冒険者登録
「要件はなんだ」
「冒険者ギルドに依頼しに来ました」
町の門番にコレットは来た理由を説明する。
「通行証は?」
「これです」
コレットは村長に貰った木の板を取り出す。
「……、確かに。通ってよし」
「はい、これで依頼の申請終了です」
二人は冒険者ギルドに入り、ゴブリン討伐の依頼をした。
「ところで、1度ゴブリンの群れに襲われたとのことですが、村は大丈夫ですか?」
受付嬢が聞いてきたので、コレットが正直に答える。
「はい、皆で何とか撃退しました」
それを聞くと、受付嬢はリューの方を見た。
「もしかして、貴方が?」
受付嬢に聞かれ、二人は驚いた。
「どうしてそう思うんですか?」
リューが受付嬢に聞くと、受付嬢は笑って、
「ギルドの受付をやっているといろんな人を見ますからね」
受付嬢はそういって微笑んだ。
「どうですか?冒険者登録されますか?」
リューは悩んだ。
「冒険者になっても旅を続けられますか?」
「それならなおさら冒険者になった方がいいですね」
受付嬢は机から木片を取り出す。
「こちらの登録証は通行証の代わりにもなります。国境も渡れますよ」
それに、と受付嬢は続ける。
「登録証があればここ以外のギルドでも仕事を受けることができます」
それを聞いて、リューは冒険者になることを決めた。そして、コレットの方を見る。
「コレットはどうする?」
「私、戦いはあまりできませんが冒険者になれますか?」
「大丈夫ですよ、依頼は討伐だけじゃないですから」
「それじゃあ」
二人は冒険者登録をすることにした。
「こちらが登録証になります。なくした場合は再発行手数料がかかりますのでお気をつけてください」
登録証には登録したギルドの町の名前と登録した日付、自分の名前が書かれていた。
「どうしますか?すぐに依頼を受けますか?」
二人は首を横に振った。
「まだ、宿が決まっていないので今日は先に宿を探してきます」
「それでしたら」
受付嬢は宿屋の場所を教えてくれた。どうやら冒険者だと安くしてくれるらしい。
リューはギルドを出るとまっすぐ宿屋に向かおうとしたが、コレットが一点を見つめて動かなかった。
「コレット、どうした?」
「あの人」
コレットが指をさした先には一人の男性がいた。
「あの人がどうかしたか?」
「あの人、悪い人だよ」
「はあ?」
リューは何を言っているんだという顔をした。
コレットはじっと男性を見ていた。
男性は少しの間その場にいたがその後裏道に入っていった。
「追っかけよう」
「お、おい」
コレットも男性が入っていった裏道に入っていった。
リューも仕方なくコレットを追った。
男性はどんどん奥に進んでいく。
リューたちもそのあとを追う。
男性は1つの家の前で止まった。そしてその家の近くに石で印をつけた。
「泥棒?」
「かもな」
二人は物陰からこっそり見ていた。
男性はその後、その場から離れた。