ルシウスの雷鳴4
カルタス
「真面目な話。」
急いできた乱れた呼吸を整える。
ワン
「よく、バレずに抜け出せたな。あの人の裏は中々かけないやろ?何で裏切ったって確定出来たの?あの人がミスするなんて思えないだけど?」
弟に水を差し出す。
カルタス
「たまたま。本当に偶然なんだ。」
水を飲む。
ワン
「絶対なの?」
カルタス
「うん。感じたんだ。影には、これがあるじゃん。」
手首に描かれた刻印を浮かび上がらせる。
そこには、族長しか解けない刻印が刻まれていた。
この刻印をワンの刻印がある右手に右手をくっ付ける。
ワン
「これがどうしたの?」
ワンの刻印が反応する。
この刻印は、影の証で影を繋ぐ唯一の証なのだ。
この刻印は神族でも魔気を使える危険な刻印だから族長から縛りを受ける。
カルタス
「彼にはこれが無かったの。あいつ、解呪に成功してやがる。」
浮かび上がらせた刻印をまた透明にする。
出し入れが自由にできるのだ。
ワン
「えっ?普段透明だから刻印がある無は、くっ付けないと判断出来ないだろ?」
一瞬体が固まる。
消せる物では無いからだ。
カルタス
「だから、本当にたまたま触れれたんだ。全くの偶然だよ?俺ら兄弟は、刻印が二つあるじゃん。」
左の刻印も浮かび上がらせる。
ワン
「あぁ。俺らだけがもってる特権よな。」
少し嬉しそうに右手で左手首を触れる。
カルタス
「彼の右手が触れたんよね、こっちに。そしたら、なんと、反応無!!やばいだろ?時間差で耳打ちする時、彼の右手首が触る時はしっかり反応してるわけよ。えぐない?理解した瞬間、鳥肌よ。直感で頭の中が、赤信号。彼に悟られる前に抜け出すのが、精一杯の抵抗だったわけ。まだ、緊張感が抜けない。」
手を何回も擦り合わせて自分自身を落ち着かせる。
ワン
「良く。無事だったな。もし感づかれたら即死だよ?でも、今更、どうするよ。裏切り、知った所でさ。対応無理だろ。族長に伝える術が無いじゃん。いや、あるけど、彼にばれないで繋がる秘匿回線が一つもないじゃん。そもそも、ボスが裏切るなんて、前提条件で仕事してからさ。やばいよな。てか、それすら見越してのこのシステムを構築したのかな。」
色々な可能性を模索する。
カルタス
「物理的に伝えたくても、遠しな。もし、本当に裏切ってるのなら。この距離感から、全てが計算済みで、彼の手のひらでゲームが動くわけだ。」
カルタスは、この気付きが嘘であって欲しかった。
たまたま、きっとたまたま触れ方が悪かったと思いたかったのだ。
あの時感じた直感は間違えなく黒を告げる。
ワン
「唯一の希望が俺たちって訳か。責任重大だな。今、出来る最善策は、計画の最後の巻き返し位かな。弟、彼、相手に心理戦出来るか?」
弟の目を見る。
カルタス
「やっるしかないだろ。あんまり、長いするとさ。怪しまれるから戻るわ。はぁ、生きて帰れるかな。」
ボス相手に、ポーカーを仕掛ける恐怖を噛みしめる。
ワン
「俺も、一緒に戻るか?一応、俺も滅びの燈の仮だしさ。勿論、本構員のお前と比べたら、何が出来るかった限られるけどさ。」
構成員の証である白いローブと仮面を鞄から出す。
カルタス
「いや。お兄ちゃんは。伝言役、頼めないか?恐らく最悪の展開になる予感がする。希望の灯は繋ぎたい。ギル叔父さんに、これを渡してくれよ。」
長年、書き溜めてきたメモ帳をワンに託す。
そのメモはボロボロに痛んでいる。
染みついた汚れが、彼がどれ程、長期間、この潜入をしてきたかを物語っている。
ワン
「何か、こういう展開って死ぬ前に良く聞く展開何だけど。じゃあ、これで一回お別れか。次はどこで会う?」
分厚いメモ帳を受け取る。
カルタス
「ルシウスの雷鳴が一番最初に鳴る場所で。」
白いローブを深く深く被る。
ワン
「了解。」
弟が伝えたい言葉を理解する。
一番最初に鳴る場所で待ち合わせをする。