妹とのデート回! 妹が可愛すぎて俺はもう駄目かもしれない
ここより先の話は昔の僕が書いたので作風が変わります。
(林間合宿編は後から付け足した。ちなみに林間合宿編は本編と一切関係ない)
適宜修正予定なのでここまでスッッッッッッと読めたけどこっからは微妙だなぁって思った人はブクマして待っててください
合宿が終わった次の日の休日、僕はアイラと隣町のハニアでデートする事になった。
ピシっと服装をキメ、玄関で待機しているとアイラが2階から降りてくる。
「お待たせしました、お兄様」
妹の私服姿はとても可愛かった。ただ、夏とは言え、肩を出しているのはお兄さん感心しないな。
「じゃあ行こうか、アイラ」
「はい!」
そう言って僕は妹の手を握り、外へ出てハニアの方角に向かう。
こんな事もあろうかと初日図書室で近辺の地図は頭に入れていた。だから、妹と町を歩く時自信を持ってリードできる。
「‥‥? どこにいくんですか? お兄様」
妹が不思議そうに僕を引き留める。
「どこって今から行くハニアだよ、あっちでしょ」
「位置としてはそちらでしょうけど‥‥テレスを使わないんですか?」
テレス?
恐らく移動系の魔道具か何かか。もう少し魔導具について調べるべきだったか。
結局妹の後をついて行くことになってしまった。
妹が向かったのは学校の魔道工学科のある校舎だった。
この校舎一階の中央の部屋には(電話ボックスのような)二つの箱があった。どうやらこの箱がテレスらしい。
「この学校に通ってるからには使わなきゃ損ですよね♪」
妹に連れられテレスの中に入る。
そして、妹が詠唱を行なった刹那空間が歪む。
一瞬であったが空間が歪み、体験したことの無い異様な感覚を味わった。
「便利ですよね〜、これでもう着いちゃうなんて。魔道工学科様々ですね!」
テレスを出ると「ハニア」と書かれた看板があった。
テレスとは瞬間移動装置のことだった。今まで見た魔道具の中で1番やばいかもしれない。元の世界では誰もが憧れた瞬間移動が電車感覚だ。今まで元の世界の科学文明を心のどこかで崇拝していて、魔法があるとは言えこの異世界文明を下に見ていた。瞬間移動は相当複雑な詠唱式と魔術式が必要なはずだったが、簡単な詠唱だけでいとも簡単に誰でも瞬間移動できる道具があるとは。完全に科学文明の敗北だ。
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「お兄様、次はあのお店に入ってみたいです!」
ハニアはとても女の子受けの良さそうな町だ。女子受けの良さそうな服とか家具とかカフェの店が密集している。元世界で陰キャラだった僕はデートなんてしたこと無くて、ただただ羨ましかったけど、陽キャラは陽キャラで女子に興味のない店に振り回されて大変だったんだなぁ。
「お兄様、店員さんにお勧めされて着てみたんですが‥‥どうですか?似合ってますか?」
妹が恥ずかしそうに試着室から出てくる。
お姫様だった。服に詳しく無いからよくわからないけど、ドレスっぽいしお姫様だからたぶんドレスなんだろう。
前言撤回。デート最高!
妹に試着した服一式を奢り、近くのカフェに入った。クリス君の財布の懐はだいぶ温かかったが、気づけば9割近く無くなっていた。金持ちの住んでいる地域の物価は高いんだなぁ。
「こんなにたくさん買っていただいて、有難うございます!お兄様♪」
「僕にとってはアイラの笑顔がこの世の全てだからね。このくらい安いもんだよ」
まあ、クリスのお金なんだけど。
でも、仮に僕が稼いだお金であっても全てを捧げて仕舞えるくらいに僕はアイラを、彼女の一挙一動を、愛おしく感じている。
「私もお兄様が元気になって嬉しいです♪ 一昨々日まで思い詰めてた様子でいらっしゃったので‥‥」
一昨々日と言うことはクリスが「僕」になる前だ。
クリスが思い詰めてた?こんな恵まれた環境と才能を持ちながら何を?
クリスに対し腹が立った。お前ほどの人間に何の不満があると言うんだ。恵まれた人間が一丁前に悩んだり負の感情を持っているのはイライラする。そんなんじゃお前が「僕」になったら直ぐに自殺するんじゃ無いか。
「お兄様‥‥?」
一瞬僕の表情が陰ったのを見られてしまった。
「そろそろ帰ろうか、アイラ」
僕は誤魔化すように笑顔でそう言った。
この時の僕にはクリスが何を思っていたのか。
どういう理由で「僕」がクリスに成り変わったのか、知る由もなかった。