化け物退治
タイトルの魔物語の読み方は、「まものがたり」でお願いします。「まものご」じゃないですよ?
森が燃えている。
小鳥の巣があった木は、焼け崩れた。
泉の近くに群生していた白い花も、今や見る影もない。
花が、草が、巣が、泉が、森が...。
全部燃えてしまっている。
そんな燃え盛る火の海の中、一匹の黒き獣がいた。
「どうしてこうなってしまったんだろう?」
その問いには誰も答えてはくれない。
何故僕が人間に命を狙われなければならないのか。何故森が燃やされたのか。その先に一体何があるというのか。
「分からない...、分からないけど...。」
きっとこれは..。
「僕のせいなんだ.....。」
黒き獣から、大粒の涙が溢れる。
「いたぞー!化け物だー!!」
...どうやら人間に見つかってしまったようだ。人間は僕を見つけるなり、鬼のような形相になって、鉄砲を構えた。その筒先は僕の方に向けられている。
「(どうやら僕は、ここまでらしい。)」
人間が引き金を引けば、僕の眉間は撃ち抜かれ、永遠の眠りにつくだろう。..森と一緒に逝けるなら、それも良いかもしれない。
「はぁ.、仲良くなれるとなれると思ったんだけどなぁ..。」
森だった場所に銃声が鳴り響き、残るは焦土だけとなった。