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#010 「はるな派の暴走」

昼休みの廊下。

男子生徒たちが横一列に並び、巨大な横断幕を広げていた。


《学校一の美少女ははるな様!》

《永遠のヒロイン・灯野はるな!》


「「「はるな様ーーーー!!!」」」


轟音のような声が、校舎全体に響き渡った。

教室の窓がビリビリと震える。


「な、なによあんたたち! 恥ずかしいからやめてってば!」

顔を真っ赤にして叫ぶはるな。


その瞬間。

「うおおおおお!」「尊いっ……!」

ファンクラブ男子たちは一斉に号泣した。


「え? なんでよっ!」

はるなはさらに慌てて声を上げる。


「「「あああああああ!!!」」」

泣き声と歓声が混ざり、廊下は完全にカオスに。


「……これもう、ただの応援団じゃない?」

隼人が肩をすくめる。


「統計的に、騒音レベルは体育祭を超えている」

要が冷静に指摘した。


「だから分析禁止!」

想太が即ツッコミ。


午後の授業。

机の上に一枚のノートが回ってきた。


表紙には《はるな様ファンクラブ通信》。

手書きのイラストとキャッチコピーで埋め尽くされている。


「なんでこれが俺の席に回ってくるんだよ!」

想太が悲鳴を上げた。


「お前、隣に座ってるからな!」

男子ファンが口々に叫ぶ。


「裏切り者め!」「その席代われ!」


「いや代わるかっ!」

想太が全力で反論する。


その隣では、はるなが顔を赤くして震えていた。


「だ、誰があんたたちに見られたくてやってるわけじゃないんだから!」


「「「うおおおおお!尊いっ!」」」

教室中が再び涙の海と化した。


「……もう宗教ね。。。」

美弥が小さくため息をつく。


「恥ずかしいからもうやめてってば……っ」

はるなのツンデレは止まらない。


「え? なんでよっ!」

追い打ちの一言で、ファンクラブ男子たちは床に崩れ落ちた。


『校内騒音レベルが規定を超えました』

AI先生の無機質な声がスピーカーから流れる。


「マジで体育祭の応援団よりうるさいっす!」

新人SPが頭を抱えた。


6人は顔を見合わせ、同時にため息をついた。

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