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愛人とイチャイチャしてたら同僚に浮気現場を見られて修羅場になった件について

 僕は船内のカジノへ連れられる。


「お〜これがカジノかぁ。異世界って感じするなぁ」


 ざっとみる限りカジノにはルーレット、スロットのような魔道具、ポーカーテーブルが設置されていた。

 カジノ内は人も多く、賑わっている。

 客層は金を持ってそうな品のいい客が多く、カップルも多い。


「リザ、こうして2人で歩いてると僕たち恋人みたいだね」


 僕は何の意図もなく適当にリザにちょっかいをかけてみる。


「え?ごめんクリス君、何か言った? スロットの音で聞こえなかったよ」


 何の意図も無かったが腹が立ったので、追撃することにした。


「リザ、手繋ごうよ」


「えぇっ!?クリス君急にどうしたの!?…あぁそっか分かった! カジノ初めてだから緊張してるんだね! いいよ!」


「えっ? あ、ありがとう…」


 リザは僕に手を差し出し、僕はその手を握る。


 やばい、僕の方からアタックしたのにどきどきする。

 これがときめきなのか?僕はリザにときめいているのか?


「お、クリスもカジノに来てたのか」


 スロットを回していたミラが僕に気づき、声をかけてきた。


「ん…?おいクリス、そこの女は誰だ?」


 ミラが怪訝そうな顔で言う。


「ああ、彼女はリザ。僕の友達だよ」


「初めまして、リザって言います。よろしくねっ!」


「友達…? じゃあなんで手を繋いでるんだ?」


「え?」


 僕はリザと手を繋いでいることに気がつく。


「お前まさか浮気してるのか?」


 ミラが僕を睨みつける。


 ああ…。そういえば僕はセレナと付き合ってることになっているのか。

 ミラの目からすれば、僕はリザと浮気しているように見えるのか。


「いや、違うよミラさん。僕は…


「言い訳は要らねえよ」


 やばい。ミラさんがとてもお怒りになっている。話した感じ、不義理とか嫌いな真面目そうな人だったからな。特に友達(セレナ)が貶められているように見えてるからそれは怒るよな。


「残念ながら私は他人だ。お前たちの関係に口出しする権利はないかも知れねえ。けどお前がセレナを裏切って、傷つけさせるのはセレナの友達として許せねえ」



「だから私と勝負して、私が勝ったらそいつと別れろ。負けたら見なかったことにしてやるよ」


 ああ、大変だ。変な誤解で修羅場になってしまった。いや、僕がセレナを裏切ったのは事実だからあながち誤解ではないかもしれないけど。


「ええっ!?私クリス君(達)と別れるの嫌だよ!一緒にいたいよ!」


 リザがミラの誤解に乗っかり、さらにミラの怒りのボルテージが上がる。


「勝負って、ここで戦闘(バトル)するのかい?」


「いや、悔しいが戦闘力じゃお前には勝てない。あれで勝負だ」


 ミラはポーカー台を指差す。




「いいよ!私が勝ったらクリス君(達)と別れなくていいんだね?」


 なぜかリザが答える。

 僕、ポーカーとかやったことないんだけど…。

 でもゲームとかで役は知ってるな。確かフルハウスが揃えやすい割りに強いんだっけ。


「リザ、ポーカーってトランプを5枚引いて役を競うゲームだよね?」


「基本的には合ってるけど、カジノでのポーカーはちょっと違うかな。カジノのポーカーはテキタスホールデム式だからね!」


「テキタスホールデム式?」


 僕はリザからルールの説明を受ける。

 テキタスホールデム方式では、まず各々のプレイヤーの元にカードが2枚配られる。その2枚のカードとテーブル中央に並べられる全プレイヤー共通のカード5枚を組み合わせて役を作る。(中央のカードはゲームが進むに連れ、3枚から5枚に増える)


 僕の想像してたポーカーは手札を5枚引き、要らないカードを入れ替えて役を作っていくものだったが、この方式では7枚の中から5枚の役を作る。

 カードを入れ替えることは出来ないにしても7枚から役を作っていい分、役は揃いやすいのだろうか?分からない。


 僕たち3人はポーカー台の席に着く。


「勝負は20回。終わった時にチップが多いやつが勝ちだ」


「いいよ!私、負けないんだから!」


 ミラとリザが意気投合する。

 リザが張り切るほど話は拗れるんだけども。


 ディーラーが手札を2枚ずつ配る。

 僕の手札は❤︎2 ♠︎5 だった。


 これは早めに降りた方がいいのだろうか?

 どこにもくっつきそうにないけど場のカードに2が2枚と5が1枚とかあったらフルハウスだから場を見てからでも遅くないんじゃないかなぁ。


 僕は勝負を降りずコールする。

 リザとミラも降りず、場にカードが展開される。

 ♦︎A ♠︎2 ♠︎Q


 2のワンペアができた。

 これは2を軸に役を強くできるんじゃないか?

 僕は降りずにベッドし、ゲームを進める。


 リザ、ミラも同様にベッドしていき場にカードが出揃う。

 ♦︎A ♠︎2 ♠︎Q ♣︎Q ♠︎7


 結局2とQのツーペアか。他の2人は…


 ミラ ❤︎A ♦︎Q

 リザ ♠︎A ♠︎K


 フルハウスとフラッシュ!?

 しかも単純にカードの数字が強い。

 この2人、どれだけ強運なんだ。


 この勝負はフルハウスのミラが勝者となる。


 リザは僕の手札を見てドン引きしながら言う。


「クリス君その手札は配られた時点で降りるべき手札だよ…。最後まで勝負するのはリスキーすぎるよ…」


 え?このポーカーって手札2枚が配られた時点で、場のカードを見るまでもなく降りなきゃいけないとかいう定石があるのか?

 勝てる可能性はゼロじゃないのに能力の無いやつは有無を言わさず死ね(降りろ)ってことか?

 嫌なゲームだなぁ。


 結局僕はこのゲームの定石が分からず、順当に負け続けた。対して、リザとミラはブラフと割り切りを駆使し、高レベルな戦いを繰り広げた。


「リザ、お前やるじゃないか!」


「そっちこそ!」


 やがて勝負は20戦目となる。

 リザとミラはほぼ互角だったが、僕は大敗していた。

 このままリザに託してもいいが…


「ミラ、彼女は何も知らない。悪いのは僕だ。だから君がリザに勝っても意味がない。君が本当に倒したいのは僕じゃないのか?」


「クリス、お前はもうこの勝負で覆せない程の差で負けてるじゃないか」


「そうだね。でも僕はポーカー初心者だったんだ。だから最後に、僕にチャンスを与えてほしい」


 僕は自分の手札を見ずに、コインを全額投入(オールベッド)する。

 クイズ番組の最後でやるような、これまでの戦いを無意味にする挑発だ。

 しかし、ミラの性格上これに乗らない訳が無い。


「いいぜ。お前を完膚なきまでに叩きのめしてやるよ」


 ミラは僕の挑発に乗り、全額投入(オールベッド)する。


「えっ?何この流れ!?私も!!」


 なぜかリザも全額投入(オールベッド)する。


 場にカードが配置されていく。

 ♦︎Q ❤︎3 ♦︎10 ♠︎A ♦︎J





 僕は自分の手札を開く。

 ♦︎9 ♦︎8


 来た…!ストレートフラッシュだ!!

 対してミラは ♣︎2 ♠︎6 の役なしだ。


「ストレートフラッシュ。僕の勝ちだね、ミラさん」


「くっ……




「ロイヤルストレートフラッシュ!!!!」


「「え?」」


 リザの手札を見る。

 ♦︎A ♦︎K


 リザは♦︎のロイヤルストレートフラッシュを揃えていた。











「えっ!?私がクリス君の恋人!?そんな訳ないじゃん、ミラちゃん」


「そうかリザ。私の早とちりだったな。申し訳ない、クリス」


 僕たちは勝負後、ミラの誤解を解いた。

 2人は勝負を通じて何か感じるものがあったのか、名前を呼び合う仲になっている。


「ところでこのコイン、私が全部貰っちゃっていいの?」


「ああ、リザが勝利して得たお金だ。リザのものだよ」


「ありがとう♪」


 結局リザが得するだけの無意味な戦いだったな。

 結構楽しかったから、まあいいか。


「じゃあ私はそろそろ寝るわ。またなクリス、リザ」


 ミラはそう言って去っていく。


「私たちもそろそろ帰ろっか」


「そうだね、明日の朝にはクレタに到着するしね」




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