表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/108

#080 「班決めの混乱」

バスが走り出してから十分ほど。

東都古苑へ向かう道のりは長いが、車内はすでに熱気に包まれていた。


「生徒諸君、班構成データの発表を行います」

前方モニターに映し出されたのは、担任AIロボット《教師単位A-03》。

人間そっくりの笑顔を浮かべながら、妙に芝居がかった口調で話す。


「投票およびAI解析の結果、最も“青春的相性値”の高い組み合わせを採用しました!」


「……青春的相性値?」

いちかが眉をひそめる。

「なんですかそのアルゴリズム……」


「説明不要です! 結果をどうぞ!」

教師AIはまるでバラエティ番組の司会のように声を張った。


モニターに浮かび上がった文字:

《班構成:特別クラス班(通称・主人公班)》

灯野はるな/想太/美弥/隼人/要/いちか


「……通称って書いてある!?」

隼人が吹き出した。

「これAIがふざけてるのか、公式設定なのかどっちだよ!」


「私のデータでは、“通称”を採用することで学級満足度が7.2%向上すると出ています!」

教師AIが胸を張る。


「まさかAIのくせにノリで決めたの!?」

はるなが思わず立ち上がる。

「ていうか、“主人公班”ってなにその名前!」


「お似合いですよ~」

いちかが小声で笑い、美弥が頬に手を当てた。

「……これ、もうどんな行動してもニュースになるわね」


「がんばれ、人気者」

隼人が肩を叩き、想太は苦笑する。

「……まぁ、AIの悪ノリってことで」


「フォローになってないよ!」


笑い声の中、要がモニターを見上げてぽつりと呟いた。

「でも、案外的を射てる。僕たち、特別クラスでもあり、確かに物語の中心だ」


「……そんな言い方ずるいよ」

はるなが照れ笑いを浮かべる。


車内の窓越しに、東都古苑の輪郭が見え始めていた。

AIが維持する古き街、保存と再構築の都市。

その光景に、6人の胸が自然と高鳴る。


――“主人公班”。

そう呼ばれるのも悪くないかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ