしないで!」
咲・「晴輝のメガネを取った姿、久しぶりに見たな。あれ? でも、そういえば、晴輝っていつ視力が落ちたの?」
兄・「その伏線は、本編で回収させてくれ。まあ、どこでだって言いたくはないが」
妹・「なんだか、エンディングトークはメタ気味になってしまったけど、そろそろ本当にお別れの時間です。ここまでのトークいかがだったでしょうか?楽しんでいただけましたか? 楽しんでいただけたのならとても嬉しいし、楽しんでいただけなかったのなら、もっと精進します!」
三人・『それでは皆さん、さよならー!』
妹・「あ、あと、わたしのニューシングルCDの、
『SWEET RAIN』が今夏発売です! 初回特典にはシングル一枚につきわたしの写真が一枚付いてきます。全部で四種類あるので、みーんな揃えてくださいね♪」
兄・「最後に、強欲な嘘告知を残すな!」