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#029 「大集会」

体育館。

全校生徒とファンクラブたちが詰めかけ、空気は熱気で揺れていた。


横断幕、旗、手作りうちわ……。

まるでライブ会場のようだった。


「はるな様ーー!」

「想太くんーー!」

「お姉様ーー!」

「天使ーー!」

「兄弟ーー!」

「ともり様ーー!」


歓声が天井に響き渡る。


ステージ上には校長が立っていた。

その顔は深刻そのもの。


「……諸君。静粛に」

マイクを持つ手が震える。


(ふふ……この盛り上がり、ちょっと面白いな)

内心ではニヤニヤしていた。


「君たちの熱意は理解した。だが、このままでは学校は混乱の極みだ」


「「「「「そうだーー!」」」」」

派閥たちの叫びが響く。


「そこで本日、この場を設けた」

校長が声を張る。


「彼ら六人に、一言ずつ語ってもらう!」


「キャーーー!!!」

体育館が爆発した。


SP26人が両脇に並び、必死に制止している。


「はるな様!」「想太くん!」

「お姉様!」「天使ちゃん!」

「兄弟ー!」「ともり様ー!」


歓声とコールが止まらない。


「……どうするのよ、これ」

はるなが小声で呟いた。


「完全にライブじゃん」

想太が青ざめる。


「統計的に、静まる見込みはない」

要が淡々と告げる。


「要、冷静すぎ!」

美弥が突っ込んだ。


「わたし……頑張る!」

いちかが小さく手を握った。


「……天使だ」

隼人が呆れ混じりに笑った。


「では、六人。前へ」

校長の声が響く。


体育館全体が一斉にどよめいた。


「おおおおおお!!!」

床が揺れるほどの歓声。


6人は顔を見合わせ、深呼吸した。


「……行くしかないか」

隼人がぽつりと呟いた。


SPに守られながら、六人はゆっくりと前へ進んだ。


体育館の熱気は、さらに膨れ上がっていった。

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