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皇太子殿下との昼餐会

あんまり進みませんねぇ。愛され無双したいのですが、何せこう言う状況を細かく書きたいフェチなので。

馬車が到着するとずらりと使用人たちが並んで、皇太子殿下を出迎える。

屋敷に着いても抱き上げて部屋まで運んでくれた。

高価な調度品とロイヤルブルーの敷物が印象的な客室に通され

ソファの上にそっと降ろされた。

「お身体は辛くありませんか?」気遣う様に声をかけてくれる

「はい、殿下の格別のお計らいに感謝いたします」

「よかった。では湯浴みと着替えを済ませてから食事にしましょう。エンジュ、アキナのお世話を頼むね」

エンジュと呼ばれた25、6歳の栗色の髪にグリーンの瞳を持つ美人な女性が「かしこまりました」

と恭しく頭を下げ、連なる様に控えていたメイドたちも頭を下げた。


それを見届けて皇太子殿下は部屋を後にした。


改めましてとエンジュが私に挨拶をしてくれた。

「アキナ様のお世話をを仰せつかりましたエンジュ・ウィニーと申します」

「この者たちがお仕えさせて頂きますのでお見知り置きください」

「アキナ・シドウと申します。お世話になります」

「お疲れの事と存じますが、湯浴みをしてお召し替えを」

そう言ってサッとエンジンが手を上げたら控えていたメイドたちがそれぞれの持ち場についた。

案内されたバスルームは、現代のモダンなホテルにあるそれによく似ていて、殿下が話していた様に魔力を糧にして、高度な文明を築いて居る事を感じさせた。

元々、シーツ一枚しかつけていなかったので、サッと脱ぎ瑠璃色の湯船に白い花びらが浮かぶバスタブへと浸かった。

頃合いを見計らい、エンジュが身体や髪を洗うと申し出てくれた。

1人でできない事ではないけれど、ルールに従おう。

大切にされているとは言え、何も分からない異世界…いつ誰の機嫌を損なって不利益を被るかわからなもの。


「お湯加減はいかがですか?」

「ちょうど良いです。とても素敵なかおりですが…この花でしょうか?」

「はい、オレンジと言う名の柑橘の身を付ける樹木の花でございます。お気に召した様で何よりです」


ガーデニアの様な香りの石鹸とシャンプーで洗ってもらい、とろりとした蜂蜜の様なヘアパックをされて湯船を出ると質のいいバスタオルで身体を拭いてもらい、バスローブに着替えて鏡台へと案内された。


その時、自分の顔を改めて見て驚いた………黒く艶やかなロングヘアに濡れた漆黒の瞳、何も付けていないのに頬と唇は薔薇色……え?これが………私??

この世界に来る前の私よりも随分と幼さが戻った……それに何故かしら……前の私と顔も…


驚いた表情の私を見たエンジュが何か不手際かとこえをかけてきたが、うまく誤魔化した。

更に驚いた事に髪を乾かすのも魔法。ドライヤーにもなるのか魔法…便利だしさほど生活に不便は無さそうね……

「アキナ様の御髪にも映える色のドレスですね、ユリウス様からの贈り物ですよ。髪はどの様にいたしましょう?」

心なしかワクワクしている髪結いのメイドさんに「何も分からないので、お任せします」と返せば

「お綺麗な御髪ですからあまり手は加えずにお食事が邪魔にならない様に結いましょうね」

手際よく髪を結う間に

「こちらのジュエリーも」とエンジュが宝石箱を鏡台に広げた。


周りにいたメイドさんたちが楽しそうにアレコレと合わせてくれているのを見ると、なんだかホッとした

この世界でも、女の子はオシャレが大好きなのね。


「この様にいたしましがた、如何でしょうか」

目を開けると異国のお姫様が鏡に映っていた。

何も言わない私に少し不安げな表情を浮かべているエンジュ

「あ、ごめんなさい。私自身の事なのに見慣れなくて…とても素敵に仕上げて頂いきありがとうございます」「お気に召して何よりです、ユリウス様がお迎えに見えておりますが、お通ししても?」

「えぇ、お願いします」と返すと先ほどとは違う衣装に着替えた殿下が。

ダークグレーのタキシードに紫のカフス。品の良い皇太子殿下によく似合っている。

「思った通り、ドレスとても似合っていますね」照れなどなくニコニコと笑顔をで声をかけられたので

戸惑ってしまったが、謙遜するのは日本人の良くない癖なので笑顔でお礼を伝えた。


エスコートされるまま、深い青を基調とした豪華なシャンデリアのダイニングルームに案内された

オフホワイトのクロスが敷かれテーブルには銀のカトラリーと食器、ワインやシャンパンフルーツに

プティフール、籠には数種類のパン、サンドイッチにキッシュなど目に嬉しい。

慣れないドレスの裾をうまく捌いて着席する。

「お食事の好みを伺っていなかったので、お好きなものだけ召し上がってください」

「昼餐なのであまり豪華な食事ではないのですが…」と申し訳無さそうに言われが前菜やスープ

魚のポワレなども出る様で、ちっとも質素なんかじゃない。


「初めて見るものばかりで目にも楽しいですし、何より殿下のお気遣い嬉しく思います」

「良かった。アキナはお酒は召し上がりますか?」

「はい、強い訳ではありませんが、お付き合いさせていただきます」


そう言うと、クリスタルのフルートグラスにシャンパンが注がれた。

胸の高さにグラスを持ちあげ目礼をするのがこの国のルールの様だ。

皇太子殿下を真似て目礼を返し、一口含む。


シュワっと炭酸の弾ける爽やかさが広がり、少しの酸味とぶどうの香りが鼻を抜けた。

「華やかですが、後味がスッキリとしていて。美味しいですね」

「我が国では気候のせいか中々美味しいシャンパンは作れないのですが、お口に合って良かった」

お酒のお陰か、少し饒舌になった殿下は、子供の頃から妖精の華客に憧れていた話やこの国のこと

慣れない私に配慮して色々と教えてくれた。

私に異世界の事を尋ねた時は、子供の様にキラキラと瞳を輝かせて。


さぁ、次回は運命が動き出します。

妖精は主人公が大好きですから、色々と引き起こしますね。。。

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