シチューのように温かく
ラジオ番組『小説家になろうラジオ』の「ゆいこのトライアングルレッスン(放課後編)」に投稿したショートストーリー(不採用でした)。
放課後、コンビニに寄り道した3人。
「おっ! 新商品の『クリームシチューおにぎり』だって、うまそう!」と手を伸ばすひろし。
「いやお前、それはないだろ」と、クリームシチュー入りのパンを手に取るたくみ。
「なに言ってんだよ! ごはんにシチューかけたらうまいじゃん」と反論するひろし。
「そんな食べ方する奴いないぞ」と突き放すたくみ。
「えー、ゆいこはどうなん?」とひろしに聴かれたゆいこは、「私は、どっちもいいと思う」と答える。
「みんなそれぞれ、好きなものが違っていていいんじゃないかな。ひとつに決めなくてもいいと思う」。
真剣に語るゆいこに、ひろしとたくみは、自分たちがこどもっぽい言い争いをしていたことが、なんだか急に恥ずかしくなった。
そしてゆいこは、心の中で思う。
「そう、ひとつに決めなくていいよね。今は、2人のことが同じくらい好きなんだもん」