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彼女と共に、歩み続ける  作者: 七瀬夕
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第七話 ファミレス 其の二


 想一と希美は図書室へ到着する。


 扉を開くと、窓際に銀髪の美少女、橘花が座って居た。


「あれ、橘花……だよな。」

「うん。綺麗だなぁ。」

 夕日に照らされてキラキラと輝く銀髪に見惚れる希美。


「邪魔にならない様に、向こう行くか。」

 想一は橘花とは真逆の方へ指を指す。


 ……が、向かう足音に気付いた橘花がこちらへ振り向く。


「あっ……。」

 橘花はこちらをじっと見る。


「よ、よう橘花。俺は同じクラスの想一だ。こっちは希美。」

「橘花さん、ど、どうも。」

 動揺して自己紹介をする想一と、軽く会釈遠する希美。


「……そうだよね。」

 橘花はボソッと呟いた。


「え?」

 何て言ったか聞こえなかった為、聞き返す。


「……ううん、私は橘花 命。宜しく。」

 そう言って、先程まで読んでいた本を再度読み出す。

「……行こうか。」

 その様子を見て、希美は想一を引っ張る。


 適当な本を選んで読み始める。

 

 だが、想一はやはり橘花の顔に違和感を覚える。

 何処かで見た事がある気がする。

「昔……会ったか?」

 考え事をしていた想一だが、つい声に出していた。

「え? 何の事?」

 それを聞いた希美が反応する。


「あーいや、むかし橘花と会った事があるか考えてた。」

「えぇ、何かあったの? 想一くんとずっと同じ園や学校だったけど、会ってたら覚えてると思うんだよね。凄い印象に残る子だし。」

 一緒に希美も考えるが、覚えてないらしい。

 希美の言う通り、印象に残る見た目だ。

 想一も会ってたら覚えている筈と納得して考えを止める。

「そうだな、気のせいだ。」


 再び、二人は本を読み始める。


 そして部活終わりのチャイムが鳴る。


「時間だな、行こうか。」

「うん、そうだね。」

 二人は校門希美前に移動して待つ。


 数分後、光太と優香が姿を表す。


「悪い、待たせたな。」

「想一、希美、お待たせ。」

 光太と優香、二人と合流してファミレスへ向かう。


 ファミレスに着いてテーブルへ座る四人。


「さて、ドリンクバーは頼むとして想一の奢りだからな。食べまくって良いって事だよな?」

 光太は意地悪そうに笑う。

「あぁ、良いぞ。足りなかったら残りは光太が出すからな。」

「マジかよ!? つか奢りって言っておいてそんな持って来て無いのか!」

「冗談だよ、そんな金額が高い物じゃないし、好きなだけ食べてくれ。」

 光太のリアクションを楽しむが最近のブームになっている想一。


「あ、私クーポンあるよ。」

 希美がそう言ってスマホを出してくる。


 そのスマホにカバーがされているが、デザインが阿修羅んさんだ。

 そのデザインカバーに追加で阿修羅んさんのキーホルダー付き。


 異様なオーラを放つスマホ。

 腕が三つのマスコットが大量にプリントされたカバーにその姿に死んだ魚の目をしてドヤ顔をするキーホルダー。


「「「これを店員に見せるのか……。」」」

 三人はそう考えるとクーポンを使いたくないが、希美は既に呼び出しをしていた。


 笑顔で接客に来る女性店員に希美がクーポンを見せる。


 当然、店員は阿修羅んさんに目が行く。


「わぁ、素敵なスマホケースですね。私も大好きなんです。」

 

 予想外の反応が来る。


「ですよね。可愛いですよね! あ、このポテトとドリンクバーのクーポンお願いします。」

 かしこまりました。と言って店員が戻る。


「マジか、本当に人気なんだな。」

 想一は驚きを隠せない。

「私もびっくりよ。信じられない。」

 同じ女子でも優香にはやはり理解出来ないらしい。


「まぁ、本命行きますか! ドリンクバーの醍醐味、改造ドリンク!」

 光太が早く行こうぜと急かす。


 皆でドリンクコーナーへ向かい、光太が直ぐに入れる。


 中身はマスカット(炭酸)とオレンジジュース、桃ジュースだ。


 その様子を見て引く想一達。


「3種は不味いだろう。」

「はぁ!? 想一、何言ってんだ。 薄味のマスカットとオレンジで炭酸オレンジを作ってそこに桃ジュースの甘みで酸味を引き立たせると最高だぞ!」

 つい呟いた言葉に光太は熱く返す。


「確かに、それ聞くと美味しそうかも。」

 その熱演を聞いた希美は興味が出た様だ。


「バカに釣られない。普通で良いのよ。」

 その希美を制し烏龍茶を入れる優香。

「バカって……普通はつまらないだろう。」

 ぶつくさ文句を言いながら光太は席へ戻る。

 想一もオレンジジュース単品を入れ、希美はオレンジのマスカット(炭酸)をミックスして戻る。


 部活や勉強、趣味の話をしている内に注文品が届く。

 皆でポテトをつまみ、メインの品も頼んでいた光太の前にハンバーグ&ライスが届く。


「そういや7月からテストだっけか。残り1ヶ月だが、皆勉強してんのか?」

 全く勉強をしていないが、皆はどうなのか気になり想一は聞いてみる。

「いや、全然。」

「え、私は先週からやってるかな。」

「私は部活もあるし、もう少し近くなってから本格的にかな。授業をまともに受けてれば何とかなるしね。」

 光太と希美は案の定だったが、優香は少し意外だった。

 中学の時は陸上なんかもやってなく、勉強ばかりしていたのだ。

 いや、勉強ばかりしていたから余裕があるのか? そう考えながらテストが憂鬱になる想一。


「あ、今度良かったら皆で勉強会する?」

 ナイスアイデアとばかりに希美が笑顔で提案をしてくる。

「え、勉強会か……まぁみんなとだったらしても良いかな。」

 勉強嫌いの光太が珍しく賛同する。

「私は全然構わないわよ。」

「……まぁこの流れじゃ断れねえよ。そうするか。」

 優香の賛同もあり、渋々賛同する想一。

「じゃあ今週の土曜日に、MXのスーパーで待ち合わせね。そこで何か買って私の家で勉強しよう。」

 こうして土曜日に勉強会が決まった。


 そう言えば希美の家に行くのは何年ぶりだろうか。

 小学生の頃は良く言っていたが、中学からは意識をして行かなくなったな。


 想一はこうして土曜日が楽しみになった。

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