ゆうフレンズ(オマケ)
「ねえ、兄さん。雪水ちゃんが帰ったところでまた訊くけどさあ、兄さん、雪水ちゃんのことを知ってたの?」
「ああ、知ってるよ。彼女が帰ったところでやっと答えられるが」
「『社交的』って言葉とはまるで縁のない兄さんが、なんで雪水ちゃんのことを知ってんのさ?」
「やかましいわ。これでも、人から相談されることもある身なんだよ、一応な。その縁で彼女の名前を聞いてたんだよ」
「して、相談と言いますと?」
「何だ、その口調は。……言える範囲で教えてやるけど、ある男子が小学校から中学校に上がるにあたって疎遠になった幼馴染と、また寄りを戻したいんだけど、何か良い方法はないかって」
「それを兄さんに?」
「ああ。僕も驚いたんだけどな。彼曰く、僕は幼馴染とずっと仲良くしていられた理想の男子だと」
「はっ」
「鼻で笑うな」
「あははははははははははははははは!」
「爆笑はもっとやめろ!」
「それで、兄さんはなんて答えたの?」
「『昔と同じような調子で話しかければ良いんじゃないか』って」
「……それだけ?」
「しょうがないだろう、僕は幼馴染と疎遠になったことがないんだから。ただ、構えて接するよりも、昔と変わらない調子で話した方が、相手も接しやすいとは思う」
「なるほど、そうやって清川くんは雪水ちゃんを口説こうとしている訳ね」
「知ってたのかよ」
「雪水ちゃんのことは前から目をつけていたからね」
「まあ、お前の好みそうなとびきり可愛い女の子ではあったな。けど、今日までどうして家に呼ばなかったんだ? 前から目をつけてたのに」
「確かにね、わたしは可愛い女の子を見つけたらすぐに仲良くなろうとするからね。家に連れ込むことも多いからね。そういう習性はある」
「ツッコミを入れるのももう面倒なほどにな」
「ただねえ、雪水ちゃんは結構な曲者だったんだよ。自己評価が極端に低いし、何だろう、こう、何というか……」
「自分は本筋には関わりたくない、というような意志で避けられていたんですよ、優雨ちゃんは」
「え、香純ちゃん? これって、優雨と僕だけの会話じゃなかったのか」
「不肖、雲居香純、お邪魔させていただきました。何やら面白そうなことをしているな、と思いまして」
「わーい、香純ちゃーん」
「ふふ、晴輝先輩ったら。そんなにがっつかなくても、私はいつでも大歓迎ですよ」
「飛びついたのは僕じゃないからな。ラジオみたいに、鉤括弧の前に名前がないからって、紛らわしいことをしないでくれ」
「冗談はさておき、雪水さんは本を読んでいる姿をよく見かけますが、そのせいか観察眼が恐ろしいほど冴えています。見透かすのが常な私が、彼女に見透かされているのではないかと結構ヒヤヒヤさせられますね」
「そうなのか……。いや、ここまで彼女の人となりを聞くつもりはなかったんだけどな」
「ちなみに、私たち、彼女からヤバい奴等認定を受けていますよ」
「失礼な! わたしはヤバいくらい可愛いだけなのに!」
「失礼な! 僕はヤバいくらい普通の男子なだけなのに!」
「語るに落ちてますよー。ただ、雪水さんも雪水さんで、普通とは言い難いですから」
「わたしの友だちだもん! 個性的で特別可愛いに決まってるじゃん! えへん!」
次回から新エピソード「さくらドリーム」が始まります。
お楽しみに〜〜。




