【第三話】 香川VS東京②
「くらえ!東京スカイ吊り!!!」
東京は勢いよく香川に向かっていき、そう叫んだ!
「そうはさせるか!さ抜き!!!」
香川は右手を前に突き出しそう放った。
東京はその瞬間に困惑した。
「さ抜き??どんな技が来るんや?」
東京はそう香川に言った。
「お前はこれでサ行が入る技は使えなくなったぞ。」
香川は口角を少し上げながら東京に言った。
「プフッ!ハハハハハ!」
東京は両手で腹を抑えながら大声で笑った。
「なんだよ、そのショボイ技!俺にはサ行以外の技なんていっぱいあるのによ!」
東京は笑いを抑えきれずに途切れ途切れで香川にそう言った。
「これしかねぇんだよ!」
香川も少し笑いながら東京に言った。
「まあいい。お遊びはこれくらいにして、本気でお前を倒しに行くぞ。」
東京はまだ少し笑顔が残っていたものの、完全に切り替えて言った。
「のぞむところだ!」
香川は東京に向かって走っていった。
「天使の散歩道!」
香川がそう叫ぶと、天使のような空を飛んでいる物達がヒラヒラと東京に向かっていった。
「な、なんだこいつら。」
その天使たちは、みるみる東京を拘束していき、遂には覆い尽くされてしまった。
「俺の勝ちでいいか?」
香川はハァハァ息を吐きながら右手で汗を拭き、そう言った。
「ん…んん...。」
東京は天使に顔を塞がれてしまっていたので、何も言うことが出来なかった。むしろ、息も出来ない状態でもあった。
「ありがとな、東京。これで日本一は俺だ。」
香川の表情は安心でいっぱいだった。
これで香川が勝利で終わり…のはずだった。
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「おい愛知!俺と勝負しろ!!!」
ある人物が愛知に対して勝負を挑んでいる。
実はこの都道府県バトルは、日本一を決めるだけでなくランキングでの上位を争う戦いでもある。
ベスト5に入ると、かなり扱い方が変わる。
だから皆ベスト5を狙い、どんどん順位を上げるべく様々な戦いも行われる。
「愛知!聞いてんのか!俺だ!岩手だ!」
勝負を挑んでいたのは岩手のようだ。
眠っている愛知に対して大声で叫んでいた。
「もう...、なんなんだよ。って岩手やないか!」
愛知は岩手の声で起き、右手でまだほとんど開いてない右目をこすりながら、起き上がった。
「愛知!俺と勝負しろ!」
岩手は起きて間もない愛知に勝負を挑む。
愛知はランキングで言うと3位という高順位であり、一方の岩手は19位となんとも言えない順位だった。
「は?そんな気分じゃねぇんだよ。」
起きたばかりで機嫌の悪い愛知は、しかめっ面で岩手にそう言った。
「まあそう言わんと、早く行くぞ!」
「わぁったよ。」
イライラしながらも愛知は岩手からの勝負を承諾し、二人揃って異世界へと行ったのであった。