2話 転生しても…
今回も内容が少し重いです。
「オンギャァ!オンギャァ!」
赤子の鳴く声が聞こえる……。
いや、ちょっと待て。それはおかしい。俺は死んだはずだ。
「お前の名前はレオナルドだ。よろしくな。」
見知らぬ男性と女性が見下ろしている。
手を伸ばすと自分から小さな手が伸びている。
……。
えっと……。
これは…………。
「オンギャァァァァ!!!!!!!!」
(俺が赤ちゃんになってるぅ!?!?)
なんだこれ。どうしてこなった。なにがどうなってる。てかなにが起こってる。
頭の中がグルグル。
見たところ石造りの教会。俺の両親だと思われる2人の顔立ちも赤茶色の短髪に発達した筋肉のダンディなイケメンにと金髪ロングに碧眼の美人さんだ。
生まれ変わった、と言うことでいいのであろう。
しかし、なぜ言葉がわかる。
「では、今日、ここに生を受けたレオナルドさんの鑑定の儀を取り行います。」
シスターの格好をした老婆がそう言って祈り始める。
鑑定の儀とはなんぞや。
「終わりました。では、この子の魔力量と授かりし祝福を確認しましょう。ご存知かと思われますが、魔力量は魔法の源となる魔力の量のことで、祝福とは神様が私たちに授けてくださった力のことです。剣術の祝福を授かれば神様の力をお借りした剣技というものが使え、魔法の祝福を授かればその魔法を使うことができます。そして、ここで鑑定された魔力量と祝福は不変のもので、年月が経ち、鍛錬を行ったとしても決して増えることも減ることもありません。」
どうやら鑑定の儀とはいわゆる才能を見るものらしい。そして才能があれば特殊な力が使えると。
「レオナルドさんの祝福は……、大変申し上げにくいのですが、武術に関する祝福は一切ありません。魔力は一般の方より豊富にあり、珍しいことに魔法の祝福は四大元素といわれる魔法である、火、水、風、土の全ての祝福があるようですが、その祝福は最低ランク。どの属性も最下級魔法しか使えないでしょう。」
その言葉に、その場の空気は重くなる。
「そう、、ですか、、、、。」
感情を押し殺すように絞り出された両親たちの声。彼らのその手は強く握りしめられ、震えていた。
いくら魔力があったところで、満足に魔法が使えなければただの無駄。加えて武術の才能もない。つまりは、無能。
あぁ、そうかい。
生まれ変わったところで、
結局俺は、不幸でしかない。
転生もして、祝福なんてもんもあるんだ。
なぁ。いるんだろう?神様。
転生させてまで不幸にして、
お前に、世界に、俺がいったい何したってんだよ。
なんで俺なんだよ。
絶望ののち怒りが込み上げる。
前世の人生がフラッシュバックする。
あんな惨めな思い、二度とするか。
神様の決めた運命なんざ、
ぶち壊してやる。
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ではまた次回