【 第三章 「 皆無の天才 」 】
~ あてんしょん ~
*たまに日本語おかしいとこあるかも
*前回も見てね
【 第三章 】 「 皆無の天才 」
クランって...
「...何ですか?」
「_(┐「ε:)_ ズコー そっからか...」
まるで、本当にこけるかのように、崩れ落ちた。
「えっとー...クランってのは...なんだっけ。」
「...」
返事を待っていると”クランの家”から、女の人の怒鳴り声が聞こえてきた。
「...どこじゃぁぁぁぁ!!!!」
「ひぃ!!」
とっさに私の後ろに隠れる男。目の前には高身長のスタイルの良い女の人が、
般若のような顔をして、玄関から、飛び出てきた。
「まぁた、洗濯物そのままにしてのこのこと...でて...君、誰?」
「この男に...」
「誘拐?!...アンタね...」
「ちが、これには誤解が...!!」
目の前で殺されかけている男を横目に私は、女の人に言った。
「私は、ここに連れてきてもらいました。」
腕を振りかけた女の人は、ぴたりと止まって、
「捨て子?」
と聞かれた。
「...(コクリ)」
うなずくこと以外できなかった。実際そうだから。
「寒かったでしょ?中に入りなよ。ココアいれたげる。」
「...」
私は黙って女の人についていった。
後ろで男はボソボソと、
「死ぬかと思った...死ぬかと思った...」
と言っていた。
私は、柔らかい椅子に座らせてもらって、木製のきれいなテーブルの上に、
白い湯気が立っている、マシュマロ入りのココアを目の前に置いてもらった。
「...アタシは、アイ。クランの副団長をやってるわ。君の名前は?」
ちゃんと、顔や声を聴くと、きれいな声で、美人な人だ。
「...ノノ。」
「ノノちゃんね!可愛い名前!漢字...とかある?」
漢字...昔、お母さんに確か教えられたのは...
「...希望と書いて、ノノ。」
「へー!いいお名前!!」
初めて、いい名前って言われた...嬉しいけど、うまく表情に出ない。
「...ありがとうございます。」
「...そろそろ俺の自己紹介いい?」
忘れかけていた男が急にしゃべった。
「...30秒だけね。」
「えー...まぁいいや。俺ぁ、ロイここの団長だ!俺は天才種で、「魔法」の才能!!
俺ぁ、攻撃魔法を得意とする!!」
「天才種...」
するとアイが続けるように、
「天才種とか普通自分で言う? アタシは、「戦士」の才能。剣士と狩人、両方できるの。」
「...」
「もしかして、ノノちゃんなかったりする?」
心配そうに私の顔を見るアイ。
「...あります。」
「なんだなんだ?俺と同じか?」
目を光らせて覗いてくるロイ。
「ちょっとうっさい、あんたは黙ってて。」
私は、あきらめ半分で言った。
「...無個性です。」
「え。」
2人同時に動きがぴたりと止まった。
「...ノノ、ちょっと来てくれ。」
ロイが私を呼んだ。
あー...またなんか言われんのかな。
「ここの台に横になって。」
「...?」
大きな機械だ。ピッピッという電子音が聞こえる。
言われるがまま私は横になる。
「そのままそこで寝てろ。」
「...」
機械が動き出し、赤い光の線が私の全身をスキャンするように動いていく。
検査みたいなのはモノの数分で終わった。
黙りこくっていた二人のうち、アイが口を開いた。
「...本物だ...!」
どうやら私は非常に珍しい天才種とやらで、それは、捨て子になる理由がないほど。
しかし、私はまだ、魔法か戦士か選んでいないから「無能」と呼ばれ、
捨てられたのだろう、ということらしい。
そこで、アイが提案したのは、魔法と戦士の勉強を私にさせることだった。
~ 次の日 ~
「さーて、魔法の勉強しますかー。」
今日は、ロイが教えてくれるらしい。
「...」
目の前には大きな向こう側が見えるほどきれいなガラスの玉。
「それは、水晶。その大きさはなかなか手に入らねーが、ホワ政に頼んだらくれたから、使うぜ。」
「...ホワ政とはなんですか。」
「あー...ホワ政っつーのは、”ホワイト政府”。正式な名前は、”国際無白安全保障指揮官”。
無個性で生まれた人間で集められた、世界を守る組織だ。」
「...何から守るんですか。」
「テロリストみたいなもんからだ。」
テロリスト...?
「あれだ、簡単に言えばわりーやつらってこと。そいつらは、ホワ政の敵みたいなもんだから、
ブラック政府ならぬブラ政。最近じゃあ、そこら中に怪物やら、建物を壊したりしてる。」
「何のためにですか。」
「そこまでは俺もわからん。あー、ただ、人間考えること、みんな一緒ってわけじゃねーからな...
あいつらの考えてることはようわからんがそうゆうことだ。」
よく理解できなかったけど、面倒くさいので質問するのをやめた。
「前置きが長くなったな、それじゃあ、勉強するぜぇ。」
「...」
「それじゃあ、今日はお前に電気を起こしてもらう。」
「できるんですか。」
「無個性は完全に決まってなかったらある程度のことはできるらしい。」
「...」
「んー、言葉で言うと難しくなるから、実践してみるから見てろ。水晶の中をよく見るんだぞ。」
私はロイの前にある水晶をじっと見た。ロイの手が水晶に触れると
中で、雷みたいなのが起きている。普通はできないはず。これが魔法か...
白なのか黄色なのかわからないカクカクしたものが水晶の中を動いてる...
「...まぁ、ざっとこんな感じだ。どうだやってみろ。」
「え...はい。」
無茶ぶりだ。やったこともないのにできるはずなんかない。でもとりあえずダメもとでやってみる。
私は、水晶に手をかざして、念じる...電気...電気...
「...すげぇ、言わなくてもでき...ん、待て?」
まだ強く念じる...電気...雷...雷...
「パリッ」
嫌な音がした。一瞬だった。
「パリンッ」
割れた瞬間、そこら中に電気が放出した。照明もすべて消えてしまった。
「す、すげぇ、軽くでこれとか...さすが無個性...」
そんなにすごいことなの?
念じただけなのに。
「...実は、水晶の中で電気を発生させることは難しいんだ。俺でも、ちょっときつい。
しかし、水晶の中じゃなくて、外でやると」
と同時に後ろのドアから怒りのオーラを感じた。
「ロイ...?あれだけ部屋の中で放電しないでねって...いったよね?」
「あ...」
「...二度とやんな」
「ふぁい。」
ロイの顔はボコボコだ。よくそれで生きてるなと思わず感心した。
~ 次の日 ~
「今日はアタシだかんね~!!」
と言いながら私に抱き着いてきた...胸が大きいので首を絞められている感覚。
「よいしょっと。」
やっと離れたかと思うと、今度は大声で、
「ロイ~~~!!ゴブリン出して~!!」
耳が痛い。言葉にするなら、キーンッて感じだ。
「はいよ~」
50メートル離れたところにゴブリンというものを出すと、
アイはすぐに弓をひき、めがねもつけずに矢をうちはなった。
「...クリティカルショット~!」
と叫ぶ、ロイの言葉を聞くと、小さな声で
「よしっ」
と言っている。少し可愛いと思ってしまった。
「じゃあ、ノノちゃん、やってみて~!」
「...はい。」
また、これだ。できっこないことをすぐふってくる。でもとりあえずやる。
後ろに肘を引いて...弓がピンと伸びたら...ゴブリンの頭の上を狙って...離す。
「...クリティカルショット~!!!」
「すっごぉい!!!」
と、歓喜の声で私にまた抱き着く。
「やっぱ無個性すごいよ!!さっすがノノちゃん!!」
「そいつぁ、”皆無の天才”だよ!!俺も、聞いたことねぇ、例だ!!」
「アイさん...くるしれす...」
「あ、ごめんね?」
騒がしいし、しつこいし、うざいし...と思いながらも、私は、
ほめられたことに、少しうれしく感じ、笑みが...出そうだったがやはりでなかった。
作者コメ アイちゃんかわいいですね。(単純) 私も抱き着かれたいです。(ただの変態)
ノノちゃんの感情も戻りそうだけど...戻らない!!ここが、もどかしいですね。
次回1月11日月曜日 第四章更新予定です!
見てくださいね!それでは(^^)/~~~