#025 「要の爆弾発言」
放課後の校門前。
六つの派閥が騒ぎ続ける中、いちかが押されて転びそうになった。
「危ない」
要がさっと手を伸ばし、いちかを支えた。
「キャーーー!」
「尊い瞬間きたーー!」
「……これは火種だな」
隼人が小声で呟いた。
「統計的に、拡散は不可避」
要は淡々と分析した。
そのまま、彼はさらりと言った。
「いちかは俺の彼女だから」
シーン──。
一瞬の静寂。
次の瞬間、校門前が爆発した。
「えええええーーー!!!」
「公式きたーーー!」
「裏切られた!」
「でも尊い!」
「え、えへへ……」
いちかは顔を真っ赤にした。
「……言いやがった」
隼人が額を押さえる。
「火に油だろ!」
想太が絶叫した。
「爆弾を落としたわね……」
はるなが呆然と呟いた。
「むしろ戦争が激化するわよ」
美弥が冷静に返した。
「要くん!幸せになって!」
「2番目の彼女は私!」
「いやいやいやいや!」
いちかが慌てて叫んだ。
「……やっぱり出てきたわね」
はるながジト目になる。
「俺んときも言われた!」
想太が涙目で訴えた。
「公式でも収拾つかねぇ」
隼人が肩をすくめる。
「統計的に、混乱は永続する」
要は変わらぬ声で言った。
「彼女公認とか尊すぎる!」
「むしろ応援する!」
ファンクラブの一部は泣き崩れ、一部は歓喜し、完全に分裂した。
「もう無理っす!」
新人SPが叫んだ。
「26人いても“彼女問題”は守れません!」
校門前は、悲鳴と歓声とため息でごった返した。




