#028 「大集会準備」
翌朝の校長室。
6人は呼び出されて、ずらりと並んでいた。
「君たちの人気は、もはや学校の枠を超えている」
校長が深刻な顔で告げた。
「……知ってます」
想太が即答する。
「知ってるって言うな!」
はるなが肘で突いた。
「このままでは授業も運営も成り立たない」
教頭が眼鏡を押し上げる。
「そこで、全派閥を体育館に集めることにした」
校長の声が響いた。
「……マジですか」
隼人が目を細める。
「統計的に、一堂に集めれば収束に向かう可能性がある」
要が冷静に頷いた。
「逆に大混乱しそうだけどね」
美弥が苦笑した。
「でも、逃げ場を作るよりマシかもしれない」
はるなが小さく呟いた。
「君たちにも一言ずつ話してもらう」
校長がきっぱりと言った。
「無理だーー!」
想太が机に突っ伏した。
「無理とか言わないの」
美弥が呆れた声を上げる。
「僕は構わない」
要はさらりと答える。
「要……お前強いな」
隼人が小声でつぶやいた。
「えっと……頑張る!」
いちかが元気に手を上げた。
「天使が言うと説得力あるわね」
はるなが肩をすくめる。
「当日の警備はSP全員を投入する」
教頭が資料を机に置いた。
「全員って……26人か」
想太が呟いた。
「俺らのために大集会……」
隼人が天井を仰ぐ。
「本当に“守られる存在”なんだね」
いちかがぽつりと呟いた。
その言葉に、6人はしばし沈黙した。
「……準備は整った」
校長が口を開いた。
「明日、体育館で大集会を行う!」
重苦しい空気が漂い、6人の心臓が同時に跳ねた。




