ハーレム形成完了。俺は3人の超絶美少女を侍らせる
ここではレナちゃんを落ち着かせることが目的だ。
つまり方法はいつも通りだ。時を止めて、「眠らせる魔術」を使えばいい。
アレスのような例外を除けばこの魔術に対抗できる相手は存在しない。
正真正銘の異世界チート魔術コンボだ。
僕は時を止め、レナに向かい走る。
「かはっ…」
止まった時の空間の中、レナの放つ「霊気」が僕を拘束し、縛り付ける。
魔防壁に続いて「時止め」も通じなかった。
いよいよもってこの死霊術、規格外にも程がある。
「時止め」の効果は切れ、時が再び動き出す。
「レナちゃん、ごめん!」
リザが致命傷を与えない程度の弓魔術を放つ。
しかし、弓がレナの視界に入ると、霊気によって撃ち落とされる。
その一瞬僕の拘束が緩んだため、僕はレナから距離を取り拘束を逃れる。
レナの死霊術は規格外で魔術、物理の理論は通じないが、一定の制約はあるようだ。
ここまでで分かっている制約は
・距離が遠すぎると相手を拘束できない。
・自分の視界(意識)の外には死霊術を対象に向けられない。
2つ目はともかく1つ目はレナがこちらに近づけば制約にもならない制約だ。
距離を詰められて3人が縛られればその時点でゲームオーバーである。
つまり攻略の糸口は2つ目にある。
「アイラ、リザ! 横に距離をとって広がってくれ! 急いで!」
アイラは直ぐに僕と横に距離を取る。リザも戸惑いつつ従ってくれた。
横に距離を取り、レナが3人を同時に視認し難くすることで、レナの意識外からの行動を起こせる。
意識外から僕が「眠らせる魔術」を使えば死霊術に縛られずレナを止められる。
レナが近づいて来る。
僕はレナの視界外に動く。
「私はレナちゃんから逃げないよ!レナちゃんと一緒にいるから落ち着いて!……うっ…」
リザがレナに呼びかけて注意を引きつけ、死霊術に縛られる。
作戦を伝えずともリザは僕の考え通りに動いてくれた。
僕はその隙にレナに近づく。
距離を5mほどまで詰める。
このままレナの頭に触れられれば止められる。
「っ!?」
その瞬間僕の体が死霊術により縛られる。
なぜだ?今レナは僕の方を見ていない、リザの方を注視していた。
足音も立てていない。つまり僕は気づかれていない筈だった。
このとき、僕はさっきよりも自分が霊気を強く感じていることに気がつく。
レナは近くの霊気をセンサーにして、その範囲内に入ったものを認識することができた。
見ずとも聞かずとも、近くにいればレナは感じ取ることができるらしい。
僕とリザは同時にレナに縛り付けられる。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん…もうレナから逃げないでね…」
「逃げ…ないよ、レナ…ちゃ…ん。僕は…君を…助けるんだ」
「え?」
レナの首筋に水魔術が放たれる。
「ひゃんっ!」
拘束が解かれる。
僕は瞬時にレナの頭に手を当て魔術を発動する。
そしてレナは眠りについた。
「アイラ、ありがとう。また助けられちゃったな」
「はい、私はお兄様の妹なので」
しばらくした後レナはベッドで目を覚ました。
「お兄ちゃん、レナから逃げないの…?」
「ああ」
「レナと一緒にここに居てくれるの?」
「ごめん、それはできない」
レナは悲しげな顔になる。
「レナ、僕たちと一緒に来ないか?」
「え?」
「僕たち、この国を出る旅をしてるんだ。追手もいるし危険なこともあるかもしれない。けど…
レナに何があったのか、なぜ親がいないのか、なぜ1人なのかは分からない。
けどレナは孤独を感じていた。寂しがっていた。1人で居ることを恐れていた。
そんなレナを放っておくことはできない。
レナちゃんも一緒に来て欲しい」
レナは涙を流し嬉しそうに頷いてくれた。
「うん…レナ、お兄ちゃんと一緒に行きたい! 」
次回からハーレムドスケベ水着回が続きます。




