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#043 「教室のざわめき・再び」

翌朝。

教室に入った瞬間、妙な空気を感じた。


「おはよう……?」

僕が挨拶しても、返ってきたのは普通の声じゃなかった。


「おはよう……って、ねえねえ、昨日の帰り見た?」

「見た見た! 二人で相合い傘!」


ざわざわ……。

廊下のあちこちから、ひそひそ声が飛んでくる。


「公式化!?」「いや、まだでしょ」

「でもあれはもう確定ルートじゃない?」

「うわ〜ファンクラブ的には一大事!」


僕は一瞬で冷や汗がにじんだ。

な、なんでそんなことに……!?


視線が自然と、はるなの席に向かう。

彼女も同じく注目を浴びて、肩をぴくりと震わせていた。


「ち、ちがうのよっ!」

はるなが突然立ち上がり、顔を真っ赤にして叫ぶ。


一瞬、教室が静まり返る。

そして――


「ツンデレ発動きたぁ!」

「かわいい〜!」


歓声と笑いが廊下に響き、混乱はさらに大きくなった。


「……っ!」

はるなはぷいっとそっぽを向き、席に座り込んだ。


僕は頭を抱えるしかない。

「……いや、ほんとになんでこうなるんだよ」


ざわめきは止まらない。

机に突っ伏した僕の耳にも、廊下から飛び込んでくる声が次々と届く。


「やっぱり相性いいよな〜」

「なんか青春って感じ!」

「うらやましい……」


――どうしてこう、勝手に盛り上がるんだろう。


僕は心の中でため息をついた。

けれど同時に、隣の席で頬を赤く染めているはるなの横顔を見て、胸がまた熱くなるのを感じてしまった。

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