兎と猫
私には、気になっている女性がいる。
一人はSさん。彼女の好きなところは、誠実なところだ。そして、自分の好きなことをニコニコ喋る。そんな彼女を見ていると私の心は満たされる。
ここで止めていれば私の印象は「純粋」という一言で終わっていたであろう。しかし彼女の好きなところはまだ二つある。顔とお尻だ。
私はあの兎のような顔に惹かれてしまった。幼少期ハムスターを飼っていた経験もあり、私は小動物というものに対して何か特別な感情を抱いているのかもしれないとも思える。
そして、あのお尻はなんとも形容しがたい。一言で言うと揉みしだきたい。自分のものにしたい。誰にも侵されたくない。彼女に対して勝手にそんなことを思ってしまっている自分に嫌悪感を抱いている。
この嫌悪感は簡単に消えるものではない。だからなるべく考えないようにもう一人の気になっている女性について話す。
そう、私には気になっている女性がもう一人いるのだ。彼女はMさんとしておく。
もうこの際だ。私の印象はすでに「純粋」から外れている。性格が好きだなんて言うきれいごとはよそう。
彼女の好きなところは顔だ。とにかくかわいい。
私はあの猫のような顔に惹かれてしまった。猫が我々人間を虜にして世話をさせるように、私は彼女に何でも尽くす気でいる。それが彼女の美貌への最大限のお返しだと思ったからだ。
さらに彼女は最近ますます可愛くなってしまった。世間でいうところの垢抜けというやつだろうか。そのせいか最近彼女のことを可愛いと言い始める者も増えている。悔しい。私は最初からずっと可愛いことを知っていたのに。本当に悔しい。そして勝手にそんな嫉妬を抱いてしまっている自分に嫌悪感を抱いている。
この嫌悪感は簡単に消えるものではない。だからなるべく考えないようにもう一人の気になっている女性について……