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4 ※暴力表現有り

 

バイト先にて、倉庫で黙々と賞味期限チェックを行っている最中に、気配も無く背後に立った何者かから急に肩を叩かれた悠里は、ビクッと小さく身を飛び跳ねさせながら、大急ぎで後ろへと向き直った。無意識のうちに、数歩分の距離も取る。


「やあ、森崎さん」

「……ここは、関係者以外立ち入り禁止ですよ」


無表情のまま片手を軽く上げ、場違いなほど飄々とした挨拶を寄越してくる野々村に向かって、悠里は低く忠告した。野々村から距離を取るべく更に数歩後退り、お菓子が入っているオリコンに足が当たってバランスを崩しかけ、眉を顰めながら軌道修正する。

この倉庫に入る為には倉庫の商品搬入口、もしくは店内の『スタッフオンリー』の注意書きが貼られたドアから侵入してくるかの二通りになる。だが、今日の商品入荷はとうに終了している為、搬入口には鍵が掛けられセキュリティーが作動している筈だ。店内から入るにしても、倉庫の出入り口は常時従業員が詰めているレジから丸見えで、不審者が入ろうとしていれば止めに入ると思われる。


「やだなー、森崎さん。オレ、立派に関係者だよ? なんたって君に用があって、わざわざこんなトコにまで足運ばされたんだし?」

「意味が分かりませんし、私はあなたに用はありません。さっさと出て行って下さい」


キッ! と睨み据える悠里だったが、迫力など全く感じられないとばかりに野々村は「あはは」と、薄っぺらい笑みを浮かべる。

どこから侵入してきたのか、何のつもりかは知らないが、出入り口には防犯カメラが設置されていて、しっかりと記録が残っている。『森崎さんの気のせい』『被害妄想激し過ぎ』などといった言い逃れなど出来ない状況であるというのに、野々村はヘラヘラと笑いながら手を伸ばしてくる。


「近寄らないで! 店長! 店長っ! 不法侵入者です危険人物です! 警察呼ん……っ!」


野々村から逃れるべく後退り、彼を怯ませるべく事務所に居る筈の店長に向かって大声を張り上げた悠里は、クルリと向きを変えて事務所に飛び込む前に野々村によって肩を押され、背後にあったラックに後頭部を強打してしまった。打ち付けた部分から頭部全体へ激痛が走り、視界には火花が散ったように感じながら、うつ伏せに倒れ込んだ。


野々村はさして力を込めたようには見えなかったというのに、悠里の体は勢い良く吹き飛ばされたかのようにラックへと叩き付けられたのだ。その衝撃で積み重ねられていた商品や段ボール箱、オリコンがドサドサと悠里の上に雪崩のように滑り落ちてくる。足は完全に重たい何かに挟まってしまったようで、動かす事が出来ない。

後頭部を打ち付けた痛みも激しく、震える手で頭に触れてみると、ぬるりとした感触が伝わってきて……


「ちょっと森崎さん? 相変わらず勝手だね、君。

オレの話、ちゃんと最後まで聞いてくんないと困るんだけどー?」


悠里の傍らにしゃがみ込んだ野々村は、彼女の顎を軽く持ち上げて顔を覗き込んでくる。彼女は怪我をして痛みに呻いているというのに、何故加害者である彼は平然としているのか。

何かがおかしい。この男はずっとおかしいと思っていたが、本格的におかしい……!


「さ……わる、な……」

「ワァオ、まだ駄々こねちゃうの? 君ホント、役に立たない上にめんどくさっ。

あのね、オレ辛抱ばっか強いられてきたから、これ以上はあんま待たせないで欲しいんだよね。ほら、オレってMい人じゃないからさぁ。まーだ出し惜しみする気?」


ガンガンと痛む頭と、ぼやけてゆく視界が次第に狭まってゆく。だんだん聞き取りにくくなってゆく野々村の戯言も、いったい奴が何を言いたいのか、悠里にはさっぱり分からない。


「だからオレ考えたんだよね。

大人しく兆候を待たなくても、こっちから強引にアクション起こせば流石に動くんじゃないかなー? ってさ」


ぼんやり遠ざかってゆく意識の中で聞いた、野々村の「だからせいぜい、大きな悲鳴ヨロシク」というサディスティックな要求を最後に、悠里の意識は黒く塗り潰された。



何かの物音が聞こえる。

絶対に、あの忌々しい変態の望み通りに悲鳴など上げてやるものか、と、半分覚醒しきっていない意識の中でも強く決意をした悠里は、あの男を牢に送り込んでやるという誓いを胸に、目が開かないまま耳を澄ませた。


「……ねえ、アティ兄さん。やっぱりアティ兄さんってアホでしょう」

「……うるさい」

「いや、ボクは何度だって言うね。

や~いや~い、アティ兄さん伝令係のクセに捕まってやんの~。計画がむちゃくちゃだねっ」

「仕方がないだろうっ! 不測の事態だったんだ!

だいたい、先に捕まっていた上に今の恥曝しな姿をしたお前にだけは、絶対に言われたくないぞブラウっ」

「兄さん声大きい。シィーだよ、シィー」

「くっ、ぐぐぐ……!」


……しばらく大人しく耳を澄ませてみたところ、彼女のすぐ傍らにて、非常に幼稚なケンカを繰り広げていらっしゃる、彼女も面識がある公子様方がいらっしゃるようであった。

悠里は……いや、ユーリはどうやら板張りの床に寝かせられた状態で、両足首と両手首を太いロープ状のものでギッチリと縛られて、拘束されているらしい。背中側に回されている手首をグイグイと引っ張ってみるが、びくともしない。


私……また昔の夢を見てたんですね。こんな縛られたりしてるから、あんな悪夢を……うう。

それにしても、この声はアティリオさんとブラウのあんちゃんのようですが、何かブラウにーちゃんエストお嬢様の前とは性格違いませんか?


「あ、お姫様が目を覚ましたようだよ兄さん」


目蓋をゆるゆると持ち上げ、ぼんやりとした輪郭しか映し出さない視界を安定させるべく、瞬きを繰り返すユーリの顔を覗き込んでくる……


「ぶはぁっ!?」

「うん、元気はあるようだね。良かった良かった」

「……お前、明らかに引かれてるぞブラウ」


アティリオもまた、ユーリと同じように両手両足を縛られているらしく、芋虫的な状態でしか移動出来ないようだが、この際それはどうでも良い。そんな事よりも問題は、同じように拘束されている……何故か似合わない女装をしているブラウである。

頭に被った金髪縦ロールの鬘がズレており、片方の目にモノクルを付けた顔全体を、白粉か何かで真っ白くしてほっぺたを真っ赤に塗りたくり、唇に毒々しさを思わせる紫の口紅を厚塗りし、どぎつくも赤いドレスはパニエか何かでスカート部分が膨らんでいる。胸元の膨らみは……何を詰めているのだろう。


実は本当に、性別・女性だったりするとか? 今の奇抜なお化粧の下の素顔を見た事があるユーリとしては、実はブラウは女性です、と言われても「そうなのか」と、すんなり納得がいく麗しさを持ちあわせてはいた。今のこの奇抜なファッションを全て取っ払えば、という注釈が頑として付くが。

一目見たその日から、その姿から決して目が離せず吸い寄せられる……という現象が、怖いモノ見たさでも発揮されるのだという事を、ユーリは生まれて初めて知ったのである。日本語にて『ひかれる』という同じ音を使いながらも、『引かれる』『惹かれる』という、二通りの真逆の意味を表す言葉のマジック、その真髄を見た。


「あの……お、おおお女の方、ですか?」


まずはここら辺をしっかりと明確にしておかねばと、ユーリはもぞもぞともがいて上半身を起こして向き直り、勇気を出してブラウ……と呼ばれてはいたゴテゴテした人に尋ねてみた。第一印象と第二印象がここまで激しく異なる人物というのも珍しい。いっそ、別人であれば良いのだが……声に、嫌というほど聞き覚えがある。


「ほらご覧なさい、しっかり耳の穴かっぽじって聞きましたか、アティ兄さん? ボクのこの格好で、見事に女性を装えているよ」

「……違うブラウ、それは明らかに違う……」


ユーリの質問を受けて、ブラウは彼女の疑問に答える前に、嬉々としてアティリオに自慢げにふんぞり返り、アティリオは力無く首を左右に振って弱々しく否定する。疲労感が滲み出ているが、弟がこんな扮装をしていて喜ぶ兄は確かにそうそういないだろう。

ブラウがアティリオを兄さんと連呼している事から察するに、彼らは兄弟なのだろうか。

それにしては、ブラウの耳はごく一般的な人間の形なのだが……


インパクトの強い目覚めだったせいで確認するのが遅れたが、ユーリはじっくりと周囲を観察して、自分が現在置かれた状況の把握に努めた。


屋外ではなく、どこかの建物の中のようだ。

床はいかにも年季が入っていそうなささくれ立った板張り、部屋の広さはユーリが端から端まで大股で歩いてだいたい5歩ほどで、高さを確認しようと上を向いてみたら、首が吊りそうなほどの角度になって、ようやく天井が見えた。嫌になるほど高い場所に、薄暗い室内で唯一の光源らしき天窓が見え、差し込んでくる光はまだまだ明るい。あの路地裏で何者かの手によって気を失ってから、さほど時間は経っていないようだ。

殴られたらしき後頭部がまだ痛むし、体を動かしたら吐き気がしてきた。


顎を引いて、天井付近から再び周囲を見回してみる。

石造りの壁に、出入り口は金属製らしきドア。

室内に荷物や家具などは一切置かれておらず、部屋の中に居るのはユーリ、アティリオ、ブラウ(仮装中)のみ。3人は全く同じように手首足首を固く拘束されていて、手荷物などはどこにも見当たらない。


「わ、私の荷物ーっ!?」


その事に思い至るなり、ユーリは思わず叫んでいた。あの中には、大事な大事なぬいぐるみが入っているというのに、気絶させられて目を覚ましたら荷物が行方不明。大問題だ。


「真っ先に心配するのが、身の安全でも貞操でもなく、荷物……?」

「アティ兄さんのお姫様は、どうやらかなりお幸せな生活を送ってきたお嬢様みたいだね」

「だから僕の姫などではないと……」

「だって、名前知らないんだからしょうがないじゃない」


ブラウとアティリオに縋るような眼差しを向け、「私の荷物、どこ行ったか知りません?」と尋ねるユーリにたいして、両者の反応はこれだった。ユーリ本人にとっては、それほど重要度の高い物だとは思わないのだろうか。いや、命も貞操も大事だが。


「さて、お嬢ちゃん。そろそろ話してもらえるかな?

君が何者で、どうしてボクらを攫ったのか」

「……はあ?」


例の、緊迫感が皆無になる見事なゴテゴテ扮装の公子様らしいブラウに、恐らくは真顔で詰問されていると思うのだが……やはりどうも、そのメイクを近付けられても吹き出しそうにしかならない。


「さっきも言っただろう、ブラウ。彼女は単に偶然居合わせたせいで、一緒に攫われてきてしまっただけだと」

「アティ兄さんのそういう、女の子はいたいけで悪性なんて欠片も無いって、簡単に信じ込んで擁護する一面は嫌いじゃないけどね。状況証拠からみて、この子が限りなく黒に近いグレーである点を、見逃す気にはなれないなあ」

「……私、疑われてるんですか、ブラウさん」


状況証拠とは何だ? と、虚を突かれたユーリは、痛む頭を壁に押し当てて考え込んだ。……痛くて考えが上手く纏まらない。


「アティ兄さんとわざとぶつかって荷物を奪い、人気の無い路地裏に誘い出し、仲間が誘拐してここに放り込んだ、ほらカンペキ」

「どこが?」

「それだと、私まで一緒くたに捕まっている意味が分からないんですが……」


どこか投げやりなアティリオの突っ込みに被せて、ユーリが溜め息混じりに反論すると、ブラウはしばしジロジロと彼女を観察し、


「そりゃ使い捨てだからじゃない? まあ、なんでも疑ってかかるのがボクの仕事だからね。

で、いい加減に名前ぐらい名乗ってくれない、お姫様?」


モノクル越しに、パチンとウィンクを寄越してくる。エストの前での『対ご令嬢モード』とは対照的な、ワザとおちゃらけているのか地なのか不明な、掴みどころの無いあんちゃんっぷり。いったいなんなのだろうか、この胸にモヤモヤとくる残念感。

どうやらブラウの中ではユーリは『誘拐犯の一味疑惑』が残ったままのようだが、尻尾を出すまでは泳がせておく事にしたらしい。しかしユーリは潔白であるのだからして、そんな疑惑を強引に押し付けてこないようならば、無視しておけば良い。


それはさておき、名前を問われるというのは大いに困った。

ユーリの本名はマレンジスでは奇異に聞こえるだろうし、『カルロスの第二の使い魔の名はユーリ』という事は、アティリオが既に知っている事実だ。ここでユーリと名乗っては、後々アティリオに勘付かれてしまう可能性も出てくる。


偽名? 偽名を名乗るしかないの?

でも、なんて名乗れば……


――お母さんと悠里の名前はね、お揃いなのよ?

――全然違う? 嘘じゃないわよ。だってね、悠里の『悠』っていう漢字は、名前として付けるのなら『ちか』とも読めるんだから。

――ね? お母さんの名前、『千佳』とお揃い。


「私は……チカ、といいます」


ここで咄嗟に出てくるのが母親の名前な辺り、自分のマザコンっぷりになんだかなあ、だが、自分を呼んでいるのだと即座に反応出来そうな偽名が、すぐに浮かばなかったのだから仕方がない。


「ティカ? ふうん……もう知ってるだろうけど、ボクはブラウでそっちの彼はアティね」

「……アティだ。改めてよろしく、ティカ」

「いえあの、『ティカ』ではなくて『チカ』です」


流石に不振人物にたいして、本名を名乗ったりはしないらしい。

どうやらユーリの発音では上手に聞き取れないらしく、何度言い直してもどうしても『チカ』が『ティカ』に聞こえてしまうようだ。ますます本名から遠ざかってゆく。


「アティ兄さんとティカちゃん、名前まで似てるねぇ」


……『まで』って、他にも似ている部分があるのでしょうか? この人と一緒にされたくないんですけど……


「私、何がどうなってるのか、全然見当も付かないんですが、これはいったい何事なのでしょう?」


荒縄に縛られている足を見やり、ユーリは疲労感を滲ませながら尋ねた。そこは擦り切れて赤くなり、先ほどからじくじくとした痛みを訴えてくる。背中側に回されているせいで見えない手首も、同じように赤くなっているのだろう、とても痛い。というか最早全身が痛くて、手を挟まないよう気を遣いつつ、ぐったりと壁に体重を預けた。


「ようやく聞いてきた。呑気だねえ、ティカちゃんは」

「あなた様のその扮装に驚いて、意識がそちらに持っていかれたもので」

「つまり、君の目を釘付けにしてしまったボクのこの美貌が、全ての元凶だと! ああなんて罪深いボク……!」

「……今この時ほど、こいつが縛られていて良かったと思った日は無いな。お前のその陶酔台詞とオーバーリアクションには、大切な何かが擦り切れていく気がする」


アティリオさん、多分それは堪忍袋の緒だと思います。


「ああっ」などと呻いたブラウは、身をくねらせてそのままバランスを崩して床にもんどり打って倒れ、そんな彼の背中を縛られたままの両足でチョイチョイと蹴りつけるアティリオ。


変な人だ……エストお嬢様を狙う男とかって警戒するよりも先に、ブラウのにーちゃん本人がもう既に紛れもない変人だ!

いや、この惜しげもなく恥曝し的な扮装を目撃した段階で、すぐに看破すべき事実でしたが!


ユーリは転がったブラウから視線を外してアティリオの方に焦点を当て、


「すみません、私、早く帰りたいんですけど……なんとかなりませんか、魔法使いさん」

「攫われたにしてはやけに肝が据わっていると思えば、僕を当てにしていたのか君は?

残念だが、何とかできるのなら、とっくに脱出している」


頼りたくはないが、手っ取り早い手段はアティリオの大脱走に引っ付いていく事だろうと踏んだのだが、着ていたマントは誘拐犯に奪われたらしきローブ姿の魔術師は、憂鬱そうに溜め息を吐いた。

もぞもぞともがいて方向転換し、こちらの方に顔を向けてきたブラウが口を開く。どうでも良いが、暴れまわったせいかメイクが多少崩れて、ますます不気味になっている。


「この部屋全体に、魔術遮断結界が張られてるんだよ。知ってる? 魔術遮断結界」

「……え!?」


ブラウの軽い調子で口にされた事実に、ユーリはギョッとして主人とコンタクトを取ろうと、心の中で強く念じてみた。


主! 主! 聞こえますか、主!?


だが、どれほど強く念じようともカルロスからの応えが全く無い。先ほどのアティリオとの逃走劇を演じていた最中でも、あれほど必死に逃げ回っていれば、無意識のうちに救援信号は送っていたと思うのだが……ユーリの意識が途中で途絶え、目が覚めた場所は魔術遮断結界の中となれば。


ここがどこか、王都のどこかか郊外なのかすら分かりませんが……場所が分からなくては、主からの救いの手は絶望的ですか?


ユーリにとって、絶対的な主人であるカルロスとの精神的な繋がりは、強い安心感をもたらす支えだ。最後の最後まで諦めなければ、主人が助けてくれるという信頼感は、どんな状況に陥ったとしても大丈夫だと思える。

けれど、ひとたびカルロスとの繋がりが断たれてしまえば、ユーリはこのマレンジスでは、単なる無知で無力な小娘でしかないのだ……



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