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終わるからこそ頑張ろう

作者: ブルータスの屁

詩・短編を書いてみました。

気に入っていただけるか分かりませんが

一生懸命に書いてみました(^_^)

1000文字ぐらいで書いてあります。

物語の断片や本の1ページのようなモノだと思いながら

暇なときにでも読んで

楽しんで頂けると幸いです(^_^)

それがどれほど酷いのかは分からなかったが

医者は暗い表情を見たら分かる。


きっと

私が思ってる以上に酷い状態なのだろう。


そうか、僕は死ぬのか…。


私は虚無感を少し感じた。


しかし

特別に私は落ち込むことはなく

どちらかというと喜びの方が大きかった。

別に病んでいたわけではないと思う。

ただ

そう思ってしまうのは「何もかもを諦めている」からだろう。



私の人生は何をしても上手くいかなかった。

夢を追いかけたけど

道半ばで自分の力ではどうにもならない状況よって諦めなければいけなくなり

それから違う道を模索したけど

その進む道の全てが上手くいかない。

誰かに助けを求めても

濡らした紙を破るように簡単に裏切られて

挙げ句の果てには傷心で落ち込んでいた時に

交通事故に遭う始末。


こんな人生を送っていれば

誰もがこう思うはず。


「もう頑張っても意味がないのだ」と…。


だから

医者から「ガン」と言われても悲しくはならなかった。



医者はこの事を私の親に伝えるかどうか聞いてきたが

私は「自分の口から言う」と医者に伝えた。


だって

親に伝える気はさらさらないからだ。

伝えれば必ず「治せ」と言われるに決まっている。

それは非常にややこしいことになるから嫌なのだ。


私は家に帰り

母には「栄養不足」と嘘を伝えた。

母は半信半疑のような顔をしていたが

多分騙せたと思う。


部屋に戻った私は

これから何をするか考えてみた。


恐らく残された時間はそんなに無い。

だったら

前からやりたかったことを好きなだけやろう。


そう思った。


そこで思い出したのが

高校に入学した頃に書かされた「将来やりたいこと」というアンケート。


中身のほとんどはふざけて書いた内容なのだが

こんな状況だからあえてこれをやろうと思った。


詳しい内容は秘密として言わないけど。

やってみた結果を言うと

やっぱり

あまり上手くいかなかった。


最後ぐらいは上手くいってほしかったけど

これが私だと思う。

でも

挑戦できたのは良かった。

思い残すことはなくなるからね。



そういえば話は変わるが

死期が近づいている今は

親には私がガンだということはバレている。

さすがに身体の不調には気づかれた。


バレた時は

母には泣きながら叩かれて

父には殺されるくらい怒られた。

でも

何も感じなかった。


だって

今さら親面しないでほしいかった。

私が苦しんでいたとき

手を差しのべることもしなかったくせに……。

「お前はダメだ」と否定したくせに…。


今は自宅のベッドで横になっている

自由気ままに動かした身体はもう動かないからだ。


日に日に上着を着たような倦怠感が増していく。

きっと終わりが近づいているのだろう。


私はゆっくり視線を窓から見える空を見た。


空は快晴で雲ひとつ無い。


もう終わる……。

もう頑張らなくて良いんだ……。

嬉しいなぁ……。


私はそう呟いて静かに目を閉じた……………。

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