第五話 人気マスコット 其の二
引き続き宜しくお願い致します。
光太と優香の二人と一緒に行動する事になった想一と希美。
四人で目当ての物を探しに向かい出す。
「それで最初は、PCは行く店は決まってるから先に希美ちゃんの買いたいヤツだな。希美ちゃんは何を探してんの?」
光太が優先順位を決め、希美に目当ての物を聞く。
「えっとね。……これだよ。」
聞かれた希美は携帯を取り出し、想一に見せた画像を光太と優香に見せる。
そしてその画像を見た二人は沈黙。
「想一、何これ? 希美、画像間違えてない?」
「あ、間違いか、驚いたよ。それで希美ちゃんは何を探してんの?」
案の定、光太と優香も間違いと思ったらしい。
「え、間違えてないよ。というか想一くんも同じ事言ってたけど、私がこれを探してたらそんなにおかしい?」
想一と同じ反応をされ不満げな希美。
「いや、だって……キモい。」
優香がストレートに言った。
「えーー!? そんな事無いよ。可愛いし格好良いよ。そもそも優香ちゃん、阿修羅んさんの事知らないの? 女子なら誰もが知ってる偉大なお方だよ。」
興奮気味に語る希美。
「これが……女子に人気!? こんなバケモノが?」
珍しく優香が驚く。
「そうだよ。優香ちゃんは朝の番組見ないの? 戦隊ドラマ。」
「え、これ戦隊に出てくるヤツなの? 子供泣くんじゃ無い? 私、部活の朝練でテレビ観ないのよ。」
良かった、優香は正常だ。
希美と優香のやり取りを見て安堵する想一。
「おい、想一。希美ちゃんは一体どうしたんだ? こんなバケモノを欲しがるなんて。」
こっそり想一へ光太が話しかけて来る。
「いや、俺も驚いたけど本当にこれが欲しいらしい。理解出来ないが。」
「本気かよ!? こんな……こんなバケモノを欲しがるなんて最近の女子はどうかしてるんじゃ無いか!?」
本気でショックを受ける光太。
「想一、オマエ希美ちゃんに何かしたんじゃないか? それでショックを受けてこんなバケモノにハマってしまったとか。」
「俺が何かする訳ねえだろう! そもそも、俺も今日知って驚いたよ。」
「だよなぁ。まさかお目当てがこんなバケモノとは。」
光太は大きく溜息を吐く。
「じゃあ早速探しますか。えっと阿修羅んさんだっけ? 戦隊ドラマって言ったっけ? 戦隊は特撮枠だろうけど、アニメかドラマか微妙だからなぁ。」
光太は何処にあるか考え出す。
「そうねぇ。ただ、マスコット的なヤツ何でしょう? アニメショップで良いんじゃない?」
「そうだな、考えても分からないし探してみるか。」
優香の提案に想一は賛同する。
「うん。じゃあ行ってみようか。いざ、阿修羅んさんを求めて!」
希美はそう言って歩き出す。
「とりあえずGマーク行ってみるか。」
光太はそう言って案内をして到着する。
「到着。さあ珍マスコットでも探しますか!」
光太は意気込んで中へ入って行き、想一達も続いて行く。
「おぉ、凄いな。こんなに沢山のグッズがあるのか。」
アニメショップに行った事がない想一は店内のグッズだらけの光景に驚く。
「想一は来た事無いんだっけ? 初めては驚くだろう。」
「ああ、驚いたよ。広いし、この中から探すのは大変だな。」
想一は見つけられるか不安になるが、光太が角の方を指差す。
「いや、ジャンル分けされてるから苦じゃねえよ。ほら、あそこが朝番の子供向けコーナーだ。」
そこには朝番の“プリティープリティーキュアキュア”や“邪面ライダーサターン”のコーナーがあった。
「光太は流石、生き慣れてるだけあるわね。”陸上部の唯一のオタク“と呼ばれるだけあるわ。」
優香が光太をニヤニヤとイジリ出す。
「そうなのか。知らなかったな。」
「うん、私も。」
想一と希美はその言葉に驚く。
「なっ!? おい優香、それは言うなって言っただろう! 陸上部だけでも最悪だってのに想一達に知られたら、今度はクラス中に知られちまう。」
安定のイジられキャラだな。クラスに行っても平気そうだ。そう考える想一。
「まぁまぁ、ほら、早く行きましょう。」
光太を受け流して朝番コーナーへ向かう優香。
「くうぅ、ほら行こうぜ。頼むから広めないでくれよ。」
落ち込みながら着いてく光太。
広めたらどんな反応をするのか、楽しみだ。
ニヤリとしながら想一は付いていく。
「うーん、邪面系とプリティーシリーズはあるけど、戦隊系は無いなぁ。次行くか。」
光太はさっさと切り上げ次へ向かう。
「次は熱血店長で有名な青い店だな。」
その後、光太の案内で到着する。
「ここなら、あると思うけどな。」
「ありがとう、光太くん。今度こそ阿修羅さんがありますように。」
光太へお礼を言って店内へと向かう希美。
想一は、あってくれと願いながら付いていく。
「この辺かな、どう? 希美ちゃん。」
大体の場所を見つけて探し出す。
「うーん、無いかなぁ。人気だからどのお店もあると思ったんだけどなぁ。」
希美はションボリとしながら入口へ向かい出す。
「うん、“人気”だもんね。無いのはおかしいよね。」
やっぱりかと思いながらも希美に合わせる優香。
想一も優香と同じ気持ちだ。
――その瞬間。
「あ、あったーー! あったよ、想一くん。」
希美は突然、大声を出す。
「え、マジか?」
想一達はその言葉を聞いて希美の元へ向かう。
希美の目の前には“阿修羅んさんコーナー“と書かれた看板と阿修羅んさんのグッズが大量に置いてあった。
「おぉ、マジだ、凄い大量にあるな。……気持ち悪い程に。」
「人気って、本当に専属コーナーが出来る程に人気なんだな。こんなのが。」
「……うぇぇ、凄いわね。」
想一と光太は驚いてボーと眺める。
その横でドン引きをする優香。
「わー、ありがとう光太くん。無事、見つかったよ。」
そう言って希美はキーホルダーやスタンドのグッズを選んでレジへ向かう。
「行動が早いな。女子に人気らしいけど、優香は買わないのか?」
想一は一応聞いてみる。
「買う訳無いでしょう。」
優香に思いっきり睨まれた。
その後、希美が戻って来て、光太のPCを買いに向かう。
既に店は決まっていて、特に探したりせずにスムーズに購入出来た。
「これで、やっとゲームが出来るぜ! ありがとうな優香。」
光太は満面の笑みで優香へお礼を言う。
「べ、別に。大した事じゃないし良いわよ。」
顔を赤くする優香。
「じゃあ、もう遅いし帰りますか。今度、このお礼はファミレスでさせて貰うよ。」
「あ、そうだね。ごめんね、光太くん、優香ちゃん。付き合って貰って。」
そう言って謝る希美に、気にするなと二人は言う。
こうして四人は目的を果たして帰宅する。
「今日は楽しかったな、希美。面倒事もあったが。」
光太と優香は駅で別れ、途中まで希美と一緒に帰る想一と希美。
「そうだね、楽しかった。知らない人に一緒に行動しないかって言われた時はびっくりしたし、怖かったけど。……その、想一くん守ってくれてありがとうね。」
希美は少し顔を赤く染めながらお礼を言う。
「別に、大した事はしてないし、当然だろう。光太達が来てくれて良かったよ。俺は喧嘩が弱いからな。」
自分が情けないと思いながら想一は言う。
「そんな事無いよ! 本当に嬉しかったし、格好良かった!」
だが、希美は大きくハッキリと否定をする。
「確かに、想一くんは昔から虐められてた印象があるけど、弱く無いよ。」
想一は小学生の頃、太ったクラスメイトに虐められていた。
それを毎回助けていたのが正義感の強い希美だった。
「褒められてるのか貶されてるのかが分からないな。けど、ありがとうな。」
今日事を話しながら分かれ道に着く。
「じゃあ、また月曜日。」
そう言って想一は手を上げる。
「うん、また月曜日。楽しかったよ。」
それに応えて手を振って二人は帰る。
想一は今日、誘って良かったと満足して帰宅する。
読んで頂きありがとうございます。
少し進展があった回になります。
今後も宜しくお願い致します。




